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セイホウサンショウウオ (学名 がくめい :Ranodon sibiricus )は、有尾 ありお 目 め サンショウウオ科 か セイホウサンショウウオ属 ぞく に分類 ぶんるい される有尾 ありお 類 るい 。本 ほん 種 しゅ のみでセイホウサンショウウオ属 ぞく を構成 こうせい する(単 たん 型 がた )[ 3] 。
カザフスタン 南東 なんとう 部 ぶ 、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく (新疆 しんきょう ウイグル自治 じち 区 く 北西 ほくせい 部 ぶ )のジュンガル・アラタウ山脈 さんみゃく [ 1] [ 4] [ 3] [ 5]
模 も 式 しき 標本 ひょうほん の産地 さんち (基準 きじゅん 産地 さんち ・タイプ産地 さんち ・模 も 式 しき 産地 さんち )は旧 きゅう ソビエト連邦 れんぽう セミパラチンスク(現 げん :カザフスタンセメイ )だが[ 2] 、現在 げんざい は本 ほん 種 しゅ も分布 ぶんぷ しておらず既知 きち の分布 ぶんぷ から離 はな れていること、本 ほん 種 しゅ の生息 せいそく 環境 かんきょう である山地 さんち がないことから疑問 ぎもん 視 し する説 せつ もある[ 3] 。以前 いぜん はより広域 こういき に分布 ぶんぷ していたと推定 すいてい され、アルマトイ 周辺 しゅうへん の鮮新世 よ 後期 こうき の地層 ちそう から本 ほん 種 しゅ と推定 すいてい される化石 かせき が発見 はっけん されている[ 3] 。
全長 ぜんちょう 14 - 21.3センチメートル[ 4] 。体型 たいけい は頑丈 がんじょう [ 3] 。体側 たいそく 面 めん に入 はい る皺 しわ (肋 あばら 条 じょう )は左右 さゆう に11 - 13本 ほん ずつ[ 3] [ 4] [ 5] 。尾長 おなが は頭 あたま 胴 どう 長 ちょう よりも長 なが い[ 3] 。尾 お が側 がわ 偏 へん し、先端 せんたん は鈍 にぶ く尖 とが る[ 3] [ 4] 。背面 はいめん の色彩 しきさい は黄 き 褐色 かっしょく や暗 くら 黄 き 緑色 みどりいろ ・灰 はい 緑色 みどりいろ などで、黒 くろ い斑点 はんてん が入 はい る個体 こたい もいる[ 4] 。水中 すいちゅう にいる個体 こたい は淡色 たんしょく になる傾向 けいこう がある[ 3] [ 5] 。陸上 りくじょう にいる個体 こたい は温度 おんど の上昇 じょうしょう と共 とも に明色 めいしょく になるとされる[ 3] [ 5] 。
眼 め は大型 おおがた で[ 5] 、眼瞼 がんけん が突出 とっしゅつ する[ 3] 。前 ぜん 顎骨 がっこつ と鼻骨 びこつ の間 あいだ に小 ちい さい隙間 すきま (前 ぜん 顎 あご 泉 いずみ 門 もん )がある[ 4] 。上顎 じょうがく の垂 しだ れた皮膚 ひふ (唇 くちびる 槢)は口角 こうかく 周辺 しゅうへん で発達 はったつ する傾向 けいこう があるが、季 き 節 ぶし や個体 こたい 変異 へんい もある[ 3] 。上顎 じょうがく 中央 ちゅうおう 部 ぶ に並 なら ぶ歯 は の列 れつ (鋤 すき 骨 こつ 歯 は 列 れつ )は「ハ」字 じ 状 じょう [ 4] 。肺 はい はあるが退化 たいか 的 てき [ 3] [ 5] 。趾は5本 ほん [ 3] [ 5] 。後肢 あとあし の趾は5本 ほん [ 3] 。染色 せんしょく 体 たい 数 すう は2n=66[ 3] 。
幼生 ようせい には指 ゆび 趾の先端 せんたん に爪 つめ 状 じょう の突起 とっき がある[ 3] 。爪 つめ は褐色 かっしょく [ 5] 。
ハコネサンショウウオモドキOnychodactylus fischeri
セイホウサンショウウオ R. sibiricus
アフガニスタンサンショウウオParadactylodon musteri
ゴルガンサンショウウオP. gorganensis
フトサンショウウオPachyhynobius shangchengensis
タイワンサンショウウオHynobius formosanus
チョウセンサンショウウオHynobius leechii
アンチサンショウウオHynobius amjiensis
シナサンショウウオHynobius chinensis
キタサンショウウオSalamandrella keyserlingii
リュウサンショウウオLiua shishi
チンリンサンショウウオL. tsinpanensis
Batrachuperus yenyuanensis
チベットサンショウウオB. tiberanus
ロンドンサンショウウオB. londongensis
タカネサンショウウオB. pinchoonii
