アントン・ディアベリ

アントン・ディアベリ（Anton Diabelli, 1781年ねん9月6日にち - 1858年ねん4月がつ7日にち）は、ザルツブルクの北きた約やく20kmにあるマットゼーで生うまれ、ウィーンで没ぼっした古典こてん派はの作曲さっきょく家かで、出版しゅっぱん業者ぎょうしゃ。イタリア語ご名なでアントーニオ・ディアベッリ（Antonio Diabelli）と呼よばれることもある。

生涯しょうがい

• 1781年ねん（0歳さい） 誕生たんじょう。少年しょうねん時代じだいはザルツブルクの聖歌せいか隊たいに所属しょぞくし、ミヒャエル・ハイドンに指導しどうを受うける。
• 1800年ねん（19歳さい） バイエルンのライテンハスラッハ修道院しゅうどういん（Kloster Raitenhaslach）で僧職そうしょくに就つくべくラテン語らてんごなどを学まなぶ。
• 1803年ねん（22歳さい） 僧職そうしょくを辞じしてウィーンに行いき、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンに師事しじ、暖あたたかく迎むかえられる。
• 1817年ねん（36歳さい） 友人ゆうじんピエトロ・カッピ（Pietro Cappi）と楽譜がくふ出版しゅっぱん社しゃを創業そうぎょう、家庭かていでの音楽おんがく演奏えんそうのための楽譜がくふで成功せいこうする。
• 1819年ねん（38歳さい） 当時とうじのオーストリアの作曲さっきょく家かに、自分じぶんの考かんがえた主題しゅだいによる変奏曲へんそうきょくの作曲さっきょくを公募こうぼし、約やく50名めいからの作品さくひんが集あつまる。フランツ・シューベルトはピアノ変奏曲へんそうきょく（作品さくひん番号ばんごうD.718）を提出ていしゅつし、11歳さいのフランツ・リストも処女しょじょ作さくの変奏曲へんそうきょく（作品さくひん番号ばんごうS.147）を提出ていしゅつ。カール・チェルニーは変奏曲へんそうきょくの最終さいしゅう楽章がくしょう（コーダ）を作曲さっきょくした。これらの作品さくひんは愛国あいこく芸術げいじゅつ家か協会きょうかい （Vaterländischer Künstlerverein）の名なで出版しゅっぱんした(詳細しょうさいは下した参照さんしょう)。ただしベートーヴェンは共同きょうどう作業さぎょうに興味きょうみを持もたなかったようで、33曲きょくからなる長大ちょうだいな変奏曲へんそうきょく（ディアベリ変奏曲へんそうきょくOp.120）を独自どくじに作曲さっきょく。これは1824年ねんに単独たんどくでの出版しゅっぱんとなった。
• 1824年ねん（43歳さい） カッピとの出版しゅっぱん社しゃを「ディアベリ商会しょうかい」として運営うんえい。シューベルト、ベートーヴェン、チェルニー、ランナー等ひとしの作品さくひんを出版しゅっぱんした。

ディアベリはオペラ『苦境くきょうにあるアダム』（Adam in der Klemme）、ギター曲きょく、ミサ曲きょく、歌曲かきょく、多数たすうのピアノ小品しょうひんなどを書かいたが、現在げんざいではソナチネなどのピアノ作品さくひんが時ときたま演奏えんそうされる。作品さくひん151の4つのソナチネの中なかで、第だい4番ばんを除のぞく全ぜん作品さくひんが『ソナチネアルバム』第だい2巻かんに収録しゅうろくされている。ディアベリは『ソナチネアルバム』の第だい2巻かんで初はじめて登場とうじょうした作曲さっきょく家かでもあり、他たではディアベリのソナチネは作品さくひん168（7曲きょく）や連弾れんだん用ように書かかれた作品さくひんも多数たすう残のこされている。事実じじつ上じょう、ベートーヴェンの作曲さっきょくした『ディアベリ変奏曲へんそうきょく』が作曲さっきょく家かとしての彼かれの名なを不滅ふめつにしたと言いえる。

ディアベリのワルツによる変奏曲へんそうきょく集しゅう

詳細しょうさいはVaterländische Künstlervereinを参照さんしょう。この曲きょく集しゅうは抜粋ばっすい録音ろくおんがいくつかあるほか、全曲ぜんきょく録音ろくおんが2枚まいある。楽譜がくふは外部がいぶリンクのIMSLP内うちの「愛国あいこく芸術げいじゅつ家か協会きょうかい」("Vaterländische Künstlerverein")から入手にゅうしゅできる。

