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火薬かやく

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ほん記事きじでは火薬かやく火薬かやくるいについて解説かいせつする。

用語ようご

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火薬かやく(かやく)とは、ねつ衝撃しょうげきなどをきっかけにして、急激きゅうげき燃焼ねんしょう反応はんのうをおこす物質ぶっしつ

  • 火薬かやくるいえい: explosives[注釈ちゅうしゃく 1])。燃焼ねんしょう速度そくどはやいものもひくいものもふく広義こうぎ用法ようほう燃焼ねんしょう速度そくどはやいものはばくもえ爆発ばくはつこし、衝撃波しょうげきは発生はっせいさせ、爆薬ばくやくとして使つかえる。
  • 発射はっしゃやく推進すいしんやくえい: gunpowder ガンパウダー)。火薬かやくるいのうちで、爆薬ばくやくよりは燃焼ねんしょう速度そくどひくく、とくに、じゅう大砲たいほうなどの発射はっしゃやくロケット推進すいしんやくなどとしてもちいられる物質ぶっしつのこと。弾丸だんがん発射はっしゃ使つかえ、衝撃波しょうげきはまでは発生はっせいさせないのでじゅう大砲たいほう破壊はかいしない。狭義きょうぎ火薬かやく

日本にっぽんでは江戸えど時代じだいにはほのお(えんしょう)のかたりがよくつかわれ、昭和しょうわ30年代ねんだいごろまでは、玩具おもちゃ使つかわれる火薬かやくを「ほのお硝」と地方ちほうおおかった。

概説がいせつ

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火薬かやく」はふるくからある用語ようごで、ばくもえ爆発ばくはつする物質ぶっしつ全般ぜんぱんすが、漠然ばくぜんひろ場合ばあいは「火薬かやくるい」ともいう(意図いとてきつくった、学問がくもんてき意図いとひろ範囲はんいすために用意よういされた)用語ようごのほうをもちい、そのうえで「火薬かやく」をじゅうほう推進すいしんやく発射はっしゃやく限定げんていてきすのにもちいる、ということがおこなわれている。

火薬かやくるい」とは、利用りよう価値かちのある爆発ばくはつぶつであり[1]、「火薬かやく low explosive」、「爆薬ばくやく high explosive」、「こうひん pyrotechnics; explosive device」にけられる[1]

(「火薬かやくるい」の下位かい分類ぶんるいの「火薬かやく」)狭義きょうぎの「火薬かやく」は、燃焼ねんしょう利用りようするものであり、「爆薬ばくやく」のほうはばくとどろき利用りようするものである[1]狭義きょうぎの「火薬かやく」のほうは、ばくもえによる急激きゅうげきなガスの発生はっせい膨張ぼうちょう利用りようして たま発射はっしゃなどに利用りようするものであり、それにたいして「爆薬ばくやく」のほうは、火薬かやくよりもさらにはや速度そくど燃焼ねんしょう爆発ばくはつ)による衝撃波しょうげきはなにかを破壊はかいするために利用りようするものである。「こうひん」は、火薬かやくまたは爆薬ばくやく使用しよう目的もくてきおうじて加工かこうしたものである。

火薬かやくるいというのは、一般いっぱん不安定ふあんてい固体こたい液体えきたいで、その一部いちぶくわえられたねつまたは衝撃しょうげきによって急速きゅうそく化学かがく変化へんか引起ひきおこし、多量たりょうねつとガスを発生はっせいさせ、局部きょくぶてき急激きゅうげきこうあつ高温こうおん出現しゅつげんさせ、それが部分ぶぶんにも急激きゅうげき化学かがく変化へんかおこすものである[1]

火薬かやく」には、銃砲じゅうほうよう発射はっしゃやくやロケット推進すいしんやくなどがある[1]銃砲じゅうほうよう発射はっしゃやくには黒色こくしょく火薬かやく無煙むえん火薬かやくなどがある。 爆薬ばくやくのうちとく敏感びんかんで、わずかな衝撃しょうげき摩擦まさつまたは点火てんかなどによって容易よういばくとどろきおこすものを「起爆きばくやく」といい[1]、(化学かがくてきには)アジなまりアセチレンぎんジアゾジニトロフェノールなどがある[1]。それ以外いがい爆薬ばくやくにはダイナマイトトリニトロトルエンなどがある。

火薬かやくるいは、「火薬かやく」と「爆薬ばくやく」に下位かい分類ぶんるいし、そのうえで、 「火薬かやく」は推進すいしんやく発射はっしゃやく、「爆薬ばくやく」は炸薬さくやく起爆きばくやく爆破ばくはやく分類ぶんるいする、ということもおこなわれる。日本にっぽん以外いがいくにでは、容易ようい爆発ばくはつしない安全あんぜん爆薬ばくやくを「爆破ばくはざい」と分類ぶんるいすることもある。 また、火薬かやくるいなかに、発光はっこうざいという分類ぶんるい用意よういすることもある。

GHSでの分類ぶんるい

GHSにおいても、「explosives 火薬かやくるい」という概念がいねんがあり、下位かい分類ぶんるいがある。

日本にっぽん火薬かやく取締とりしまりほうでの「火薬かやくるい」の分類ぶんるい

日本にっぽん火薬かやくるい取締とりしまりほううえでは「火薬かやくるい」をあつかっており、「火薬かやく」は「推進すいしんてき爆発ばくはつ用途ようときょうせられるもの」、「爆薬ばくやく」とは「破壊はかいてき爆発ばくはつ用途ようときょうせられるもの」と区別くべつしている。どうほうでは、火薬かやく爆薬ばくやく加工かこうしたもの(雷管らいかん導火どうかせん花火はなび銃砲じゅうほうだんばくだんなど)はこうひん(かこうひん)としている。

軍事ぐんじでの

軍事ぐんじにおいて、「火薬かやく」はそうやく(=発射はっしゃやく)をし、破壊はかいよう火薬かやくるい)は一般いっぱんに、「爆薬ばくやく」もしくは「炸薬さくやく」とばれる。

科学かがくてき分類ぶんるい

科学かがくてき分類ぶんるいでは、火薬かやくとは燃焼ねんしょう速度そくど音速おんそく以下いかのもの爆薬ばくやくとは燃焼ねんしょう速度そくど音速おんそく以上いじょうのもの結果けっかとして衝撃波しょうげきは発生はっせいするもの)。

歴史れきし

最初さいしょ実用じつようされた火薬かやくるい)は黒色こくしょく火薬かやくである。英語えいごでは「gunpowder ガンパウダー」とぶが、このとおり、gun ガン(=じゅうほう)のたまたま)をすためのこなとしてもちいられ、戦争せんそう歴史れきし革命かくめいをもたらし、勢力せいりょく地図ちずえ、またけんやりゆみばかりでたたかっていた時代じだいとはくらべものにならないほどのかず人々ひとびとなせる悲惨ひさん結果けっかみだした。→#歴史れきし

火薬かやくるい成分せいぶんによる分類ぶんるい

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火薬かやくるいについて、その成分せいぶん化学かがく構造こうぞうによる分類ぶんるい解説かいせつする。

