甘露煮かんろに

真空しんくうパック包装ほうそうされたフナの甘露煮かんろに

甘露煮かんろに（かんろに）は、煮物にもの・煮に魚ぎょ料理りょうりの一種いっしゅ。飴あめ煮に（あめに）ともいう。

西洋せいようでの類似るいじした料理りょうりのグラッセについても、本ほん記事きじで説明せつめいする。

概要がいよう

淡水魚たんすいぎょのアユ、モツゴ、コイ、ニジマス、ハゼ、フナ、ワカサギ、ヤマメ、アマゴ、イワナなどを生なまのままか素焼すやきした後のち、醤油じょうゆやみりんに多おおめの砂糖さとうや水飴みずあめを加くわえた汁しるで照でりが出でるように煮にたもののほか、海水かいすい魚ぎょのニシンを加工かこうした身欠みかきニシンを使つかうものもある。

魚さかなで作つくる場合ばあい、骨ほねまで柔やわらかくなるようにゆっくりと長時間ちょうじかん煮込にこみ、仕上しあげに水飴みずあめなどをさらに加くわえて照でりを出だす。大振おおぶりの魚さかなより小振こぶりの魚さかなの方ほうが、良よい具合ぐあいに仕上しあがる。

クリやキンカンなどの果物くだもの類るいを砂糖さとうで甘あまく煮にたものも、甘露煮かんろにと呼よばれる。日本にっぽんにはイチジクなどの甘味あまみが強つよい果実かじつで甘露煮かんろにを作つくる地方ちほうもあるが、これは保存ほぞん食しょくにするためである。

グラッセ

西洋せいようで類似るいじしたものに、フランス料理りょうりのグラッセ（フランス語ふらんすご: glacé）がある。日本にっぽんの甘露煮かんろにと同おなじくクリを甘あまく煮にたもの（マロングラッセ）は菓子かしと見みなされるが、ニンジンを甘あまく煮にたもの（キャロットグラッセ）は料理りょうりと見みなされる。以下いか、後者こうしゃについて説明せつめいする。

ニンジンのグラッセは、ステーキなどの肉にく料理りょうりに付つけ合あわせとして添そえられる。調理ちょうりの際さいには砂糖さとうだけでなく、バターも用もちいられる。ただし、ニンジンを下したごしらえする際さいに切きったり皮かわを剥むいたりするだけでなく、面取めんとりを行おこなったうえで茹ゆでこぼしが必要ひつようといった手間てまやコストの面めんから、低てい価格かかくが売うりの店舗てんぽでは提供ていきょうされず、ミックスベジタブルなどの手軽てがるで安価あんかな付つけ合あわせに置おき換かえられることもある。

ニンジンのほか、カボチャやサツマイモなどにも応用おうようされる。

なお、本来ほんらいのグラッセの語意ごいはフランス語ふらんすごで「凍こおらせる」「糖衣とういをかける」という意味いみであるが、「食材しょくざいを煮詰につめて照でりや艶つやをつける」という意味いみでもある。