シコルスキー S-97

シコルスキー S-97 レイダー〔ライダー〕

S-97 Raider mockup

• 用途ようと：軍用ぐんよう機き（偵察ていさつ機き、軽けい・攻撃こうげきヘリコプター等ひとし）
• 分類ぶんるい：複ふく合あいヘリコプター
• 設計せっけい者しゃ：シコルスキー・エアクラフト,スウィフト・エンジニアリング
• 製造せいぞう者しゃ：シコルスキー・エアクラフト
• 運用うんよう者しゃ： アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく（アメリカ陸軍りくぐん）
• 初はつ飛行ひこう：2015年ねん5月がつ22日にち
• 生産せいさん数すう：3機き
• 運用うんよう状じょう況きょう：開発かいはつ中ちゅう
• ユニットコスト：約やく1,500万まん米あめりかドル (USD)

シコルスキー S-97は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのシコルスキー・エアクラフト社しゃが、シコルスキー S-69およびシコルスキー X2で収集しゅうしゅうされたデータを元もとに、アメリカ陸軍りくぐんの武装ぶそう偵察ていさつヘリコプター計画けいかく (Armed Aerial Scout, AAS) の要求ようきゅう仕様しように対応たいおうして開発かいはつした偵察ていさつヘリコプターである。重量じゅうりょう 5.00 t (11,000 lb)、回転かいてん翼つばさ径みち34フィート (10 m)で、軽かる攻撃こうげきヘリコプターの機能きのうを併あわせ持もつ。

AAS中止ちゅうし後ごの将来しょうらい型がた攻撃こうげき偵察ていさつ機き計画けいかくには改良かいりょう型がたのシコルスキー レイダーXが参加さんかしている。

開発かいはつ背景はいけい

シコルスキー S-97 レイダー （ライダー）は、ベル・ヘリコプター社しゃが開発かいはつした観測かんそくヘリコプター OH-58 カイオワと、MDヘリコプターズが生産せいさんしているアメリカ陸軍りくぐん特殊とくしゅ作戦さくせん部隊ぶたい向むけの軽かる汎用はんよう・攻撃こうげき強襲きょうしゅう用ようヘリコプター MH-6 リトルバードの後継こうけい機きとして、アメリカ陸軍りくぐんの武装ぶそう偵察ていさつヘリコプター計画けいかくの要求ようきゅう仕様しように基もとづき開発かいはつされた。

アメリカ陸軍りくぐんの武装ぶそう偵察ていさつヘリコプター計画けいかくは2013年ねん末まつをもって終了しゅうりょうしたが、引ひき続つづきアメリカ陸軍りくぐんで運用うんようされている数すう系列けいれつの軍用ぐんようヘリコプターを新しん開発かいはつ機きで代替だいたいする統合とうごう多た用途ようと・将来しょうらい型がた垂直すいちょく離着陸りちゃくりく機き計画けいかく（Joint Multi-Role / Future Vertical Lift , 略語りゃくご：JMR / FVL）において、軽量けいりょう機きである FVL-CS1 ／ JMR-Light（軽量けいりょう級きゅう・偵察ていさつヘリコプター）としてシコルスキー・エアクラフト社しゃより提案ていあん中ちゅうである。

本ほん機きはシコルスキー S-69 、シコルスキー X2から続つづく二に重じゅう反転はんてん式しきローター、およびそれを発展はってんさせたABCローターを採用さいようするシコルスキー・エアクラフト社しゃの複ふく合あいヘリコプター系列けいれつが目標もくひょうとしてきた技術ぎじゅつの集大成しゅうたいせいであり、かつ「統合とうごう多た用途ようと・将来しょうらい型がた垂直すいちょく離着陸りちゃくりく機き計画けいかく」の中なか重量じゅうりょう級きゅう機きとして開発かいはつ中ちゅうのSB>1 デファイアントの基礎きそともなる、同社どうしゃ開発かいはつ計画けいかくの中核ちゅうかく機きである。

特徴とくちょう

「ヘリコプター#飛行ひこう速度そくどの限界げんかい」および「二に重じゅう反転はんてん式しきローター#ABCローター」も参照さんしょう

二に重じゅう反転はんてん式しきローターは、高速こうそく化かを実現じつげんするため「アドヴァンスト・ブレード・コンセプト・ローター」（ABCローター）を採用さいようしている。

