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L1A1

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L1A1 SLR
L1A1 SLR
種類しゅるい 軍用ぐんよう小銃しょうじゅう (L1A1/C1A1)
けい機関きかんじゅう(L2A1/C2A1)
製造せいぞうこく ベルギーの旗 ベルギー
イギリスの旗 イギリス
オーストラリアの旗 オーストラリア
カナダの旗 カナダ
設計せっけい製造せいぞう

RSAF エンフィールドBSA英国えいこく[1]

リスゴウ・アームズ英語えいごばん豪州ごうしゅう
カナディアン・アーセナルズ(カナダ)
年代ねんだい 1950年代ねんだい
仕様しよう
種別しゅべつ 自動じどう小銃しょうじゅう
口径こうけい 7.62 mm
銃身じゅうしんちょう 554.4 mm(21.84 inch)
ライフリング 4じょうみぎ回転かいてん(254 mmにつき1回転かいてん
使用しよう弾薬だんやく 7.62x51mm NATOだん
装弾そうだんすう 20はつまたは30はつ着脱ちゃくだつしきはこがた弾倉だんそう
作動さどう方式ほうしき ガスあつ、ティルトボルト
全長ぜんちょう 1,143 mm(45 inch)
重量じゅうりょう じゅうのみ:4.337 kg(9.56 lbs)[2]
発射はっしゃ速度そくど はん自動じどう(L1A1, C1A1)
650-700はつ/ぶん(L2A1, C2A1)
銃口じゅうこう初速しょそく 823 m/s(2,700 ft/s)
有効ゆうこう射程しゃてい 800 m(1,968 ft)
歴史れきし 
設計せっけいねん 1947ねん – 1953ねん
製造せいぞう期間きかん 1954ねん – 1989ねん(?)
配備はいび期間きかん 1954ねん –
配備はいびさき イギリス連邦れんぽう諸国しょこく
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう だい中東ちゅうとう戦争せんそう
マレー危機きき
インドネシア=マレーシア紛争ふんそう英語えいごばん
アデン危機きき
ベトナム戦争せんそう
カンボジア内戦ないせん
きたアイルランド紛争ふんそう
ローデシア紛争ふんそう
フォークランド紛争ふんそう
湾岸わんがん戦争せんそう
ラハダトゥのたたか
ネパール内戦ないせん
ミルバートのたたかなど
バリエーション L2A1
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L1A1 セルフローディングライフル(L1A1 Self-Loading Rifle)は、イギリス連邦れんぽう諸国しょこくけにライセンス生産せいさんされたFAL自動じどう小銃しょうじゅうである。

カナダ陸軍りくぐんにおける制式せいしき名称めいしょうの「C1」や、"セルフローディングライフル"をりゃくした「SLR」、アメリカ国内こくないにおける「インチパターンFAL("inch pattern" FAL)」などの名称めいしょうでもられる。

概要がいよう

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L1A1はイギリス本国ほんごくのほか、オーストラリアカナダジャマイカマレーシアニュージランドローデシアインドなどの軍隊ぐんたい採用さいようされた[3]

えい連邦れんぽう各国かっこく生産せいさんされたFALはほとんどがフルオート射撃しゃげき機能きのう除去じょきょされていた。しかし、けい機関きかんじゅうかたのL2A1およびC2A1ではフルオート射撃しゃげき可能かのうで、これにともなじゅう銃身じゅうしんおりたたみしききゃくねるハンドガードなどがもうけられていた。弾倉だんそう標準ひょうじゅんてきな20はつはこがた弾倉だんそうのほか、けい機関きかんじゅうがたけの30はつばこがた弾倉だんそう使用しようできる。これらのけい機関きかんじゅうがたひろ使用しようしたのはオーストラリアとカナダのみで、イギリスやニュージーランドではL4けい機関きかんじゅうブレンけい機関きかんじゅう7.62x51mmだんモデル)を使用しようしていた。また、カナダ海軍かいぐんけに調達ちょうたつされたいくつかのC1小銃しょうじゅうにはフルオート射撃しゃげき機能きのう追加ついかされていた。

