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ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
北東ほくとう方向ほうこうから撮影さつえいしたウォーターシップ・ダウン、2004ねん3がつ31にち撮影さつえい

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』(Watership Down)は、イギリス作家さっかリチャード・アダムスによる児童じどう文学ぶんがくである。1973ねんカーネギーしょうガーディアンしょうをダブル受賞じゅしょうした。日本にっぽんでは1975ねん神宮じんぐう輝夫てるおわけ評論ひょうろんしゃから発行はっこうされている。なお、2006ねんには新訳しんやくばん発行はっこうされ、『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』に改題かいだいとなった(「うさぎ」→「ウサギ」)。

概要がいよう

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うさぎ主人公しゅじんこうえがいた児童じどう文学ぶんがく作品さくひんで、リチャード・アダムスの処女しょじょさくである。タイトルはイングランドハンプシャーしゅう北部ほくぶにあるおか名前なまえにちなんだもので、アダムス自身じしんそだった場所ばしょでもある。この物語ものがたりは、もともとはアダムスが、田舎いなか旅行りょこうあいだ自分じぶん子供こどもたちにはなしてかせた物語ものがたりをまとめたものであり[1][2]原稿げんこうは7の出版しゅっぱんもと[注釈ちゅうしゃく 1]拒絶きょぜつされるも、1972ねんにレックス・コリンズしゃから出版しゅっぱんされた[3]

この物語ものがたり登場とうじょうするウサギの習性しゅうせい身体しんたい能力のうりょくなどは、ほとんど擬人ぎじんされておらず、現実げんじつのウサギにちかい。しかし精神せいしんてきめんにおいてはたか知性ちせいち、独特どくとく言語げんごやことわざ、詩歌しか神話しんわといった高度こうど文化ぶんかまで存在そんざいとしてえがかれている。いくつかの出版しゅっぱんしゃのバージョンにはウサギ用語ようごしゅう付録ふろくとしてつけられている。イソップ童話どうわのような寓意ぐういてき物語ものがたりとはことなる英雄えいゆう物語ものがたりてきファンタジーとえる(物語ものがたりくわしい内容ないようについては#あらすじふし参照さんしょう)。

1996ねん、アダムズは、ウォーターシップ・ダウンのむらのうさぎたちや、本書ほんしょ登場とうじょうする伝説でんせつじょうのうさぎのおうエル・アライラーを主人公しゅじんこうとした19の短編たんぺんあつめた、Tales from Watership Down出版しゅっぱんした(日本語にほんごわけ)。

登場とうじょうキャラクター

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ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち、またかれらにかかわる主要しゅようキャラクターについて解説かいせつする。うさぎたちの名前なまえには基本きほんてきに、ヘイズル(ヘーゼルナッツ)などの植物しょくぶつめいやそれに関係かんけいした自然しぜん事象じしょう使つかわれている。併記へいきした声優せいゆうはテレビアニメばん日本語にほんごえキャストである。