これはリジッドローター（主しゅ回転かいてん翼つばさの各々おのおのの羽根はねの迎むかい角かくを羽根はねの前進ぜんしん翼つばさ状態じょうたいから後退こうたい翼つばさ状態じょうたいにかけて周期しゅうき的てきに変化へんかさせる「フェザリング・ヒンジ」のみで構成こうせいされ、他たの関節かんせつ部ぶを持もたない）を用もちいた二に重じゅう反転はんてん式しきローターのことで、上下じょうげに配置はいちされた各々おのおのの回転かいてん翼つばさの前進ぜんしん側がわの羽根はねだけで全すべての揚力ようりょくを賄まかなう（後退こうたい側がわは揚力ようりょくを発生はっせいさせないようにして利用りようしない）形式けいしきであり、後退こうたい側がわの逆ぎゃく流ながれや失速しっそくによる左右さゆうの揚力ようりょくバランス喪失そうしつに対たいする解決かいけつ策さくの1つとされている。

低速ていそくでの操舵そうだは、上部じょうぶと下部かぶ回転かいてん翼つばさの差さ動どうトルクを利用りようすることによって、従来じゅうらいのヘリコプターに比較ひかくしてより機敏きびんな機首きしゅの操みさお向むかいが可能かのうである。

諸しょ元もと

• 乗員じょういん： 0 - 2 名めい〔無人むじん運用うんよう可能かのう〕
• 兵員へいいん：最大さいだい 6 名めい
• 全長ぜんちょう： 35 ft (11 m)
• 自重じちょう： 8,945 lb (4,057 kg)
• 最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう： 11,000 lb (5,000 kg)
• 発動はつどう機き：1 × ジェネラル・エレクトリック YT706・ターボシャフト・エンジン , 2,600 shp (1,900 kW)
• 主しゅ回転かいてん翼つばさの構成こうせい： 1 × 同軸どうじく反転はんてん式しきローター (二に枚まい一いち組くみ)
• 主しゅ回転かいてん翼つばさの直径ちょっけい： 34 ft (10 m)
• 推進すいしん用ようプロペラ：6翅可変かへんピッチ・プロペラ、クラッチ変速へんそく式しき (clutchable pusher propeller)、直径ちょっけい 7 ft (2.1 m)

性能せいのう

• 巡航じゅんこう速度そくど：253 mph (407 km/h; 220 kn) （規定きていの標準ひょうじゅん外部がいぶ搭載とうさい兵へい装そうにて）
• 超過ちょうか禁止きんし速度そくど： 276 mph (444 km/h; 240 kn)
• 行動こうどう半径はんけい： 354 mi (308 nmi; 570 km)
• 航続こうぞく時間じかん：2時じ間あいだ40分ふん
• 実用じつよう上昇じょうしょう限界げんかい：10,000 ft (3,000 m) （95 °F (35 °C)）

兵へい装そう

• 固定こてい火器かき： ブローニングM2重じゅう機関きかん銃じゅう 12.7 mm （.50 cal）、装弾そうだん数すう 500 発はつ
• 兵員へいいん室しつドアガン： M240D 機関きかん銃じゅう （7.62x51mm NATO弾だん）

以下いかは選択せんたく装備そうび（オプション）であり、機体きたいの側面そくめん後方こうほうに揚力ようりょくには寄与きよしない極きわめて小型こがたの小しょう翼つばさを装備そうびした上うえで、対地たいち用ようあるいは対戦たいせん車しゃの兵へい装そうのいずれか一いち組くみを選えらんで搭載とうさいする。

• 対戦たいせん車しゃ用よう：左右さゆうの小しょう翼つばさにAGM-114ヘルファイアを各かく1本ほん（計けい2本ほん）
• 対地たいち攻撃こうげき用よう：左右さゆうの小しょう翼つばさにハイドラ70 7連装れんそう 2.75インチ ロケット弾だんポッド 各かく1基き（計けい2基き）

関連かんれん項目こうもく

• 複ふく合あいヘリコプター
• 二に重じゅう反転はんてん式しきローター
• シコルスキー S-69
• RAH-66 (航空機こうくうき) - アメリカ陸軍りくぐんの次期じき偵察ていさつヘリコプター。開発かいはつ中止ちゅうし。
• シコルスキー X2
• シコルスキー レイダーX
• SB>1 デファイアント（シコルスキー S-100 N100FV）
• 統合とうごう多た用途ようと・将来しょうらい型がた垂直すいちょく離着陸りちゃくりく機き計画けいかく （Joint Multi-Role / Future Vertical Lift , JMR / FVL）
• 将来しょうらい型がた攻撃こうげき偵察ていさつ機き（Future Attack Reconnaissance Aircraft, FARA）

外部がいぶリンク

ウェブ

• S-97 Raider page on Sikorsky.com2018年ねん11月24日にち閲覧えつらん。〔シコルスキーエアクラフト社しゃの公式こうしきウェブページ〕
• S-97 on display 2018年ねん11月24日にち閲覧えつらん。〔 アメリカヘリコプター協会きょうかい〕
• Flight test video2018年ねん11月24日にち閲覧えつらん。〔 シコルスキーエアクラフト社しゃ Facebook S-97 紹介しょうかい 〕