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弾丸だんがん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベルトリンク連結れんけつされた7.62x54mmRだん
20世紀せいき英国えいこく王立おうりつ砲兵ほうへい英語えいごばんたいによってもちいられたさまざまな砲弾ほうだん壁際かべぎわてられたうち、ひだりからよっでは、砲弾ほうだん金属きんぞく薬莢やっきょうわされている。
現代げんだい典型てんけいてき実包じっぽう構造こうぞう。1:弾頭だんとう。2:薬莢やっきょう。3:発射はっしゃやく。4:リム。5:雷管らいかん

弾丸だんがん(だんがん、えい: bullet)とは、火器かきから発射はっしゃされて物体ぶったいのこと[1]銃弾じゅうだんおよび砲弾ほうだん総称そうしょうである[1]一般いっぱんてきにはたんに「たま(たま)」ともいう。

概説がいせつ

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じゅうほうから発射はっしゃされ物体ぶったい総称そうしょうが「弾丸だんがん」である。射手しゃしゅねらどおりに弾丸だんがん目標もくひょうたれば、目標もくひょう物理ぶつりてき損傷そんしょうあたえることになる。

弾丸だんがん材質ざいしつ形状けいじょう用途ようとにより多岐たきにわたる。

銃弾じゅうだん

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一言ひとことで「銃弾じゅうだん」といっても、現代げんだいでは一般いっぱんんでゆくたま単体たんたいじゅうにこめられるのではなく、たま発射はっしゃするための火薬かやくるい着火ちゃっかよう雷管らいかんなどとともに薬莢やっきょうばれる一種いっしゅ容器ようきおさめられ、一体化いったいかしたかたち事前じぜん用意よういされている。弾頭だんとう発射はっしゃやくじゅうよう雷管らいかん薬莢やっきょうおさめられて一体化いったいかした状態じょうたいを「実包じっぽう」や「弾薬だんやく」という。

弾頭だんとう材質ざいしつ構造こうぞうはいくつかあり、たとえばひろもちいられている「フルメタルジャケット」というタイプは、たま中心ちゅうしん部分ぶぶん(「たましん」、えい: core コア)はなまり合金ごうきんであり、それをどう合金ごうきんおおい(「かぶと」、えい: jacketジャケット)でおおった構造こうぞうになっている。

現代げんだい銃弾じゅうだん分類ぶんるいほうとしては、弾頭だんとう構造こうぞう形状けいじょう材質ざいしつなどにもとづいて「フルメタルジャケット / ソフトポイント / ホローポイント...」などと分類ぶんるいされることがおおい(詳細しょうさい後述こうじゅつ)。

一方いっぽう散弾さんだんじゅう散弾さんだんでは、実包じっぽう円柱えんちゅうかたちにまとめられ、発射はっしゃ同時どうじに、多数たすう球状きゅうじょうちいさな弾丸だんがんがバラかれるような状態じょうたいんでゆく。

なお、銃弾じゅうだん実際じっさい発射はっしゃすることを「発砲はっぽう(はっぽう)」という。

砲弾ほうだん

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さまざまな砲弾ほうだんのカットモデル。ひだりから90mm榴散だん、120mm銑鉄せんてつせい焼夷弾しょういだん、75mm榴弾りゅうだん、75mm榴散だん

現代げんだい砲弾ほうだん構造こうぞうとしては、たまたい炸薬さくやく信管しんかんたまたいからなる[2]使用しよう目的もくてきにより、榴弾りゅうだんとおるきのえだん照明しょうめいだん焼夷弾しょういだんガスだんなどがある[2]

実包じっぽうがた一体いったいしきになっているものもあれば、射程しゃてい加減かげんするために弾頭だんとうそうやく分離ぶんりしている形式けいしきもある。

歴史れきし

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鉄砲てっぽう大砲たいほうまれた時代じだい弾丸だんがんはその名称めいしょうに「まる」という漢字かんじはいっていることからもかるように、元々もともと球形きゅうけいのものであった。

