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スペインアイベックス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
スペインアイベックス
シエラネバダアイベックス
シエラネバダアイベックス Capra pyrenaica hispanica
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
: 偶蹄ぐうてい/くじら偶蹄ぐうてい
Artiodactyla/Cetartiodactyla
: 反芻はんすう Ruminantia
下目しため : Pecora
: ウシ Bovidae
: ヤギ Caprinae
(もしくはAntelopinae)
ぞく : (ヤギぞく Caprini)
ぞく : ヤギぞく Capra
たね : スペインアイベックス C. pyrenaica
学名がくめい
Capra pyrenaicaSchinz, 1838[2]
和名わみょう
スペインアイベックス[2]
英名えいめい
Iberian ibex、Spanish ibex、Spanish wild goat、Iberian wild goat
分布ぶんぷ

スペインアイベックスCapra pyrenaica)は、偶蹄ぐうていくじら偶蹄ぐうていとするせつもあり)ウシヤギぞく分類ぶんるいされる偶蹄ぐうているい

英名えいめいIberian ibexSpanish ibexSpanish wild goatIberian wild goatなど[3]

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

スペインアイベックスはかつて、フランスピレネーふくイベリア半島はんとう分布ぶんぷしていたが、アンドラフランスジブラルタルでは絶滅ぜつめつした[1]。 もともとは4つの亜種あしゅ構成こうせいされていた[1]。しかし、1892ねんにはポルトガルアイベックス絶滅ぜつめつし、2000ねんにはピレネーアイベックス英語えいごばん絶滅ぜつめつしたため、今日きょうでもられるのは2つの亜種あしゅのみである[4]。Western Spanish ibexとSoutheastern Spanish ibexはスペイン大陸たいりくることができたが、今日きょうでは国境こっきょうえてポルトガル大西おおにしひろし沿岸えんがんペネダ・ジェレス国立こくりつ公園こうえん英語えいごばん)にみついている[5]

2014ねんには、Capra pyrenaica victoriaeカタロニアおよびフランス南部なんぶさい導入どうにゅうされ、1998ねんにはさい導入どうにゅうされたガリシアしゅうSerra do Xurés個体こたいぐんからひろがったCapra pyrenaica victoriae がポルトガル北部ほくぶにまで定着ていちゃくした。2020ねん現在げんざい、これらの個体こたいぐんひろがりつつある[1]

形態けいたい[編集へんしゅう]

体長たいちょうオス130 - 140センチメートル[2]体高たいこうオス68 - 80センチメートル、メス65 - 70センチメートル[2]体重たいじゅうオス65 - 80キログラム、メス35 - 45キログラム[2]あごひげすくなくともふゆではながく、ちぢれずにまっすぐにびる[2]。オスはがくあごひげ・頸部背面はいめんたてがみ四肢しし外面がいめんくろ[2]。メスやようじゅう四肢しし前部ぜんぶくろみをびる[2]

かく基部きぶから上方かみがたび、外側そとがわ後方こうほうかい、先端せんたんきゅうほそくなり上方かみがたかう[2]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

スペインアイベックスは4つの亜種あしゅ分類ぶんるいされ、うち2亜種あしゅはまだイベリア半島はんとうられるが、2亜種あしゅはすでに絶滅ぜつめつした。1892ねんにはポルトガルアイベックス学名がくめい: Capra pyrenaica lusitanica)が絶滅ぜつめつし、2000ねんにはピレネーアイベックス英語えいごばん(ブカルド)(学名がくめい: Capra pyrenaica pyrenaica)が絶滅ぜつめつしたのである。2003ねんにはしし医師いしのフェルナンデス=アリアスがピレネーアイベックスの復活ふっかつ挑戦ちょうせん[6]、2003ねん7がつにはDNAをもちいたクローン作成さくせいされた。このクローンははい物理ぶつりてき欠陥けっかんにより、誕生たんじょうからすうふん死亡しぼうした[7]

以下いか分類ぶんるい分布ぶんぷ形態けいたい今泉いまいずみ(1988)にしたが[2]

Capra pyrenaica pyrenaica Schinz, 1838 ピレネーアイベックス(絶滅ぜつめつ亜種あしゅ
狩猟しゅりょう対象たいしょうとされ2000ねん絶滅ぜつめつ
スペイン北部ほくぶカンタブリカ山脈さんみゃく東部とうぶピレネー山脈さんみゃく
からだ黒色こくしょくおおきい。かくあいだ角度かくどおおきい。
Capra pyrenaica hispanica Schimper, 1848 シエラネバダアイベックス
スペイン東部とうぶおよび南部なんぶシエラネバダ山脈さんみゃくシエラモレナ山脈さんみゃくなど)
からだ黒色こくしょくちいさい。かくあいだ角度かくどおおきい。
Capra pyrenaica lusitanica Schlegel, 1872 ポルトガルアイベックス(絶滅ぜつめつ亜種あしゅ
スペイン(ガリシア地方ちほう)、ポルトガル北部ほくぶ
かくあいだ角度かくどちいさい。
Capra pyrenaica victoriae Cabrera, 1911 ビクトリアアイベックス
スペイン中部ちゅうぶグアダラマ山脈さんみゃく
からだ黒色こくしょくちゅう程度ていどかく扁平へんぺい

保全ほぜん[編集へんしゅう]