ウォーターシップ・ダウン

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ヘイズル(こえ川島かわしまとくあい
いちぎょうちょう物語ものがたり開始かいし時点じてんでは、まだ経験けいけんあさわかいうさぎ(いち年子としご)だが、若衆わかしゅぐみにありがちなおどおどしたところはなく、おとうとファイバーには「いずれ上士じょうし(アウスラ)になれる」とひょうされている。災厄さいやく到来とうらい予言よげんするファイバーの言葉ことばしんじ、仲間なかまあつめ、かれらをれてサンドルフォードを脱出だっしゅつする。
ファイバー(こえ宮田みやたみゆき
危険きけん察知さっちする能力のうりょくのあるウサギ。神経質しんけいしつはひよわだが、意志いしつよい。名前なまえは5つのうちのすえ意味いみだが、うさぎにとって5以上いじょうは「たくさん」となるため実際じっさいに5つであったかは不明ふめい。うさぎめいの「フライルー(フレア・ルー)」も「ちいさなたくさん」を意味いみする。サンドルフォード繁殖はんしょくおそだい災厄さいやく予感よかんし、むらてることを主張しゅちょうする。
ビグウィグ(こえ中田なかた譲治じょうじ
もとサンドルフォードの上士じょうし(アウスラ)。うさぎめいは「スライリ」(毛皮けがわあたまもしくはだいかつら)で、あたまうえだけ分厚ぶあつがかぶさる独特どくとく風貌ふうぼうつ。ちからつよいが直情ちょくじょうてき。ヘイズル、ファイバーのスリアラー(ちょう)への謁見えっけんゆるしたことで叱責しっせきけアウスラを解任かいにんされ、ヘイズルたちの逃避行とうひこうくわわる。のちにウォーターシップ・ダウンのむらのアウスラあたまとなる。
シルバー
もとサンドルフォードのアウスラ。スリアラーのおいわかくアウスラになりたての物静ものしずかで率直そっちょくゆう名前なまえ由来ゆらいでもある、灰色はいいろ白斑はくはんわった毛並けなみや血筋ちすじでからかわれたり、揶揄やゆされることもあり、ビグウィグのさそいにっていちぎょうくわわる。
ダンディライアン(こえ鈴木すずき勝美かつみ
はなし上手じょうずなウサギ。れのかたとして仲間なかまからしばしばはなしをせがまれ、そのとき状況じょうきょうった昔語むかしがたりを披露ひろうしては、みな元気げんきづける。れで一番いちばん俊足しゅんそくぬしでもある。
ブラックベリ(こえ塩山しおやま由佳ゆか
知恵者ちえしゃ状況じょうきょう分析ぶんせきれの命運めいうんにぎ作戦さくせん立案りつあんなど、いちぎょうかれ知恵ちえのおかげでいくども危機ききのがれる。みみさきくろい。TVアニメばんでは設定せっていがメスにわっている。
バックソーン
ブラックベリがれてきた力強ちからづよくたくましいうさぎ。物語ものがたり開始かいし時点じてんでは若衆わかしゅいちだが、大人おとなになればアウスラ昇格しょうかく間違まちがいないとわれていた。
ピプキン(こえあおきさやか
からだちいさく臆病おくびょうなウサギ。うさぎめいは「フラオ」もしくは「フラオ・ルー」。ヘイズルには忠実ちゅうじつ
ホークビット(こえ小森こもりはじめかい
ヘイズルいわあたますこよわいウサギ。
スピードウェル
ブラックベリがれてきたウサギ。
エイコン
ブラックベリがれてきたウサギ。
キハール(こえ大川おおかわとおる
わたりの途中とちゅう傷付きずつけいたユリカモメ。名前なまえせるなみおとしめしたものとされる。ウォーターシップ・ダウンのうさぎたちにたすけられる。きずえたがわたりの時機じきいっしたため、一季いっきをヘイズルたちとごすことになり、その冒険ぼうけんたすける。直情ちょくじょうてき戦闘せんとうてき気質きしつから、ビグウィグととく意気投合いきとうごうする。

サンドルフォード

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スリアラー
サンドルフォードのちょう。すでに年老としおいているが、冷静れいせいかつ思慮しりょふかく、れの尊崇そんすうあつめる。むら維持いじするためであればとき冷酷れいこく手段しゅだんる。
トードフラックス
サンドルフォードのアウスラ。したのものには尊大そんだいにふるまう。
ホリー
スリアラーの信頼しんらいあつい、サンドルフォードのアウスラのあたま自分じぶん本分ほんぶん忠実ちゅうじつで、健全けんぜん良識りょうしきてきだが、うさぎらしい茶目ちゃめにはややとぼしい。ヘイズルいちぎょうのサンドルフォード出発しゅっぱつ当夜とうや謀反むほんくわだてたとしてビグウィグ、シルバーを拘束こうそくしようとする。のちいちぎょう合流ごうりゅうする。
ブルーベル
ホリーに忠実ちゅうじつしたが下士かしえずしゃべりまくる道化師どうけしてき存在そんざいだが、それが、傷付きずつけいたホリーをはげましつづけることになる。ホリーとともにいちぎょう合流ごうりゅうする。

カウスリップのむら

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カウスリップ
ヘイズルたちみずからのむら招待しょうたいしたウサギ。
シルバーウィード
カウスリップのむら詩人しじん。うさぎ古来こらい冒険ぼうけんたん忌避きひするむらなかで、諦観ていかんにしてうたう。
ストローベリー
カウスリップのむら住人じゅうにん。そのヘイズルいちぎょうくわわる。
ニルドロ=ハイン
ストローベリーのつま

ナットハンガー農場のうじょう

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クローバー
農場のうじょうわれていた4のうさぎの1快活かいかつなアンゴラしゅのめすで、ウォーターシップ・ダウンでのはじめての「母親ははおや」になる。
ボックスウッド
農場のうじょういうさぎの1白黒しろくろまだらのヒマラヤしゅのおす。
ヘイスタック
農場のうじょういうさぎの1。ヒマラヤしゅのめす。ボックスウッドのい。