黒色こくしょく火薬かやく
黒色こくしょく火薬かやく
硝酸しょうさんカリウム硝石しょうせき)75%、硫黄いおう10%、木炭もくたん15%を混合こんごうしたもの。火薬かやく爆薬ばくやくとしては原始げんしてきなもののひとつで、ぜん近代きんだい近代きんだい初期しょきにおいては火器かきにも多用たようされた。現代げんだいではおもに花火はなびやく大玉おおだまわりやく導火どうかせんしんやくもちいられる。静電気せいでんき衝撃しょうげき敏感びんかんなため爆発ばくはつ事故じこおおい。以前いぜん製造せいぞう工場こうじょう原料げんりょう撹拌かくはんするローラーが容器ようきそこ衝突しょうとつして爆発ばくはつする事故じこ多発たはつしたが、現在げんざい容器ようきそこ直接ちょくせつ接触せっしょくしないような懸架けんかしきローラーになっているため、製造せいぞう段階だんかいでの爆発ばくはつ事故じこはほとんどない。花火はなびをほぐすと、なかはいっている黒色こくしょく火薬かやく静電気せいでんき摩擦まさつなどで発火はっかする場合ばあいがあるため、花火はなびには注意ちゅういきがされている。吸湿きゅうしつせいく、化学かがくてき安定あんていしているため長期ちょうき保管ほかんえるという利点りてんつ。硝酸しょうさんカリウムではなく塩素えんそさんカリウム硝酸しょうさんナトリウムもちいた場合ばあい広義こうぎ黒色こくしょく火薬かやく)には吸水きゅうすいせいたかいため湿気しっけよわいものの、乾燥かんそうさせればさい使用しようできる。
通常つうじょう黒色こくしょく火薬かやくより燃焼ねんしょう速度そくど破壊はかいりょくともおおきい火薬かやくつくるには、硝酸しょうさんカリウムのわりに、塩素えんそさんカリウム使用しようする。塩素えんそさんカリウムは大変たいへん危険きけん薬品やくひんであるため、あつかいに注意ちゅうい必要ひつようである。[疑問ぎもんてん] また、エタノール炭素たんそ使用しようすることで、燃焼ねんしょう速度そくどげることが出来できる。化学かがく肥料ひりょうなどから精製せいせいされたこともある。
アミドプルバー
木炭もくたん使つかうなど、原理げんりとしては黒色こくしょく火薬かやく類似るいじした火薬かやく。19世紀せいき黒色こくしょく火薬かやく発展はってんがたとして発明はつめいされ、ドイツ、オーストリアでおおもちいられた。性能せいのうとしては黒色こくしょく火薬かやく無煙むえん火薬かやく中間ちゅうかんにあり当初とうしょ画期的かっきてき発明はつめいとされたが、たったはん世紀せいき無煙むえん火薬かやく発明はつめいされたため、すぐになかから姿すがたした。
無煙むえん火薬かやく
綿めん火薬かやく
セルロース脱脂綿だっしめんとうおも植物しょくぶつせい繊維せんい)を硝酸しょうさん硫酸りゅうさん混合こんごうぶつにより、硝酸しょうさんエステルすることでニトロセルロースられる。爆発ばくはつ威力いりょくちいさいが、燃焼ねんしょう発煙はつえんすくない「無煙むえん火薬かやく」の原料げんりょうとして銃弾じゅうだん砲弾ほうだんそうやく使つかわれる。太平洋戦争たいへいようせんそう末期まっきには、民間みんかんから「ふとん」を供出きょうしゅつさせ、綿めん火薬かやく製造せいぞうした。
下瀬したせ火薬かやく
成分せいぶん純粋じゅんすいピクリンさんである。大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん砲弾ほうだん炸薬さくやくとして実用じつようし、にち戦争せんそうにおけるだい戦果せんか一因いちいんとされた。
硝安油剤ゆざい爆薬ばくやく
硝酸しょうさんアンモニウム(硝安)94%と軽油けいゆ灯油とうゆ6%を混合こんごうした爆薬ばくやく非常ひじょう爆発ばくはつしにくいが、それゆえに安全あんぜんせいたかい。また安価あんかという利点りてんもあり、20世紀せいきなか以降いこう普及ふきゅうした。硝安爆薬ばくやくAmmoniumNitrateFuelOil explosive からANFO(アンホ)爆薬ばくやくともばれる。
スラリー爆薬ばくやく
硝安とみず混合こんごうぶつ主体しゅたいとする爆薬ばくやく。含水爆薬ばくやくエマルジョン爆薬ばくやくともばれる。いろいろなタイプがある。
どろじょうながむタイプは鈍感どんかん強力きょうりょく起爆きばくやく必要ひつようである。ゴムじょうで、やや感度かんどげて雷管らいかん起爆きばくできるタイプもある。たい水性すいせいつよくANFOより起爆きばくしやすいが低温ていおんよわい。
たくさんの気泡きほうふくませることにより爆発ばくはつしやすくなるので、中空なかぞらのガラスビーズをぜる。
カーリット
塩素えんそさんアンモニウム主体しゅたいとする爆薬ばくやく日本にっぽんでは成分せいぶんちがいによりくろむらさきかばあいあおとうけられている。カーリットの名前なまえ発明はつめいしゃのスウェーデンじんO・B・カールソンにちなむ。
ダイナマイト
ノーベル発明はつめいした爆薬ばくやくニトログリセリン爆発ばくはつ感度かんどおおきいため、取扱とりあつかい危険きけんともなうが、珪藻土けいそうどにじみこませる、あるいはニトロセルロースと混合こんごうしてゲルするなどして固化こかすると爆発ばくはつ感度かんどがり、雷管らいかんもちいないと爆発ばくはつしなくなる。日本にっぽんでは「まつ」「きり」「えのき(えのき)」などのグレードにけられている。
ペンスリット
よん硝酸しょうさんペンタエリスリット。ペンスリットのほか、ニペリットともばれる。白色はくしょく結晶けっしょうせい粉末ふんまつ化学かがくしきはC(CH2ONO2)4である。爆発ばくはつ威力いりょくおおきい、ねつたいして鈍感どんかん自然しぜん分解ぶんかいこしにくい、などすぐれた特徴とくちょう爆薬ばくやくである。プラスチック爆薬ばくやく材料ざいりょうとしてもちいられる。
TNTのフレーク
TNT
TNTとは2,4,6-トリニトロトルエンの略称りゃくしょうである。衝撃しょうげきねつたいしてきわめて鈍感どんかん毒性どくせいすくない、金属きんぞく腐食ふしょくしない、などすぐれた特性とくせいつため、爆薬ばくやくとしてひろもちいられている。火薬かやく代表だいひょうとして、かくばくだん威力いりょくあらわ単位たんいTNT換算かんさん」に使用しようされている。TNT火薬かやく前述ぜんじゅつのとおり衝撃しょうげきねつたい鈍感どんかんであるため、導火どうかせんでは爆発ばくはつせず、爆発ばくはつさせるときはTNT本体ほんたい雷管らいかんんで起爆きばくさせる。
ヘキソーゲン
シクロトリメチレントリニトラミン(1,3,5トリニトロ-1,3,5-トリアジナン)。ヘキソーゲンはTNTにわる高性能こうせいのう爆薬ばくやくとして開発かいはつされた。RDXの略称りゃくしょうもちいられる。おも軍用ぐんよう
オクトーゲン
正式せいしき名称めいしょう 1,3,5,7-Tetranitro-1,3,5,7-tetraazacyclooctane(CAS).Octahydro-1,3,5,7-tetranitro-1,3,5,7-tetrazocine(IUPAC)。別名べつめいにシクロテトラメチレンテトラニトラミン, HMXなどがある。
酸化さんかアセトン
酸化さんかアセトン
酸化さんかアセトン(かさんかあせとん、 Acetone Peroxide)は有機ゆうき酸化さんかぶつの1しゅ高性能こうせいのう爆薬ばくやくとして使用しようされる。過酸化水素かさんかすいそみず日本にっぽんではオキシドールなどとばれる)とアセトン触媒しょくばいとして塩酸えんさんもしくは硫酸りゅうさん)といった比較的ひかくてき容易よういはい材料ざいりょう製造せいぞう可能かのうかつ大掛おおがかりな設備せつび不要ふようであることから、アマチュア科学かがくしゃ危険きけんぶつマニアなどに密造みつぞうされることがおおい。にち用品ようひん製造せいぞうできる手軽てがるさ・秘匿ひとくせい十分じゅうぶん威力いりょくあわつことからテロリスト悪用あくようされることもあり、最近さいきんではロンドン同時どうじ多発たはつテロパリ同時どうじ多発たはつテロ2016ねんブリュッセル爆発ばくはつ事件じけん使用しようされた。
ふえやく
安息香あんそくこうさんカリウム塩素えんそさんカリウムの混合こんごうぶつである。燃焼ねんしょうたか音響おんきょう発生はっせいし、「ふえロケット」という種類しゅるいロケット花火はなびとう使つかわれる。
ニトログリコール (nitroglycol)
硝酸しょうさんグリコールともばれる。ダイナマイトなどに使用しようされる。
ピクリンさん
フェノールをニトロしたものであり、上述じょうじゅつ下瀬したせ火薬かやくなどのしゅ原料げんりょうとしてられる。トリニトロトルエン(TNT)より破壊はかいりょくはあるものの、不安定ふあんてい暴発ぼうはつ危険きけんせいたかいうえに腐食ふしょくせい毒性どくせいもあるためあつかいづらく、20世紀せいき以降いこうおおくのくに次第しだい火薬かやくえられていった。
液体えきたい酸素さんそ爆薬ばくやく
液体えきたい酸素さんそ木炭もくたんのようなものに充填じゅうてんし、雷管らいかん使用しようして点火てんか爆発ばくはつさせる。特別とくべつ薬品やくひんるい使用しようせずにダイナマイト程度ていど破壊はかいりょくしめすが、迅速じんそく処理しょり必要ひつようとする。
コンポジション爆薬ばくやく
混合こんごう爆薬ばくやく一種いっしゅで、A-3・B・C・C-4などの種類しゅるいがある。
PBX爆薬ばくやく
砲弾ほうだんやミサイルの炸薬さくやくとして広範囲こうはんい使用しようされている。
ヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン (HNIW)
現時点げんじてん量産りょうさん可能かのう爆薬ばくやくとしては最大さいだい威力いりょくつ。
FOX-7
研究けんきゅうちゅう高性能こうせいのう爆薬ばくやく実用じつようはされていない。
トリアミノトリニトロベンゼン
実用じつようばくやくちゅうもっと安定あんていせいたか爆薬ばくやくたか信頼しんらいせい要求ようきゅうされる用途ようともちいられる。
オクタニトロキュバン
理論りろんじょう最大さいだい威力いりょくつとされ、爆発ばくはつるガスは無色むしょく透明とうめいなため完全かんぜんな「無煙むえん」の爆薬ばくやく。しかし、製造せいぞうまでによんじゅうもの工程こうていがあり、それに使用しようする機器ききとう非常ひじょう高価こうかなため、コストや量産りょうさんせいなどの問題もんだいから現時点げんじてんでは実用じつようされていない。
かみなりさん水銀すいぎん
かみなりさん水銀すいぎん別名べつめいとしてかみなり(らいこう)ともばれる[2]非常ひじょうたか感度かんどばくそくつことから、おも雷管らいかん起爆きばくやくとしてもちいられる[3]近似きんじした性質せいしつかみなりさんぎん(I)アジぎん同様どうよう雷管らいかん起爆きばくやくとしてもちいられるが、原料げんりょうちがいによりこれらにくら安価あんかという利点りてんつ。
ジアゾジニトロフェノール(DDNP)
ばくそくたかさから雷管らいかん起爆きばくやくとしてもちいられる。水中すいちゅうでは起爆きばくしないという特性とくせい[4]。また、かみなりさん水銀すいぎんアジなまりことなり、反応はんのう重金属じゅうきんぞく汚染おせん発生はっせいしない。
ニトログアニジン