しかも初期しょき弾丸だんがんは、いし素焼すや出来できものおおかった。たとえば一般いっぱんに「種子島たねがしま鉄砲てっぽう伝来でんらい」とされている1543ねんからさかのぼること80ねんまえ中国ちゅうごくから琉球りゅうきゅう王国おうこく経由けいゆで「石火矢いしびや(いしびや)」という鉄砲てっぽう一種いっしゅ日本にっぽんにもたらされていて、琉球りゅうきゅう使節しせつがその鉄砲てっぽう実際じっさい試射ししゃしてみせて公儀こうぎ献上けんじょうした、とする記述きじゅつが『かげりょうのきろく』には掲載けいさいされているが、どう目録もくろくには、「石火矢いしびや」の弾丸だんがんいし素焼すやせい、と記述きじゅつされている[3]

近世きんせい薩摩さつまはんでは弾薬だんやくおおきさの指定していとして、「6もんめ以上いじょう(22グラム前後ぜんご)」とする[4]

ライフリングがない時代じだい球形きゅうけいたま銃口じゅうこうから発射はっしゃされたのちんでゆくあいだ空気くうき抵抗ていこうつよく、たまそくちやすくたまとおくまでびづらく、またジャイロ効果こうかたない弾道だんどう野球やきゅう変化球へんかきゅうのように変化へんかしがちで安定あんていせず、目標もくひょう的中てきちゅうするかくりつひくかった。

マッチロックしきじゅう場合ばあい、1はつつたびに、まずじゅう垂直すいちょくてるようにち、銃口じゅうこうからそうやくそそれ、つぎ銃口じゅうこうからたまれて「さくつえ」とばれるぼうしてかため、火蓋ひぶた(=火皿ひざらぶた一種いっしゅ安全あんぜん装置そうち)をひらいて火皿ひざら着火ちゃっかやくれてじ、「はさみ」に火縄ひなわをセットする、という手順てじゅんである。この一連いちれん装填そうてん作業さぎょうようする時間じかんは、結局けっきょく射手しゃしゅうでによってまちまちであり、たとえば不慣ふなれな射手しゃしゅでは1 - 2ふんほどかかり、熟練じゅくれん射手しゃしゅいておこな場合ばあいでも、すうじゅうびょう程度ていどかかったなどと推定すいていされてもいる。これは発火はっか装置そうちことなるフリントロックしきじゅうでもパーカッションロックしきじゅうでも、ぜんそうしきであるかぎりはわらなかった。

たまこみ」の時間じかんみじかくするために、火薬かやくこな状態じょうたいのまま銃口じゅうこうかられるのではなく「あらかじめ所定しょていりょうかみふくろれておき、それを銃口じゅうこうかられる」というかみせい薬莢やっきょうのもっとも素朴そぼく形態けいたいは、14世紀せいきには一応いちおう発明はつめいされていた。が、実際じっさいひろ使用しようされるようになったのは、時代じだいである。

シャスポーじゅう実包じっぽう1866ねん

弾頭だんとう発射はっしゃやく着火ちゃっかやく薬莢やっきょう一体化いったいかされたものは、1808ねんパリで、スイスのじゅう職人しょくにんJean Samuel Paulyとフランスのじゅう職人しょくにんFrançois Prélatによって開発かいはつされた。弾頭だんとう球形きゅうけいで、薬莢やっきょう真鍮しんちゅうせいもしくはかみせいであった。これも普及ふきゅうしたのは時代じだいである。

米国べいこくでは南北戦争なんぼくせんそう時期じき(1861ねん-1865ねん)にライフルじゅう普及ふきゅうし、ミニエーだん使つかわれるようになったが、そのなかシャープスじゅうもちいられた。このじゅう特徴とくちょうとして発射はっしゃやく+たまという方法ほうほう装填そうてんすることもし、一体いったいがたかみ薬莢やっきょう装填そうてんすることもできた。のち金属きんぞく薬莢やっきょう方式ほうしきにも改修かいしゅうされている。1850年代ねんだいにはペッパーボックスピストルが、1860年代ねんだい-1870年代ねんだいになるとおおくのじゅう製造せいぞう業者ぎょうしゃ回転かいてんしき拳銃けんじゅう製造せいぞうし、連発れんぱつじゅう時代じだいむかえる。このなかでスミス&ウェッソンしゃからは金属きんぞくせい薬莢やっきょうはいったリムファイア実包じっぽう実用じつようされ、メタリックカートリッジの普及ふきゅうすすんだ。現在げんざい使用しようされている実包じっぽう直接ちょくせつ先祖せんぞである。

