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サッシ

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アルミサッシから転送てんそう

サッシ英語えいご: sash)とは、サッシュともいい、まどわくとしてもちいる建材けんざいのことをいう。あるいは、まどわくもちいた建具たてぐであるサッシまどそのものをサッシとぶこともおおい。英語えいごでSash window(サッシまど)というときには、まど(ギロチンまど)のことをすことがおおい。

サッシは材質ざいしつにより、アルミせい(アルミサッシ)、木製もくせい、プラスチックせいふくあい材料ざいりょうせいがある[1]。アルミサッシは安価あんかだが断熱だんねつせいひくいためになつ室内しつないあつくなり、ふゆ室内しつないさむくなる[2]木製もくせいサッシは断熱だんねつせいぼうせいすぐれる[1]。また、2016-2017ねん時点じてん樹脂じゅしサッシ普及ふきゅうりつは、ヨーロッパやく70%、韓国かんこく80%、日本にっぽんは17%となっている[3]

またサッシは構造こうぞうによりいちじゅう構造こうぞうのものとじゅう構造こうぞうのものがある[1]

材質ざいしつ

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サッシの材質ざいしつは、ふるくはせいスチールせいおおかったが、2014ねん現在げんざいでは樹脂じゅしおもで、いで木製もくせいやアルミニウムせいとなっている[4]

アルミサッシ

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アルミサッシはアルミニウム合金ごうきんせいのサッシで、加工かこうがしやすいことからひろもちいられており、2014ねん現在げんざい日本にっぽんでシェアの9わりを、中国ちゅうごくでは7わりめている。一方いっぽうで、ねつ伝導でんどうりつ非常ひじょうたかいため断熱だんねつ性能せいのう非常ひじょうひくく、暖房だんぼう冷房れいぼう使つかってもアルミサッシをつたわってねつ交換こうかんされてしまい、住宅じゅうたく全体ぜんたいのエネルギー効率こうりつ悪化あっかになるためアメリカではぜん50しゅうのうち24しゅう使用しよう禁止きんしされるなど、素材そざいへの移行いこうすすんでいる[4]

日本にっぽんでは高度こうど成長せいちょうさかい安価あんかかつ、腐食ふしょくつよ加工かこうらくなアルミサッシがほとんどとなった。しかし、冷暖房れいだんぼう効率こうりつ低下ていか結露けつろ発生はっせいするため、近年きんねんでは日本にっぽんでも結露けつろ防止ぼうし保温ほおんせい重視じゅうしした樹脂じゅしせい屋外おくがいがわにアルミ、室内しつないがわ樹脂じゅし使つかったふくあい素材そざいのサッシが使つかわれるようになっている。アルミサッシをそとわくうちわくけ、あいだ樹脂じゅし部品ぶひんはさんで断熱だんねつせいたかめた「ねつ遮断しゃだんサッシ」も開発かいはつされたが、主流しゅりゅうとはならなかった[5]

アルミニウムの融点ゆうてんはがねなどよりもひくく、合金ごうきんでも700 程度ていどであるため、アルミサッシは火災かさいときけてガラスがちる可能かのうせいがあり、2011ねん平成へいせい23ねんごろには日本にっぽん国内こくない流通りゅうつうしていた防火ぼうかアルミサッシのおおくが建築けんちく基準きじゅんほうさだめられた防火ぼうか性能せいのうたしていないこと発覚はっかくし、サッシメーカー各社かくしゃ防火ぼうかアルミサッシの販売はんばい一斉いっせい中止ちゅうしした[6]ふくそうガラス普及ふきゅうともない、ガラス自体じたい結露けつろったため、耐火たいか性能せいのう断熱だんねつ性能せいのうたかさにくわえ、リサイクルせいにもすぐれている木製もくせいサッシの利用りよう見直みなおされている。

サッシの断熱だんねつ性能せいのうについては、しょうエネ建材けんざい等級とうきゅう制度せいど2008平成へいせい20)年度ねんどからスタートし、ねつ貫流かんりゅうりつ2.33 W/m2Kをさい高値たかねとしたほしけがおこなわれ、ねつ貫流かんりゅうりつ性能せいのう表示ひょうじされる。