1980年代ねんだいなかば、イギリスぐんでは5.56x45mm NATOだん使用しようするL85小銃しょうじゅうシリーズを採用さいようし、L1A1小銃しょうじゅう更新こうしん開始かいしした。オーストラリアぐんではL1A1を更新こうしんするべく、ステアーAUえーゆーG改良かいりょうがたをF88 オーステアー(F88 Austeyr)として採用さいようし、まもなくニュージーランドぐんもこれにつづいた。カナダぐんではC1小銃しょうじゅうAR-15小銃しょうじゅう改良かいりょうがたであるC7小銃しょうじゅうシリーズで更新こうしんした。また、オーストラリアぐんおよびカナダぐんではL2A1けい機関きかんじゅうおよびC2けい機関きかんじゅう配備はいびされていたが、これはミニミけい機関きかんじゅう改良かいりょうがたであるF89けい機関きかんじゅうおよびC9けい機関きかんじゅう更新こうしんされた。

開発かいはつ

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えい連邦れんぽうにおけるインチパターンFAL開発かいはつ発端ほったんは、1950年代ねんだい設置せっちされた連合れんごうぐんライフル委員いいんかい(Allied Rifle Commission)にまでさかのぼる。どう委員いいんかい目的もくてきは、北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう(NATO)のぜん加盟かめいこく軍隊ぐんたい単一たんいつ小銃しょうじゅう単一たんいつ弾丸だんがん採用さいようし、これらによる標準ひょうじゅん達成たっせいすることであった。英国えいこくでは新型しんがた小型こがた弾薬だんやくである.280ブリティッシュだん英語えいごばんとこれを使用しようするNo.9小銃しょうじゅう採用さいようし、これを標準ひょうじゅんだんとして提案ていあんしたが、7.62x51mmだん提案ていあんした米国べいこく対立たいりつし、最終さいしゅうてきにNo.9小銃しょうじゅう採用さいよう撤回てっかいされ、1954ねんにL1A1が英国えいこくぐん基幹きかん小銃しょうじゅうとして採用さいようされたのである。英国えいこくないではFALが標準ひょうじゅん小銃しょうじゅうとして採用さいようされること期待きたいしていたものの、アメリカではしん設計せっけいM14小銃しょうじゅう採用さいようされた。こうしてNATO標準ひょうじゅんだんは7.62x51mmだんさだまったものの、最後さいごまでNATO標準ひょうじゅん小銃しょうじゅう決定けっていにはいたらなかった。

ベルギーにおける一般いっぱんてき単位たんいけいトル法とるほうであり、元々もともとはFALもトル法とるほうしたが設計せっけいされていた。しかし、えい連邦れんぽうではふるくからヤード・ポンドほう、すなわち帝国ていこく単位たんい一般いっぱんてき単位たんいけいとして採用さいようされていたため、ライセンス生産せいさんおりにヤード・ポンドほうしたがさい設計せっけいされたのである。インチパターンの通称つうしょうはこれに由来ゆらいする。ただし、部品ぶひん互換ごかんせい自体じたいはほとんどうしなわれていない。

運用うんようこく

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L1A1は、冷戦れいせんおよびそれ以降いこうのいくつかの紛争ふんそう投入とうにゅうされた。L1A1を主力しゅりょく歩兵ほへいじゅうとして採用さいようしていたイギリス陸軍りくぐんではマレー危機きききたアイルランド紛争ふんそうフォークランド紛争ふんそう[nb 1]湾岸わんがん戦争せんそう[nb 2]などでこれを使用しようした。また、ベトナム戦争せんそうでもオーストラリアぐんおよびニュージーランドぐんによって使用しようされ、ローデシア紛争ふんそうではローデシアぐん使用しようした。

イギリス

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イギリスでは連合れんごうぐんライフル委員いいんかいでの決定けっていもとづく変更へんこうくわえたFAL小銃しょうじゅうをL1A1セルフローディングライフル(SLR)としてさい設計せっけいしたうえ生産せいさんした。製造せいぞうエンフィールド造兵ぞうへいしょうバーミンガムしょう火器かきしゃ王立おうりつ造兵ぞうへいしょう英語えいごばんファザカーリー小銃しょうじゅうしょう英語えいごばん担当たんとうした。これらの工場こうじょうによる生産せいさん終了しゅうりょうしたのち交換こうかん部品ぶひんパーカー・ヘイル英語えいごばんしゃ製造せいぞうしている。イギリスぐんでは1954ねん採用さいようされたのち1985ねんからL85小銃しょうじゅうへの更新こうしんはじまり、最終さいしゅうてき1994ねんころまで使用しようされていた。