のちに、たま形状けいじょうたまそく増大ぞうだいさせるために後端こうたんをすぼめたボートテイルじょう進化しんかしたものが開発かいはつされたり、着弾ちゃくだんしたとき人体じんたいダメージをおおきくすべく、あえて弾頭だんとうさきたいらな形状けいじょうくぼんだ形状けいじょうのものなども開発かいはつされた。

かつてもちいられた「球形きゅうけい弾丸だんがん」は現代げんだいではすたれてほとんど戦場せんじょうではられなくなったが、キャニスターだん使つかわれる散弾さんだんがその名残なごりいまつたえている。

日本にっぽん戦国せんごく時代じだい弾丸だんがん

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戦国せんごく時代じだい日本にっぽんでは鉄砲てっぽう需要じゅようにともない弾丸だんがん材料ざいりょうであるなまり需要じゅようたかまったが、長篠ながしの古戦場こせんじょうから出土しゅつどした弾丸だんがん分析ぶんせき結果けっかから、7わり国産こくさんであり、3わり外国がいこくさんで、タイさんなまり確認かくにんされており(後述こうじゅつしょ)、これは南蛮なんばん貿易ぼうえきにより せられたものとみられる[5]金属きんぞくせい弾丸だんがん場合ばあいなまりせい弾丸だんがんくらべて距離きょりみじかいという欠点けってんがあるが(前掲ぜんけいしょ p.42)、西日本にしにほんから出土しゅつどする弾丸だんがんのほとんどがなまりせいであり、東日本ひがしにっぽんではどうてつせい弾丸だんがんおおく、地理ちりてき要因よういんによる物流ぶつりゅう格差かくさがみられる(前掲ぜんけいしょ p.42)。平山ひらやまゆう武田たけだぐん軍役ぐんえきじょうしょから長篠ながしのたたかいにおける銃器じゅうき保有ほゆうりつ武田たけだかた織田おだかた大差たいさはなかったとしており、問題もんだいだったのは、銃弾じゅうだん材料ざいりょうほうであったとする(前掲ぜんけいしょ pp.36 - 39)。

