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7.62x51mm NATOだん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
7.62x51mm NATOだん
7.62x51mm NATOだんたん3電池でんちよりながくてほそい。
種類しゅるい ライフル
はら開発かいはつこく アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
使用しよう
使用しよう期間きかん 1954ねん現在げんざい
使用しようしゃ地域ちいき アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくNATO
使用しよう戦争せんそう ベトナム戦争せんそう, 湾岸わんがん戦争せんそう, アフガン戦争せんそう, イラク戦争せんそうひとし
特徴とくちょう
もとモデル .300 Savage (en
薬莢やっきょう形状けいじょう リムし, ボトルネック
弾丸だんがんみち 7.82 mm (0.308 in)
くびみち 8.77 mm (0.345 in)
かたみち 11.53 mm (0.454 in)
底面ていめんみち 11.94 mm (0.470 in)
リムみち 12.01 mm (0.473 in)
リムあつ 1.27 mm (0.050 in)
薬莢やっきょうちょう 51.18 mm (2.015 in)
全長ぜんちょう 69.85 mm (2.750 in)
ライフリング 1:12"
雷管らいかんのタイプ ラージ・ライフル
最大さいだいあつ 415 MPa (60,200 psi)
弾丸だんがん性能せいのう
弾頭だんとう重量じゅうりょう/種類しゅるい 初速しょそく エネルギー
147 gr (10 g) M80 FMJ 2,733 ft/s (833 m/s) 2,437 ft⋅lbf (3,304 J)
175 gr (11 g) M118 Long Range BTHP 2,580 ft/s (790 m/s) 2,586 ft⋅lbf (3,506 J)
算出さんしゅつ銃砲じゅうほうながさ: 24インチ (61 cm)
出典しゅってん: M80: Slickguns,[1] M118 Long Range: U.S. Armorment[2]

7.62x51mm NATOだん(7.62ミリ ナトーだん、えい: 7.62 x 51 mm NATO )は、北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう(NATO)により標準ひょうじゅんされたしょう火器かきよう弾薬だんやく1950年代ねんだい提案ていあんされ、NATO加盟かめいこく軍隊ぐんたい中心ちゅうしん幅広はばひろ採用さいようされた。

通常つうじょうだんほか曳光弾えいこうだん空包くうほう模擬もぎだんがある。民間みんかんようのものは.308 ウィンチェスターだんとして有名ゆうめい

概要がいよう

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NATO加盟かめい国軍こくぐんでは多種たしゅ多様たようじゅう使つかわれていたが、主力しゅりょく小銃しょうじゅう機関きかんじゅう適用てきようするために、NATOによる小火ぼや器用きよう弾薬だんやく標準ひょうじゅん提案ていあんされた。1950年代ねんだいに、アメリカ陸軍りくぐんM14自動じどう小銃しょうじゅうおよびM60けい機関きかんじゅう使つかわれていた弾薬だんやくえらばれ、標準ひょうじゅんされた。1980年代ねんだいヨーロッパ諸国しょこくひろ使つかわれたベルギーFN FAL自動じどう小銃しょうじゅうも、この弾薬だんやく採用さいようした。M14はベトナム戦争せんそうさい5.56x45mm NATOだん使用しようするM16にえられたが、しょう火器かき依然いぜんとしてこの弾薬だんやく使つかつづけた。現在げんざいでも利用りようされつづけており、M14の復活ふっかつ(M21・M25)、利用りようつづいているM60、FN MAGようのほか、GEしゃせいM134ミニガンにも使つかわれている。

陸上りくじょう自衛隊じえいたいにおいても、アメリカ陸軍りくぐんとの弾薬だんやく共通きょうつうのために7.62x51mm NATOだん互換ごかんせいのあるM80普通ふつうだんが、62しき7.62mm機関きかんじゅうおよ64しき7.62mm小銃しょうじゅうよう弾薬だんやくとして採用さいようされた。M80普通ふつうだんには7.62x51mm NATOだんどう程度ていどそうくすりりょうつねそうくすりだんと、そうくすりりょうを10%程度ていどすくなくしたげんそうくすりだんがあり、通常つうじょう体格たいかくちいさい日本人にっぽんじんわせ反動はんどうすくないげんそうくすりだん使用しようされる。62しき、64しきともにガスレギュレーター(規制きせい)の調整ちょうせいにより、つねそうやくげんそうやくりょうたま発射はっしゃ可能かのうであるが、照準しょうじゅん装置そうち目盛めもりはげんそうくすりだんようである。