L1A1はヤード・ポンドほう帝国ていこく単位たんい)にもとづいてさい設計せっけいされていたことやイギリスがわ運用うんよう思想しそうによる改良かいりょうれていたことから、標準ひょうじゅんてきなFAL小銃しょうじゅう比較ひかくするといくつかの相違そういてんがある。もっとおおきな変更へんこうてんは、オリジナルのFALではセミ/フルオートのえが可能かのう(セレクティブファイア)であったが、L1A1小銃しょうじゅうではセミオート射撃しゃげきのみ可能かのうとされたてんであろう。そのおりたたみしきのコッキングハンドル、みぞづけ消炎しょうえんおりたたみしきあきらもん機関きかん砂塵さじん排出はいしゅつ機能きのう、ボルトおよびボルトキャリア、手袋てぶくろ使用しよう想定そうていしたおりたたみしきのトリガーガード、強化きょうかがた銃床じゅうしょう大型おおがたのセレクターレバーおよびマガジンキャッチレバー、たてがた分解ぶんかいレバー、自動じどうホールドオープン機能きのう除去じょきょ、およびSUITがた照準しょうじゅんけるさいにトップカバーのうごきによる干渉かんしょうけさせないための固定こていタブの追加ついかなどが主要しゅよう変更へんこうてんとなる。消炎しょうえんみぞにはLシリーズ銃剣じゅうけんのほか、L1A1/A1およびL6A1空砲くうほう発射はっしゃ補助ほじょやL1A1/A2 ENERGA小銃しょうじゅう擲弾発射はっしゃけることができる。

初期しょき生産せいさんがたにぎつつ、キャリングハンドル、銃床じゅうしょうクルミざい使用しようしていた。これらの木製もくせい部品ぶひん水分すいぶんからの保護ほご目的もくてきにオイル処理しょりほどこされていたが、ニスや研磨けんまによる表面ひょうめん処理しょりおこなわれていなかった。後期こうき生産せいさんがたでは合成ごうせい繊維せんいあらためられ、ナイロン6,6ガラス繊維せんいわせたマラニール(Maranyl)がもちいられた。表面ひょうめんすべ加工かこうほどこされた台尻だいじりはずしが可能かのうで、利用りようしゃ体格たいかくわせて4つのことなるおおきさのものが用意よういされていた。また、防寒ぼうかん防弾ぼうだんチョッキなどを着用ちゃくようする場合ばあい想定そうていした、よりみじか銃床じゅうしょうおよび台尻だいじり用意よういされていた。マラニールせい部品ぶひん採用さいようされると、初期しょき生産せいさんぶん木製もくせい部品ぶひん段階だんかいてき交換こうかんされていった。この過程かていおおくの小銃しょうじゅう木製もくせい部品ぶひんとマラニールせい部品ぶひん混在こんざいした状態じょうたいになった。すくなくとも1989ねんころまでは国防こくぼう義勇軍ぎゆうぐん部隊ぶたい木製もくせい部品ぶひん装着そうちゃくしたままのL1A1が使用しようされていた。

3てんしき安全あんぜん、セミオート、フルオート)だったFALとことなり、L1A1のセレクターは2てんしき安全あんぜん、セミオート)であり、それぞれ「安全あんぜん」(Safe)を意味いみするSと「連発れんぱつ」(Repetition)を意味いみするRが刻印こくいんされている。弾倉だんそうはL4けい機関きかんじゅうのものをそのまま使用しようすることもできたが、L4はブレンけい機関きかんじゅう由来ゆらいする上方かみがた弾倉だんそう装填そうてんしきけい機関きかんじゅうであり、下方かほう弾倉だんそう装填そうてんしきのL1A1にこの弾倉だんそう使用しようした場合ばあい、いくらか装填そうてん信頼しんらいせいちるとされた。また、オリジナルのFALでは弾倉だんそう機関きかん突起とっきわせてくぼんでいるが、L1A1などえい連邦れんぽうせいのFALではぎゃく機関きかんのくぼみにわせるかたち突起とっきもうけられていた。そのため、オリジナルのFALの弾倉だんそうをL1A1で使用しようすることは可能かのうだったが、L1A1の弾倉だんそうをオリジナルのFALに装填そうてんすること不可能ふかのうであった[4]