銃弾じゅうだん種類しゅるい

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なまりだん
むきしのなまり使つかったもっと原始げんしてき弾丸だんがん別種べっしゅ金属きんぞくによるおおいがいため、摩擦まさつなどによってなまり残滓ざんし銃身じゅうしん内部ないぶ付着ふちゃくしやすく頻繁ひんぱん掃除そうじ必要ひつようになり、掃除そうじおこたった状態じょうたい連続れんぞくして射撃しゃげきおこなった場合ばあいは、銃身じゅうしん内部ないぶいたじゅう寿命じゅみょうみじかくする。現在げんざい古式こしきじゅう射撃しゃげきようにわずかに生産せいさんされるのみである。黒色こくしょく火薬かやく利用りようするぜんそうじゅうおも使つかわれていた。薬莢やっきょう一体いったいがたのものもある。
散弾さんだん(shot)
射出しゃしゅつに、弾薬だんやく内包ないほうされている多数たすうちいさな弾丸だんがん(だんという)が広範囲こうはんい危害きがいくわえる。過去かこにはなまりだんおも使つかわれていたが、なまり中毒ちゅうどく一般いっぱん認知にんちされた今日きょうではてつだんわりはじめている。詳細しょうさい散弾さんだんじゅう参照さんしょう
てつせい薬莢やっきょう7.62x39mmだんフルメタルジャケットだん
フルメタルジャケットだんfull metal jacket/被覆ひふくこうだん完全かんぜんかぶとだん
貫通かんつうせいたか通常つうじょう弾丸だんがんたましん金属きんぞく(メタル)のおおい(ジャケット、かぶと)でおおわれているメタルジャケットだん一種いっしゅ。ボール(Ball)ともばれる。
ほとんどのフルメタルジャケットだんでは、たましんであるなまりギルディング・メタル(真鍮しんちゅう一種いっしゅ混合こんごうりつどう95%、亜鉛あえん5%)でおおっている。たましん完全かんぜんおおわれているとはかぎらず、後端こうたん底部ていぶ露出ろしゅつしている製品せいひんもある。
メタルジャケットだんにはフルメタルジャケットだん弾頭だんとう完全かんぜんに披甲したたま)のほかにパーシャルジャケットだん弾頭だんとう先端せんたん部分ぶぶん以外いがいを披甲したたま)があり、パーシャルジャケットだんは、目標もくひょう衝突しょうとつしたさい露出ろしゅつしている弾頭だんとう先端せんたん変形へんけい破壊はかいりょく構造こうぞうで、おも大型おおがた動物どうぶつのハンティングようもちいられる。
軍用ぐんようだんでは、ハーグ陸戦りくせん条約じょうやくだい23じょうの「必要ひつよう苦痛くつうあたえる兵器へいき投射とうしゃぶつ、その物質ぶっしつ使用しようすること」への抵触ていしょくけるなどの人道じんどうじょう理由りゆう。また実用じつようじょうもヘルメットやボディアーマー建物たてもの装甲そうこう車両しゃりょうなど多少たしょうかた標的ひょうてきへの貫通かんつうりょくもとめられ、衝突しょうとつ弾頭だんとう変形へんけいふせぐフルメタルジャケットだんもちいられる。
.357マグナムだん/ひだり:ソフトポイントだんみぎ:ホローポイントだん
ソフトポイント(soft point
弾頭だんとう先端せんたんがギルディング・メタルでおおわれておらず、なまりしの弾丸だんがん命中めいちゅうするとやわらかいなまりにより弾頭だんとうはげしく変形へんけい破砕はさいし、目標もくひょう内部ないぶ運動うんどうエネルギー効率こうりつてきつたえることにより、致命ちめいてきなダメージをあたえる。弾丸だんがん破砕はさいするため貫通かんつうりょくひくい。
貫通かんつうりょくひくさから狙撃そげき犯人はんにん貫通かんつうした弾丸だんがんによる被害ひがい防止ぼうしのため、おも警察けいさつようとして利用りようされている。
ホローポイント(hollow point/JHP)
弾頭だんとうがすりばちのようにくぼんでいる弾丸だんがん人体じんたいなどに命中めいちゅうすると、先端せんたんキノコじょう変形へんけい(マッシュルーミングという)し、みちおおきくなった先端せんたん運動うんどうエネルギーを効率こうりつよく目標もくひょう伝達でんたつして多大ただいなダメージをあたえる。おも狩猟しゅりょうようとして利用りようされている。
純銀じゅんぎんだん(Silver Bullet)
ぎん価格かかくなまりやギルディング・メタルより大幅おおはばたかいうえ、銃弾じゅうだんとしてはコストに見合みあうメリットがないため、実用じつよう弾丸だんがんとしてはつくられていない。ぎん白色はくしょく外見がいけんをもつ弾頭だんとうとしては「シルバーチップ」とばれるものがあるが、これは、アルミニッケル合金ごうきん利用りようしたホローポイントだんであり、ぎんせいではない。
夜間やかん曳光弾えいこうだん射撃しゃげきする様子ようす
曳光弾えいこうだん(tracer bullet)
