衛星 えいせい 写真 しゃしん 。赤色 あかいろ の円形 えんけい の場所 ばしょ がグアダラーマ山脈 さんみゃく
最高峰 さいこうほう のペニャラーラ
ラ・ペドリサ峰 ほう
グアダラーマ山脈 さんみゃく (スペイン語 ご : Sierra de Guadarrama )とは、イベリア半島 はんとう 中央 ちゅうおう 部 ぶ にある山脈 さんみゃく 。セントラル山系 さんけい の約 やく 半分 はんぶん を占 し め、アビラ県 けん のグレドス山地 さんち 、グアダラハーラ県 けん のアイリョン山地 さんち (スペイン語 ご 版 ばん ) の間 あいだ にある。
グアダラーマ山脈 さんみゃく という名 な は、どちらもこの山脈 さんみゃく に関係 かんけい するグアダラーマ川 がわ (スペイン語 ご 版 ばん ) とグアダラーマという地名 ちめい からきている。グアダラーマという言葉 ことば は、『砂 すな の川 かわ 』を意味 いみ するアラビア語 ご からきている。Guadはwadi(川 かわ 、ワジ )から、arramaはal-rama(砂 すな の)をそれぞれ意味 いみ する。名前 なまえ は、アラブ人 じん がスペインを支配 しはい した時代 じだい (722年 ねん -1492年 ねん )に川 かわ につけたとされ、レコンキスタ 後 うしろ ですら名前 なまえ は通貨 つうか の中 なか に残 のこ ったのだった。
山脈 さんみゃく は南西 なんせい から北東 ほくとう へ向 む け伸 の び、南 みなみ のマドリード県 けん 、北 きた のアビラ県 けん とセゴビア県 けん に伸 の びる。全体 ぜんたい のおおよその長 なが さは80km、最高峰 さいこうほう はペニャラーラ (2,428m)である。
山脈 さんみゃく の植生 しょくせい は、豊 ゆた かなヨーロッパアカマツ の森 もり 、低 ひく い傾斜地 けいしゃち のオーク とウバメガシ の低木 ていぼく 林 りん で特徴 とくちょう づけられる。一方 いっぽう 、山 やま の頂上 ちょうじょう は灌木を満 み たした牧草 ぼくそう 地 ち が占 し めている。山脈 さんみゃく には色々 いろいろ なほ乳類 にゅうるい 、スペインアイベックス 、ダマジカ 、ノロジカ 、イノシシ 、ヨーロッパアナグマ がおり、様々 さまざま なイタチ 、ヨーロッパヤマネコ 、アカギツネ 、そしてノウサギ がいる。山中 さんちゅう の湖 みずうみ と貯水池 ちょすいち には、イベリアカタシロワシ 、クロハゲワシ といった猛禽 もうきん 類 るい と様々 さまざま な種類 しゅるい の水鳥 みずとり がいる。
マドリード 付近 ふきん で山脈 さんみゃく は、込 こ み入 い った状況 じょうきょう となっている。この地域 ちいき では今日 きょう 、数 すう 多 おお くの峠 とうげ や鉄道 てつどう 路 ろ がそばで横断 おうだん しており、非常 ひじょう に完成 かんせい された観光 かんこう 基盤 きばん を維持 いじ している。そして様々 さまざま な山地 さんち スポーツに結合 けつごう している。山 やま の自然 しぜん 環境 かんきょう に危険 きけん な状況 じょうきょう が、山地 さんち でつくられている。
ペニャラーラ
全長 ぜんちょう でおよそ80km、南東 なんとう から北西 ほくせい 方向 ほうこう で広 ひろ がる。グアダラーマ山脈 さんみゃく は、イベリア半島 はんとう のメセタを南北 なんぼく に分 わ ける自然 しぜん の境界 きょうかい である。この山脈 さんみゃく はセントラル山系 さんけい の一部 いちぶ をなす。
山脈 さんみゃく の基盤 きばん は標高 ひょうこう 900mから1200mの間 あいだ に位置 いち する。山脈 さんみゃく の主要 しゅよう な峰 みね 峰 ほう は、平均 へいきん 1000m以上 いじょう の地形 ちけい 上 じょう の傑出 けっしゅつ を持 も つ。最高峰 さいこうほう であるペニャラーラ は標高 ひょうこう 2.428mである。山脈 さんみゃく の範囲 はんい は、アルベルチェ川 がわ (スペイン語 ご 版 ばん ) の谷 たに (グラドス山地 さんち を分割 ぶんかつ している)で始 はじ まりソモシエラ峠 とうげ (スペイン語 ご 版 ばん ) で終 お わる。ソモシエラ峠 とうげ はタグス川 がわ 流域 りゅういき とドゥエロ川 がわ 流域 りゅういき との間 あいだ の水 みず 理学 りがく 上 じょう の境界 きょうかい となっている。山脈 さんみゃく は、ハラマ川 がわ 、グアダラマ川 がわ (スペイン語 ご 版 ばん ) 、マンサナーレス川 がわ のような多様 たよう な山 やま を水源 すいげん とする河川 かせん が、タグス川 がわ とドゥエロ川 がわ に注 そそ ぐのに寄与 きよ している。