えい連邦れんぽう製造せいぞうされたL1A1をはじめとするいわゆるインチパターンFALは帝国ていこく単位たんいもとづいているにもかかわらず、オリジナルのFALとのあいだ基本きほんてき寸法すんぽうちがいはない。かく部位ぶい構成こうせいするネジなどのこまかい部品ぶひん互換ごかんせいこそうしなわれているが、部位ぶい自体じたい互換ごかんせいはほぼ完全かんぜんたもたれている。銃床じゅうしょう弾倉だんそうなどの互換ごかんせいかぎられているが、これは単位たんいけいちがいではなく構造こうぞうじょう差異さい原因げんいんである。アメリカではオリジナルのベルギーせいFALをして「メトリックFAL」(metric FAL)、えい連邦れんぽうせいFALをして「インチFAL」(inch FAL)という表現ひょうげんがしばしば使つかわれる。

L1A1には2種類しゅるい追加ついか照準しょうじゅん用意よういされていた。ハイス・サイト(Hythe Sight)とばれる照準しょうじゅんは、制式せいしき名称めいしょうを「L5A1トリルクス7.62mm小銃しょうじゅう照準しょうじゅん取付とりつけキット」(Conversion Kit, 7.62mm Rifle Sight, Trilux, L5A1)といい、至近しきん距離きょりかつくらところでの使用しよう想定そうていしたものである。ハイス・サイトはしぼりのおおきさがことなる2まいあきらもんわせたもので、また、トリチウム塗料とりょうもちいてくらところでの視認しにんせい改善かいぜんした照星しょうせいもセットで用意よういされていたが、トリチウムの半減はんげんむかえると放射ほうしゃせい崩壊ほうかいにより蛍光けいこうせいうしなわれるため、定期ていきてき交換こうかん必要ひつようであった。くらところでの使用しよう想定そうていした1まいあきらもんあな直径ちょっけい7mmで、あかるい場所ばしょでの使用しよう想定そうていした2まいあきらもんあな直径ちょっけい2mmだった[5]。なお、L5A1照準しょうじゅん改良かいりょうがたとしてL5A2照準しょうじゅんおよびL5A3照準しょうじゅん存在そんざいする。もう1種類しゅるい照準しょうじゅんは「L2A1トリルクス歩兵ほへいよう照準しょうじゅん」(L2A1 Sight Unit, Infantry, Trilux)という制式せいしき名称めいしょうで、しばしばSUITという略称りゃくしょうでもばれた。SUITはプリズムを利用りようしたオフセットがた照準しょうじゅんで、クランク形状けいじょうをしているために照準しょうじゅん全長ぜんちょうおさえられている。レティクルはいわゆるオベリスクかたで、材質ざいしつアクリル樹脂じゅしである。素早すばや照準しょうじゅんおこなえるように上下じょうげぎゃくになっており、先端せんたんには蛍光けいこう塗料とりょうとしてトリチウムが塗布とふされていた。同等どうとう照準しょうじゅん比較ひかくすると非常ひじょう頑丈がんじょう信頼しんらいせいがあったものの、一方いっぽうでやや重量じゅうりょうがあった。なお、ソビエト連邦れんぽう製造せいぞうされていた1P29照準しょうじゅんはSUITのコピーである。

1985ねん、イギリスぐん主力しゅりょく小銃しょうじゅうとしてL85小銃しょうじゅう採用さいようされた。1995ねんまでにL1A1は段階だんかいてきにL85へと更新こうしんされていった。退役たいえきしたL1A1はほとんどが売却ばいきゃくないし破棄はきされ、一部いちぶシエラレオネおくられた。また、すうせんちょうアメリカ輸出ゆしゅつされ、部品ぶひんとして販売はんばいされた。さらにルクセンブルクのLuxDefTecしゃ購入こうにゅうしたL1A1が改修かいしゅう販売はんばいされ、現在げんざいでも欧州おうしゅう中心ちゅうしん流通りゅうつうしている[6]