発射はっしゃされると後方こうほうひかりく、弾道だんどう視認しにんしやすくするための弾丸だんがん。トレーサーともばれる。機関きかんじゅうなどの照準しょうじゅん確認かくにんようとして通常つうじょうだん一定いってい割合わりあい混合こんごうされもちいられる。飛翔ひしょう距離きょりとも内蔵ないぞうした発火はっかやく減少げんしょうしてかるくなるため、ある程度ていど距離きょり飛翔ひしょうすると通常つうじょうだんとはちが弾道だんどうえがくので、あくまで目安めやすである。また、射手しゃしゅざんだんりょうわずかであることをしめ目的もくてき使用しようされることもある。
一般いっぱんてきには、5-7はつに1はつ割合わりあい曳光弾えいこうだん混入こんにゅうされる(ざんすう確認かくにん場合ばあいのこり5はつ程度ていど部分ぶぶんもちい、つまり、たまめの場合ばあいはまず5はつ曳光弾えいこうだんれてから通常つうじょうだんれる)。限定げんていてきしょうえびす効果こうかもある。
拳銃けんじゅうようのゴムだん (9mm P.A.K.
ゴムだん(rubber bullet)
弾頭だんとう硬質こうしつゴム作成さくせいした弾丸だんがん弾丸だんがん重量じゅうりょうやその構造こうぞうじょう有効ゆうこう射程しゃていみじかく、目標もくひょうたいして弾丸だんがん貫通かんつうすることがないので致死ちしせい兵器へいきとして、警察けいさつ軍隊ぐんたいによる暴動ぼうどう鎮圧ちんあつなどにもちいられる。
円筒えんとうじょう先端せんたんにくぼみがあり、発射はっしゃされると先端せんたんのくぼみがける風圧ふうあつ沿って十字形じゅうじがたひらいて飛翔ひしょうするタイプ、プラスチックや金属きんぞくにゴムをることで射程しゃていばしたタイプなどがある。
1970年代ねんだいからはより安全あんぜんとされるプラスチックだん英語えいごばん登場とうじょうしている。
ワックスだんろうだん
ワックス・ろうつくられた弾丸だんがんであり、殺傷さっしょうりょくひくいため1908ねんロンドンオリンピックではワックスだん使用しようする決闘けっとうOlympic dueling)が非公式ひこうしき競技きょうぎとしておこなわれた。
弾丸だんがんじゅつのトリックとして中空なかぞらにしてもろくしたワックスだん使つかうことで空包くうほうとすることがあった。
エクスプローダー(exploder)
ホローポイントのくぼみにじゅうよう雷管らいかん少量しょうりょう火薬かやくみ、命中めいちゅうすると炸裂さくれつする[6]殺傷さっしょう能力のうりょく向上こうじょう期待きたいされたが、威力いりょく上昇じょうしょう製造せいぞうコストの上昇じょうしょう見合みあわなかったため、現在げんざいでは製造せいぞうされていない。
フランジブルだん
こなたい金属きんぞくどうスズなど)をがためた弾丸だんがん
人体じんたいには貫入かんにゅうするが、かべはしらなどかた物質ぶっしつたると粉々こなごなくだけるためとべだんしない。屋内おくない戦闘せんとうでのとべだん防止ぼうしほか運行うんこうちゅう航空機こうくうきうちでも使用しよう出来できるためスカイマーシャル犯罪はんざいしゃ制圧せいあつ利用りようする。
フレシェットだんflechette
じょうたまたい発射はっしゃする弾丸だんがんAPFSDS使用しようされるようなプラスチックせいサボをもちいて1ほんすものや、散弾さんだんじゅう散弾さんだんわりにがただんめたような実包じっぽう存在そんざいする。
フレシェットだんは、1980年代ねんだいオーストリアステアーしゃによってACR(Advanced Combat Rifle)英語えいごばん[7]として試作しさくされ、従来じゅうらいのライフルじゅうはるかにしの初速しょそく貫通かんつうりょく実現じつげんしたが、軽量けいりょうであるため横風おうふう影響えいきょうやすく、ライフルだんのような命中めいちゅう精度せいど実現じつげんできなかった。
水中すいちゅう銃弾じゅうだん
APS水中すいちゅうじゅうなどよう実包じっぽうで、水中すいちゅうでの弾道だんどう特性とくせい配慮はいりょしたじょう(ただし、場合ばあいおおい)のたまたい発射はっしゃする弾丸だんがん日没にちぼつ夜明よあぜん薄暗うすぐら水中すいちゅうなどでの使用しようそなえ、弾道だんどう確認かくにんのために曳光弾えいこうだんもある。
拡張かくちょう弾頭だんとう
命中めいちゅう弾頭だんとうけることで肉体にくたい組織そしきへのはげしい裂傷れっしょう止血しけつしづらい銃創じゅうそうつく弾丸だんがん[6]からだ末端まったん腹部ふくぶ命中めいちゅうしても殺傷さっしょうりょくたかまるようになっている。拳銃けんじゅうでもたか威力いりょくられ、対象たいしょうぶつ内部ないぶ弾丸だんがんまる可能かのうせいたかい(貫通かんつうによる被害ひがい軽減けいげん)ことから狩猟しゅりょうよう警察けいさつようとして利用りようされている。