南西 なんせい から北東 ほくとう の主 しゅ たる峰 みね 峰 ほう から分岐 ぶんき した山脈 さんみゃく は、カルペタノス山脈 さんみゃく (スペイン語 ご 版 ばん ) (Montes Carpetanos)として知 し られている(この名称 めいしょう は時 とき にペニャラーラ とソモシエラ峰 ほう 間 あいだ のグアダラマ山脈 さんみゃく 主軸 しゅじく 北部 ほくぶ を指 さ すこともある)。全長 ぜんちょう 15kmのカルペタノスの準 じゅん 山地 さんち はマドリード州 しゅう のナバセラーダ峠 とうげ (スペイン語 ご 版 ばん ) で始 はじ まり、平均 へいきん 標高 ひょうこう はモルクエラ峠 とうげ (スペイン語 ご 版 ばん ) まで2000m以上 いじょう である。モルクエラ峠 とうげ からカルペタノス山脈 さんみゃく の山脈 さんみゃく は、ロソヤ川 がわ にとハラマ川 かわ が合流 ごうりゅう する地点 ちてん まで下降 かこう する。カルペタノスの最高峰 さいこうほう は、標高 ひょうこう 2383mのカベサス・デ・イエロ峰 ほう (スペイン語 ご 版 ばん ) である。
カルペタノス山脈 さんみゃく とグアダラーマ山脈 さんみゃく の主 おも な範囲 はんい 内 ない にはロソヤ谷 だに (スペイン語 ご 版 ばん ) がある。ロソヤ谷 だに はセントラル山地 さんち 有数 ゆうすう の美 うつく しい谷 たに である。冬 ふゆ にはスキー 客 きゃく で大勢 おおぜい の観光 かんこう 客 きゃく をひきつけ、夏 なつ も同様 どうよう に人々 ひとびと が集 あつ まる。グアダラマ山脈 さんみゃく の別 べつ の西部 せいぶ は、キンタナル山脈 さんみゃく (スペイン語 ご 版 ばん ) と呼 よ ばれ、全体 ぜんたい がセゴビア県 けん に含 ふく まれ、フエンフリア峠 とうげ (スペイン語 ご 版 ばん ) で始 はじ まる。全長 ぜんちょう は11kmで、2000mを超 こ える峰 みね をいくつか持 も っている。
カルペタノス山脈 さんみゃく とキンタナル山脈 さんみゃく に加 くわ え、山裾 やますそ のより小 ちい さな山 やま の一連 いちれん はグアダラーマ山脈 さんみゃく の主 おも な範囲 はんい 内 ない にある。
冬 ふゆ のマリチオサ峰 ほう
エレスマ川 がわ の小 ちい さな天然 てんねん のプール
グアダラマ山脈 さんみゃく は、メセタ に属 ぞく す南部 なんぶ の準 じゅん 高原 こうげん と北 きた の準 じゅん 高原 こうげん とのプレートの衝突 しょうとつ の結果 けっか 生 う まれた。山脈 さんみゃく を形成 けいせい するのは花崗岩 かこうがん 質 しつ の棚上 たなあげ 台地 だいち であったが、山脈 さんみゃく は6550万 まん 年 ねん 前 まえ に始 はじ まった新生代 しんせいだい につくられ、ローラシア大陸 たいりく とゴンドワナ大陸 たいりく の衝突 しょうとつ でパンゲア が生 う まれる間 あいだ にあたる古生代 こせいだい に、ヘルシニア造山 つくりやま 運動 うんどう (英語 えいご 版 ばん ) で下 した に下 さ げられた。この形成 けいせい 以降 いこう 、山脈 さんみゃく は顕著 けんちょ に浸食 しんしょく されてきた。山脈 さんみゃく の北部 ほくぶ 南部 なんぶ で多 おお くの山頂 さんちょう 部 ぶ が平坦 へいたん なのはそのためである。これらの理由 りゆう から、グアダラマ山脈 さんみゃく を形成 けいせい する地質 ちしつ はピレネー山脈 さんみゃく やアルプス山脈 あるぷすさんみゃく 、アンデス山脈 あんですさんみゃく 、ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく の地質 ちしつ よりもさらに古 ふる いのである。
主要 しゅよう な自治体 じちたい [ 編集 へんしゅう ]