軍用ぐんようの7.62×51mmだん民間みんかんようの.308ウィンチェスターだん寸法すんぽう共通きょうつうである。軍用ぐんようのものはNATOにより規格きかくされているが、民間みんかんようのものはSAAMIによって規格きかくされている。

7.62×51mmだんは、アメリカ陸軍りくぐんM1903小銃しょうじゅう(1906ねんモデル以降いこう)で使つかわれた.30-06だん(7.62×63mmだん)を短縮たんしゅくしたものえるが、使用しようそうやく改良かいりょうのため.30-06だんよりすくないそうやくでも銃口じゅうこう初速しょそくは860m/sとほとんどわらず、同等どうとう弾道だんどう性能せいのうっている。薬莢やっきょうちいさくなっているぶん、真鍮しんちゅう使用しようりょうすくなくなっている。また、この弾薬だんやく使用しようするじゅうは、それまでのじゅうよりもちいさくできた(類似るいじしたれいとして、拳銃けんじゅうだん.45ACPとそれを短縮たんしゅくした.45GAPがある)。短縮たんしゅく副作用ふくさようとしてはそうやく最大さいだい充填じゅうてんりょうが.30-06にくらおとるということだけであるが、軍用ぐんようとしてはめられた規格きかくでしかそうやくされないために、まったく問題もんだいとならない。

開発かいはつ経緯けいい

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7.62×51mmだん自体じたい開発かいはつだいいち世界せかい大戦たいせん直後ちょくごからはじまった。理由りゆうとして、.30-06だんはん自動じどう射撃しゃげき連続れんぞく射撃しゃげきあつかいにくいという事情じじょうがあった(.30-06だん自体じたいが、.30-03だん弾頭だんとう軽量けいりょうにしてこう初速しょそくにしたもの)。よりみじか弾薬だんやくは、機関きかんのコンパクトむすびつき、きゅうだんをスムーズにし、まいぶんあたりの発射はっしゃ速度そくどたかくする。その時点じてんでのもっとも有望ゆうぼう弾薬だんやくは、.276ペダーセンだんやく7mm)であった。しかし、1932ねんにアメリカ陸軍りくぐんは、.30口径こうけい(7.62mm)の弾薬だんやくのみが必要ひつよう条件じょうけんたすとして却下きゃっかした。

1940年代ねんだいから1950年代ねんだい初期しょきまでのあいだに、M1ガーランド改良かいりょうする実験じっけんスプリングフィールド国営こくえい造兵ぞうへいしょうおこなわれた。おも装填そうてん方法ほうほうをエンブロック・クリップ(8はつり)からはこがた弾倉だんそう変更へんこうすることや、フルオート射撃しゃげき可能かのうにすることなどの改良かいりょうおこなわれた。一番いちばん有名ゆうめいなものはジョン・ガーランド技師ぎし改良かいりょうしたT20で、アメリカ陸軍りくぐんはこの設計せっけいM1ガーランド代替だいたい十分じゅうぶん有望ゆうぼうて、弾薬だんやく一緒いっしょ改善かいぜんすべき時期じきであると決定けっていした。

試作しさくすうねんあいだつづけられ、.30-06だんだけでなく、.300サヴェージ改良かいりょうだんの7.62x51mm NATOだん対応たいおうモデル(T65だんとしてられる)も試作しさくされた。この試作しさくひんは、.30-06だんとほとんどわらない性能せいのう、すなわち147グレイン(やく9.5g)弾頭だんとうやく838m/sで発射はっしゃできることを実証じっしょうした。その一方いっぽうで、きゅうだんをより短時間たんじかんかつたか信頼しんらいせいおこなうこともできた。T20自動じどう小銃しょうじゅうをT65だん適合てきごうするように設計せっけいされたT44は、コンペにおいて競合きょうごうするじゅうけず、採用さいようにこぎけた。

アメリカ陸軍りくぐんがT65だん採用さいようすると発表はっぴょうしたときイギリス陸軍りくぐん激怒げきどした。かれらは.30-06だん近似きんじする小銃しょうじゅうだんとして.303ブリティッシュだん採用さいようしていたが、この弾薬だんやくかたげきちでフルオート射撃しゃげきをしたさい反動はんどう制御せいぎょすることがむずかしいという結論けつろんにすでにたっしていたため、スペックのちかいT65だん同様どうよう制御せいぎょむずかしいであろうと主張しゅちょうした。イギリス陸軍りくぐんではこれを解決かいけつするために、たまみちおさえて薬莢やっきょうちょう短縮たんしゅくしたなか威力いりょくだんである.280口径こうけいやく7.1mm)だん開発かいはつしていた。しかしアメリカ陸軍りくぐんがわだい世界せかい大戦たいせんまえの「.30口径こうけいしか使用しようしない」という方針ほうしんとおして反論はんろんした。べいえいふたつの陸軍りくぐんがこのたたかいをつづけているあいだカナダぐんはイギリスあんの.280だん満足まんぞくしていると発表はっぴょうした。しかしながら、アメリカ陸軍りくぐん結局けっきょくT65だん採用さいようし、.280だん使つかわないことをはっきりさせた。T65だん1954ねんにNATO標準ひょうじゅんだんとしてえらばれた。