用途ようと(による分類ぶんるい

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火薬かやくるいおもに、以下いかのような用途ようともちいられている。(それぞれの用途ようとごとにてきした種類しゅるい火薬かやくるいもちいられる。)

火薬かやく発射はっしゃよう推進すいしんよう

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じゅうほう

狭義きょうぎの)「火薬かやく」がじゅう大砲たいほう利用りようされる場合ばあい急激きゅうげき燃焼ねんしょうばくもえ)により急激きゅうげき多量たりょうのガスを発生はっせいさせ、そのガスが銃弾じゅうだん砲弾ほうだん)をし、銃身じゅうしん砲身ほうしんない加速かそくさせ、銃口じゅうこうほうこうからるまでにおおきな速度そくどにする(はつ速度そくどおおきくする)。

ロケット

狭義きょうぎの)火薬かやくが、ロケット固体こたい燃料ねんりょうとしてもちいられる場合ばあい燃焼ねんしょうガスがロケット下部かぶ噴射ふんしゃこうロケットエンジンノズル)から高速こうそく噴射ふんしゃされ、その反作用はんさようによりロケット(の本体ほんたい)に推進すいしんりょくあたえられる。(じゅうほうことなり、ロケットの場合ばあい推力すいりょく長時間ちょうじかん持続じぞくする必要ひつようがあるので、燃焼ねんしょう長時間ちょうじかん持続じぞくする必要ひつようがあり)所定しょてい時間じかん所定しょてい推力すいりょく安定あんていしてるために、ロケット内部ないぶ火薬かやくかたまり(グレイン)の断面だんめん形状けいじょうを(たとえばほしがたにするなど)最適さいてきすることが非常ひじょう重要じゅうようである。

爆薬ばくやく破壊はかいよう

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爆薬ばくやくは「ばくとどろき」によって発生はっせいする衝撃波しょうげきは破片はへんによって周囲しゅうい物体ぶったい破壊はかいする。ばくだん砲弾ほうだん魚雷ぎょらい手榴弾しゅりゅうだんひとし弾頭だんとうおよびたまたい核兵器かくへいきにおけるばくちぢみレンズ構成こうせい部品ぶひんとして軍事ぐんじようもちいられるほか発破はっぱ(はっぱ)として鉱物こうぶつ資源しげん採掘さいくつトンネル掘削くっさくもちいられる。こうした使用しようほう黒色こくしょく火薬かやく時代じだいには爆発ばくはつりょくかぎられるため限定げんていてき使用しようにとどまり、19世紀せいきはいって安全あんぜん高性能こうせいのう火薬かやく多数たすう開発かいはつされたことではじめて一般いっぱんされた使用しようほうである。外国がいこくではビルや野球やきゅうじょうのスタンドなどの建造けんぞうぶつ解体かいたいさいして、内部ないぶ爆薬ばくやく仕掛しかけ、くずすように一気いっき解体かいたいする手法しゅほうおこなわれる。ただし、この方法ほうほう日本にっぽんにおいては環境かんきょう基準きじゅんや、地震じしんそなえるための耐震たいしん基準きじゅんによって建築けんちくぶつ頑強がんきょうつくられているため実用じつようせいがほとんどなく、ほぼおこなわれることはない。