オーストラリア

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オーストラリアは、イギリスカナダともおくれて連合れんごうぐんライフル委員いいんかい参加さんかしたくにの1つで、これらのくにともFAL改良かいりょうがた採用さいようした。オーストラリアぐん採用さいようしたL1A1小銃しょうじゅうはセルフローディングライフル(Self-Loading Rifle)をりゃくしたSLR通称つうしょうばれ、また、フルオート射撃しゃげき機能きのう追加ついかされたモデルはオートマチックライフル(Automatic Rifle)をりゃくしたAR通称つうしょうばれた。オーストラリアせいのL1A1はイギリスせいのL1A1とほとんど同一どういつ機能きのうゆうしていたが、軽量けいりょうのために機関きかんめられ、形状けいじょうことなっている。この軽量けいりょうがた機関きかん形状けいじょうは、カナダせいC1小銃しょうじゅうのものに類似るいじしていた。1988ねん、オーストラリアぐん主力しゅりょく歩兵ほへいじゅうをF88 オーステアー(ステアーAUえーゆーGライセンス生産せいさんかた)へ更新こうしんしたが、L1A1の一部いちぶ1990ねんころまで予備よび装備そうびとしてのこされていた。1990年代ねんだい初頭しょとうナミビアへのPKO参加さんかしたオーストラリア陸軍りくぐん部隊ぶたいではM16A1小銃しょうじゅうなどとともにL1A1小銃しょうじゅう使用しようされていた。イギリス、オーストラリア、カナダにおけるL1A1小銃しょうじゅうおよびC1小銃しょうじゅうはいずれもセミオート射撃しゃげき専用せんようであったが、必要ひつようおうじてフルオート射撃しゃげき機能きのうされる場合ばあいもあった。

オーストラリアではカナダと共同きょうどうでL1A1小銃しょうじゅうじゅう銃身じゅうしんとフルオート射撃しゃげき機能きのう追加ついかしたけい機関きかんじゅうかた開発かいはつしており、これにはL2A1という名称めいしょうあたえられていた。オーストラリアせいL2A1はオリジナルFALのFAL 50.41/42に類似るいじしていたが、カナダせいC1小銃しょうじゅうシリーズに由来ゆらいするハンドガードをねるきゃく機関きかんおおいなどは独自どくじ特徴とくちょうであった。L2A1のようなFALに由来ゆらいするけい機関きかんじゅう分隊ぶんたい支援しえん火器かきはかつてのブローニングM1918自動じどう小銃しょうじゅうブレンガンなどとおなじような役割やくわりもとめられていたものの、こうした役割やくわりにおいては当初とうしょからけい機関きかんじゅうとして開発かいはつされたブレンガンがすべてのめんっており、英軍えいぐんでもブレンガンを改良かいりょうしたL4けい機関きかんじゅうシリーズを採用さいようしていた。また、イギリス以外いがいのFALシリーズを採用さいようしたおおくのくにでもFALを原型げんけいとするけい機関きかんじゅう採用さいようされなかった。

L2A1けに標準ひょうじゅんてきな20連発れんぱつ弾倉だんそう垂直すいちょく延長えんちょうした30連発れんぱつ弾倉だんそう開発かいはつされた。

オーストラリアせいのL1A1小銃しょうじゅうリズゴーしょう火器かき工廠こうしょう英語えいごばん製造せいぞうされた。L1A1は1959ねん-1986ねんにかけて220,000ちょう程度ていど製造せいぞうされ、L2A1は1962ねん-1982ねんにかけて10,000ちょう程度ていど製造せいぞうされた。また、リズゴーではこれ以外いがいにもニュージーランドシンガポールパプアニューギニアなどを対象たいしょうとする輸出ゆしゅつようL1A1小銃しょうじゅう製造せいぞうしていた。