試作しさく自動じどう小銃しょうじゅうT44はM14として1957ねん制式せいしきされた。また、FN FALがイギリス陸軍りくぐんカナダ陸軍りくぐん同時どうじ採用さいようされ、西にしドイツ当時とうじ)のドイツ連邦れんぽうぐんスペインセトメ・ライフル(CETME)を改良かいりょうしたH&KG3採用さいようした。しかし.308(7.62mm)だんをフルオート射撃しゃげきしたさい反動はんどう制御せいぎょ非常ひじょう困難こんなんである事実じじつから、イギリス陸軍りくぐん主張しゅちょうただしかったと関係かんけいしゃ理解りかいするのに時間じかんはかからなかった。M14の改良かいりょうばんM21、M25はフルオート機能きのうはぶいて供給きょうきゅうされた。またFALでは、イギリスぐん仕様しようL1A1でもフルオート機能きのう除去じょきょされ、けい機関きかんじゅうバージョンにはきゃくおよびヘビー・バレル(強化きょうか銃身じゅうしん)が付加ふかされた。

これらの事態じたいつづあいだアメリカぐんはサルヴォ計画けいかく(Project SALVO)というで、射撃しゃげきかんする研究けんきゅうおこなっていた。4はつ弾丸だんがんをバトルライフルからバースト射撃しゃげきした場合ばあい弾丸だんがんが20インチ(やく50cm)範囲はんい着弾ちゃくだんすれば、負傷ふしょうしゃかずばいにするが、弾薬だんやく口径こうけい結果けっか変動へんどうをもたらさない、という結論けつろん到達とうたつした。かれらはまた、.22口径こうけいやく5.5mm)の弾頭だんとうが2はつはいった弾丸だんがんじゅう装填そうてん duplex load )の採用さいよう提案ていあんおこない、べつ研究けんきゅうしゃは、フレシェットだんであれば軽量けいりょうでき、.30-06だんよりちいさい口径こうけいでもより強力きょうりょく貫徹かんてつりょくしめすとした。これらの調査ちょうさ結果けっかは、イギリス陸軍りくぐん結果けっかり、かれらの主張しゅちょうただしかったことにたいする証拠しょうことして使つかわれることをけるために、秘密ひみつとされた。しかし後世こうせいになって、アメリカぐん5.56x45mm NATOだん開発かいはつ実用じつようすることになる。

ベトナム戦争せんそう

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ベトナム戦争せんそうにおいてフルロードの7.62mmだんは、共産きょうさんぐんつAK-47の短小たんしょうだんたいして不利ふりであることがあきらかになった。ジャングル近接きんせつ戦闘せんとう連続れんぞくで、射程しゃてい優位ゆうい発揮はっきできず、むしろぜん自動じどう射撃しゃげきかないことの不利ふりおおきかった。M14をたたかった米兵べいへいたちは戦場せんじょう相対あいたいしたAK-47機動きどうせい火力かりょく翻弄ほんろうされることになる。弾薬だんやくおもぶん携帯けいたいできる弾薬だんやくすうでもおとっていた。

これがぜん自動じどう射撃しゃげき銃弾じゅうだん導入どうにゅう契機けいきになった。1960年代ねんだい初期しょきにAK-47で武装ぶそうしたNVA(きたベトナム人民じんみんぐん)と実際じっさい交戦こうせんした実戦じっせんテストがおこなわれ、しょう口径こうけいの.223レミントンたま (5.56mm) を使用しようするAR-15を装備そうびした8めい部隊ぶたいが、M14を装備そうびした11めい部隊ぶたいより火力かりょくまさることがしめされた。AR-15はM16として採用さいようされ、1964ねんからじゅんに、アメリカ陸軍りくぐんはM14をM16にはじめた。そしてNATOぐん再度さいどべいぐん都合つごうまわされるかたち使用しよう弾薬だんやく変更へんこうすることになる。

