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オグロヅル(尾黒鶴、Grus nigricollis)は、ツル目ツル科ツル属に分類される鳥類。
インド北部、中華人民共和国、ブータン、ベトナム北部[a 2]
ジャンムー・カシミール州東部、甘粛省や四川省、青海省、新疆ウイグル自治区、チベット自治区で繁殖し、ベトナム北部、アルナーチャル・プラデーシュ州、青海省、雲南省、チベット自治区南部で越冬する[1][2]。
全長115-152センチメートル[1][2]。頭部から頸部にかけての羽衣は黒い[1][2]。眼後部に白い斑点が入る[1][2]。胴体の羽衣は淡灰色[1][2]。尾羽は黒や黒褐色、風切羽は黒い[1][2]。
頭頂や眼先は羽毛がまばらで、赤い皮膚が裸出する[1][2]。虹彩は黄色[2]。嘴や灰緑色や灰褐色[2]。後肢は黒い[2]。
繁殖期は3,000-4,800メートルにある湖沼や湿原、冬季は農耕地に生息する[1]。
食性は雑食で、植物の茎、根、種子、カエル、貝類などを食べる[1]。
繁殖形態は卵生。5-6月に1-2個(主に2個)の卵を産む[1]。雌雄で抱卵し、抱卵期間は31-33日[1][2]。雛は孵化してから約90日で飛翔できるようになる[1]。
開発や採掘、放牧による生息地の破壊などにより生息数は減少している[1]。また越冬地で冬季に麦作が行うようになり、農耕地での採食が困難になっている[1]。政府と自然保護団体による越冬地の調査、保護区の指定、啓蒙活動などの保護対策が進められている[1]。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社、2000年、192頁。
- ^ a b c d e f g h i j k 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、38、159頁。
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