通常つうじょう爆薬ばくやくをつけてもゆっくりとえるだけで「ばくとどろき」にはならない。爆薬ばくやく起爆きばくするには、雷管らいかん信管しんかんもちいて爆薬ばくやく衝撃波しょうげきはあたえる必要ひつようがある。これを応用おうようし、不要ふよう爆発ばくはつぶつ不発ふはつだんなどを専用せんよう爆薬ばくやく火薬かやくごと爆破ばくはして処分しょぶんおこなうことが各国かっこく警察けいさつぐんによりおこなわれている。

起爆きばくやく点火てんかよう起爆きばくよう

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ほとんどの火薬かやくるい)は暴発ぼうはつしないよう感度かんどひくおさえられており、たんをつけただけでは爆発ばくはつしないものがほとんどである。そのため、感度かんどたか爆発ばくはつりょくひく火薬かやくをはじめに小規模しょうきぼ起爆きばくさせることによって、本来ほんらい目的もくてきである高性能こうせいのう火薬かやく誘爆ゆうばくさせるという方法ほうほうおもられている。

こうひん

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導火どうかせん雷管らいかんなどがあり、爆薬ばくやく起爆きばくとうもちいられる。

発光はっこうざい照明しょうめい信号しんごうよう

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つよひかり発生はっせいさせる目的もくてき特殊とくしゅ火薬かやく黒色こくしょく火薬かやくアルミニウム微粉びふんまつ適切てきせつりょう混合こんごうさせ、燃焼ねんしょうすることによって、強力きょうりょくひかりすことが出来できる。

軍事ぐんじでは照明しょうめいだん信号しんごうだんなどで使用しようされる。身近みぢかなところでは、車載しゃさいされているはつえんとうなどがある。かつて写真しゃしんストロボ撮影さつえい光源こうげんとしてももちいられた。

その 応用おうよう

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花火はなび

花火はなびは、火薬かやく金属きんぞくしお金属きんぞく粉末ふんまつ混合こんごうして燃焼ねんしょうさせることで、そのときはっするいろおとかたち観賞かんしょうするものであり、発射はっしゃようならんで火薬かやくのもっともふる使用しようほうのひとつである。火薬かやくをそのまま燃焼ねんしょうさせるだけでは単色たんしょくしかないが、火薬かやく炭酸たんさんストロンチウム紅色こうしょく)や硫酸りゅうさんどう青色あおいろ)などをぜることでほのおしょく反応はんのうにより、様々さまざまいろ発光はっこうする。

花火はなび」の場合ばあい上空じょうくうに「たま」をげるさいにも、つつにしかけられた黒色こくしょく火薬かやく発射はっしゃやくとしてもちだま上空じょうくうげる。(これは、ほかの火薬かやくるいでは感度かんどひくすぎるうえ威力いりょくたかすぎ、適切てきせつ速度そくど威力いりょく実現じつげんできないためである。)

エンジンの起動きどうよう

航空こうくうようエンジン起動きどうようとして瞬間しゅんかんてきおおきなちから発生はっせいさせるため、空包くうほう利用りようした点火てんか装置そうちコフマン・エンジンスターター)が開発かいはつされた。

工業こうぎょう用途ようと

金属きんぞく容器ようきなどをつくるとき、水中すいちゅう爆薬ばくやくれて爆発ばくはつさせてかねがたけるという方法ほうほうがある。また、通常つうじょう溶接ようせつできない2種類しゅるい金属きんぞくを、爆薬ばくやくちからでひとつにする接合せつごうさせる爆発ばくはつあつせっもある。

発電はつでん

瞬間しゅんかんてきだい電力でんりょく方法ほうほうとして爆薬ばくやく発電はつでん開発かいはつされている。

分離ぶんりボルト

分離ぶんりボルトばく砕するためばく砕ボルトともいわれる)を分離ぶんりするためにつかわれる。

歴史れきし

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1274ねんぶんながやくにおけるたたかいにえがかれた「てつはう」(『こうむ襲来しゅうらい絵詞えことば』)

中国ちゅうごくとうだい618ねん - 907ねん)にかれた「もとみょうどう要路ようろ」には硝石しょうせき硫黄いおうすみぜると燃焼ねんしょう爆発ばくはつこしやすいことが記述きじゅつされており、すでにこのころには黒色こくしょく火薬かやく発明はつめいされていた可能かのうせいがある。

1132ねんきむとの戦争せんそうちゅうきた内乱ないらんたいして火薬かやく兵器へいきであるやりそう投入とうにゅうしたとされる[5][6][7]

日本人にっぽんじんはじめて火薬かやくもちいた兵器へいき遭遇そうぐうしたのは13世紀せいき後半こうはんもとにおいてである。当時とうじ様子ようすえがいた『こうむ襲来しゅうらい絵詞えことば[注釈ちゅうしゃく 2]写本しゃほんには、もとぐんもちいた「てつはう」とばれる兵器へいきえがかれている。ただし、この「てつはう」の文字もじ(とモンゴルへい)は江戸えど時代じだい加筆かひつとするせつもある[8]

1250ねんだいモンゴル帝国ていこくがイラン侵攻しんこうしたさい中国人ちゅうごくじん技術ぎじゅつしゃ操作そうさする投石とうせきで、火薬かやくだんげられている[9]1280ねんには、地中海ちちゅうかい東部とうぶのマルクス・グラエクスとシリアのハッサン・アッ・ラムマが中国ちゅうごく火器かきやりについて記述きじゅつしている[9]

また、イスラム文明ぶんめいけんのシリア、マムルークあさでも火薬かやく情報じょうほう豊富ほうふであった[9]

1288ねん当時とうじ青銅せいどうせい銃身じゅうしん発掘はっくつされたことで、モンゴル支配しはい中国ちゅうごくやりからじゅう装備そうびえたことがあきらかになり、さらにこれまでじゅう西欧せいおう発明はつめいかんがえられてきたが、じゅうはモンゴル帝国ていこくつうじて、ヨーロッパへつたわったとされる[9]1326ねんのスウェーデンにおけるつぼがたじゅう発見はっけんされているが、これはモンゴル帝国ていこく支配しはいされていたみなみロシアからつたわったじゅう変形へんけいしたものとかんがえられている。どう1326ねんにはフィレンツェで大砲たいほう開発かいはつされ、以後いご、ヨーロッパでは大砲たいほう発達はったつする。イベリア半島はんとうでは1330年代ねんだいまでにはじゅうだけでなく大砲たいほう使用しようされていた[9]

ヨーロッパ火薬かやく製造せいぞうしたのは13世紀せいきイギリススコラ学者がくしゃであるロジャー・ベーコンとされていたが、その火薬かやく製法せいほう写本しゃほん偽書ぎしょとされており現在げんざい疑問ぎもんされている[よう出典しゅってん]。また、ドイツではベルトルト・シュヴァルツなる人物じんぶつ火薬かやく発明はつめいしたとされているが、これも伝説でんせつのようである。