グレドス山地さんち英語えいごばんのWestern Spanish ibexのども

スペインアイベックスの個体こたいすう過去かこすう世紀せいきにおいていちじるしく減少げんしょうした。ポルトガル北部ほくぶペネダ・ジェレス国立こくりつ公園こうえん英語えいごばんやスペイン北西ほくせいガリシア地方ちほうにはポルトガルアイベックス生息せいそくしていたが、1892ねんにはこの地域ちいきからポルトガルアイベックスが絶滅ぜつめつした。19世紀せいき中頃なかごろまでにはピレネーアイベックス英語えいごばん生息せいそく範囲はんいおおきくせばまっていたが、2000ねん1がつにはオルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立こくりつ公園こうえん最後さいごのメスの生体せいたいんだことで、ピレネーアイベックスも絶滅ぜつめつした[8]

人間にんげん人口じんこう過剰かじょう動物どうぶつ疾患しっかん家畜かちくゆう蹄類とのあらそいの可能かのうせい観光かんこう狩猟しゅりょうなど人間にんげん生活せいかつからける悪影響あくえいきょうなど、スペインアイベックスの将来しょうらいてき保全ほぜんにはいくつもの脅威きょうい存在そんざいする[4]近年きんねん、スペイン南部なんぶ個体こたい疥癬かいせんなどの病気びょうき流行りゅうこう見舞みまわれている[8]感染かんせんした個体こたいにとってこの病気びょうき致命ちめいてきとなる可能かのうせいがあり、オス・メスに均等きんとう影響えいきょうすることで[9]個体こたい生殖せいしょく活動かつどう制限せいげんされる[10]

人間にんげんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

1990年代ねんだい以降いこう生息せいそくすう増加ぞうか傾向けいこうにある[1]亜種あしゅポルトガルアイベックスは19世紀せいきまつに、もと亜種あしゅピレネーアイベックスは2000ねん死骸しがい発見はっけんれい最後さいご絶滅ぜつめつしたとかんがえられている[1]

ギャラリー[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f Herrero, J. & Pérez, J.M. 2008. Capra pyrenaica. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T3798A10085397. doi:10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T3798A10085397.en, Downloaded on 11 April 2017.
  2. ^ a b c d e f g h i j 今泉いまいずみよしのり 「スペインアイベックス」『世界せかい動物どうぶつ 分類ぶんるい飼育しいく7 (偶蹄ぐうていIII)』今泉いまいずみよしのり監修かんしゅう東京とうきょう動物どうぶつえん協会きょうかい、1988ねん、103-104ぺーじ
  3. ^ Sarasa, Mathieu; Alasaad, Samer; Pérez, Jesús M. (2012). “Common names of species, the curious case of Capra pyrenaica and the concomitant steps towards the 'wild-to-domestic' transformation of a flagship species and its vernacular names”. Biodiversity and Conservation 21 (1): 1–12. doi:10.1007/s10531-011-0172-3. 
  4. ^ a b Acevedo, P. (2009). “Biology, ecology, and status of Iberian ibex Capra pyrenaica: a critical review and research prospectus”. Mammal Review 39 (1): 17–32. doi:10.1111/j.1365-2907.2008.00138.x. 
  5. ^ たったひとつの国立こくりつ公園こうえんナショナルジオグラフィック
  6. ^ 復活ふっかつする絶滅ぜつめつしゅナショナルジオグラフィック、2013ねん4がつごう
  7. ^ Folch, J., Cocero, M. J., Chesne, P., Alabart, J. L., Dominguez, V., Cognie, Y., Roche, A., Fernandez-Arias, A., Marti, J. I., Sanchez, P., Echegoyen, E., Beckers, J. F., Bonastre, A. S. & Vignon, X. (2009). “First birth of an animal from an extinct subspecies (Capra pyrenaica pyrenaica) by cloning”. Theriogenology 71 (6): 1026–1034. doi:10.1016/j.theriogenology.2008.11.005. PMID 19167744. 
  8. ^ a b Perez, Jesus M.; Granados, Jose E.; Soriguer, Ramon C.; Fandos, Paulino; Marquez, Francisco J.; Crampe, Jean P. (2002). “Distribution, status and conservation problems of the Spanish Ibex, Capra pyrenaica (Mammalia: Artiodactyla)”. Mammal Review 32 (1): 26–39. doi:10.1046/j.1365-2907.2002.00097.x. 
  9. ^ Sarasa, M., Rambozzi, L., Rossi, L., Meneguz, P. G., Serrano, E., Granados, J. E., González, F. J., Fandos, P., Soriguer, R. C., Gonzalez, G., Joachim, J. & Pérez, J. M. (2010). “Sarcoptes scabiei: Specific immune response to sarcoptic mange in the Iberian ibex Capra pyrenaica depends on previous exposure and sex”. Experimental Parasitology 124 (3): 265–271. doi:10.1016/j.exppara.2009.10.008. PMID 19857492. 
  10. ^ Sarasa, M., Serrano, E., Soriguer, R. C., Granados, J.-E., Fandos, P., Gonzalez, G., Joachim, J. & Pérez, J. M. (2011). “Negative effect of the arthropod parasite, Sarcoptes scabiei, on testes mass in Iberian ibex, Capra pyrenaica”. Veterinary Parasitology 175 (3–4): 306–312. doi:10.1016/j.vetpar.2010.10.024. PMID 21074328. 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]