カッショクペリカン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
カッショクペリカン
カッショクペリカン
カッショクペリカン Pelecanus occidentalis
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: ペリカン Pelecaniformes
: ペリカン Pelecanidae
ぞく : ペリカンぞく Pelecanus
たね : カッショクペリカン
P. occidentalis
学名がくめい
Pelecanus occidentalis
Linnaeus, 1766[1][2]
和名わみょう
カッショクペリカン[3]
英名えいめい
Brown pelican[1][2][3]

カッショクペリカン (Pelecanus occidentalis) は、とりつなペリカンペリカンペリカンぞく分類ぶんるいされる鳥類ちょうるい

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

新北しんきたしん熱帯ねったい生息せいそくする。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

以下いか亜種あしゅ分類ぶんるいは、IOC World Bird List (v11.1)にしたが[2]

Pelecanus occidentalis occidentalis Linnaeus, 1766
西にしインド諸島しょとう繁殖はんしょくする
Pelecanus occidentalis califoenincus Ridgway, 1884
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく西部せいぶからメキシコ西部せいぶ繁殖はんしょくする
Pelecanus occidentalis carolinensis Gmelin, 1789
熱帯ねったいアメリカの大西洋たいせいようがん繁殖はんしょくする
Pelecanus occidentalis murphyi Wetmore, 1945
コロンビア西部せいぶからエクアドルで繁殖はんしょくする
Pelecanus occidentalis urinator Wetmore, 1945
ガラパゴス諸島しょとう繁殖はんしょくする

形態けいたい[編集へんしゅう]

全長ぜんちょう122cm[4](117 - 132cm[5])、つばさひらきちょう213cm[4]ペリカンなかでももっとちいさい[6]体重たいじゅうは3.74kg、ゆうのほうがおおきい[7]名前なまえとおり、全身ぜんしん褐色かっしょく羽毛うもうつつまれており、しろうす灰色はいいろおおいペリカンの仲間なかまないでも異例いれいである。頭部とうぶから頸部のいろしろっぽい灰色はいいろで、周囲しゅうい皮膚ひふ裸出らしゅつがある。くちばしくろっぽい灰色はいいろ繁殖はんしょくにはあたま部分ぶぶん黄色きいろ羽毛うもうしょうじ、頸椎がわの頸の羽毛うもう栗色くりいろになる。

生態せいたい[編集へんしゅう]

うみうえれつをなして飛行ひこうし、さかなれをつけると空中くうちゅうから水中すいちゅうんでさかなをとる(このようなダイナミックな方法ほうほうさかならえるペリカンはほんたねふくめ2しゅのみ[8])。地域ちいきによっては漁師りょうしの「おこぼれ」を目当めあてに漁船ぎょせんなどにきまとったり、みなといて人間にんげんえさをねだる個体こたいがいる。繁殖はんしょく一定いっていしていない。

人間にんげんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

分布ぶんぷいき非常ひじょうひろ生息せいそくすうおおいとかんがえられ、2018ねん時点じてん絶滅ぜつめつのおそれはひくいとかんがえられている[1]過去かこにはDDTなどによる汚染おせんによりたまごかられやすくなり繁殖はんしょく成功せいこうりつ低下ていかしたことで、生息せいそくすう激減げきげんした[1]。DDTの規制きせいともな生息せいそくすう増加ぞうかし、2018ねん時点じてんでも生息せいそくすう増加ぞうか傾向けいこうにあるとかんがえられている[1]一方いっぽういとなどにからまる事故じこ繁殖はんしょくでの人間にんげんによる攪乱かくらん獲物えものとなる魚類ぎょるい減少げんしょうなどによる影響えいきょう懸念けねんされている[1]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g BirdLife International. 2018. Pelecanus occidentalis. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22733989A132663224. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22733989A132663224.en. Downloaded on 03 May 2021.
  2. ^ a b c Ibis, spoonbills, herons, Hamerkop, Shoebill, pelicans, Gill, F & D Donsker (Eds). 2021. IOC World Bird List (v11.1). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.11.1. (Accessed 03 May 2021)
  3. ^ a b 山階やましなよし麿まろ 「カッショクペリカン」『世界せかい鳥類ちょうるい和名わみょう辞典じてん』、大学だいがく書林しょりん、1986ねん、27ぺーじ
  4. ^ a b National Geographic Society, Field Guide to the Birds of North America, 2nd edition(1988) p. 40. ISBN 0-87044-692-4
  5. ^ Robert S. Ridgely, Paul J. Greenfield, The Birds of Ecuador: Field Guide, Cornell University Press(2001) pp. 50-51. ISBN 0-8014-8721-8.
  6. ^ 三省堂さんせいどう編修へんしゅうしょ吉井よしいただし三省堂さんせいどう 世界せかいとりめい事典じてん』、三省堂さんせいどう、2005ねん、131ぺーじISBN 4-385-15378-7
  7. ^ David Allen Sibley, The SIBLAY guide to Birds, National Audubon Society(2000) p. 47. ISBN 0-679-45122-6
  8. ^ 山岸やまぎしあきら監修かんしゅう、コリン・ハリソン、アラン・グリーンスミス 『とり写真しゃしん図鑑ずかん』、日本にほんグ社ぐしゃ、1995ねん、54ぺーじISBN 4-529-02562-4