14世紀せいきには、イングランドやドイツに火薬かやく工場こうじょうがあった。エリザベス1せい1558ねん - 1603ねん)の時代じだい火薬かやく製造せいぞうはイングランド王室おうしつ専売せんばい事業じぎょうであった。それ以外いがいにもヨーロッパのおおくのくに火薬かやく製造せいぞう非常ひじょう重要じゅうよう軍需ぐんじゅ産業さんぎょうとなり、国家こっか様々さまざま保護ほごけた。こうした火薬かやく製造せいぞうにおいて、原料げんりょうのうち木炭もくたんはどこでもはいるものであり、硫黄いおう入手にゅうしゅはそれほどむずかしいものではなかったが、硝石しょうせき入手にゅうしゅには各国かっこくとも非常ひじょう苦心くしんした。1378ねんにはニュルンベルクにおいてはじめてさく硝丘(糞尿ふんにょうなどをかけて硝石しょうせき人工じんこうてき生産せいさんする施設しせつ)がつくられ、これがヨーロッパ諸国しょこくつたわってある程度ていど硝石しょうせき生産せいさん可能かのうになったが、増加ぞうかする火薬かやく需要じゅようにはとてもいつかず、硝石しょうせき生産せいさんりょう火薬かやく生産せいさんのボトルネックとなる状況じょうきょうすうひゃくねんつづいた。17世紀せいきなかばにはイングランド硝石しょうせき国内こくない生産せいさん完全かんぜんにあきらめ、インドからの輸入ゆにゅうたよるようになったが、フランススウェーデンのように硝石しょうせき完全かんぜん自国じこく生産せいさんすることにこだわり、火薬かやくぜん原料げんりょうおよ生産せいさん工程こうてい国内こくないした国々くにぐに存在そんざいした[10]

火薬かやくによる兵器へいき、すなわちじゅうほうオスマン帝国ていこくヨーロッパ諸国しょこく戦闘せんとう激変げきへんさせるとともに、ヨーロッパ世界せかいイスラム世界せかいがそのほかの地域ちいき征服せいふくすることにおおきなちから発揮はっきした。火薬かやく兵器へいきがスペインによって利用りようされたことはアステカ帝国ていこくインカ帝国ていこくといった新大陸しんたいりく諸国しょこく滅亡めつぼうさせるという悲惨ひさん結果けっかみ、またモロッコサアドあさ1591ねんじゅう主力しゅりょくとするへいサハラ砂漠さはらさばくえてニジェールがわ沿岸えんがんひろがるソンガイ帝国ていこくおくみ、へいすう圧倒的あっとうてきにもかかわらずソンガイを滅亡めつぼうさせている。世界せかい見渡みわたせば、火薬かやく兵器へいき導入どうにゅうしたことで周辺しゅうへんこく圧倒あっとうしたくにおおい。戦国せんごく時代じだい日本にっぽん同様どうようであり(織田おだ信長のぶながぐん武田たけだぐん圧倒あっとうした)。1605ねん11月5にちには、イングランドにおいて上院じょういん議場ぎじょう火薬かやくによって爆破ばくはする計画けいかくてられたが露見ろけんし、首謀しゅぼうしゃであるロバート・ケイツビー実行じっこう責任せきにんしゃであるガイ・フォークスらが処刑しょけいされた。この事件じけん火薬かやく陰謀いんぼう事件じけんとしてられるようになり、この事件じけんきた11月5にちガイ・フォークス・ナイトとしてイギリスの祝日しゅくじつとなっており、花火はなびさかんにあげられる。

一方いっぽう火薬かやく普及ふきゅうにつれて平和へいわてき火薬かやく利用りよう徐々じょじょひろまっていった。こうした平和へいわ利用りようでもっともはやく普及ふきゅうしたものは花火はなびであり、そうだい中国ちゅうごくですでに花火はなびとしての火薬かやく利用りよう存在そんざいし、火薬かやく伝来でんらいとともに西方せいほうにもつたえられていった。ヨーロッパでの花火はなび利用りよう14世紀せいきフィレンツェですでにみられ、やがて欧州おうしゅう各地かくち祝祭しゅくさいなどのさいさかんに花火はなびもちいられるようになっていった。このほか、日本にっぽんなどでもだい規模きぼもよおもの花火はなびかせないものとなっていった。一方いっぽう障害しょうがいぶつ爆破ばくはなど土木どぼく工事こうじたいして火薬かやく使つかうことは、黒色こくしょく火薬かやく時代じだいにはそれほどおこなわれることはなかった。これは、当時とうじ火薬かやく爆破ばくはりょく信頼しんらいせいともにひくいうえ膨大ぼうだい軍需ぐんじゅによってつねしな不足ふそく状態じょうたいであり、そのため高価こうかであって、工事こうじ使用しようするにはまったわなかったためである。ただしまったく使用しようれいがなかったわけではなく、鉱山こうざん掘削くっさく運河うんが開削かいさくなどでいくつかの使用しようれいがある[11]。また、16世紀せいき以降いこうエネルギーげんとして火薬かやく使用しようすることがしばしば考案こうあんされ、いくつかの火薬かやく機関きかん試作しさくされた。しかし火薬かやく爆発ばくはつりょくはあるものの持続じぞくりょくがまったくないために動力どうりょくげんとしてはまった不向ふむきであり、やがて蒸気じょうき機関きかん実用じつようされるとともに火薬かやくがエネルギーげんとしてかんがえられることはなくなった[12]

火薬かやく技術ぎじゅつ19世紀せいきまでは停滞ていたい傾向けいこうにあったが、19世紀せいきはいると次々つぎつぎ技術ぎじゅつ革新かくしんがあらわれ、火薬かやくおおきく変化へんかした。まず、1820ねんごろにチリアタカマ砂漠さばくにおいて広大こうだいチリ硝石ちりしょうせき鉱床こうしょう発見はっけんされ、安価あんかチリ硝石ちりしょうせき大量たいりょう供給きょうきゅうによって火薬かやく生産せいさんのボトルネックが解消かいしょうされ、火薬かやく生産せいさん増加ぞうかした。またこれによって、硝石しょうせきおか使つかった硝法による硝石しょうせき生産せいさんまった姿すがたした。また、19世紀せいきまで火薬かやくといえば黒色こくしょく火薬かやくのことをしたが、19世紀せいきはいると黒色こくしょく火薬かやく以外いがい火薬かやく次々つぎつぎ開発かいはつされていった。この分野ぶんや先駆せんくしゃ一人ひとりアルフレッド・ノーベルであり、ニトログリセリンを珪藻土けいそうどにしみこませることで高性能こうせいのう爆薬ばくやくであるダイナマイト1866ねん)を発明はつめいし、大量たいりょう生産せいさんおこなった。これによってノーベルは火薬かやくおうとしてられるようになり、この利益りえきもとにしてのちにノーベルしょう創設そうせつされた。ダイナマイトは爆破ばくはりょく安定あんていせいともに非常ひじょうすぐれた火薬かやくであり、このため工事こうじ現場げんば鉱石こうせき採掘さいくつ火薬かやく一般いっぱんてき使用しようされるようになり、コリントス運河うんがシンプロン・トンネルといったなん工事こうじ可能かのうとなった。

1886ねんフランスひと科学かがくしゃポール・ヴィエイユ (Paul Vieille) による無煙むえん火薬かやく発明はつめいや、フリッツ・ハーバーカール・ボッシュによるハーバー・ボッシュほう発見はっけんアンモニア大量たいりょう生産せいさん可能かのうにしたため、火薬かやく主流しゅりゅう黒色こくしょく火薬かやくから無煙むえん火薬かやくへと急速きゅうそくうつわっていく。ヴィエイユの発明はつめいした火薬かやくニトロセルロースエーテルアルコール混合こんごうえきでゼラチンしたものである。当時とうじ陸軍りくぐん大臣だいじんブーランジェ将軍しょうぐん頭文字かしらもじからB火薬かやく命名めいめいされた。19世紀せいきまでは南米なんべいからのチリ硝石ちりしょうせき輸入ゆにゅう爆薬ばくやく原料げんりょうとなる硝酸しょうさん供給きょうきゅうげんだったが、ハーバー・ボッシュほう発見はっけんによって、チリ硝石ちりしょうせき輸入ゆにゅう海上かいじょう封鎖ふうさすることによる戦争せんそう回避かいひさく無効むこうされた。アルフレッド・ノーベルは、無煙むえん火薬かやくバリスタイト英語えいごばん1887ねん)を発明はつめいしたが、これがその、コルダイトと特許とっきょ紛争ふんそうになった。1889ねんフレデリック・エイベルジェイムズ・デュワーによって発明はつめいされた無煙むえん火薬かやくコルダイト登場とうじょうし、コルダイト火薬かやく近代きんだいてき火薬かやく主流しゅりゅうとなった。

