次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんカルシウム

次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんカルシウム
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう	7778-54-3
特性とくせい
化学かがく式しき	Ca(ClO)2
モル質量しつりょう	142.98 g/mol
密度みつど	2.35 g/cm3
融点ゆうてん	100°Cで分解ぶんかい
溶解ようかい度ど	21 g/100 ml (25°C)
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんカルシウム（じあえんそさんカルシウム、Calcium hypochlorite）は、化学かがく式しき CaCl(ClO)・H₂OまたはCa(ClO)₂の粉末ふんまつ。原料げんりょう由来ゆらい水酸化すいさんかカルシウムを含有がんゆうする次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんカルシウムの製品せいひんはさらし粉こ（晒さらし粉こ、さらしこ）と呼よばれる。

さらし粉こは消石灰しょうせっかい（水酸化すいさんかカルシウム、Ca(OH)₂）に塩素えんそを吸収きゅうしゅうさせて製造せいぞうする。ドイツ語ごでクロールカルキ（Chlorkalk）、略りゃくしてカルキ、あるいは訳やくして塩化えんか石灰せっかいともいう。

次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんカルシウムの含有がんゆう量りょうは塩素えんそを通つうじる量りょうによって変かわり、高こう含有がんゆう量りょう (70%) の製品せいひんが高度こうどさらし粉こCa(ClO)₂（次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんカルシウム、CAS登録とうろく番号ばんごう 7778-54-3）と呼よばれ、水酸化すいさんかカルシウムは試薬しやくの不純物ふじゅんぶつ程度ていどである。高度こうどさらし粉こは、吸湿きゅうしつ性せいが小ちいさく、長期ちょうきの保存ほぞんに耐たえるなどの利点りてんがある。水みずに可か溶で酸化さんか力りょくが強つよい。漂白ひょうはく・消毒しょうどくに使用しようされる。また、これを固形こけい化かしたものはプール（及および付帯ふたい施設しせつの足あし洗あらい場ば・腰こし洗あらい槽そう）の消毒しょうどくによく用もちいられる。

反応はんのう

塩酸えんさんと反応はんのうして塩素えんそを発生はっせいする。

${\ce {4HCl + Ca(ClO)2 -> CaCl2 + 2Cl2 + 2H2O}}$

${\ce {{2HCl}+CaCl(ClO)\cdot \ H2O->{CaCl2}+{Cl2}+2H2O}}$

これは塩素えんその実験じっけん室しつ的てき発生はっせい方法ほうほうに用もちいられることがある。

また、水みず、エタノールと反応はんのうして、水酸化すいさんかカルシウム、クロロホルムと酸素さんそを生しょうじる。

${\ce {H2O + C2H5OH + 3Ca(ClO)2 -> 3Ca(OH)2 + 2CHCl3 + O2}}$

類似るいじの反応はんのうは他たのアルコールでも起おこるものがある。

アニリンにさらし粉こや次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんナトリウムを加くわえると赤あか紫色むらさきいろに呈てい色しょくする。また、硫酸りゅうさん酸性さんせいの K₂Cr₂O₇ 水溶液すいようえきで酸化さんかするとアニリンブラックを生しょうじる。

180℃の加熱かねつにより分解ぶんかいし、酸素さんそを放出ほうしゅつし酸化さんか剤ざいとなる。単独たんどくでは燃焼ねんしょうしない。

${\ce {Ca(ClO)2 ->[{180℃}] CaCl2 + O2}}$

歴史れきし

チャールズ・テナント

塩素えんそによる漂白ひょうはく作用さようは1785年ねんにクロード・ルイ・ベルトレーにより発見はっけんされたが、塩素えんそ自体じたいの臭くさい及および毒性どくせいの強つよさから、漂白ひょうはく剤ざいとしての実用じつよう化かは困難こんなんであった。その後ご、塩素えんそを石灰せっかい水すいに溶とかすと安全あんぜんかつ漂白ひょうはく作用さようを維持いじできることに気きづいたベルトレーは、1786年ねんにジェームズ・ワットにこのことを教おしえた。ワットからこのことを伝つたえられたチャールズ・テナントは、1799年ねんに固体こたいで保存ほぞんできるさらし粉こを完成かんせいさせた。

関連かんれん項目こうもく

• 次つぎ亜あ塩素えんそ酸さん
• 次つぎ亜あ塩素えんそ酸さんナトリウム
• 消毒しょうどく薬やく
• 漂白ひょうはく剤ざい