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エスカルバニャス伯爵はくしゃく夫人ふじん

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1682年版ねんばんモリエール全集ぜんしゅう挿絵さしえ

エスカルバニャス伯爵はくしゃく夫人ふじん』(仏語ふつご原題げんだい La Comtesse d'Escarbagnas )は、モリエール戯曲ぎきょく。1671ねん発表はっぴょうサン=ジェルマン=アン=レーしろにて同年どうねん12がつ2にち初演しょえん

登場とうじょう人物じんぶつ

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  • エスカルバニャス伯爵はくしゃく夫人ふじん
  • 伯爵はくしゃく夫人ふじん息子むすこ
  • 子爵ししゃく…ジュリーの恋人こいびと
  • ジュリー…子爵ししゃく恋人こいびと
  • ティボーディエ…判事はんじ伯爵はくしゃく夫人ふじん恋人こいびと
  • アルパン…徴税ちょうぜい担当たんとう役人やくにん、こちらも伯爵はくしゃく夫人ふじん恋人こいびと
  • ボビネ…伯爵はくしゃく家庭かてい教師きょうし
  • アンドレ…伯爵はくしゃく夫人ふじん小間使こまづか
  • ジャノ…ティボーディエの使用人しようにん
  • クリケ…伯爵はくしゃく夫人ふじん使用人しようにん

あらすじ

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舞台ぶたいアングレーム

だい1~3じょう

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ジュリーと子爵ししゃく会話かいわから。デートの約束やくそくに、子爵ししゃくおくれてきた。道中どうちゅううわさきのうるさいじいさんにつかまったのが理由りゆうだが、エスカルバニャス伯爵はくしゃく夫人ふじん恋人こいびとやく無理むりにやらされてすすまなかったのが本当ほんとうのところである。子爵ししゃく伯爵はくしゃく夫人ふじんのことなどきでもなんでもないが、ジュリーと子爵ししゃくいえ紛争ふんそうちゅうであるので、うために仕方しかたなく恋人こいびとのふりをしている。今日きょうも「伯爵はくしゃく夫人ふじんのため」と銘打めいうって、じつはジュリーのために芝居しばい準備じゅんびしているのだった。ジュリーは恋人こいびとやく苦心くしんする子爵ししゃくたのしんでいるが、子爵ししゃく本当ほんとういやでたまらないので、自分じぶんがいかにきずついているかをんだ朗唱ろうしょうするのであった。そこへ伯爵はくしゃく夫人ふじんがやってくるのをて、げていく子爵ししゃく伯爵はくしゃく夫人ふじんは、パリの宮廷きゅうてい優雅ゆうがさにかぶれた滑稽こっけいおんなであった。自分じぶん召使めしつかいたちをしかばし、「伯爵はくしゃく夫人ふじん」という高貴こうき身分みぶんただしい敬意けいいさえはらってもらえないとなげく。宮廷きゅうていではあらゆる色男いろおとこたちからこいささやかれたとうそぶくが、かれらよりもずいぶん身分みぶんおとるティボーディエやアルパンを恋人こいびとにしているのは、ほんのおなぐさみだという。そこへ恋人こいびとのティボーディエの召使めしつかいであるジャノがやってきた。ティボーディエにめいじられて、一足ひとあしさき手紙てがみをもって主人しゅじんわりに挨拶あいさつにやってきたのだった。

だい4~7じょう

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準備じゅんびしていた芝居しばいがそろそろはじまるので、そろそろこうあいだうつるように子爵ししゃくいにた。ちょうどいいところにた、と伯爵はくしゃく夫人ふじん子爵ししゃくめ、ついさきほどジャノからわたされたティボーディエの手紙てがみ朗読ろうどくさせる。「あいはまだむすんでいないが、わたししんわらない」と自分じぶんあいかたさをうったえる内容ないようだった。伯爵はくしゃく夫人ふじん大変たいへん気分きぶんになったところで、ティボーディエが登場とうじょう。ティボーディエがさらにを2つ披露ひろうしたので、茶化ちゃかして皮肉ひにくいはじめる子爵ししゃくであった。そこへ伯爵はくしゃくとその家庭かてい教師きょうしであるボビネがやってきた。いよいよ観劇かんげきのぞ一同いちどう

だい8~9じょう

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ところが、観劇かんげきちゅうにアルパンが闖入ちんにゅうしてきた。自分じぶんこいをささやいておきながら、おとこにもおなじようにしている伯爵はくしゃく夫人ふじんのやりかたゆるせないのである。はげしいいかりをぶちまけて、関係かんけい清算せいさんげてってしまった。ふたた観劇かんげきつづけようとすると、そこへ今度こんどはジャノが手紙てがみをもってやってきた。「子爵ししゃくいえとジュリーのいえがジュリーと子爵ししゃく結婚けっこん条件じょうけんに、和解わかいすることに合意ごういした」という内容ないように、よろこびを爆発ばくはつさせる子爵ししゃくとジュリー。子爵ししゃくこいいつわりであったことをって、くやしがる伯爵はくしゃく夫人ふじんかれらを見返みかえそうとしてティボーディエとの結婚けっこんめる伯爵はくしゃく夫人ふじんであった。

成立せいりつ過程かてい

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1671ねん12月2にちフィリップ・ドルレアン再婚さいこんいわもよおしが、サン=ジェルマン=アン=レーしろにてひらかれたさいに、初演しょえんされた。このもよおしはモリエールとジャン=バティスト・リュリ合作がっさくのコメディ・バレ幕間まくあいげきめい場面ばめんあつめた内容ないようであったが、その幕間まくあいげきつなわせるために制作せいさくされた作品さくひんのうちの1つである。もう1さく、『まき歌劇かげき』という作品さくひん制作せいさくしたが、こちらはうしなわれてテキストはつたわっていない[1]

日本語にほんごやく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ モリエール全集ぜんしゅう9,P.102,ロジェ・ギルメール、廣田ひろた昌義まさよし秋山あきやま伸子のぶこ共編きょうへん,臨川りんせん書店しょてん