(Translated by https://www.hiragana.jp/)
コルタン - Wikipedia コンテンツにスキップ

コルタン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
コロンバイト-タンタライト鉱石こうせき(6.0 x 2.5 x 2.1 cm)

コルタン(Coltan)とは、コロンバイト-タンタライト(Columbite-Tantalite、(Fe,Mn)(Ta,Nb)2O6)のりゃくで、鉱石こうせきの1しゅニオブ(Nb)>タンタル(Ta)をコルンブせき(columbite)、ニオブ(Nb)<タンタル(Ta)をタンタルせき(tantalite)ともぶ。結晶けっしょうけいはすかたあきらけい

精錬せいれんすると粉末ふんまつじょうタンタルられる。

生産せいさん

[編集へんしゅう]

現在げんざい生産せいさんシェアはうえからオーストラリアブラジルモザンビークカナダとなっている[1]埋蔵まいぞうりょうについては、コルタンの需要じゅようたかまったのは近年きんねんであるために探査たんさ不十分ふじゅうぶんであり、実態じったい不明ふめい一説いっせつには、コルタン埋蔵まいぞうりょうの80%はコンゴ民主みんしゅ共和きょうわこくにあるとわれている。

用途ようと

[編集へんしゅう]

タンタル携帯けいたい電話でんわノートパソコンゲームなどの電化でんか製品せいひんにおけるコンデンサーなどにもちいられる。これら電化でんか製品せいひん普及ふきゅうともない、コルタンの需要じゅよう近年きんねん増加ぞうかしている。

価格かかく

[編集へんしゅう]

1970ねんからほぼ1ポンドあたり27ドルから31ドルでよこばいだったが、2000ねん - 2001ねんにはIT産業さんぎょう隆盛りゅうせい需要じゅよう供給きょうきゅうネットワークの不備ふび投機とうきなどによってコルタン・ブームがき、1ポンドあたり210ドルと7ばい以上いじょう価格かかく高騰こうとうこった[2]

そのIT産業さんぎょう停滞ていたい携帯けいたい電話でんわ普及ふきゅう一段落いちだんらくしたことなどをけて価格かかくもともどったが、供給きょうきゅう不安定ふあんていせい懸念けねんされている。

日本にっぽん状況じょうきょう

[編集へんしゅう]

日本にっぽん国内こくない需要じゅよう2004ねんは354tであり、2005ねんは331t(推測すいそく)である[3]

輸入ゆにゅうさきタイ王国おうこく、アメリカ、中国ちゅうごくじゅん[4]。アメリカは自国じこくでタンタル生産せいさんほとんおこなっていないので[1]、アメリカからの輸入ゆにゅうはアメリカのまたりということになる。

コルタンをめぐ問題もんだい

[編集へんしゅう]

コルタンをめぐ問題もんだいとしてはコンゴ民主みんしゅ共和きょうわこく東部とうぶにおける違法いほう採掘さいくつ有名ゆうめいで、2001ねん国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかい提出ていしゅつされた「コンゴ民主みんしゅ共和きょうわこく天然てんねん資源しげんやその資源しげん不法ふほう採取さいしゅについての専門せんもん委員いいんかい(Panel of Experts on the Illegal Exploitation of Natural Resources and Other Forms of Wealth of the Democratic Republic of the Congo)」の報告ほうこくしょ[5]によれば、コンゴ隣国りんごくルワンダウガンダブルンジ武装ぶそう勢力せいりょくがコルタンなど天然てんねん資源しげん不正ふせい採掘さいくつし、それによってられた利益りえき武装ぶそう勢力せいりょく資金しきんげんとなっており、これがコンゴにおける紛争ふんそうウガンダ内戦ないせん英語えいごばんブルンジ内戦ないせん英語えいごばんルワンダ紛争ふんそうだいいちコンゴ戦争せんそうだいコンゴ戦争せんそう)を長期ちょうきさせているという[6]