グアダラマ山脈 さんみゃく は、休暇 きゅうか 期 き ともなれば多 おお くの別荘 べっそう 居住 きょじゅう 者 しゃ が集中 しゅうちゅう する自治体 じちたい に囲 かこ まれている。マドリード州 しゅう 近郊 きんこう の山脈 さんみゃく 南東 なんとう 部 ぶ には人々 ひとびと が楽 たの しむ余暇 よか 方法 ほうほう が集 あつ まり、彼 かれ らの大半 たいはん は山脈 さんみゃく 近 ちか くで暮 く らすことを望 のぞ んでいる。主要 しゅよう な自治体 じちたい は、サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル (スペイン語 ご 版 ばん ) 、グアダラマ (スペイン語 ご 版 ばん ) 、ナバセラダ (スペイン語 ご 版 ばん ) 、セルセディーリャ (スペイン語 ご 版 ばん ) 、マンサナレス・エル・レアル (スペイン語 ご 版 ばん ) 、ミラフローレス・デ・ラ・シエラ (スペイン語 ご 版 ばん ) 、ラスカフリア (スペイン語 ご 版 ばん ) 、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル (スペイン語 ご 版 ばん ) 、レアル・シティオ・デ・サン・イルデフォンソ (スペイン語 ご 版 ばん ) である。これらの自治体 じちたい は、山地 さんち へ出発 しゅっぱつ する地 ち でもあり、別荘 べっそう 居住 きょじゅう 者 しゃ のためのレストランや商店 しょうてん を備 そな えた観光 かんこう 中心 ちゅうしん 地 ち でもある。自治体 じちたい は麓 ふもと にあるけれども、標高 ひょうこう は1200m程度 ていど ある。グアダラマ山脈 さんみゃく は、マドリードよりもセゴビア が山頂 さんちょう 部 ぶ に近 ちか いが、マドリードとセゴビアの背景 はいけい となっている。
代表 だいひょう 的 てき な谷 たに [ 編集 へんしゅう ]
フエンフリア谷 だに
バルサイン谷 だに
ラ・ペドリサ
ペニャラーラ の麓 ふもと のグランデ湖 こ
グアダラマ山脈 さんみゃく は、美学 びがく 及 およ び生態 せいたい 学 がく の見解 けんかい の両方 りょうほう で特別 とくべつ な関心 かんしん をひく一連 いちれん の谷 たに 、地帯 ちたい を抱 かか える。山脈 さんみゃく がマドリード大都市 だいとし 圏 けん に接近 せっきん しているため、年間 ねんかん を通 つう じて特別 とくべつ な名跡 みょうせき が多 おお くの登山 とざん 客 きゃく や一般 いっぱん 観光 かんこう 客 きゃく を受 う け入 い れている。最 もっと も頻繁 ひんぱん に人 ひと が訪 おとず れるのは、ペニャラーラ自然 しぜん 保護 ほご 区 く と、珍 めずら しい山岳 さんがく 構成 こうせい をもつラ・ペドリサ (スペイン語 ご 版 ばん ) である。
フエンフリア谷 だに (スペイン語 ご 版 ばん ) - マドリード州 しゅう のセルセディーリャに近接 きんせつ した東部 とうぶ の谷 たに 。山脈 さんみゃく の手 て つかずのマツ 林 はやし がよく保存 ほぞん されている。
バルサイン谷 だに (スペイン語 ご 版 ばん ) - フエンフリア谷 だに 同様 どうよう 、バルサイン谷 だに も保存 ほぞん 状態 じょうたい の良 よ いマツ林 りん で覆 おお われており、グアダラマでも一 いち か二 に を争 あらそ うものである。南北 なんぼく に直接 ちょくせつ 谷 たに が走 はし り、幅 はば は平均 へいきん で5km、10kmの場所 ばしょ もある。
ラ・ペドリサ - グアダラマ山脈 さんみゃく の南 みなみ 斜面 しゃめん を占 し める。巨大 きょだい な岩 いわ の構成 こうせい 、異様 いよう で目立 めだ つ花崗岩 かこうがん 質 しつ の岸壁 がんぺき で有名 ゆうめい である。
ペニャラーラの圏 けん 谷 たに と湖 みずうみ - グアダラマ最高峰 さいこうほう のペニャラーラ峰 ほう は例外 れいがい 的 てき な美 うつく しさを持 も つ自然 しぜん 保護 ほご 区 く となっており、ペニャラーラ自然 しぜん 公園 こうえん の管理 かんり 下 か にある。
ロソヤ谷 だに - グアダラマ山脈 さんみゃく 中 ちゅう 、最 もっと も保存 ほぞん がよい保護 ほご 区 く の一 ひと つで、最 もっと も広 ひろ い谷 たに 。谷 たに の傾斜 けいしゃ はマツ、カシ 、クリ の林 はやし で覆 おお われている。