コルダイト火薬かやくアセトン供給きょうきゅうめぐってハイム・ヴァイツマンバルフォア宣言せんげん1917ねん)をはたらきかけた。

日本にっぽんにおける火薬かやく歴史れきし

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日本にっぽんにおいて最初さいしょ火薬かやく使用しようされたのは13世紀せいきもと襲来しゅうらいさい登場とうじょうした“ふるえてんかみなり”(しんてんらい)であり、14世紀せいきごろには朝鮮ちょうせん火薬かやく製造せいぞう技術ぎじゅつ導入どうにゅうされ、どう時期じき日本にっぽんにも黒色こくしょく火薬かやく製法せいほうについての知識ちしきが(一応いちおうは)伝来でんらいしたとかんがえられている。 たとえば、あおやまろくには応仁おうにんらんさいに、細川ほそかわかた陣営じんえいやり配備はいびされていたとの記述きじゅつがあり、どう時代じだい成立せいりつした壒嚢鈔には鉄砲てっぽうについての記事きじ存在そんざいする。

1543ねん種子島たねがしま漂着ひょうちゃくしたポルトガルひとが、東南とうなんアジア改良かいりょうされた、今日きょうマラッカしき火縄銃ひなわじゅうばれる形式けいしき鉄砲てっぽうともに、日本にっぽんに(本格ほんかくてきに)火薬かやく(にかんする西洋せいようしき知識ちしき)をつたえた。

当時とうじ火薬かやく黒色こくしょく火薬かやくであり可燃かねんぶつとして木炭もくたん硫黄いおうを、酸化さんかざいとして硝石しょうせき硝酸しょうさんカリウム)をもちいるものであった。このうち木炭もくたん森林しんりんこくである日本にっぽん国内こくない容易ようい自給じきゅうされ、硫黄いおういたっては火山かざんこくという性質せいしつじょうむしろ輸出ゆしゅつこく大陸たいりくにおける軍需ぐんじゅしたささえしていたが、硝石しょうせきだけは湿潤しつじゅん気候きこう牧畜ぼくちく生産せいさんとぼしい日本にっぽん国内こくないでは天然てんねん産出さんしゅつしないため、南蛮なんばん貿易ぼうえき硝石しょうせき輸入ゆにゅうし、火薬かやく製造せいぞうしていた。

当時とうじ日本にっぽんたかてつ精錬せいれん技術ぎじゅつ鍛鉄たんてつ技術ぎじゅつゆうしており、鉄砲てっぽう製造せいぞう急速きゅうそく普及ふきゅうし、大量たいりょう生産せいさんおこなわれた。1575ねん長篠ながしのたたかでは、織田おだ信長のぶなが大量たいりょう鉄砲てっぽうもちいることで武田たけだ勝頼かつより大勝たいしょうしている(このころ武器ぶきとしてじゅう大量たいりょう所持しょじしていたくに日本にっぽんだった) 。中国ちゅうごく地方ちほう口伝くでんでは本願寺ほんがんじ門徒もんとあいだよもぎ(ヨモギ)尿にょうをかけたものを一定いってい温度おんど保存ほぞんすることにより、ヨモギ特有とくゆうだま細菌さいきんのはたらきで硝酸しょうさん生成せいせいされることを発見はっけんしたという。うま尿にょうとヨモギでそれは量産りょうさん当時とうじにしては)された。これらは当時とうじ軍事ぐんじ機密きみつであったので厳重げんじゅう守秘しゅひされて一般いっぱんひろまることはなかったが、本願寺ほんがんじ供給きょうきゅうされた火薬かやく主体しゅたいであったようである。信長のぶながおどろいた本願寺ほんがんじ鉄砲てっぽうかずは、じつ弾薬だんやくりょう支配しはいされるものであり、安価あんか硝酸しょうさんがそれをささえたのである。

江戸えど時代じだいはい鎖国さこくがなされると、国内こくない硝石しょうせき供給きょうきゅうせざるをなくなる。軍事ぐんじよう火薬かやく使用しよう激減げきげんしたが、狩猟しゅりょうようや、もっぱら空砲くうほうによるがいじゅう駆除くじょようとして鉄砲てっぽうのう山村さんそん普及ふきゅうしたため、じゅう規制きせい強化きょうかされつつも一定いってい火薬かやく需要じゅよう存在そんざいしたのである。便所べんじょかべから床下ゆかした土中どちゅうした窒素ちっそくそ尿にょうなどからしょうじたアンモニア硝酸しょうさんきん硝酸しょうさんきん作用さようするため、ふる民家みんか床下ゆかした土壌どじょうには硝酸しょうさんカリウムが蓄積ちくせきしている。これを原料げんりょうとすることで硝石しょうせき生産せいさんした。床下ゆかしたもちいた硝石しょうせき製造せいぞう江戸えど時代じだいつうじて主流しゅりゅう方法ほうほうであったが、同様どうよう床下ゆかした硝石しょうせき生成せいせいする東南とうなんアジアの伝統でんとうてき手法しゅほうことなり、ぶたなどの家畜かちくだい規模きぼ飼育しいくしない日本にっぽん民家みんかでは硝石しょうせき生成せいせいりょうすくなく、一度いちどしてしまうと20 - 30年間ねんかん採集さいしゅうできなかった。ちなみに、明治めいじ時代じだい秩父ちちぶ事件じけんにおいては、こまみんとう火縄銃ひなわじゅうとうもちいてたたかったが、そのじゅうもちいる火薬かやく前述ぜんじゅつ方法ほうほうによって硝石しょうせき調達ちょうたつし、製造せいぞうしたものである。

江戸えど時代じだい越中えっちゅう五箇山ごかさん現在げんざい富山とやまけんみなみ砺市)や飛騨ひだ白川しらかわむらでは、積極せっきょくてき硝酸しょうさんイオンを蓄積ちくせきさせたほのお硝土をもちいて硝石しょうせき生産せいさんしていた。ほのお硝土をもちいる硝石しょうせき生産せいさん方法ほうほうは、1811ねん文化ぶんか8ねん)に加賀かがはん命令めいれいによって五十嵐いがらし孫作まごさく提出ていしゅつした「やまほのお出来でき次第しだいしょ上申じょうしんちょう」にもっと詳細しょうさいしるされている。しゅとしてこの文書ぶんしょによると、合掌がっしょう家屋かおくのイロリちかくの床下ゆかしたげてヒエのくきき、そのうえ良質りょうしつはたけ蚕糞こくそあさ・タバコのくきなど栽培さいばい植物しょくぶつ不要ふよう部分ぶぶんヨモギ・アカソとうやまくさかさね、そのうえひと尿にょう散布さんぷしてほのお硝土を調製ちょうせいする。ほのお硝土からみず硝酸しょうさんイオンを抽出ちゅうしゅつし、抽出ちゅうしゅつえき木灰きばい処理しょりし、濃縮のうしゅくしたのち冷却れいきゃくすると硝石しょうせき析出せきしゅつする。この方法ほうほう毎年まいとしさい生産せいさん可能かのうすぐれた製造せいぞう方法ほうほうであった。