エフラファ

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ウーンドウォート将軍しょうぐん新訳しんやくではウンドワート)
エフラファのむらちょうウサギ。巨躯きょくで、みのエリル(うさぎ肉食にくしょくじゅうなど外敵がいてき)とは互角ごかく以上いじょうたたかえる戦闘せんとうりょくつ。長老ちょうろうかいとアウスラだんひきい、強力きょうりょく支配しはい体制たいせいく。
キャンピオン隊長たいちょう
エフラファの「だい哨戒しょうかい」をひきいる上級じょうきゅう士官しかん経験けいけんんだ勇敢ゆうかんなうさぎで、すぐれた追跡ついせきしゃ上下じょうげ信頼しんらいあつい。
ブラッカバー
かつてエフラファの体制たいせいへの反抗はんこう逃亡とうぼうこころみ、囚人しゅうじんとなる。なが虐待ぎゃくたいのためがらのようになっていたが、逃避行とうひこうくわわり徐々じょじょ生来せいらい能力のうりょくもどす。
ハイゼンスレイ
名前なまえ意味いみは「ひか」。エフラファの体制たいせい批判ひはんてきなめす。ファイバーほどではないが、予知よち能力のうりょくがある。
セスシナング
名前なまえ意味いみは「うごき」。ハイゼンスレイの仲間なかまのめす。ハイゼンスレイとともにエフラファから逃亡とうぼうするめすたちをひきいる。
ビルスリル
ハイゼンスレイの仲間なかまのめす。ハイゼンスレイ、セスシナングとともにエフラファから逃亡とうぼうした。のちにファイバーの理解りかいしゃとなる。
ネルシルタ
ハイゼンスレイの仲間なかまのめす。思慮しりょりないわかいうさぎで、その行動こうどうがビグウィグたちに危機ききをもたらすことになる。

シーザーズ・ベルト

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グランスル Groundsel
のちにシーザーズ・ベルト近辺きんぺんかれる繁殖はんしょく初代しょだいちょうもとはエフラファの出身しゅっしん

神話しんわ

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エル・アライラー
またのを「エリル・フレア・ラー(せんてきおう)」。伝説でんせつじょうのうさぎぞくおうにして英雄えいゆう。うさぎぞく繁栄はんえいのために知略ちりゃくくす。その数々かずかず冒険ぼうけんたんは、うさぎのかたにとって中心ちゅうしんてきレパートリーとなっている。
ラブスカトル
エル・アライラーにけずおとらず機略きりゃくみ、かつ忠実ちゅうじつ信頼しんらいのおけるアウスラあたま
フリス
ウサギぞく神話しんわにおける創世そうせいしん
にじ王子おうじ
フリスに大地だいち大空おおぞら支配しはいする権限けんげんあたえられた存在そんざい。エル・アライラーとなんあらそう。
インレのくろウサギ
ウサギぞくにとっての象徴しょうちょう

用語ようご

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物語ものがたりちゅう頻出ひんしゅつするうさぎ

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アウスラ(上士じょうし) owsla
れ(むら)における幹部かんぶ階級かいきゅうむら外敵がいてきからまも戦士せんし階級かいきゅうであることがおおいが、これはむら性格せいかくによってもちがい、すぐれたかた特別とくべつ能力のうりょくつうさぎがアウスラになることもある。
インレ Inlé
つき。「フ・インレ(つきだしのち)」は、正確せいかく時間じかん観念かんねんがないうさぎたちにとって、ある程度ていど目安めやすとして多用たようされる。
エリル elil
ねこ、いたち、きつねをはじめとする肉食にくしょくじゅう人間にんげんなど、うさぎにとってのてき
サーン tharn
おおきなショックや恐怖きょうふから、麻痺まひ自失じしつ状態じょうたいおちいること。サーン状態じょうたいのうさぎは、まもることもできず、非常ひじょう危険きけん状況じょうきょうおちいる。
シルフレイ silflay
あなそとにでて食事しょくじること、あるいは食事しょくじそのものをす。フレイ flay は、くさなどみどりえさのこと。
フリス Frith
太陽たいよう。うさぎにとっての創造そうぞうしんでもある。「ニ・フリス」は正午しょうごす。
フルドド hrududu
自動車じどうしゃ、あるいはトラクターなど内燃ないねん機関きかんもちいた人間にんげんもの全般ぜんぱんす。
フレア hrair
たくさん。
フレッシル hlessi, hlessil(複数ふくすうがた
れをはなれて放浪ほうろうする(ゆうの)はぐれうさぎ。
ラー rah
ちょう首領しゅりょうしめす。れのちょうになると、名前なまえにラーをけてばれる。

