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ウバユリ

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ウバユリ
Cardiocrinum cordatum
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : たん子葉しようるい monocots
: ユリ Liliales
: ユリ Liliaceae
ぞく : ウバユリぞく Cardiocrinum
たね : ウバユリ C. cordatum
学名がくめい
Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino (1913)[1]
シノニム
和名わみょう
ウバユリ
英名えいめい
Heartleaf lily[3]

ウバユリうばひゃくごう[4]蕎麦そばかいはは[5]学名がくめい: Cardiocrinum cordatum)はユリウバユリぞく多年草たねんそう山地さんち森林しんりんおお自生じせいする。ユリにはなをつけるが、おおきくことなる。はな満開まんかいになるころにはれてくることおおいため、)のない「うば」にたとえてづけられた[3]地方ちほうによる別名べつめいとして、カバユリ、ネズミユリ、ウバヨロ、ヤマカブ、ヤブユリなどともよばれている[6]

分布ぶんぷ分類ぶんるい

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日本にっぽん本州ほんしゅう関東かんとう中部ちゅうぶ地方ちほう以西いせい)、四国しこく九州きゅうしゅう分布ぶんぷする[4]山麓さんろく谷間たにま草地くさち林内りんないなどの日陰ひかげにまばらな集団しゅうだんをつくる[4][6]中部ちゅうぶ地方ちほう以北いほく樺太からふと千島ちしまには大型おおがた変種へんしゅオオウバユリC. cordatum var. glehnii )が分布ぶんぷする。

形態けいたい生態せいたい

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開花かいか年齢ねんれいまえわかかぶには、地下ちか葉柄ようへい下部かぶがふくらんだたまごがた鱗茎りんけい球根きゅうこん)をもつ[4]鱗茎りんけいわかかぶだけにしょうじる[4]は、くき下部かぶから多数たすうる。くき直立ちょくりつしてたかさ1メートル (m) ぐらいに[6]くき下部かぶにかたまってせいじょうに5 - 6まいをつける。は、ながさ15 - 25センチメートル (cm) の細長ほそながしんがたで、網状もうじょうみゃくがあり[4]たていているものが次第しだいひらく。わかなえのころは、葉脈ようみゃくえんが褐紫しょくになる特徴とくちょうがある[6]にはなががあり[4]基部きぶふとくなる。わかなえだけだが、鱗茎りんけいおおきくなると、直立ちょくりつするくきたかさは50 - 100 cmほどまでびる[4]くき中空ちゅうくうはなをつけるころになるともと鱗茎りんけいくなり、あきにかけてあたらしい鱗茎りんけいができる[4][6]

花期かきなつ(7 - 8がつごろ)[4]くき先端せんたんテッポウユリ横向よこむきのはなを2 - 4つける[4]はなみどり白色はくしょくで、ながさ12 - 17 cmの細長ほそながはなびらがやや不規則ふきそくならぶ。はなながさ4 - 5 cmで楕円だえんがた果実かじつをつける。扁平へんぺい種子しゅしにはひろまくがあり、ながさ11 - 13ミリメートル (mm) のどん3角形かくがたになる[3][7]

利用りよう

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3 - 5がつごろの若芽わかめ食用しょくようになり、おひたしものにする[4]鱗茎りんけいは、ふゆ(11 - 翌年よくねん1がつごろ)にれた茎葉けいようさがしてり、ひゃくごうおなじように鱗片りんぺんをはがし、さっとでてもの煮物にもの、きんとん、マヨネーズえなどにする[4][6]せいのまま1へんずつがしててんぷらフライにもできる[4][6]でた鱗茎りんけいはソフトな舌触したざわりで、クセやにがみはない[6]さけくわえて砂糖さとうにするとデザートになる[6]

きんえんしゅで、日本海にほんかいがわ分布ぶんぷする大形おおがたオオウバユリ食用しょくようとなる[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino ウバユリ(標準ひょうじゅん”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2023ねん4がつ16にち閲覧えつらん
  2. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Lilium cordatum (Thunb.) Koidz. ウバユリ(シノニム)”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2023ねん4がつ16にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c 北村きたむら村田むらた小山こやま 1964, p. 126
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう 2003, p. 101.
  5. ^ うばゆり | 言葉ことば | 漢字かんじペディア”. www.kanjipedia.jp. 2021ねん8がつ18にち閲覧えつらん
  6. ^ a b c d e f g h i 高野たかの昭人あきと監修かんしゅう 世界文化社せかいぶんかしゃへん 2006, p. 113.
  7. ^ 畔上うねがみ編著へんちょ菱山ひしやま西田にしだちょ 1996, p. 458

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 北村きたむら四郎しろう村田むらたはじめ小山こやま鐵夫てつお原色げんしょく日本にっぽん植物しょくぶつ図鑑ずかん 草本そうほんへん』 III(改訂かいてい46さつ)、保育ほいくしゃ、1964ねん、126ぺーじISBN 9784-586-30017-4 
  • 高野たかの昭人あきと監修かんしゅう 世界文化社せかいぶんかしゃへん『おいしくべる 山菜さんさい野草やそう世界文化社せかいぶんかしゃ別冊べっさつ家庭かていほう〉、2006ねん4がつ20日はつか、113ぺーじISBN 4-418-06111-8 
  • 高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう 田中たなかつとむ・松原まつばらけいちょ日本にっぽん山菜さんさい学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ〈フィールドベスト図鑑ずかん13〉、2003ねん4がつ1にち、101ぺーじISBN 4-05-401881-5 
  • 畔上うねがみ能力のうりょく 編著へんちょ菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう西田にしだ尚道なおみち ちょやまはなやま渓谷社けいこくしゃやまけいハンディ図鑑ずかん〉、1996ねん9がつ、458ぺーじISBN 978-4-6350-7002-7