カエルハゼ

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カエルハゼ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
: スズキ Perciformes
: ハゼ Gobioidei
: ハゼ Gobiidae
: ボウズハゼ Sicydiinae
ぞく : カエルハゼぞく Smilosicyopus
たね : カエルハゼ S.leprurus
学名がくめい
Smilosicyopus leprurus
(Sakai and Nakamura, 1979)
和名わみょう
カエルハゼ(かえるはぜ

カエルハゼかえるはぜSmilosicyopus leprurus)は南西諸島なんせいしょとう渓流けいりゅう生息せいそくするハゼで、個体こたいすう非常ひじょうすくない。ボウズハゼ仲間なかま日本にっぽん唯一ゆいいつカエルハゼぞくSmilosicyopus)にぞくさかなアカボウズハゼぞくSicyopus)にもともとぞくすとされてきたが、そのうちの1ぞくぞく階級かいきゅう格上かくあげされ、独立どくりつしたぞくになった。

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

マリアナ諸島しょとう石垣島いしがきじま西表島いりおもてじま[1][2][3]屋久島やくしま与那国島よなぐにじま[2][3]奄美あまみ大島おおしま分布ぶんぷする[3]

形態けいたい[編集へんしゅう]

全長ぜんちょうは4-6センチメートル[3]からだはよくたてひらた[3][2]からだ細長ほそなが[2]雌雄しゆうともにから吻端に黒色こくしょくたてせんはし[3][1]成熟せいじゅくしたメスの腹部ふくぶ赤色あかいろであるんどで近似きんじアカボウズハゼ区別くべつ可能かのう[2]りょうあごとがった円錐えんすいじょうまたは犬歯けんしじょうていする。からだしょく雌雄しゆうともに一様いちようあわ褐色かっしょくである[3]。オスの背鰭せびれにはうす黄色おうしょくたいがある[1]

生態せいたい[編集へんしゅう]

河口かこうちかくに渓流けいりゅういきがあるような[2]しょう河川かせんうえ流域りゅういきながれのゆるやかなふち生息せいそく[3]ふちではよくすな堆積たいせきしているが、ほんしゅ岩盤がんばんかべなどにいている。とくにうっそうとしたもりなかながれる渓流けいりゅうこのむが、ヨロイボウズハゼくらべるとややながれのゆるやかなあさふちにいることがおお[1]。やや薄暗うすぐらいところをこのみ、ながれのゆるやかなふち単独たんどくられ、中層ちゅうそうおよ[2]

雑食ざっしょくせい付着ふちゃく藻類そうるい小型こがたそこせい動物どうぶつべる[3]

保全ほぜんじょうきょう[編集へんしゅう]

カエルハゼは多量たりょう取水しゅすいによる河川かせん流量りゅうりょう減少げんしょう、ダム建設けんせつ道路どうろ整備せいびによる土砂どしゃ流入りゅうにゅうなどにより、生息せいそく環境かんきょう悪化あっかし、個体こたいすう減少げんしょうしており、絶滅ぜつめつ危惧きぐⅠAるい指定していされている[3]

絶滅ぜつめつ危惧きぐIAるい (CR)環境省かんきょうしょうレッドリスト

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d 松沢まつざわよう、『ポケット図鑑ずかん日本にっぽん淡水魚たんすいぎょ258』、ぶんいち総合そうごう出版しゅっぱん、2016ねん、233ぺーじ
  2. ^ a b c d e f g 鈴木すずき寿之としゆき渋川しぶかわ浩一こういち矢野やの維幾、『決定けっていばん 日本にっぽんのハゼ』、平凡社へいぼんしゃ、2004ねん、47ぺーじ
  3. ^ a b c d e f g h i j 細谷ほそやかずうみ、『増補ぞうほ改訂かいてい 日本にっぽん淡水魚たんすいぎょ』、やま渓谷社けいこくしゃ、2019ねん、414ぺーじ