その用語ようご

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シーザーズ・ベルト
ローマ街道かいどう丘陵きゅうりょうるあたりの森林しんりんたい。ウォーターシップ・ダウンとエフラファのほぼちゅうあいだで、のちにヘイズルの構想こうそうでここに繁殖はんしょく設立せつりつたん編集へんしゅうによれば、この繁殖はんしょくはVleflain[4]命名めいめいされている。
がき共通きょうつう
物語ものがたり登場とうじょうする動物どうぶつたちはそれぞれ自分じぶん種族しゅぞく言葉ことばつが、それとはべつに、(うさぎとねずみなど)種族しゅぞくをまたいで意志いし疎通そつうはかるための、語彙ごい文法ぶんぽうのごくかぎられた言葉ことば
しろけむり
うさぎにとってのおおきな災厄さいやくのひとつで、伝染病でんせんびょうもしくは人間にんげん使つかどくガス。
はしるのをやめる
ぬことをあらわすうさぎ独特どくとくのいいまわし。
ボブ・ストーンズ
あななかでうさぎたちがこのんでおこなうゲーム。小石こいしなどを前足まえあしかくし、かずう。

あらすじ

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実在じつざいのウォーターシップ・ダウン。 ハンプシャーしゅう キングスクレア英語えいごばんむら近郊きんこうにある。1975ねん当時とうじ

英国えいこくハンプシャーしゅうに、サンドルフォード繁殖はんしょくというウサギたちのあながあった。そこに予知よち能力のうりょくをそなえたファイバーというウサギ(貧弱ひんじゃくであるため、むらでは軽視けいしされている)がある災害さいがいせまっているとさわす。かれあにであり、かれの"能力のうりょく"をみとめているヘイズルはちょう避難ひなん提案ていあんしたが、真面目まじめにとりあってもらえなかったため、なんかのウサギを説得せっとくして脱出だっしゅつした。

かれらはカウスリップというウサギのむらおとずれた。むら一見いっけんして理想郷りそうきょうであり、一同いちどう安息あんそくとして定住ていじゅうかんがえたが、じつはこの人間にんげんがウサギをはないにしているよううさぎじょうだった。暗黙あんもくのうちにられることれているかれらに同調どうちょうすること出来できず、ヘイズルいちぎょうふたたたびつづけることにめた。

いちぎょう理想りそうであるウォーターシップ・ダウンにたどりついた。かれらがあなっていると、きずつき焦燥しょうそうしたサンドルフォードの上士じょうしあたまホリーとブルーベリーがあらわれ、サンドルフォードの滅亡めつぼうかたった。

ナットハンガー農場のうじょう。2004ねん当時とうじ

ヘイズルはたねことなる動物どうぶつとの協力きょうりょく体制たいせいおもち、とり仲間なかま繁殖はんしょくのために必要ひつようなメスを上空じょうくうからさがしてもらおうとかんがえた。やがてヘイズルはきずついたユリカモメのキハールをたすけて信頼しんらい関係かんけいきずいた。 キハールはウサギたちに、なんかのウサギがわれている農場のうじょうと、エフラファという繁殖はんしょく存在そんざいおしえた。一同いちどうはエフラファに使節しせつて、ウォーターシップ・ダウンに移住いじゅう希望きぼうするメスをつのろうとめた。一方いっぽうヘイズルは農場のうじょう偵察ていさつし、かれらにウォーターシップ・ダウンへかう脱出だっしゅつ打診だしんする。

エフラファとの交渉こうしょう失敗しっぱいわった。エフラファはウーンドウォート将軍しょうぐん支配しはいする軍国ぐんこく主義しゅぎてき体制たいせいで、外敵がいてきからまもることを過剰かじょう優先ゆうせんし、そのため自由じゆうがなかった。メスたちはストレスをうったむら反感はんかんいていた。

ヘイズルはメスたちをエフラファから脱出だっしゅつさせる作戦さくせんかんがえた。テストがわふね係留けいりゅうされているのを発見はっけんしたかれらは、これにっていけばながれをしたれることをった。ヘイズルはビグウィグをエフラファに潜伏せんぷくさせ、メスたちをがす段取だんどりをととのえた。ビグウィグは不満ふまんのメスと結託けったくしてったが、計画けいかくれそうになりやむなく強行きょうこう脱出だっしゅつをはかった。ヘイズルたちとの合流ごうりゅう地点ちてん[5]において追手おって衝突しょうとつしたがキハールのたすけでなんのがれ、逃亡とうぼう成功せいこうした。