19世紀せいきえいりょうインドコルカタ近郊きんこうダムダムにあるダムダム工廠こうしょう製造せいぞうされた対人たいじんよう拡張かくちょう弾頭だんとう普及ふきゅうしていたため、総称そうしょうとして「ダムダム弾だむだむだん([Dumdum bullet)」ともばれる。
戦争せんそう遂行すいこうには必要ひつようなほどの殺傷さっしょうりょくつとして、1899ねんダムダム弾だむだむだん禁止きんし宣言せんげんがなされ、体内たいない弾頭だんとう変形へんけいする弾丸だんがん使用しよう禁止きんしされた。1907ねんのハーグ陸戦りくせん条約じょうやくだい23じょう5こうにおいては、明示めいじされてはいないが、戦時せんじでこのような「必要ひつよう苦痛くつうあたえる兵器へいき使用しよう」の禁止きんしうたわれている。 現在げんざいでも戦争せんそうにおける使用しよう禁止きんしされているが、これに拘束こうそくされない狩猟しゅりょう警察けいさつなどで現在げんざいでもおお使用しようされている[注釈ちゅうしゃく 1]
破片はへんおかせかさねだん(フラグメンテーションだん
弾丸だんがん全体ぜんたいみがはいっており、命中めいちゅう弾丸だんがん全体ぜんたい複数ふくすう破片はへん分割ぶんかつする弾丸だんがん目標もくひょう命中めいちゅう対象たいしょう内部ないぶ即座そくざ破砕はさいし、そのさい運動うんどうエネルギーが分散ぶんさんされることによりいきおいが抑制よくせいされ破片はへん内部ないぶにとどまるように炸裂さくれつするため、運動うんどうエネルギーがたか小銃しょうじゅうだんでも貫通かんつうによるとべだん抑止よくしできる。特殊とくしゅ警察けいさつによる狙撃そげきようとして使用しようされているほか、アメリカでは民間みんかんけにも販売はんばいされている[6]
.38スペシャルだんのワッドカッター(HBWC)と命中めいちゅうによってひらいたあな
ワッドカッター英語えいごばん
射撃しゃげき競技きょうぎよう弾丸だんがん先端せんたん平坦へいたんで、かみ標的ひょうてきパンチしたようにまるあなけるため着弾ちゃくだん位置いち確認かくにん容易よういである[注釈ちゅうしゃく 2]。また、形状けいじょう円筒えんとうちかいため、弾丸だんがんくらべて銃身じゅうしんないとの接触せっしょく面積めんせきひろく、より正確せいかく弾頭だんとう中心ちゅうしんじくまわりの回転かいてんられ、安定あんていした弾道だんどう特性とくせいつ。
競技きょうぎ射撃しゃげきには後端こうたん中空ちゅうくうになっているため低速ていそくいき安定あんていせいたか Hollow Base Wadcutter(HBWC)使つかわれている。中空なかぞらかるいため殺傷さっしょう能力のうりょくひくいが、安定あんていした弾道だんどう特性とくせいとう着目ちゃくもくし、弾頭だんとう重量じゅうりょうすことで貫通かんつうりょくたかめ、またふさがりにくい円形えんけいきずあたえることで殺傷さっしょうりょく強化きょうかしたセミワッドカッター(SWC)も開発かいはつされており、標的ひょうてき射撃しゃげき小型こがたじゅう狩猟しゅりょう護身ごしん対応たいおうできることから、.38スペシャルだんなど拳銃けんじゅうよう実包じっぽう販売はんばいされている。
ピストン・プリンシプルだん
薬莢やっきょう消音しょうおん効果こうかたせた弾丸だんがん薬莢やっきょう内部ないぶにピストンの役目やくめをするなかせん内蔵ないぞうされており、燃焼ねんしょうガスをめたなかせんされること弾丸だんがんしつつ、ガスを薬莢やっきょう内部ないぶめる構造こうぞうつ。この構造こうぞうによって発射はっしゃおん軽減けいげんするが、膨張ぼうちょうする燃焼ねんしょうガスがじゅう全体ぜんたいひろがることでつよ推進すいしんりょく通常つうじょう弾薬だんやくくら有効ゆうこう射程しゃていみじかい。おも特殊とくしゅ部隊ぶたい秘密ひみつ任務にんむよう消音しょうおんじゅうもちいられる。
観測かんそくだん
内部ないぶげきはり少量しょうりょう炸薬さくやく内蔵ないぞうされ、命中めいちゅうすると炸裂さくれつしてしろけむりはっする弾丸だんがん航空機こうくうき搭載とうさい機関きかんじゅうようで、射手しゃしゅ着弾ちゃくだんてんしめすためにもちいられた。ドイツ国防こくぼうぐん狙撃そげきしゅであったヨーゼフ・アラーベルガー伝記でんき邦題ほうだい最強さいきょう狙撃そげきしゅ』)には、てき味方みかた双方そうほう地上ちじょうせん観測かんそくだん対人たいじんよう使つかっていたとの記述きじゅつがある。
自動じどう追尾ついびだん
2015ねん、アメリカ国防こくぼう高等こうとう研究けんきゅう計画けいかくきょくは、うご目標もくひょう自動じどう追尾ついびする50口径こうけい銃弾じゅうだん開発かいはつ成功せいこうしたことを発表はっぴょうしている[8]