グアダラマ山脈 さんみゃく の気候 きこう は、数 すう 多 おお くの河川 かせん を誕生 たんじょう させる突出 とっしゅつ した降水 こうすい 量 りょう に特徴 とくちょう づけられる。セゴビアにおける山脈 さんみゃく の斜面 しゃめん では、モロス川 がわ (スペイン語 ご 版 ばん ) とエレスマ川 がわ (スペイン語 ご 版 ばん ) が発 はっ し、セゴビアへ流 なが れる。マドリードに面 めん した斜面 しゃめん ではグアダラマ川 がわ 、マンサナレス川 がわ が発 はっ してマドリードを流 なが れていく。ロソヤ川 がわ は同名 どうめい の谷 たに を流 なが れる。ペニャラーラ峰 ほう の南 みなみ 斜面 しゃめん (標高 ひょうこう 2200m地点 ちてん )では、氷河 ひょうが が生 う んだ小 ちい さな湖 みずうみ の一連 いちれん が保護 ほご されている。山脈 さんみゃく は多 おお くのダム を抱 かか えるのが特色 とくしょく だが、それらは全 すべ て小規模 しょうきぼ である。
シダ が地面 じめん を覆 おお う、マツの森林 しんりん
グアダラマ山脈 さんみゃく の動植物 どうしょくぶつ は、多種 たしゅ 多様 たよう な種類 しゅるい で成 な り立 た っている。それは地中海 ちちゅうかい 性 せい 気候 きこう の自然 しぜん やスペイン中央 ちゅうおう 高地 こうち の気候 きこう での動植物 どうしょくぶつ 、ピレネー山脈 さんみゃく やアルプス山脈 あるぷすさんみゃく の高緯度 こういど 気候 きこう での動植物 どうしょくぶつ などである。
南 みなみ 斜面 しゃめん のマンサナーレス川 がわ 、ロソヤ川 がわ とグアダラマ川 がわ の上流 じょうりゅう 部 ぶ 一帯 いったい はユネスコ の生物 せいぶつ 圏 けん 保護 ほご 区 く に指定 してい されている[1] 。
ペニャラーラ国立 こくりつ 公園 こうえん の高 こう 山地 さんち で育 そだ つ花 はな 。クロッカス 、スイセン 、ブルビコイデス
山脈 さんみゃく の急 きゅう な斜面 しゃめん は、キティスス・オロメディテラネウス (スペイン語 ご 版 ばん ) [1] や放牧 ほうぼく のウシ が食用 しょくよう とする高山 たかやま 植物 しょくぶつ で覆 おお われている。グアダラマ山脈 さんみゃく で育 そだ つウシの牛肉 ぎゅうにく は品質 ひんしつ が高 たか く、「テルネラ・デ・グアダラマ」(Ternera de Guadarrama)として特 とく に称 しょう される。高山 こうざん の牧場 ぼくじょう より下 した にある、山麓 さんろく ・山地 さんち の平地 ひらち では、スペインで自生 じせい するヨーロッパアカマツ、フランスカイガンショウ 、イタリアカサマツ 、ヨーロッパクロマツ 、モンタナマツ の木立 こだち が見 み られる[1] 。
マツの木立 こだち より下 した である中 ちゅう 程度 ていど の標高 ひょうこう では、ピレネーオーク (英語 えいご 版 ばん ) 、セイヨウヒイラギガシ などのオーク 、ホソバトネリコ (英語 えいご 版 ばん ) などのトネリコ属 ぞく およびビャクシン属 ぞく [1] の木立 こだち が斜面 しゃめん を覆 おお い、時 とき には高緯度 こういど の高 たか いマツ木立 こだち を浸食 しんしょく する。ピレネーオークは保護 ほご 植物 しょくぶつ で、国立 こくりつ 公園 こうえん の決定 けってい なしでは伐採 ばっさい ができない。それにもかかわらず、計画 けいかく 伐採 ばっさい されたカシの木 き が薪 たきぎ として地元 じもと の村 むら に供給 きょうきゅう されている。
山脈 さんみゃく の最 さい 西端 せいたん では、ヨーロッパアカマツに代 か わりイタリアカサマツが優勢 ゆうせい となり、またピレネーオークに代 か わりポルトガルカシ (英語 えいご 版 ばん ) やウバメガシ が優勢 ゆうせい となり、種 たね の変化 へんか を示 しめ す。これは高地 こうち から低 てい 標高 ひょうこう 地 ち へと移 うつ ったためである。
また、タイム 、ラベンダー 、フレンチラベンダー (英語 えいご 版 ばん ) 、ローズマリー 、ゴジアオイ属 ぞく などのハーブ も生 は えている[1] 。
クロハゲワシ
