シオニスト会議かいぎ

シオニスト会議かいぎ（しおにすとかいぎ）は、ユダヤ人じん代表だいひょう会議かいぎであり、第だい一いち回かい目めは1897年ねんにスイスのバーゼルで、テオドール・ヘルツルのイニシアティヴの下したに、シオニズムという語かたりを作つくったナータン・ビルンバウムの協力きょうりょくを得えて開ひらかれた。目標もくひょうを、「パレスチナにユダヤ人じんのための、国際こくさい法ほうによって守まもられたふるさとを作つくる」とまとめられた。

考量こうりょうされているのは、

• ユダヤ人じん農民のうみん、職人しょくにん、製造せいぞう業者ぎょうしゃのイスラエルの地ちへの適切てきせつな手段しゅだんによる入植にゅうしょくの促進そくしん、
• 各国かっこくの法律ほうりつとの調和ちょうわのうちに地域ちいき的てき、国際こくさい的てきに、適切てきせつな制度せいどを用もちいて全ぜんユダヤ人じんを組織そしき化か統合とうごうする、ユダヤ民族みんぞく入植にゅうしょくと民族みんぞく意識いしきの強化きょうか育成いくせい、
• シオニズムの目標もくひょうに到達とうたつするために必要ひつような場合ばあい、諸しょ政府せいふからの同意どういを得える方向ほうこうへ向むけての適切てきせつな対処たいしょ

である。

これとともに「バーゼル綱領こうりょう」が決議けつぎされ、目標もくひょうを現実げんじつ化かするべく、「世界せかいシオニスト機構きこう」が創設そうせつされた。この綱領こうりょうはユダヤ教きょうのメシア待望たいぼう思想しそうに対立たいりつするため、ドイツ・ラビ会議かいぎ執行しっこう委員いいん会かいは批判ひはんした。

最初さいしょの戦略せんりゃくは、パレスチナへの組織そしき的てきなユダヤ人じん入植にゅうしょくについてオスマン帝国ていこくスルタンアブデュルハミト2世せいから許可きょかを得えることだったが、うまくいかなかったので、機構きこうは、粘ねばり強づよい小規模しょうきぼ移住いじゅうによるホームランド形成けいせい、1901年ねんの第だい五ご回かいシオニスト会議かいぎでのユダヤ民族みんぞく基金ききん創設そうせつ、ナサニエル・ロスチャイルド（初代しょだいマイヤー・アムシェルの三男さんなんの三男さんなん）からの資金しきん援助えんじょによる1903年ねんのアングロ-パレスチナ銀行ぎんこう創設そうせつをし、それによってイスラエル建国けんこくのための公金こうきん提供ていきょうをするという戦略せんりゃくを追求ついきゅうした。ユダヤ民族みんぞく基金ききんがこうして購入こうにゅうしていった土地とちは、イスラエル建国けんこく後ごの基本きほん法ほうで、非ひユダヤ人じんに売うったり、貸かしたりできぬようにしてある。

第だい一いち回かいでは各国かっこくのユダヤ評議ひょうぎ会かいによって選出せんしゅつされた代表だいひょう200人にんが参加さんかした。ヘルツルがドイツ語ご圏けんオーストリアの出身しゅっしん者しゃであったため当初とうしょ会議かいぎ語ごはドイツ語ごだった。（その点てんで、有名ゆうめいな『シオン賢者けんじゃの議定ぎてい書しょ』のニルス版ばんはこの会議かいぎで提示ていじされたとしているが、草稿そうこうがフランス語ふらんすごで書かかれているとしているので、偽書ぎしょである疑うたがいが生しょうじる。）1933年ねんからは英語えいごが会議かいぎ語ごである。開催かいさい地ちは1948年ねんまでほぼバーゼルであったが、イスラエル国家こっかの出現しゅつげんと共ともにエルサレムに代かわった。第だい一いち回かい開催かいさい直後ちょくごは毎年まいとし開ひらかれたが、その後ご一いち年ねんおきになり、戦後せんごは4年ねんごとに開ひらかれている。