その

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自動じどう小銃しょうじゅうおよび分隊ぶんたい支援しえん火器かきでは高速こうそくしょう口径こうけいだんにとってわられたものの、狙撃そげきじゅう汎用はんよう機関きかんじゅう銃弾じゅうだんとしてひろ使用しようされつづけている。ぜん自動じどう射撃しゃげき制動せいどうせいさえ問題もんだいなければ対人たいじん用途ようと弾薬だんやくとしてもっともバランスのれた有効ゆうこう射程しゃてい殺傷さっしょう能力のうりょくゆうしているといえる。たいして5.56mmのような高速こうそくしょう口径こうけいだんは200mをえるような長距離ちょうきょり射撃しゃげきになると、弾頭だんとうかるさから命中めいちゅう精度せいど悪化あっかし、殺傷さっしょう能力のうりょく急激きゅうげき低下ていかする(これは、大国たいこく正規せいきぐんはもとより、中小ちゅうしょうこくのテロリストや軍閥ぐんばつ武装ぶそう勢力せいりょくといった正規せいきぐんにおいてすらも、高性能こうせいのうボディアーマー普及ふきゅうした現代げんだいにおいては無視むしできないデメリットである)。12.7mmのようなだい口径こうけいだん弾道だんどう性能せいのうもうぶんなく、ちょう長距離ちょうきょり射撃しゃげき可能かのうであるが、強烈きょうれつ反動はんどうえるためにじゅう本体ほんたいおもくなってしまい、まわしになんがある。

ウィンチェスターしゃ1952ねんにT65の民間みんかんよう弾丸だんがん発売はつばいした。これは今日きょうでもスポーツ射撃しゃげき用途ようと人気にんきがあり、.308 ウィンチェスターだん(.308 Winchester)のられている。この弾丸だんがんは、中距離ちゅうきょりヘラジカアカシカ狩猟しゅりょうするさいによく使つかわれる(長距離ちょうきょりでは短縮たんしゅくまえの.30-06や、それをさら延長えんちょうした.300win Magにぶんがある)。

弾薬だんやく一覧いちらん

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通常つうじょう戦闘せんとうよう弾薬だんやく

  • M61(こう貫通かんつうだん・AP)
  • M62(曳光弾えいこうだん・Tracer)
  • M80(通常つうじょうだん・Ball・7.62mmみりめーとる×51mmNATOだんもっと一般いっぱんてきであるとかんがえられるFMJだん
  • M80A1(EPR・性能せいのう増強ぞうきょうだん・M80からなまりのぞいたタイプ)
  • M276(てい輝度きどがた曳光弾えいこうだん・Tracer)
  • M948(サボットづけ軽装けいそうかぶと貫通かんつうようだん・SLAPだん・タングステン弾頭だんとう使用しようしたこう貫通かんつうだん
  • M959(サボットづけ軽装けいそうかぶと貫通かんつうよう曳光弾えいこうだん・SLAPだん・曳光機能きのうづけ
  • M993(炭化たんかタングステンしんだか貫通かんつうだん・AP・アメリカによる機密きみつ指定していがされているこう貫通かんつうだん製造せいぞうはNammoしゃ独占どくせんしている)
  • M1158またはXM1158(先進せんしんてっかぶとだん・ADVAP・7.62mmICSR計画けいかく付随ふずいして開発かいはつされたこう貫通かんつうだんで、ピカティニー造兵ぞうへいしょう機関きかんによるとM80A1のデータをもと開発かいはつされたタングステンだんしん弾薬だんやくとされる)

特殊とくしゅ弾薬だんやく

  • M60(高圧こうあつテストよう弾薬だんやくおも武器ぶき耐久たいきゅうテストなどでもちいられる)
  • M63(ダミーだん・Dummy)
  • M82(空包くうほうおも式典しきてんなどでもちいられる)
  • M973(実弾じつだん射撃しゃげき訓練くんれんようだん・SRTA・距離きょり低下ていかさせるエアブレーキづけ弾薬だんやく
  • M974(実弾じつだん射撃しゃげき訓練くんれんよう曳光弾えいこうだん・SRTA・M973に曳光弾えいこうだん機能きのうたせたもの)
  • MK316Mod0(長距離ちょうきょり射撃しゃげきよう特殊とくしゅだん

7.62x51mm NATOだん採用さいようしているおもしょう火器かき

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ a b c d e f g h 通常つうじょうげんそうやく、NATOだん使用しよう可能かのう
  2. ^ 通常つうじょうげんそうやく使用しよう

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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