帰巣きそうたした一同いちどうはウォーターシップ・ダウンでいとなみをはじめた。あるときヘイズルがいのちたすけたネズミが、ウーンドウォートひきいるエフラファのウサギの来襲らいしゅう注進ちゅうしんした。ヘイズルたちは不意打ふいうちを回避かいひしたが、将軍しょうぐん作戦さくせんり、ウォーターシップ・ダウンめがけてあなすすめた。おびえる仲間なかまたちをすくうためにヘイズルは農場のうじょうかい、そこのいぬ利用りようしてエフラファの戦闘せんとういんはらった。ヘイズルは農場のうじょうねこつかまってしまったが、人間にんげん少女しょうじょによってすくされ解放かいほうされた。

なんねんいたヘイズルのもとにエル・アライラーとおぼしきひかるウサギがおとずれ、上士じょうしくわわらないかとさそった。おうじたヘイズルはそらのぼっていった[6]

書籍しょせき

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2008ねん12がつ現在げんざい新訳しんやくばんおよ旧訳きゅうやくばん単行たんこうほん新装しんそうばん以外いがい新刊しんかんでの入手にゅうしゅむずかしい。

旧訳きゅうやくばん
  • 単行本たんこうぼん
    • 『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』じょう神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、1975ねん
    • 『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』した神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、1975ねん
    • 新装しんそうばん『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』じょう神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、1989ねん9がつISBN 4-566-02088-6
    • 新装しんそうばん『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』した神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、1989ねん9がつISBN 4-566-02089-4
  • 文庫本ぶんこぼん
    • 評論ひょうろんしゃ文庫ぶんこ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』じょう神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、1986ねんISBN 4-566-02108-4
    • 評論ひょうろんしゃ文庫ぶんこ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』した神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、1986ねんISBN 4-566-02109-2
新訳しんやくばん
  • 単行本たんこうぼん
    • ファンタジー・クラシックス『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』じょう神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、2006ねん9がつISBN 4-566-01500-9 (10けた)、ISBN 978-4-566-01500-5 (13けた
    • ファンタジー・クラシックス『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』した神宮じんぐう輝夫てるおやく評論ひょうろんしゃ、2006ねん9がつISBN 4-566-01501-7 (10けた)、ISBN 978-4-566-01501-2 (13けた
原書げんしょ);
  • Adams, Richard (1972). Watership Down. London: Rex Collings  worldcat (初版しょはん)
    • Adams, Richard (1975). Watership Down. New York: Avon  worldcat

たん編集へんしゅう-わけ

映像えいぞう

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  • 1978ねんアニメ映画えいがされた。日本にっぽんでの公開こうかいは1980ねん7がつ12にち邦題ほうだいは『ウォーターシップダウンのうさぎたち』(「・」(中黒なかぐろ)がはいらない)であった。
  • また1998ねんテレビアニメされ、日本にっぽんでは2000年代ねんだいNHK-BSカートゥーン ネットワークなどで放送ほうそうされていた。
  • 2018ねん12月23にちには、NetflixBBC共同きょうどう製作せいさくでアニメーションのミニシリーズ(ぜん4)が配信はいしんされた[7]邦題ほうだい『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく
  1. ^ 内訳うちわけは4の出版しゅっぱんしゃと3の作家さっかエージェント会社かいしゃ
出典しゅってん
  1. ^ Guppy, Henry; James, Arundell; Esdaile, Kennedy, Library Association Record, 75, p. 116 Immel, Andrea (2009), The Cambridge Companion to Children's Literature, Oxford: Cambridge University Press, https://books.google.com/books?id=NytG-Kov2zAC&pg=PA15 
  2. ^ Immel, Andrea (2009), The Cambridge Companion to Children's Literature, Oxford: Cambridge University Press, p. 15, https://books.google.com/books?id=NytG-Kov2zAC&pg=PA15 
  3. ^ Vine, Phillip (July 1985), “Words Interview, Richard Adams”, Words 1: 21 (20–29) 
  4. ^ Adams 1996, Tales, "19. Campion", p.185
  5. '^ Adams, Watership Down (Avon, 1975), p.369 挿入そうにゅう地図ちず "Bigwig's Flight to the Test" (ビグウィグのテストかわまでの逃亡とうぼう)を参照さんしょう
  6. ^ Adams, Richard (1975). Watership Down. New York: Avon  (初版しょはん1972ねん)
  7. ^ Watership Down”. Netflix Media Center. 2018ねん9がつ24にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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