シャンパーニュ

シャンパーニュ（赤あかで塗ぬられた地域ちいき）

18世紀せいきのシャンパーニュを、現在げんざいの県けんで分割ぶんかつし色分いろわけした図ず

シャンパーニュ （フランス語ふらんすご: Champagne）は、フランス王国おうこく北東ほくとう部ぶの県けんで、現在げんざいはその名なを冠かんした発泡はっぽう白しろワインのシャンパーニュワイン産地さんちとしてよく知しられている。中世ちゅうせい初期しょきのアウストラシア王国おうこくを祖先そせんとするシャンパーニュ県けんは、1314年ねんにフランス王家おうけに譲渡ゆずりわたされた。

かつてシャンパーニュ伯爵はくしゃく家かが支配しはいしていたその西端せいたんは、パリの東ひがし約やく160km（100マイル）に位置いちする。トロワ、ランス、エペルネーの各かく都市としはこの地域ちいきの商業しょうぎょうの中心ちゅうしん地ちである。1956年ねん、シャンパーニュ地方ちほうの大だい部分ぶぶんは、フランスのシャンパーニュ＝アルデンヌ地域ちいき圏けんの一部いちぶとなり、4つの県けんから構成こうせいされている。アルデンヌ県けん、オーブ県けん、オートマルヌ県けん、マルヌ県けんの4県けんで構成こうせいされている。2016年ねん1月がつ1日にちより、シャンパーニュ＝アルデンヌ地域ちいき圏けんは隣接りんせつするアルザス地域ちいき圏けん、ロレーヌ地域ちいき圏けんと合併がっぺいし、新あらたにグラン・テスト地域ちいき圏けんとなった。

語源ごげん

シャンパーニュ（Champagne）の名称めいしょうは、以前いぜんはChampaigneと表記ひょうきされていたが、フランス語ふらんすごで「開あけた国くに」（軍事ぐんじ作戦さくせんに適てきしている）という意味いみと、ラテン語らてんごで「平地ひらち」または「平原へいげん」という意味いみのcampaniusに由来ゆらいし、イタリアのカンパニア州しゅうの名称めいしょうにも由来ゆらいするものである。ルネッサンス期きには、白亜はくあの平地ひらちが続つづく広大こうだいな風景ふうけいを表あらわす言葉ことばとして使つかわれていた。

歴史れきし

フランス王国おうこく第だい3の町まち、プロヴァン近郊きんこうが統合とうごうされ、宮中きゅうちゅう伯はく領りょうとなり1065年ねんに成立せいりつした。すなわち、宮中きゅうちゅう伯はく領りょうはメロヴィング朝あさ時代じだいのアウストラシア西部せいぶを解体かいたいして生しょうじた伯はく領りょうで、フランスの東部とうぶであった。シャンパーニュはシャンパーニュ＝アルデンヌ地域ちいき圏けんの中なかにあり、エーヌ県けんの南部なんぶ、セーヌ＝エ＝マルヌ県けんの大半たいはんとブリーにも及およぶ。北側きたがわはリエージュ司教しきょう公おおやけ領りょうと境界きょうかいを接せっするがジヴェは除外じょがいされた。そのテロワールはワインのシャンパンにその名なを与あたえている。

Champagne、同おなじ発音はつおんであるChampaigneは、中世ちゅうせい後期こうきに記しるされる名前なまえである。中世ちゅうせい盛期せいきに初はじめてラテン語らてんご名めいで記しるされたのはCampanensesそして、Champenoisであった。やがて拡張かくちょうしていくシャンパーニュ伯はく領りょうとその自然しぜん区分くぶん上じょうの地方ちほうは、当時とうじは古代こだいに生うまれた6つの司教しきょう座ざに対応たいおうした。ラングル、サンス、トロワ、ランス、モー、シャロンである。

この州しゅうは、中世ちゅうせいにシャンパーニュの大だい市しのおかげで州しゅうの西側にしがわが主要しゅような経済けいざいの中心ちゅうしん地ちであった。シャンパーニュ伯はくの宮廷きゅうていは洗練せんれんされており、その中なかの1人ひとりティボー・ド・シャンパーニュ（ナバラ王おうテオバルド1世せい）は香料こうりょうバラであるロサダマスケナの輸入ゆにゅうをしていた。初期しょきのフランス人じん作家さっかクレティアン・ド・トロワは、宮廷きゅうてい文学ぶんがくを生うみ出だし、方言ほうげんを文化ぶんか的てきな標準ひょうじゅんのレベルに引ひき上あげた。1129年ねん、シャンパーニュ伯はくはユダヤ人じんラビ、ラシの保護ほご者しゃとなっており、パラクレ大だい修道院しゅうどういんは最もっとも権威けんいのある修道院しゅうどういん（アルジャントゥイユのエロイーズが修道院しゅうどういん長ちょうであったこともある）であった。そして最初さいしょの銀行ぎんこうネットワークがテンプル騎士きし団だんのもとで営いとなまれた。1284年ねん、シャンパーニュ女おんな伯はくであったナバラ王女おうじょフアナがフランス王子おうじフィリップと結婚けっこんしたことで、シャンパーニュはフランス王おう領りょうに併合へいごうされた。フランス王おうに戴冠たいかんさせるランス司教しきょうは、重要じゅうような政治せいじ的てき役割やくわりを持もっていた。