ベトナム戦争せんそう最中さいちゅう、SLRはオーストラリアぐん歩兵ほへい標準ひょうじゅんてき装備そうびであった[7]おおくのオーストラリア軍人ぐんじんらはSLRの性能せいのうと7.62mmだん殺傷さっしょうりょく信頼しんらいせており、アメリカせいのM16小銃しょうじゅうなどよりもこのんでこれらを装備そうびしたのである。当時とうじのオーストラリア軍部ぐんぶ採用さいようしていたジャングルせんドクトリンは、かれらがマレー危機ききインドネシア・マレーシア紛争ふんそう英語えいごばんにおけるボルネオとう作戦さくせんなどでせんくんもとづいたもので、アメリカよりも効果こうかてきベトコン駆逐くちくすすめていた[8]

また、特殊とくしゅ空挺くうてい部隊ぶたい連隊れんたい(SASR)では「ビッチ」(The Bitch)と通称つうしょうされる特殊とくしゅ現地げんち改造かいぞうけたL1A1小銃しょうじゅう使用しようされていた。おおくはL2A1を原型げんけいとし、銃身じゅうしんめてきゃくはずし、銃身じゅうしんにアメリカせいXM148擲弾じゅうけたものである。L1A1を原型げんけいとした場合ばあいでもL2A1の機関きかん利用りようした改造かいぞうほどこことでフルオート射撃しゃげき機能きのうされた[9]

オーストラリアでは身長しんちょうひく兵士へいし配備はいびするべくL1A1の銃身じゅうしん短縮たんしゅくしたL1A1-F1開発かいはつしている[10]標準ひょうじゅんのL1A1にくらべると若干じゃっかん精度せいどおとっていたものの、パプアニューギニアぐんすめらぎ香港ほんこん警察けいさつなどが購入こうにゅうした。また、ダントルーン王立おうりつ軍事ぐんじ学校がっこう英語えいごばん女性じょせい士官しかん候補こうほせいなどにもこれが配備はいびされた。

1970ねん、リズゴーしょう火器かき工廠こうしょうではL1A1小銃しょうじゅう部品ぶひん利用りようしてKAL1 GPIR英語えいごばん(KAL1 General Purpose Infantry Rifle)というブルパップかた小銃しょうじゅう試作しさくされた。1973ねんにもL1A1の部品ぶひん利用りようしたブルパップがた小銃しょうじゅう試作しさくされている。

カナダぐんではなに種類しゅるいかの派生はせいがた採用さいようされているが、イギリスのL1A1に相当そうとうする標準ひょうじゅんてきなモデルがC1A1小銃しょうじゅうである。C1A1は特徴とくちょうてき回転かいてんばんしきあきらもん照準しょうじゅん距離きょり200-600ヤード)および2分割ぶんかつしきげきはり採用さいようしている。また、寒冷かんれい分厚ぶあつ手袋てぶくろをつけたまま射撃しゃげきおこなうことを想定そうていし、トリガーガードがピストルグリップがわりたためるようになっている。また、ストリッパー・クリップもちいた装填そうてんおこなえるようにするため、機関きかんおおいはえい連邦れんぽうせいL1A1よりもみじかかった。製造せいぞうはカナディアン・アーセナルズしゃ担当たんとうした[11]カナダ最初さいしょ標準ひょうじゅん歩兵ほへいじゅうとしてFAL採用さいようしたくにの1つである。C1A1は1950年代ねんだい-1984ねんまで標準ひょうじゅん歩兵ほへいじゅうとして使用しようされ、以後いごAR-15突撃とつげきじゅうライセンス生産せいさんモデルであるC7小銃しょうじゅう更新こうしんされた。

オーストラリアせいL2A1に類似るいじしたけい機関きかんじゅうモデルとして、C2A1開発かいはつされている。FALのけい機関きかんじゅうモデルの1つであるFN FAL 50.41/42とよくているが、おりたたみにハンドガードとしてにぎれるようきゃく木製もくせい部品ぶひんおおわれている。機関きかんおおいのうえには照準しょうじゅん距離きょり200-1,000mのタンジェント・サイトがもうけられている。通常つうじょう、C1A1は20はつ弾倉だんそうを、C2A1は30はつ弾倉だんそう使用しようした。また、C1およびC1A1にフルオート射撃しゃげき機能きのう追加ついかしたC1DおよびC1A1D小銃しょうじゅうカナダ海軍かいぐんけに設計せっけいされている[12]。C1DおよびC1A1Dには区別くべつのため銃床じゅうしょうにAの文字もじまれていた。