なお、アルミサッシの製造せいぞう拠点きょてんは、YKK APさんきょう立山たてやまアルミきゅう新日軽しんにっけいげん: LIXIL)が中心ちゅうしんてき拠点きょてん富山とやまけん集中しゅうちゅうしている傾向けいこうがある。これは、戦前せんぜんから高度こうど成長せいちょうにおいてアルミ電解でんかい必要ひつようとする膨大ぼうだいかつ安価あんか電力でんりょくが、水力すいりょく発電はつでんにより潤沢じゅんたくであった名残なごりである[ちゅう 1]

樹脂じゅしサッシ

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各国かっこくでの樹脂じゅしサッシの普及ふきゅうりつは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく65 %、イギリス76 %、ドイツ64 %、韓国かんこく80 %となっている[2]日本にっぽんでは塩化えんかビニル樹脂じゅしメーカーのサン・アロー化学かがくげんエクセルシャノン)が1966ねん昭和しょうわ41ねん)から開発かいはつはじめ、1976ねん昭和しょうわ51ねん)に発売はつばいしたのが最初さいしょたが[8]北海道ほっかいどう以外いがいでは普及ふきゅうすすんでおらず、20 %にとどまっている[9]

構造こうぞう

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サッシは構造こうぞうによりいちじゅう構造こうぞうのものとじゅう構造こうぞうのものがあり、わせるガラスによりふくそうガラスようたんいたガラスようがある[1]

アルミがたざいなかあいだ樹脂じゅし材料ざいりょうにしたねつ遮断しゃだん構造こうぞうサッシや、アルミがたざいとプラスチックがたざいをかんあわしたアルミ樹脂じゅしふくあいサッシなどの断熱だんねつぼう構造こうぞうサッシがある[1]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 日本にっぽんのアルミニウムせい参照さんしょう。アルミナ電解でんかい工場こうじょうには住友すみとも化学かがく富山とやま工場こうじょう日本曹達にほんそうだ高岡たかおか工場こうじょう[7]やがあり、また近隣きんりんけんでも生産せいさん工場こうじょうがあった。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e 11.建具たてぐ造作ぞうさく工事こうじ 一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん住宅じゅうたく金融きんゆう普及ふきゅう協会きょうかい 2023ねん7がつ22にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 意外いがいられてない…日本にっぽんいえが「あつすぎる」とんでもない理由りゆう. (2020ねん8がつ22にち). https://gentosha-go.com/articles/-/28478 2020ねん9がつ8にち閲覧えつらん 
  3. ^ 住宅じゅうたく設備せつび】(まど-1)なぜ日本にっぽん樹脂じゅしサッシの普及ふきゅうおくれた? | 一条いちじょう工務こうむてんi-smartルポ”. www.smart-house-report.com. 一条いちじょう工務こうむてん. 2023ねん1がつ24にち閲覧えつらん
  4. ^ a b ひく断熱だんねつせいなぜ放置ほうち世界せかいおくれる「まど後進こうしんこくニッポン”. 日経新聞にっけいしんぶん (2014ねん11月7にち). 2014ねん11月16にち閲覧えつらん
  5. ^ 時代じだいいちさきんだ、"エコ"で"しょうエネ"なアルミ樹脂じゅしふくあいサッシ - リクシル・アルプラ70(更新こうしん不明ふめい / 2015ねん10がつ2にち閲覧えつらん
  6. ^ 住宅じゅうたくよう防火ぼうかサッシ、一斉いっせい販売はんばい終了しゅうりょう - 日系にっけいBPケンプラッツ 2011ねん8がつ18にち
  7. ^ 下谷しもたに政弘まさひろ日本曹達にほんそうだ工場こうじょう展開てんかい - にち曹コンツェルン形成けいせい(2)」『經濟けいざい論叢ろんそうだい1-2ごう、1982ねんhttps://doi.org/10.14989/1339382020ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  8. ^ 歴史れきしかん】エクセルシャノン:北海道ほっかいどうまどかたえた 日本にっぽんはつ樹脂じゅしまど”. 月刊げっかん Smart House (2023ねん10がつ12にち). 2023ねん10がつ12にち閲覧えつらん
  9. ^ 日本にっぽんでの樹脂じゅしサッシ普及ふきゅうりついまだ20%。(YKK AP調しらべ)”. https://risou-r.jp/marketing/20190927-penetration/ 2021ねん6がつ6にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

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メーカー

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外部がいぶリンク

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