主題しゅだい

1. イグナッツ・アスマイヤー (Ignaz Aßmayer)
2. カール・マリア・フォン・ボックレト
3. レオポルト・オイスタッヘ・チャペック (Leopold Eustache Czapek)
4. カール・チェルニー
5. ヨーゼフ・チェルニー (Joseph Czerny)
6. モーリッツ・フォン・ディートリッヒシュタイン (Moritz von Dietrichstein)
7. ヨゼフ・ドレクスラー (Joseph Drechsler)
8. エマヌエル・アロイス・フェルスター
9. フランツ・ヤーコプ・フライシュテットラー (Franz Jakob Freystädtler)…モーツァルトの弟子でしで、レクイエムの補筆ほひつを手伝てつだう。
10. ヨハン・バプティスト・ゲンスバッハー (Johann Baptist Gänsbacher)
11. ヨゼフ・ゲリネック (Josef Gelinek)
12. アントン・ハルム (Anton Halm)
13. ヨアヒム・ホフマン (Joachim Hoffmann)
14. ヨハン・エヴァンゲリスト・ホルツァルカ (Johann Evangelist Horzalka)
15. ヨゼフ・フグルマン (Joseph Huglmann)
16. ヨハン・ネポムク・フンメル　
17. アンゼルム・ヒュッテンブレンナー (Anselm Hüttenbrenner)…シューベルトの友人ゆうじん。
18. フリードリヒ・カルクブレンナー
19. フリードリヒ・アウグスト・カンネ (Friedrich August Kanne)
20. ヨゼフ・ケルツコフスキー (Joseph Kerzkowsky)
21. コンラディン・クロイツァー
22. ハインリヒ・エドゥアルト・ヨゼフ・フォン・ラノイ (Heinrich Eduard Josef von Lannoy)
23. マキシミリアン・ヨゼフ・ライデスドルフ (Maximilian Joseph Leidesdorf)
24. フランツ・リスト (S.147)　
25. ヨゼフ・マイゼダー (Joseph Mayseder)
26. イグナーツ・モシェレス
27. イグナッツ・フランツ・フォン・モゼル (Ignaz Franz von Mosel)
28. フランツ・クサーヴァー・モーツァルト
29. ヨゼフ・パニー (Joseph Panny)
30. ヒエロニュムス・パイヤー (Hieronymus Payer)
31. ヨハン・ペーター・ピクシス
32. ヴェンツェル・プラヒー (Wenzel Plachy)
33. ゴットフリート・リーガー (Gottfried Rieger)
34. フィリップ・ヤコプ・リオッテ (Philipp Jakob Riotte)
35. フランツ・デ・パウラ・ローザー (Franz de Paula Roser)
36. ヨハン・バプティスト・シェンク (Johann Baptist Schenk)
37. フランツ・ショーバーレヒナー (Franz Schoberlechner)
38. フランツ・シューベルト (D.718)：IMSLPの楽譜がくふ
39. ジーモン・ゼヒター(Simon Sechter)…対位法たいいほうの大家たいかで、シューベルト、アントン・ブルックナーの師し。
40. S. R. D. (Serenissimus Rudolphus Dux)―セレニッシムス・ルドルフス・ドゥクス
41. マクシミリアン・アベ・シュタードラー
42. ヨゼフ・ドゥ・サライ (Josephe de Szálay)
43. ヴェンツェル・ヨハン・トマシェック
44. ミヒャエル・ウムラウフ (Michael Umlauff)
45. フリードリヒ・ディオニズス・ウェーバー
46. フランツ・ウェーバー (Franz Weber)
47. カール・アンゲルス・フォン・ヴィンクラー (Carl Angelus von Winkhler、Charles Angelus de Winkhler)
48. フランツ・ヴァイス (Franz Weiß)
49. ヤン・ネポムク・マティアス・ネポムク・アウグスト・ヴィタセック (Jan Matyáš Nepomuk August Vitásek)
50. ヤン・フーゴー・ヴォルツィシェク

コーダ：カール・チェルニー

外部がいぶリンク

• アントニオ・ディアベリの楽譜がくふ - 国際こくさい楽譜がくふライブラリープロジェクト