インド英語えいご

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インド英語えいご
Indian English
はなされるくに インドの旗 インド
創案そうあん時期じき 1947ねんパキスタン英語えいごとの分化ぶんか
地域ちいき みなみアジア
話者わしゃすう 母語ぼごやく26まんにん
言語げんご系統けいとう
表記ひょうき体系たいけい ラテン文字もじ
言語げんごコード
ISO 639-1 en
ISO 639-2 eng
ISO 639-3 eng
Glottolog indi1255[1]
 
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インド英語えいご(インドえいご、英語えいご: Indian English)とは、インド(インド共和きょうわこく)で使つかわれる英語えいご方言ほうげんのこと。「くにべつ英語えいご話者わしゃすうランキング」によると、アメリカ英語えいごつぎはな人口じんこうおおい。インド共和きょうわこくでは、イギリスによる植民しょくみんはじめ、イギリス英語えいご普及ふきゅうはじめた。英語えいごはインド共和きょうわこく公用こうよう言語げんご(いわゆる国語こくご)になっている[2]。インド英語えいごでは現在げんざいでも、アメリカ英語えいごではなく、イギリス英語えいご単語たんご使用しようされている[3]

パキスタン英語えいごスリランカ英語えいごバングラデシュ英語えいごとはことなっている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

発音はつおんつづ[編集へんしゅう]

イギリス英語えいご基調きちょうとしているものの、Rをつよ発音はつおんするため、母音ぼいん後続こうぞくしないRも日本人にっぽんじんみみには「ル」のようにこえる(park → パルク)。現代げんだいえいべいでは発音はつおんされないおとふくめて、つづどおりにむ(Wednesday → ウェドネスデイ)[4]

  • “r”を【ル】と発音はつおんするれい
    • water(みず)- ウォータル
    • air(空気くうき)- エアル
    • park(公園こうえん)- パルク
    • paper(かみ)- ペーパル
    • super market(商店しょうてん)- スーパル・マルケット
  • だま発音はつおんするれい
    • bomb(ばくだん)- ボンブ
    • receipt(領収証りょうしゅうしょう)- レシプト
    • Wednesday(水曜日すいようび)- ウェドネスデイ

ヒンディーなどインドのしょ言語げんごからの借用しゃくよう使つか[4]、また英語えいご本来ほんらい単語たんごでも、イギリス古典こてん文学ぶんがく登場とうじょうするようなふるめかしいものをもちいる場合ばあいがある(shopわりに shoppeもちいる)[5]という特徴とくちょうもある。

文法ぶんぽう[編集へんしゅう]

ヒンディー影響えいきょうから進行しんこうがた非常ひじょう多用たようし、インド英語えいごでは英語えいご動詞どうしの70%ちかくが、現代げんだい進行しんこうがた時制じせい堂々どうどうとまかりとお[4]ときにアメリカ英語えいごやイギリス英語えいごでは通常つうじょう進行しんこうがたにしない単語たんごも、普通ふつう-ing 進行しんこうがた表現ひょうげんされる[4]

  • れい: I am understanding it.かったよ。」[4]
  • れい: He is having two books.かれほんさつっている。」[4]
  • れい: He was knowing it.かれはそれをっていた。」[4]

付加ふか疑問ぎもんがたは、 no または correct付加ふかすることがある[4]

  • れい: He is a student, no?かれ学生がくせいじゃない?」[4]
  • れい: You are from Japan, correct?きみたし日本人にっぽんじんだよね」[4]

ヒングリッシュ[編集へんしゅう]

ヒンディーなまりの英語えいごはヒンドゥー・イングリッシュ、りゃくしてヒングリッシュ英語えいごばんばれる。なお、インドでは憲法けんぽうによって英語えいご連邦れんぽう公用こうよう地位ちいにあり、英語えいごはインドの共通きょうつうとして使つかわれている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “インド英語えいご. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/indi1255 
  2. ^ Official Language Act, India”. Government of India. 2020ねん1がつ8にち閲覧えつらん
  3. ^ Indian English vs American English”. Immihelp. 2020ねん1がつ8にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h i j 末延すえのぶ岑生みねお『ニホン英語えいご世界せかいつうじる』〈平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ〉 2010ねん ISBN 9784582855357 p147-151
  5. ^ 本名ほんな信行のぶゆきへん『アジア英語えいご辞典じてん三省堂さんせいどう、P.26-27。ISBN 4-385-11028-X

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]