重要 じゅうよう な生態 せいたい 系 けい の中 なか であることを期待 きたい されているように、山脈 さんみゃく には多種 たしゅ 多様 たよう な動物 どうぶつ が生息 せいそく している。ノロジカ、ダマジカ、イノシシ、ヨーロッパアナグマ、ヨーロッパヤマネコ、イタチ、キツネ 、ウサギ 、マダライモリ 、イベリアアカガエル (英語 えいご 版 ばん ) 、サンバガエル (英語 えいご 版 ばん ) などである[1] [2] 。鳥類 ちょうるい も、水鳥 みずとり 同様 どうよう にヒワ もいる。猛禽 もうきん 類 るい は、イベリアカタシロワシ、クロハゲワシを含 ふく む。事実 じじつ 、グアダラマに生息 せいそく する動物 どうぶつ 類 るい は、スペインの動物 どうぶつ 相 しょう の45%、そしてヨーロッパ全体 ぜんたい の動物 どうぶつ 相 しょう の18%を占 し めている。
グアダラマ山脈 さんみゃく は、ツル やナベコウ といった渡 わた り鳥 どり の移動 いどう ルートにあたる。イベリアカタジロワシとヨーロッパオオカミ が絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ 種 しゅ に指定 してい されている。国際 こくさい 的 てき に重要 じゅうよう な湿地 しっち に指定 してい されているサンティジャーナ貯水池 ちょすいち (スペイン語 ご 版 ばん ) 一帯 いったい はユリカモメ の越冬 えっとう 地 ち とコウノトリ科 か の繁殖 はんしょく 地 ち である[1] 。
衛星 えいせい 写真 しゃしん
グアダラマ山脈 さんみゃく は、夏 なつ (非常 ひじょう に乾燥 かんそう する)と冬 ふゆ の相当 そうとう な気温 きおん 変動 へんどう に象徴 しょうちょう される、地中海 ちちゅうかい 性 せい 気候 きこう の様相 ようそう を持 も っている。しかし、山地 さんち では、標高 ひょうこう の高 たか さと共 とも に気候 きこう も著 いちじる しく変化 へんか し、個別 こべつ の気候 きこう 区分 くぶん であると区別 くべつ される。
標高 ひょうこう 800mから1400m地点 ちてん では年間 ねんかん 平均 へいきん 気温 きおん が10℃から11℃で、夏 なつ の最高 さいこう 気温 きおん は28℃、冬 ふゆ の最低 さいてい 気温 きおん は-6℃である。年間 ねんかん 降水 こうすい 量 りょう は700mmから800mmで、大半 たいはん が夏 なつ 以外 いがい に降 ふ る。この標高 ひょうこう では、例外 れいがい は常 つね にあるが、12月から2月 がつ の間 あいだ は降雪 こうせつ となる。雪 ゆき は3日 にち 以上 いじょう 溶 と けないままにおかれることがまれにある。この地域 ちいき で全 すべ ての都市 とし とその人口 じんこう の多 おお くが暮 く らしている。これは標高 ひょうこう の高 たか さで全 すべ て区別 くべつ されることを意味 いみ している。そして人間 にんげん の日常 にちじょう 生活 せいかつ と汚染 おせん からダメージを受 う けるのに最 もっと も敏感 びんかん になっている。
標高 ひょうこう 1400mから2000m地点 ちてん では、年間 ねんかん 平均 へいきん 気温 きおん は8℃から9℃で、夏 なつ の最高 さいこう 気温 きおん は25℃、冬 ふゆ の最低 さいてい 気温 きおん は-8℃である。年間 ねんかん 平均 へいきん 降水 こうすい 量 りょう は900mmから1000mmで、夏 なつ 以外 いがい に集中 しゅうちゅう して降 お り、冬期 とうき (12月から4月 がつ )には降雪 こうせつ となる。雪 ゆき の多 おお くは冬期 とうき に、特 とく に北 きた 斜面 しゃめん に多 おお く残 のこ る。
氷霧 ひょうむ に覆 おお われたマツ
標高 ひょうこう 2000mから2428m地点 ちてん では、年間 ねんかん 平均 へいきん 気温 きおん は6℃から7℃で、夏 なつ の最高 さいこう 気温 きおん は22℃である。冬 ふゆ の最低 さいてい 気温 きおん は-12℃である。年間 ねんかん 平均 へいきん 降雨 こうう 量 りょう は1200mmから2500mmで、ほとんどが11月から5月 がつ にかけての降雪 こうせつ となる。冬 ふゆ の間 あいだ 雪 ゆき は残 のこ り、春 はる まで消 き えない。