Zhang et al .(2006)よりミトコンドリアDNAを元 もと に最大 さいだい 節約 せつやく 法 ほう ・近隣 きんりん 結合 けつごう 法 ほう ・ベイズ法 ほう で推定 すいてい した系統 けいとう 図 ず [ 6] 。
ハコネサンショウウオモドキO. fischeri
ハコネサンショウウオO. japonicus
フトサンショウウオP. shangchengensis
キタサンショウウオS. keyserlingii
サンショウウオ属 ぞく Hynobius
セイホウサンショウウオ R. sibiricus
アフガニスタンサンショウウオP. musteri
ゴルガンサンショウウオP. gorganensis
ペルシアサンショウウオP. persicus
キハンニセサンショウウオPseudohynobius flavomaculatus
スイチュンニセサンショウウオP. shuichengensis
リュウサンショウウオL. shishi
チンリンサンショウウオL. tsinpanensis
Batrachuperus yenyuanensis
ロンドンサンショウウオB. londongensis
タカネサンショウウオB. pinchoonii
チベットサンショウウオB. tiberanus
B. karlschmidti
Pyron & Wiens(2011)より核 かく DNAのRAG1遺伝子 いでんし など9遺伝子 いでんし 座 ざ とミトコンドリアDNAのシトクロムb・12S rRNA・16S rRNAを元 もと に最尤法 さいゆうほう とノンパラメトリックブートストラップ法 ほう で推定 すいてい した系統 けいとう 図 ず より抜粋 ばっすい [ 7] 。
2001年 ねん に形態 けいたい や核 かく 型 がた からリュウサンショウウオ属 ぞく Liua とニセサンショウウオ属 ぞく Pseudohynobius の構成 こうせい 種 しゅ を、2006年 ねん には頭骨 とうこつ や染色 せんしょく 体 たい 数 すう からリュウサンショウウオ Liua shishi を本属 ほんぞく に含 ふく める説 せつ もあった[ 3] 。複数 ふくすう の分子 ぶんし 系統 けいとう 解析 かいせき では本 ほん 種 しゅ はチュウトウサンショウウオ属 ぞく Paradactylodon と姉妹 しまい 群 ぐん を形成 けいせい するという解析 かいせき 結果 けっか が得 え られている[ 3] 。
標高 ひょうこう 1,500 - 3,200メートルにある主 おも に川幅 かわはば 1 - 2メートル、水深 すいしん 30センチメートル程度 ていど の小 しょう 河川 かせん およびその周辺 しゅうへん にある草地 くさじ に生息 せいそく する[ 3] 。本 ほん 種 しゅ の環境 かんきょう は元々 もともと は針葉樹 しんようじゅ 林 りん だった場所 ばしょ が、草原 そうげん へ移行 いこう した環境 かんきょう であることが示唆 しさ されている[ 3] [ 5] 。水棲 すいせい 傾向 けいこう が強 つよ く、水辺 みずべ の苔 こけ の上 うわ や草地 くさじ で活動 かつどう することはあるものの水 みず から11メートル以下 いか までしか離 はな れないとする観察 かんさつ 例 れい もある[ 3] 。夜行 やこう 性 せい で、昼間 ひるま は水中 すいちゅう の石 いし の下 した などで休 やす む[ 3] 。9月中旬 ちゅうじゅん から10月 がつ 上旬 じょうじゅん に冬眠 とうみん を開始 かいし し、翌 よく 4月 がつ 下旬 げじゅん から6月 がつ 上旬 じょうじゅん まで冬眠 とうみん を行 おこな う[ 3] [ 5] 。
食 しょく 性 せい の約 やく 35.9 - 73.8 %を水生 すいせい 動物 どうぶつ が占 し める[ 5] 。幼虫 ようちゅう は水生 すいせい の無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ を食 た べる[ 3] [ 5] 。
繁殖 はんしょく 形態 けいたい は卵生 らんせい 。4月 がつ 下旬 げじゅん から8月 がつ 中旬 ちゅうじゅん に渓流 けいりゅう で[ 4] 、対 たい になった卵嚢 らんのう の中 なか に76 - 106個 こ の卵 たまご をに入 い れて産 う む[ 3] 。サンショウウオ科 か の他 た 種 たね と異 こと なりオスは精 せい 包 つつみ を出 だ しその上 うえ にメスが産卵 さんらん するとされる[ 4] 。一方 いっぽう でこれを疑問 ぎもん 視 し する説 せつ もあり飼育 しいく 下 か でオスが卵嚢 らんのう に放 ひ 精 くわ したと思 おも われる観察 かんさつ 例 れい や、キタサンショウウオ で報告 ほうこく 例 れい のある単 たん なる粘液 ねんえき 塊 かたまり とする説 せつ もある[ 3] 。卵 たまご は3週間 しゅうかん で孵化 ふか する[ 4] 。幼生 ようせい で少 すく なくとも1度 ど は越冬 えっとう し、翌年 よくねん 以降 いこう に変態 へんたい して幼体 ようたい になる[ 3] 。生後 せいご 3年 ねん で変態 へんたい することもある[ 3] [ 4] 。生後 せいご 5年 ねん で性 せい 成熟 せいじゅく すると考 かんが えられている[ 1] [ 4] 。
