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アリチアミン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アリチアミン
IUPAC命名めいめいほうによる物質ぶっしつめい
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
554-44-9
ATCコード None
PubChem CID: 3037212
ChemSpider 2301021 チェック
化学かがくてきデータ
化学かがくしきC15H22N4O2S2
分子ぶんしりょう354.49 g/mol
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アリチアミンえい: Allithiamine)は、ニンニク独特どくとく臭気しゅうき成分せいぶんであるアリシン水溶すいようせいのビタミンB1(チアミン)が会合かいごうすることによって生成せいせいされる化合かごうぶつである。

ニンニクの細胞さいぼう破壊はかいされることによってニンニクにふくまれる無臭むしゅうアリイン酵素こうそアリナーゼとが会合かいごうし、ニンニク独特どくとく臭気しゅうき成分せいぶんのアリシンに変化へんかする。このアリシンが水溶すいようせいのビタミンB1と会合かいごうすることによりアリチアミンに変化へんかする。

ビタミンB1分解ぶんかい酵素こうそチアミナーゼ)から分解ぶんかいされにくくなり、また、チアミンよりも吸収きゅうしゅうりつがよくなるといわれている。

アリチアミンについてつぎのような歴史れきし存在そんざいする。1952ねん昭和しょうわ27ねん)3がつ8にち京都きょうと大学だいがく医学部いがくぶ衛生えいせいがく教室きょうしつ藤原ふじわらもとてんは、武田薬品工業たけだやくひんこうぎょう研究けんきゅう提携ていけいしてニンニクとビタミンB1が反応はんのうするとニンニクの成分せいぶんアリシンがB1(チアミン)に作用さようしてできる「アリチアミン」ができると報告ほうこくした[1]。そのアリチアミンは、体内たいないでB1にもどり、さらに腸管ちょうかんからの吸収きゅうしゅうがきわめてよく、ちゅうB1濃度のうど上昇じょうしょう顕著けんちょ長時間ちょうじかんつづく、という従来じゅうらいのビタミンB1製剤せいざいにはない特性とくせいがあることを報告ほうこくした[2]。また、武田薬品工業たけだやくひんこうぎょうは、アリチアミンの製剤せいざいちかられ、1954ねん昭和しょうわ29ねん)3がつ、アリチアミンの誘導体ゆうどうたいであるプロスルチアミン内服薬ないふくやくアリナミンじょう」が発売はつばいされ、従来じゅうらいのビタミンB1ざいられないすぐれた効果こうかしめした[3]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ FUJIWARA, Motonori、WATANABE, Hiroshi「Allithiamine, a Newly Found Compound of Vitamin B1」『Proceedings of the Japan Academyだい28かんだい3ごうthe Japan Academy、1952ねん3がつ12にち、156-158ぺーじdoi:10.2183/pjab1945.28.156ISSN 0021-42802020ねん1がつ25にち閲覧えつらん 
  2. ^ 藤原ふじわらもとてん、1953、「アリチアミンの発見はっけん」、『ビタミン』6かん日本にっぽんビタミン学会がっかいdoi:10.20632/vso.6.0_857NAID 10002872164 pp. 857-862
  3. ^ 山下やました政三まさぞう鴎外おうがいもり林太郎りんたろう脚気かっけ紛争ふんそう日本にっぽん評論ひょうろんしゃ、2008ねん、459-460ぺーじ