要約 ようやく すれば、グアダラマの気候 きこう はメセタの他 ほか より湿度 しつど が高 たか く、標高 ひょうこう が増 ま すにつれ総 そう じて気温 きおん が低 ひく い。山頂 さんちょう 部 ぶ では風 ふう が常 つね に非常 ひじょう に激 はげ しく、山地 さんち での雷雨 らいう は高原 こうげん よりも頻発 ひんぱつ する。
標高 ひょうこう ごとの平均 へいきん 気温 きおん [ 編集 へんしゅう ]
標高 ひょうこう
気温 きおん 冬 ふゆ (昼 ひる /夜 よる )
気温 きおん 春 はる 秋 あき (昼 ひる /夜 よる )
気温 きおん 夏 なつ (昼 ひる /夜 よる )
2,428 m - 2,000 m
-1 °C / -9 °C
8 °C / -3 °C
20 °C / 5 °C
2,000 m - 1,400 m
3 °C / -3 °C
11 °C / 5 °C
23 °C / 7 °C
1,400 m - 800 m
3 °C / -3 °C
15 °C / 7 °C
25 °C / 11 °C
山脈 さんみゃく を通過 つうか する鉄道 てつどう
自然 しぜん の境界 きょうかい としての状況 じょうきょう の結果 けっか 、グアダラマ山脈 さんみゃく はイベリア半島 はんとう 南北 なんぼく を貫 つらぬ く主要 しゅよう 道 どう が交差 こうさ している。これらの主要 しゅよう 道 どう が建設 けんせつ されたのはローマ時代 じだい に遡 さかのぼ る。そのうちの一 ひと つはセルセディーリャで始 はじ まり、山脈 さんみゃく を通過 つうか してフエンフリア峠 とうげ が終着 しゅうちゃく となる。
これらの道 みち は今 いま も原型 げんけい の石 いし 敷 じ き状態 じょうたい で保存 ほぞん されている。18世紀 せいき 半 なか ばに敷 し かれた道 みち のいくつかが道 みち しるべとなり、旧式 きゅうしき の道路 どうろ となっている。レオン道 みち は、マドリード=ア・コルーニャ 間 あいだ を走 はし る高速 こうそく 道 どう 6号 ごう となっている。ナバセラダ峠 とうげ は、マドリード=セゴビア 間 あいだ の通路 つうろ となっている。ソモシエラ道 どう は、マドリード=イルン 間 あいだ の鉄道 てつどう も走 はし るA-1高速 こうそく 道 どう となっている。
山脈 さんみゃく を、マドリード=アビラ間 あいだ 、セゴビア=ブルゴス間 あいだ 、首都 しゅと マドリード=スペイン北部 ほくぶ 全体 ぜんたい とをつなぐ、個別 こべつ の鉄道 てつどう 路線 ろせん が交差 こうさ する。これら鉄道 てつどう 路線 ろせん は、ミラフローレス・デ・ラ・シエラ=セゴビア間 あいだ のトンネルとともに時代遅 じだいおく れだとみなされており、高速 こうそく 鉄道 てつどう AVE と部分 ぶぶん 的 てき に取 と り替 か えられるだろう。AVEは専用 せんよう 路線 ろせん で時速 じそく 300kmのスピードを出 だ すことができ、マドリード=セゴビア間 あいだ は既 すで に開通 かいつう している。鉄道 てつどう 網 もう はさらに北 きた へゆっくりと拡張 かくちょう している。
フエンフリア谷 たに を通 とお るローマ道 どう 1760年 ねん 頃 ごろ の地図 ちず
山脈 さんみゃく の両側 りょうがわ の森林 しんりん と草地 くさち を含 ふく む、山脈 さんみゃく 中央 ちゅうおう 部 ぶ の歴史 れきし の多 おお くは、少 すく なくともセゴビアがローマ名 めい セゴブリガであった時代 じだい から関係 かんけい してきた。それにもかかわらず、スペイン王室 おうしつ の要求 ようきゅう でマドリード州 しゅう 設置 せっち 後 ご は、山脈 さんみゃく の政治 せいじ 的 てき な計画 けいかく は2つの州 しゅう に分配 ぶんぱい されてきた。現在 げんざい の山脈 さんみゃく はさらに、スペインの首都 しゅと として揺 ゆ るぎない存在 そんざい であるマドリードとの関係 かんけい が強 つよ い。