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく では民間 みんかん 療法 りょうほう で粉末 ふんまつ にしたものが薬用 やくよう になると信 しん じられている[ 3] [ 5] 。
森林 しんりん 伐採 ばっさい や農地 のうち 開発 かいはつ などの生息 せいそく 地 ち の破壊 はかい 、放牧 ほうぼく による影響 えいきょう 、漁業 ぎょぎょう による混 こん 獲 え 、研究 けんきゅう 用 よう や薬用 やくよう ・ペット用 よう の乱獲 らんかく などにより生息 せいそく 数 すう は激減 げきげん している[ 1] [ 3] [ 4] [ 5] 。
^ a b c d e f Sergius Kuzmin, Wang Xiuling, Vladimir Ishchenko, Boris Tuniyev. 2004. Ranodon sibiricus . The IUCN Red List of Threatened Species 2004: e.T19304A8851144. doi :10.2305/IUCN.UK.2004.RLTS.T19304A8851144.en , Downloaded on 12 November 2017.
^ a b c d e Ranodon ,Ranodon sibiricus . Frost, Darrel R. 2017. Amphibian Species of the World: an Online Reference. Version 6.0 (Date of access). Electronic Database accessible at http://research.amnh.org/herpetology/amphibia/index.html . American Museum of Natural History, New York, USA. (Accessed: 12/11/2017)
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag 西川 にしかわ 完 かん 途 と 「東 ひがし アジアの有尾 ありお 類 るい 第 だい 12回 かい (その8) セイホウサンショウウオ」『クリーパー』第 だい 65号 ごう 、クリーパー社 しゃ 、2013年 ねん 、82-86頁 ぺーじ 。
^ a b c d e f g h i j k l m n o 松井 まつい 正文 まさふみ 「セイホウサンショウウオ」『動物 どうぶつ 世界 せかい 遺産 いさん レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北 きた アメリカ』小原 おはら 秀雄 ひでお 、浦 うら 本 ほん 昌紀 まさき 、太田 おおた 英利 ひでとし 、松井 まつい 正文 まさふみ 編著 へんちょ 、講談社 こうだんしゃ 、2000年 ねん 、231頁 ぺーじ 。
^ a b c d e f g h i j k l m n o Sergius L. Kuzmin, AmphibiaWeb 2007 Ranodon sibiricus : Semirechensk Salamander <http://amphibiaweb.org/species/3910 > University of California, Berkeley, CA, USA. Accessed Nov 12, 2017.
^ Peng Zhang, Yue-Qin Chen, Hui Zhou, Yi-Fei Liu, Xiu-Ling Wang, Theodore J. Papenfuss, David B. Wake, and Liang-Hu Qu, "Phylogeny, evolution, and biogeography of Asiatic Salamanders (Hynobiidae) ," PNAS , Volume 103, Number 19, 2006, Pages 1360-1365.
^ R. Alexander Pyron, John J. Wiens, "A large-scale phylogeny of Amphibia including over 2800 species, and a revised classification of extant frogs, salamanders, and caecilians ," Molecular Phylogenetics and Evolution , Volume 61, Issue 2, 2011, Pages 543-583.