7.62mm 1A1小銃しょうじゅう(Rifle 7.62 mm 1A1)は、イギリスのL1A1小銃しょうじゅうたいするリバースエンジニアリングにより設計せっけいされた小銃しょうじゅうである。1A1はインド兵器廠へいきしょう委員いいんかい英語えいごばん(Ordnance Factories Board, OFB)に所属しょぞくするティルチラーパッリ兵器廠へいきしょう英語えいごばんにより製造せいぞうされている。イギリスせいL1A1と比較ひかくした場合ばあい銃床じゅうしょう外見がいけんじょうおおきな相違そういてんとなる。1A1小銃しょうじゅう木製もくせい銃床じゅうしょうリー・エンフィールド小銃しょうじゅう同型どうけい肩当かたあばんけられ、オイルボトルやクリーニングキットの収納しゅうのうスペースがもうけられている。おもインド陸軍りくぐんにおいてINSAS小銃しょうじゅう補完ほかんするかたち配備はいびされている。輸出ゆしゅつさかんにおこなわれているほか、1Cという名称めいしょうのフルオート射撃しゃげき可能かのうなモデルも設計せっけいされている[13][14]

ジャマイカ

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ジャマイカではえい連邦れんぽう構成こうせいこくとしてイギリスせいのSLRをジャマイカ国防こくぼうぐん主力しゅりょく小銃しょうじゅうとして採用さいようした。1980年代ねんだいにはイギリスL85A1開発かいはつされたが、ジャマイカでは評価ひょうかのちにこれを支援しえん兵科へいか装備そうびとしてのみ採用さいようし、主力しゅりょく歩兵ほへいじゅうとしてはSLRが使用しようされつづけた[15]

マレーシア

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マレーシア陸軍りくぐんでは、1969ねんころリー・エンフィールド小銃しょうじゅうおよびステンたん機関きかんじゅう更新こうしんするかたちでL1A1小銃しょうじゅう採用さいようした。なお、マレーシア海軍かいぐんでは陸軍りくぐん先駆さきがけ、1965ねん-1966ねんころ小銃しょうじゅうをL1A1に、たん機関きかんじゅうスターリングたん機関きかんじゅうへと更新こうしんしている。マレーシア警察けいさつ英語えいごばんでは、じゅん軍事ぐんじ組織そしきである汎用はんよう作戦さくせん部隊ぶたい英語えいごばん使用しようされている。はん政府せいふ活動かつどう展開てんかいしていたマラヤ共産党きょうさんとうでは、政府せいふぐん兵士へいしから鹵獲ろかくしたL1A1小銃しょうじゅう使用しようしていた。1990年代ねんだいHK33ベレッタAR70M16A1小銃しょうじゅうなどが採用さいようされたことだい一線いっせん退しりぞいたが、以後いご国土こくど防衛ぼうえい後備こうび軍団ぐんだん英語えいごばんなどのせんきゅう部隊ぶたいでは使用しようされている。2013ねんラハダトゥでの衝突しょうとつ英語えいごばんでは、マレーシアがわ治安ちあん部隊ぶたいスールー王国おうこくぐん自称じしょうする勢力せいりょく双方そうほうがL1A1小銃しょうじゅう使用しようした。