砲弾ほうだん種類しゅるい

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弾丸だんがん伝説でんせつ迷信めいしん・フィクション

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大昔おおむかしがいして、たまったがなかなかてきたらない、などということが一般いっぱんてきで、射手しゃしゅはそれになやまされていたが、ドイツでは伝説でんせつに、「発射はっしゃすればかならねらった標的ひょうてきたる」とされる「魔法まほう弾丸だんがん」(だん)という、まるで射手しゃしゅ願望がんぼう投影とうえいしたようなものが登場とうじょうするようになり、これをモチーフにして、19世紀せいきにカール・マリア・フォン・ウェーバーが『だん射手しゃしゅ』というオペラ作品さくひん仕立したてげた(1821ねん初演しょえん)。「百発百中ひゃっぱつひゃくちゅうたま」という魅力みりょくてきなモチーフは、そのもさまざまな作品さくひん登場とうじょうすることになった。

戦国せんごく日本にっぽんでは、『関東かんとういにしえせんろくまきさんに「勇猛ゆうもう大将たいしょうきむ弾丸だんがんけば、うしろはない」という迷信めいしんしるされ、「上杉うえすぎ景虎かげとらたいし、黄金おうごんたまを3かいったが、命中めいちゅうしなかった」としるされている。田中たなかみどりべにの1920ねん論文ろんぶん雑纂ざっさん 有馬ありま温泉おんせん入湯にゅうとうした天狗てんぐないには、鉄砲てっぽう名人めいじん藤太郎ふじたろう領主りょうしゅからたまわった金銀きんぎん弾丸だんがんかいとりつもなぞやまい最終さいしゅうてきに(温泉おんせんどうしたあしわる客人きゃくじん正体しょうたい天狗てんぐにらみつけられ)んだはなしられる。このはなしからも金銀きんぎん弾丸だんがんなんらかの俗信ぞくしんがあったことがうかがえる。

ハリウッドでは20世紀せいきに「おおかみおとこは(ほぼ)不死身ふじみだが、ぎん武器ぶきく」などという設定せっていにして、フィクションのストーリー展開てんかいげる手法しゅほうあらわれ、おおかみおとこぎん弾丸だんがんころす、という内容ないようのフィクションもあらわれた。また、この伝承でんしょうから「ぎん弾丸だんがん」は「唯一ゆいいつ弱点じゃくてん」「特定とくてい物事ものごとへの唯一ゆいいつ対抗たいこう手段しゅだん」という意味いみつようになった。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ パッケージにも「使用しよう司法しほう関係かんけいしゃかぎる」の注意ちゅういきがされていることおお
  2. ^ 先端せんたんとがった弾丸だんがんでは、かみゆびくようなみだれたあなになるので、着弾ちゃくだん中心ちゅうしん判別はんべつしにくく、競技きょうぎさい採点さいてん影響えいきょう

出典しゅってん

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  1. ^ a b 広辞苑こうじえんだいろくはん弾丸だんがん
  2. ^ a b 大辞泉だいじせん砲弾ほうだん
  3. ^ 鉄砲てっぽう伝来でんらい
  4. ^ 磯田いそだみち日本にっぽん探偵たんてい手帳てちょう』(文春ぶんしゅん文庫ぶんこ、2019ねん)p.100.
  5. ^ 月刊げっかん 歴史れきし街道かいどう平成へいせい31ねん4がつごう PHP研究所けんきゅうじょ p.39.記事きじ平山ひらやまゆう
  6. ^ a b c をもたらす9グラム もっと殺傷さっしょうりょくのある銃弾じゅうだん - Sputnik 日本にっぽん
  7. ^ Steyr ACR (Advanced Combat Rifle) steyr-aug.com 2020ねん7がつ24にち閲覧えつらん
  8. ^ うご標的ひょうてき自動じどう追尾ついび、「かわせない銃弾じゅうだん」の実験じっけん成功せいこう CNN(2015ねん4がつ30にち)2017ねん6がつ24にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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弾丸だんがん」のつもの(おもはやさのたとえとしていにされる)

外部がいぶリンク

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