武装ぶそう勢力せいりょくがコンゴ国内こくない支配しはいけんにぎっている地域ちいきおも鉱山こうざん地域ちいきであるとわれていることや、コンゴ東部とうぶのコルタン輸出ゆしゅつけんはルワンダ企業きぎょうのSOMIGLがにぎっているという外形がいけいてき事実じじつると、それなりに説得せっとくりょくがある。一方いっぽう報告ほうこくしょにおいて非難ひなんまととなったルワンダなどは「報告ほうこくしょ不正確ふせいかくである」、「天然てんねん資源しげん採掘さいくつ紛争ふんそう原因げんいんではなく、結果けっかである」と反論はんろんしている。

その問題もんだいとしては、コルタン採掘さいくつ方法ほうほう鉱床こうしょうって泥水どろみずなかしずんだコルタンをよりけるというとく技術ぎじゅつ必要ひつようとしない原始げんしてき方法ほうほうおこなうこともあって、採掘さいくつ一部いちぶ児童じどう労働ろうどうによってなされているという人道じんどうじょう問題もんだい[7]採掘さいくつさい森林しんりんみだれ伐採ばっさいし、ゴリラゾウサイなどを食用しょくようのためにころす(そのにくブッシュミートばれる)などして、生態せいたいけいらされているという環境かんきょう問題もんだい発生はっせいしている[8]

そのため、中部ちゅうぶアフリカで産出さんしゅつされたコルタンの取扱とりあつかいを禁止きんしする企業きぎょうべい部品ぶひんメーカーKemet、Nokiaなど)もているが、おおくの段階だんかい市場いちば供給きょうきゅうされるコルタンがコンゴ産出さんしゅつのものかそうでないかを判別はんべつするのはむずかしいとされているうえ、すでにコンゴからおおくのコルタンが盗掘とうくつされて世界中せかいじゅう携帯けいたい電話でんわやノートパソコンのなかはいっている現状げんじょうではおそすぎるというこえもある[9]。その一方いっぽうで、コルタンは地元じもと経済けいざい発展はってんたすけ、経済けいざい再建さいけん可能かのうせいっているとかんがえ、社会しゃかいてき環境かんきょうてき信頼しんらいできるすじ採掘さいくつされたコンゴさんコルタンの市場いちばつくることに積極せっきょくてき企業きぎょうもある(Vodafoneなど)。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b U.S. Geological Survey, Mineral Commodity Summaries, January 2005, Tantalum p. 166-7 (PDF) 英語えいご
  2. ^ Keren Heyes and Richard Burge, Coltan Mining in the Democratic Republic of Congo: How tantalum-using industries can commit to the reconstruction of the DRC (PDF) [リンク], Fauna & Flora International:Cambridge, UK, 2003, P.22. 英語えいご - インターネットアーカイブによる2007ねん4がつ11にち時点じてんでのアーカイブ
  3. ^ 社団しゃだん法人ほうじん しん金属きんぞく協会きょうかい タンタルの国内こくない需要じゅよう推移すいい
  4. ^ 社団しゃだん法人ほうじん しん金属きんぞく協会きょうかい 通関つうかん実績じっせき(タンタル輸出入ゆしゅつにゅう (xlsファイル)
  5. ^ SECURITY COUNCIL CONDEMNS ILLEGAL EXPLOITATION OF DEMOCRATIC REPUBLIC OF CONGO’S NATURAL RESOURCES (Press Release SC/7057)英語えいご
  6. ^ 報道ほうどうたましい - '15ねん4がつ19にち 「スマホ、パソコン、暴力ぼうりょく、コンゴ ~“紛争ふんそう鉱物こうぶつ”の排除はいじょ可能かのうか?~」 - TBSテレビ:制作せいさく 秌場ひじりおさむ:取材しゅざい(TBS外信がいしん
  7. ^ UN - Office of the Special Representative for Children and Armed Confict DEMOCRATIC REPUBLIC OF THE CONGO英語えいご
  8. ^ Born Free Foundation Coltan Boom, Gorilla Bust英語えいご
  9. ^ Official Web Site of the Permanent Mission of the Democratic Republic of The Congo英語えいご

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]