自然 しぜん の国境 こっきょう としてのグアダラマ山脈 さんみゃく 支配 しはい は、スペインを巻 ま き込 こ んだ数 すう 多 おお くの軍事 ぐんじ 対立 たいりつ で重要 じゅうよう なものだった。レコンキスタ時代 じだい 、山脈 さんみゃく の北 きた のキリスト教 きりすときょう 国 くに 、南部 なんぶ のイスラム王国 おうこく との間 あいだ の国境 こっきょう となっていたのである。この時代 じだい の遺産 いさん である壮麗 そうれい な中世 ちゅうせい の城塞 じょうさい 都市 とし は山脈 さんみゃく の両側 りょうがわ で見 み られる。
侵入 しんにゅう してきたフランス軍 ぐん とスペインが戦 たたか ったスペイン独立 どくりつ 戦争 せんそう 中 なか の1808年 ねん 、ソモシエラ峠 とうげ でソモシエラの戦 たたか い (英語 えいご 版 ばん ) が起 お こり、スペイン軍 ぐん はポーランド 兵 へい を主力 しゅりょく としたナポレオン1世 せい 軍 ぐん に敗退 はいたい した。同 おな じように、1930年代 ねんだい のスペイン内戦 ないせん では、山道 さんどう の中 なか で戦 たたか われた小 しょう 戦 せん で山脈 さんみゃく は重要 じゅうよう な前線 ぜんせん 地帯 ちたい となった。現在 げんざい 、山 やま の頂上 ちょうじょう で線 せん 状 じょう になって塹壕 ざんごう や銃 じゅう 据 す え付 つ け跡 あと が残 のこ っている。
首都 しゅと マドリードに近 ちか いためグアダラマ山脈 さんみゃく は、スペイン初 はつ の、経済 けいざい 的 てき ・教育 きょういく 的 てき な意味 いみ から自然 しぜん 資源 しげん と自然 しぜん 学習 がくしゅう の地 ち となって価値 かち を高 たか めた。
エル・エスコリアル修道院 しゅうどういん
戦没 せんぼつ 者 しゃ の谷 たに
ラ・グランハ宮殿 きゅうでん 正面 しょうめん
壮大 そうだい な風景 ふうけい 、快適 かいてき な夏 なつ の気候 きこう 、特 とく にマドリードとセゴビアに近 ちか い距離 きょり は、グアダラマ山脈 さんみゃく 斜面 しゃめん での数 すう 多 おお くの傑出 けっしゅつ した建築 けんちく 物 ぶつ や記念 きねん 物 ぶつ の建設 けんせつ に結 むす びついた。
エル・エスコリアル修道院 しゅうどういん - 巨大 きょだい な宮殿 きゅうでん 、聖 せい アウグスチノ修道 しゅうどう 会 かい の修道院 しゅうどういん 、美術館 びじゅつかん 、図書館 としょかん から構成 こうせい される複 ふく 合体 がったい 。厳粛 げんしゅく な古典 こてん 主義 しゅぎ の建築 けんちく 家 か フアン・バウティスタ・デ・トレドがとフアン・エレーラが設計 せっけい し、1563年 ねん から1584年 ねん にかけ建設 けんせつ された。UNESCO 世界 せかい 遺産 いさん に登録 とうろく されている。
戦没 せんぼつ 者 しゃ の谷 たに (Valle de los Caídos) - アバントス山 さん (スペイン語 ご 版 ばん ) 北面 ほくめん にあり、厚 あつ いマツ林 りん に囲 かこ まれた国立 こくりつ 墓地 ぼち 。スペイン内戦 ないせん 時 どき の戦没 せんぼつ 者 しゃ を追悼 ついとう するためにフランシスコ・フランコ の命 いのち でつくられた。敷地 しきち 内 ない にある、フランコ自身 じしん が埋葬 まいそう されているバシリカと同様 どうよう に、約 やく 4万 まん 人 にん の戦没 せんぼつ 者 しゃ が埋葬 まいそう されている。花崗岩 かこうがん でできた高 たか さ150mの十字架 じゅうじか は、50kmほど離 はな れた場所 ばしょ からも肉眼 にくがん で確認 かくにん できる。
サンタ・マリア・デ・エル・パウラル修道院 しゅうどういん (スペイン語 ご 版 ばん ) - 山脈 さんみゃく の壮大 そうだい な風景 ふうけい に周囲 しゅうい を囲 かこ まれた、1300年代 ねんだい 後半 こうはん からある大 おお きな回廊 かいろう を特徴 とくちょう とした修道院 しゅうどういん 。カスティーリャ王 おう エンリケ2世 せい の命 いのち で建設 けんせつ され、1876年 ねん に国 くに の歴史 れきし 記念 きねん 物 ぶつ に指定 してい された。
マンサナレス城 じょう (スペイン語 ご 版 ばん ) - ラ・ペドリサの麓 ふもと にある中世 ちゅうせい の要塞 ようさい 。円柱 えんちゅう 状 じょう の塔 とう のいくつかは15世紀 せいき 以来 いらい のもの。