一方いっぽう平和へいわ到来とうらいによる軍事ぐんじよう火薬かやく使用しよう激減げきげん火薬かやく供給きょうきゅう余裕よゆうをもたらし、平和へいわてき火薬かやく利用りようほう普及ふきゅうする余地よちをもたらした。花火はなびである。日本にっぽん花火はなび到来とうらいしたのは1589ねんまたは1613ねんのこととされ、元和がんわ偃武のち急速きゅうそく普及ふきゅうした。1648ねんにはすでに、江戸えどまちにおいて隅田川すみだがわ河口かこうのぞ花火はなび使用しようきんずること、および町中まちなかでの花火はなび制作せいさくきんずる触書ふれがきされている。1733ねんとおる18ねん)には隅田川すみだがわ花火はなび大会たいかいはじめておこなわれた。これ以降いこう例年れいねん開催かいさいされている。ただし当時とうじ花火はなびはまだえんにはひらかず、またりも単色たんしょくかぎられていた。

明治めいじ時代じだいはいると、南米なんべいチリから莫大ばくだい埋蔵まいぞうりょうゆうした天然てんねん硝酸しょうさんナトリウムであるチリ硝石ちりしょうせき輸入ゆにゅうはじめる。硝酸しょうさんナトリウムは黒色こくしょく火薬かやく原料げんりょうの1つである硝酸しょうさんカリウムわりとしてもちいることができ、また無煙むえん火薬かやく以降いこう近代きんだいてき火薬かやく工業こうぎょう生産せいさん必須ひっす硝酸しょうさん原料げんりょうとして、ハーバー・ボッシュほうによって窒素ちっそ固定こていほう確立かくりつされるまで重要じゅうようされた。この安価あんか硝石しょうせき輸入ゆにゅうによってながもちいられてきた硝法による白川郷しらかわごうなどでの国内こくないにおける硝石しょうせき生産せいさん姿すがたした。また、ヨーロッパからあたらしい科学かがく知識ちしき導入どうにゅうされることで花火はなび長足ちょうそく進歩しんぽげ、1874ねんごろには花火はなびまるひらくようになり、1877ねんには花火はなびいろけられるようになった。

また、富国強兵ふこくきょうへい政策せいさくによりヨーロッパからさかんに近代きんだいてき火薬かやく技術ぎじゅつ導入どうにゅうするようになる。日本にっぽん独自どくじ火薬かやく技術ぎじゅつ発展はってんし、日本にっぽん海軍かいぐん制式せいしき採用さいようされた下瀬したせ火薬かやくは、その強力きょうりょく破壊はかいりょくからにち戦争せんそうではだい活躍かつやくした。

火薬かやく科学かがく

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通常つうじょう燃焼ねんしょう同様どうよう火薬かやく構成こうせいしている物質ぶっしつ酸素さんそむすびつくことで(これを酸化さんかという)、火薬かやくたくわえられていたエネルギーが解放かいほうされ、ねつひかり衝撃しょうげき発生はっせいする。火薬かやく燃焼ねんしょう通常つうじょう燃焼ねんしょうことなるてん空気くうきちゅう酸素さんそ必要ひつようとしないことである。たとえばニトログリセリンでは炭化たんか水素すいそ結合けつごうした硝酸しょうさんエステル (-O-NO2) が酸化さんかざい役割やくわりになっている。また、黒色こくしょく火薬かやくのような混合こんごう火薬かやくでは、燃料ねんりょう硝酸しょうさんカリウムなどの酸化さんかざい混合こんごうしている。つまり、黒色こくしょく火薬かやく場合ばあい黒色こくしょく火薬かやくふくまれるすみ炭素たんそ燃料ねんりょうとし、硝酸しょうさんカリウムは反応はんのう高速こうそくにする役割やくわりたしているにぎない。ちなみに、黒色こくしょく火薬かやく硝酸しょうさんカリウム、炭素たんそ硫黄いおう配合はいごうしてつくる。混合こんごう火薬かやく場合ばあいこう効率こうりつ酸化さんか反応はんのうこすため、酸化さんかざい配合はいごう比率ひりつ最適さいてきすることが重要じゅうようである。また、組成そせいちゅう酸素さんそふくまなくても、フッ素ふっそのように酸化さんかざいとしてはたらき、酸化さんか反応はんのうこすことができる物質ぶっしつ存在そんざいする。このような酸化さんか反応はんのうで、おおきな反応はんのうねつ発生はっせいする物質ぶっしつ火薬かやく材料ざいりょうてきしている。こういった自己じこ反応はんのうせい物質ぶっしつ外部がいぶ酸素さんそ必要ひつようとしないため、二酸化炭素にさんかたんそ消火しょうかのような酸素さんそ遮断しゃだんによる消火しょうか不可能ふかのうである。

火薬かやく反応はんのうには色々いろいろ種類しゅるいがある。火薬かやくにマッチなどでをつけても、かならずしも爆発ばくはつするとはかぎらない。一部いちぶ火薬かやくでは、マッチで点火てんかしてもロウソクのようにゆっくりえるだけだが、雷管らいかん点火てんかすると一瞬いっしゅん全体ぜんたい反応はんのうする(爆発ばくはつ)。またダイナマイトなどの一部いちぶ爆薬ばくやくでは、雷管らいかん威力いりょくにより低速ていそく爆発ばくはつ高速こうそく爆発ばくはつの2種類しゅるいがある。ガソリンや木材もくざいえるのを通常つうじょう燃焼ねんしょうといい、火薬かやく高速こうそく燃焼ねんしょうするのを爆発ばくはつという。さらに音速おんそく以下いか爆発ばくはつを「ばくもえ」、音速おんそく以上いじょう爆発ばくはつを「ばくとどろき(ばくごう)」と分類ぶんるいしている。「ばくとどろき状態じょうたいでは燃焼ねんしょう速度そくど音速おんそくえるため、衝撃波しょうげきは投射とうしゃ周囲しゅうい物体ぶったい破壊はかいする。「ばくとどろき発生はっせい有無うむによって火薬かやく爆薬ばくやく分類ぶんるいすることもある。「ばくとどろき」によってまれた衝撃波しょうげきはよわまったものが「爆音ばくおん」になる

火薬かやく燃焼ねんしょうはじめると、反応はんのうねつにより酸化さんか反応はんのう促進そくしんされ、継続けいぞくてき燃焼ねんしょうきる。これにたい爆薬ばくやくでは、酸化さんか反応はんのうばくとどろき衝撃波しょうげきはによる断熱だんねつ圧縮あっしゅくによって促進そくしんされる。このため、ねつ伝導でんどうりつそくされることのない急激きゅうげき燃焼ねんしょう発生はっせいする。

火薬かやくるい最大さいだい特徴とくちょうはそのエネルギーの発生はっせい速度そくどにある。単純たんじゅん熱量ねつりょう比較ひかくだけなら火薬かやくるいよりもガソリンなどのほうおおきい。しかし、半径はんけい10cm球体きゅうたいトリニトロトルエン(TNT)を鋳造ちゅうぞうした場合ばあい、このかたまりばくとどろかして反応はんのうわるまでの時間じかんはわずかに 14.7ナノびょうしかかからない。

半径はんけい10cmの鋳造ちゅうぞうトリニトロトルエンの重量じゅうりょうは6.49kgであり、このばく発熱はつねつやく1.17×107Jである。これだけのエネルギーがわずか 14.7ナノびょうあいだ放出ほうしゅつされるのである。