ニュージーランド

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ニュージーランド陸軍りくぐんでは、L1A1小銃しょうじゅう標準ひょうじゅんてき軍用ぐんよう小銃しょうじゅうとして30ねん以上いじょう使用しようした。1958ねん9月、ウォルター・ナッシュ労働党ろうどうとう政権せいけんにおいて、リー・エンフィールド小銃しょうじゅう更新こうしんするべく採用さいようされた。同年どうねん、ニュージーランド政府せいふはL1A1小銃しょうじゅうライセンス生産せいさんけん獲得かくとくしていたオーストラリアのリズゴー兵器廠へいきしょうたいし、合計ごうけい15,000ちょうのL1A1小銃しょうじゅう製造せいぞうするようにもとめた。しかし、この命令めいれいにより製造せいぞうされた最初さいしょの500ちょう陸軍りくぐんわたされたのは1960ねんになってからだった。その順調じゅんちょう生産せいさんすうばし、1965ねんまでに15,000ちょう製造せいぞう達成たっせいした。ニュージーランド海軍かいぐんおよびニュージーランド空軍くうぐんも、陸軍りくぐんつづかたちでL1A1小銃しょうじゅう採用さいようおこなっている。オーストラリアでの運用うんようとはことなり、ニュージーランドのL1A1は銃床じゅうしょうなどにイギリスせい同様どうようくろプラスチックせい部品ぶひん使用しようされ、木製もくせい部品ぶひんとプラスチックせい部品ぶひん混在こんざいしている小銃しょうじゅうすくなくなかった。キャリングハンドルはしばしばはずされた。一部いちぶ歩兵ほへい部隊ぶたいには、L1A1小銃しょうじゅうけるための英国えいこくせいSUITがた照準しょうじゅん(Sight Unit Infantry Trilux)が支給しきゅうされた。じゅう銃身じゅうしんかたのL2A1も採用さいようされていたが、そのじゅう銃身じゅうしんがたFALと同様どうよう理由りゆうからひろ普及ふきゅうしてはいなかった。ニュージーランドぐんにおける標準ひょうじゅんてきけい機関きかんじゅうブレンガン7.62x51mmだんモデルであるL4A1けい機関きかんじゅうであった。1988ねんステアーAUえーゆーGへの更新こうしんはじまった。現在げんざいでは陸海空りくかいくうぐんのほとんどの部隊ぶたいでAUG小銃しょうじゅうへの更新こうしん完了かんりょうしているが、海軍かいぐんでは船舶せんぱく搭載とうさいよう小銃しょうじゅうとして少数しょうすうのL1A1が運用うんようされている。

ローデシア

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みなみローデシア植民しょくみん軍部ぐんぶたいでもイギリスせいL1A1小銃しょうじゅう採用さいようされた。1965ねんローデシアによる一方いっぽうてき独立どくりつ宣言せんげん英語えいごばんのち独立どくりつたしたローデシア共和きょうわこくでも使用しようつづいたが、当然とうぜんながらあらたに供給きょうきゅうけることはできなかった。これをおぎなうため、共和きょうわこくではみなみアフリカ共和きょうわこくから同国どうこくライセンス生産せいさんしたL1A1小銃しょうじゅうであるR1小銃しょうじゅうを30,000ちょう以上いじょう購入こうにゅうした。1965ねん-1980ねんにかけてのローデシア紛争ふんそうでは、これら2しゅ小銃しょうじゅうローデシア治安ちあんぐん主力しゅりょく小銃しょうじゅうとして使用しようされた。

おも運用うんようこく一覧いちらん

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ なお、紛争ふんそう相手あいてこくのアルゼンチンでは主力しゅりょく小銃しょうじゅうとしてFN FALを配備はいびしていた
  2. ^ この時点じてんL85A1採用さいようされており、L1A1は陸軍りくぐんせんきゅう部隊ぶたい空軍くうぐん使用しようされていた

出典しゅってん

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  1. ^ FN FAL”. world.guns.ru. 2011ねん1がつ22にち閲覧えつらん
  2. ^ Army Code No. 12258, "User Handbook for Rifle, 7.62mm, L1A1 and 0.22 incle calibre, L12A1 Conversion Kit, 7.62mm Rifle
  3. ^ Small Arms Illustrated, 2010
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参考さんこう文献ぶんけん

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  • Bishop, Chris. Guns in Combat. Chartwell Books, Inc (1998). ISBN 0-7858-0844-2.
  • Jones, Richard D. Jane's Infantry Weapons 2009/2010. Jane's Information Group; 35th edition (27 January 2009). ISBN 978-0-7106-2869-5
  • Palazzo, Albert. Australian Military Operations in Vietnam, Australian Army Campaigns Series # 3, 2nd edition, Canberra: Army History Unit. (2011) [2009]. ISBN 978-0-9804753-8-8.

関連かんれん項目こうもく

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