ペドラサ城 じょう - 同名 どうめい の自治体 じちたい ペドラサ (スペイン語 ご 版 ばん ) を守 まも る丘 おか の上 うえ に建 た つ。14世紀 せいき に建 た てられ、16世紀 せいき に拡張 かくちょう された。一部 いちぶ は失 うしな われてしまっているが、近代 きんだい に修復 しゅうふく され、国 くに の保護 ほご 下 か にある。
ラ・グランハ宮殿 きゅうでん - バロック様式 ようしき 。18世紀 せいき にフェリペ5世 せい によって建 た てられた。宮殿 きゅうでん の広大 こうだい な庭園 ていえん には、芸術 げいじゅつ 的 てき な価値 かち の高 たか い多数 たすう の彫刻 ちょうこく (神話 しんわ の人物 じんぶつ )が設置 せっち されている。
民間 みんかん 伝承 でんしょう [ 編集 へんしゅう ]
山脈 さんみゃく とその周辺 しゅうへん 地方 ちほう では、数 かず 世紀 せいき に渡 わた って独自 どくじ の伝説 でんせつ が語 かた られてきた。
羊 ひつじ 飼 か いの裂 さ け目 め
これはサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル近辺 きんぺん で信 しん じられてきた、秘宝 ひほう が埋 う められているという伝説 でんせつ である。多 おお くの人々 ひとびと が秘宝 ひほう を求 もと めて調査 ちょうさ を行 おこな ってきた。
この伝説 でんせつ では、エル・エスコリアル修道院 しゅうどういん の豊富 ほうふ な資産 しさん を管理 かんり したラファエル・コラリサが、極悪 ごくあく 非道 ひどう な誘惑 ゆうわく に駆 か られてダブロン金貨 きんか を納 おさ める宝物 ほうもつ 庫 こ を荒 あ らし、ポルトガルの教会 きょうかい 施設 しせつ へ逃亡 とうぼう したと伝 つた えている。コラリサは夜間 やかん に宝物 ほうもつ を盗 ぬす んでからポルトガルへ逃亡 とうぼう する途中 とちゅう 、最寄 もよ りの村 むら ロブレドンドに通 つう じた山道 さんどう を通 とお った。しかし、山地 さんち を横断 おうだん するため通 とお った『羊 ひつじ 飼 か いの裂 さ け目 め 』として知 し られる深 ふか い山 やま 氷河 ひょうが の割 わ れ目 め で、修道院 しゅうどういん の守護 しゅご 聖人 せいじん が見張 みは っていたのだろう、コラリサは盗 ぬす んだ金貨 きんか もろとも裂 さ け目 め へ転落 てんらく した。時間 じかん の経過 けいか とともに、木 き の枝 えだ や石 いし が裂 さ け目 め を覆 おお い隠 かく し、他 た のウシやかわいそうな悪魔 あくま がコラリサと同 おな じ運命 うんめい とならぬようにした。
死者 ししゃ の巨石 きょせき
この伝説 でんせつ の名 な は、ラ・ペドリサ峰 ほう 独特 どくとく で同名 どうめい の岩 いわ の塊 かたまり にちなむ。話 はなし では、3人 にん の山賊 さんぞく が、マドリードの大 だい 富豪 ふごう 一族 いちぞく の若 わか い女性 じょせい を誘拐 ゆうかい した。集団 しゅうだん の首領 しゅりょう が不在 ふざい の間 あいだ 、残 のこ った2人 ふたり は女性 じょせい へ性的 せいてき 暴行 ぼうこう を加 くわ えようと企 たくら んだ。首領 しゅりょう が不意 ふい に戻 もど ってくると、彼 かれ は素早 すばや く公正 こうせい な裁 さば きとしてラ・ペドリサの巨石 きょせき の上 うえ へ2人 ふたり を放 ひ り投 な げた。1人 ひとり は死 し んだが、もう1人 ひとり は瀬戸際 せとぎわ に首領 しゅりょう の首領 しゅりょう の脚 あし をつかみ、2人 ふたり とも岩 いわ の上 うえ に落 お ち叩 たた きつけられて死 し んだ。地元 じもと 住民 じゅうみん によれば、岩 いわ の裂 さ け目 め から3人 にん の山賊 さんぞく の死骸 しがい が覗 のぞ ける時 とき があるという。
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座標 ざひょう : 北緯 ほくい 40度 ど 51分 ふん 00秒 びょう 西経 せいけい 3度 ど 57分 ふん 00秒 びょう / 北緯 ほくい 40.850度 ど 西経 せいけい 3.950度 ど / 40.850; -3.950