つまり、エネルギーの発生はっせい速度そくどというてんれば 1.16×1012J/びょうとなり、これは日本にっぽんそう発電はつでん能力のうりょくすうばいにもなる数字すうじである。

こうした火薬かやく能力のうりょくおもにその分子ぶんし構造こうぞう依存いぞんしている。一般いっぱん複雑ふくざつ緻密ちみつ構造こうぞう分子ぶんしほどそのなかたくわえられているエネルギーがおおきく、たか爆発ばくはつりょく火薬かやくとなる。近年きんねんではヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン (HNIW) のように、コンピューターシミュレーションにより理想りそうてき分子ぶんし構造こうぞう決定けっていし、それをもと合成ごうせいされた高性能こうせいのう火薬かやく登場とうじょうしている。さらによりおおきなエネルギーを電子でんし励起れいき状態じょうたい原子げんしもちいた電子でんし励起れいき爆薬ばくやく研究けんきゅうされている。

火薬かやく爆発ばくはつりょくつよいだけでは実用じつようされることはない。爆発ばくはつりょく強力きょうりょくであっても安定あんていせいひく場合ばあい、わずかな衝撃しょうげき容易ようい爆発ばくはつこり、製造せいぞう工場こうじょう輸送ゆそう機関きかんなどに多大ただい損害そんがいあたえるためである。実際じっさいに、火薬かやく発明はつめいから爆発ばくはつ事故じこはついてまわり、19世紀せいき初頭しょとう黒色こくしょく火薬かやく以外いがい火薬かやく開発かいはつされるとそれはより悪化あっかした。こうした火薬かやく安定あんていせい非常ひじょうひくく、戦場せんじょう工事こうじ現場げんば使用しようするまえだい爆発ばくはつこすことが多発たはつしたためである。これらしん火薬かやく実用じつようは、アルフレッド・ノーベルがニトログリセリンを珪藻土けいそうどなどの安定あんていざい混入こんにゅうして開発かいはつしたダイナマイトのように、安全あんぜんあつかいが保障ほしょうされてはじめて可能かのうとなった。こうしたことから、実際じっさい使用しようされる火薬かやく感度かんどひくおさえられ、製造せいぞう輸送ゆそうなどでは爆発ばくはつしないようになっている。また、こうした安定あんていした物質ぶっしつ爆発ばくはつさせるためにはよわ火薬かやくなどをもちいち起爆きばくおこない、その衝撃しょうげきによって誘爆ゆうばくさせることが必要ひつようとなる。


法律ほうりつ

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火薬かやくるい強大きょうだい爆発ばくはつエネルギーをもたらすものであり、あやまったあつかいをした場合ばあい悪用あくようされた場合ばあいには多大ただい被害ひがいをもたらすため、どのくににおいても厳重げんじゅう規制きせいしたにおかれている。

日本にっぽん

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日本にっぽんにおいては、火薬かやくるい取締とりしまりほうした製造せいぞう運搬うんぱん貯蔵ちょぞうなど火薬かやくるいかかわる全般ぜんぱん規制きせいされている。火薬かやくるい製造せいぞう販売はんばい貯蔵ちょぞう消費しょうひ廃棄はいきとうについては経済けいざい産業さんぎょうしょうの、運搬うんぱんについては国家こっか公安こうあん委員いいんかい所管しょかんとなっている。

また、この法律ほうりつした火薬かやくるいあつかいにかかわる国家こっか資格しかくとして火薬かやくるい保安ほあん責任せきにんしゃがあり、製造せいぞうかかわる火薬かやくるい製造せいぞう保安ほあん責任せきにんしゃと、火薬かやく消費しょうひ保管ほかんかかわる火薬かやくるい取扱とりあつかい保安ほあん責任せきにんしゃふたつの資格しかくかれている。

火薬かやくるい取扱とりあつかい保安ほあん責任せきにんしゃには火薬かやくるい保安ほあん手帳てちょう交付こうふされ、実務じつむおこなさい携帯けいたいすることが義務付ぎむづけられている。

芸術げいじゅつ

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蔡國きょうらは絵画かいが制作せいさく芸術げいじゅつパフォーマンスに火薬かやくもちいることでられている[13]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 「explosives」と、「s」をつけて複数ふくすうがたにすることで、様々さまざま種類しゅるいのexplosiveを、ともかくまとめてすための用語ようご総称そうしょう)であることをしめしている。日本語にほんごでこうした用語ようご翻訳ほんやくする場合ばあい、「火薬かやくるい」とやくし、つまり「るい」のくわえるのがい、と判断はんだんされたわけである。
  2. ^ 竹崎たけざきちょう えいひとし元年がんねん2がつ9にち1293ねんれき改元かいげんまえのため実際じっさいせいおう6ねんか。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g 『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてんしょう項目こうもく事典じてん 「火薬かやくるい explosives」
  2. ^ かみなりさん水銀すいぎん
  3. ^ デジタル大辞泉だいじせんより
  4. ^ コトバンク項目こうもくより
  5. ^ Lorge, Peter A. (2008), The Asian Military Revolution: from Gunpowder to the Bomb, Cambridge University Press, ISBN 978-0-521-60954-8 p. 33-34.
  6. ^ Chase, Kenneth (2003), Firearms: A Global History to 1700, Cambridge University Press, ISBN 0-521-82274-2 p.31
  7. ^ Needham, Joseph (1986), Science & Civilisation in China, V:5 pt. 7: The Gunpowder Epic, Cambridge University Press, ISBN 0-521-30358-3 p.222
  8. ^ 佐藤さとう鉄太郎てつたろうこうむ襲来しゅうらい絵詞えことば竹崎たけざきちょう研究けんきゅう』、2005ねん
  9. ^ a b c d e アーノルド・パーシー『世界せかい文明ぶんめいにおける技術ぎじゅつせんねんはやしたけし監訳かんやくあずま玲子れいこやくしん評論ひょうろん
  10. ^ クライヴ・ポンティング『世界せかいえた火薬かやく歴史れきし』p142(伊藤いとうあやぎぬやく げん書房しょぼう 2013ねん4がつ
  11. ^ クライヴ・ポンティング『世界せかいえた火薬かやく歴史れきし』p251-252(伊藤いとうあやぎぬやく げん書房しょぼう 2013ねん4がつ
  12. ^ クライヴ・ポンティング『世界せかいえた火薬かやく歴史れきし』p253-254(伊藤いとうあやぎぬやくはら書房しょぼう、2013ねん4がつ
  13. ^ 蔡國きょう原点げんてん回帰かいきはしなつ 火薬かやく使づか創作そうさく横浜よこはま個展こてん”. 朝日新聞あさひしんぶん (2015ねん7がつ8にち). 2019ねん6がつ25にち閲覧えつらん

文献ぶんけん

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  • 火薬かやく学会がっかい へん『エネルギー物質ぶっしつハンドブック』共立きょうりつ出版しゅっぱん、1999ねんISBN 9784320088641 
  • 松永まつながたけしひろし火薬かやくのはなし : 爆発ばくはつ原理げんりからのまわりの火薬かやくまで』講談社こうだんしゃブルーバックス〉、2014ねんISBN 9784062578790 
  • アーノルド・パーシー『世界せかい文明ぶんめいにおける技術ぎじゅつせんねんはやしたけし監訳かんやくあずま玲子れいこやくしん評論ひょうろん、2001ねん6がつISBN 9784794805225 
  • クライヴ・ポンティング『世界せかいえた火薬かやく歴史れきし伊藤いとうあやぎぬやくはら書房しょぼう、2013ねん4がつISBN 978-4562049127 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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