タシロマメ

タシロマメ
	タシロマメの花はな
分類ぶんるい（APG IV）
学名がくめい
	Intsia bijuga (Colebr.) Kuntze
和名わみょう
	タシロマメ

タシロマメ（田代たしろ豆まめ^[1]、学名がくめい：Intsia bijuga）はマメ科かタシロマメ属ぞくの常緑じょうりょく高木たかぎ。

別名べつめいシロヨナ^[1]^[2]^[3]、シロマメ^[3]、タイヘイヨウテツボク^[1]。和名わみょうは明治めいじ中期ちゅうきに沖縄おきなわ・台湾たいわんの植物しょくぶつを研究けんきゅうした田代たしろ安定あんていにちなむ^[1]^[2]。

環境省かんきょうしょうカテゴリー絶滅ぜつめつ危惧きぐ種しゅIA類るい（CR）^[4]。

絶滅ぜつめつ危惧きぐIA類るい (CR)（環境省かんきょうしょうレッドリスト）

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

高たかさ10–20 m。偶数ぐうすう羽わ状じょう複葉ふくようが互生ごせいする。小しょう葉はは通常つうじょう1–2対つい、まれに3対つい、やや湾曲わんきょくした広こう卵たまご形がたで重かさなり合あう^[1]。小しょう葉はは全ぜん縁えんで楕円だえん形がた、長ながさ約やく7–15 cm、幅はば約やく4–9 cm^[4]。枝えだ先さきに短みじかい円錐えんすい状じょうの花序かじょが頂いただき生せいする。花はなは赤あかく長ながい雄おしべが目立めだち、花弁はなびらは1枚まいのみが発達はったつし、白しろから淡紅あわべに色しょくに変化へんかする。豆まめ果はては黒褐色こっかっしょくで扁平へんぺい、長ながさ10–25 cm、中なかに長ながさ25 mm程度ていどの平ひらたい種子しゅしを3–6個こ有ゆうする。種子しゅしは海流かいりゅうで散布さんぷされ、まれに九州きゅうしゅうでも漂着ひょうちゃくし発芽はつがする^[2]。

分布ぶんぷと生育せいいく環境かんきょう[編集へんしゅう]

石垣いしがき島とう、西表島いりおもてじま。国外こくがいでは台湾たいわん、中国ちゅうごく南部なんぶ、熱帯ねったいアジア、オーストラリア、ポリネシア、マダガスカル、インドなど^[3]^[2]^[1]。海岸かいがんやマングローブ林りんの内陸ないりく側がわ、河口かこう付近ふきんの岩場いわばなどに生はえる。

利用りよう[編集へんしゅう]

材ざいは比重ひじゅうが大おおきく光沢こうたくがあり、唐木とうぼくに準じゅんずる銘木めいぼくで、家具かぐや建築けんちく等とうの装飾そうしょく面めんに利用りようされる^[5]。堅かたく、シロアリに強つよい良質りょうしつの建材けんざいとなるため、古ふるくから伐採ばっさい・利用りようされ、明治めいじ初期しょきまでには激減げきげんした^[1]^[4]。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくグアム準じゅん州しゅうの木き（Ifit）^[6]。

ギャラリー[編集へんしゅう]

2対ついの偶数ぐうすう羽わ状じょう複葉ふくよう
若わか樹き
樹き上じょうに残のこる豆まめ果はて
地上ちじょうへ落下らっか後ご、3個この種子しゅしを残のこす豆まめ果はて

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g (大川おおかわ & 林はやし 2016, p. 104)
^ ^a ^b ^c ^d (中西なかにし 2020, p. 210)
^ ^a ^b ^c (米倉よねくら & 梶田かじた 2003)
^ ^a ^b ^c (沖縄おきなわ県けん 2018, p. 188)
^ (天野あまの 1989, p. 111)
^ (University of Guam 2017)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

大川おおかわ智史さとし; 林はやし将之まさゆき『琉球りゅうきゅうの樹木じゅもく』文ぶん一いち総合そうごう出版しゅっぱん、2016年ねん、104頁ぺーじ。ISBN 9784829984024。
中西なかにし弘樹ひろき『フィールド版ばん　日本にっぽんの海岸かいがん植物しょくぶつ図鑑ずかん』トンボ出版しゅっぱん、2020年ねん、210頁ぺーじ。ISBN 9784887162266。
沖縄おきなわ県けん『改訂かいてい・沖縄おきなわ県けんの絶滅ぜつめつのおそれのある野生やせい生物せいぶつ　第だい３版はん　レッドデータおきなわ』沖縄おきなわ県けん、2018年ねん、188頁ぺーじ。
米倉よねくら浩司こうじ; 梶田かじた忠ただし『タシロマメ』2003年ねん。2023年ねん8月がつ16日にち閲覧えつらん。
University of Guam『Ifit (Intsia bijuga) - Native Plants of Guam』College of Natural and Applied Science, University of Guam、2017年ねん。2023年ねん8月がつ16日にち閲覧えつらん。
天野あまの鉄夫てつお『図鑑ずかん　琉球りゅうきゅう列島れっとう有用ゆうよう樹木じゅもく誌し』沖縄おきなわ出版しゅっぱん、沖縄おきなわ県けん浦添うらぞえ市し、1989年ねん、111頁ぺーじ。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

ウィキメディア・コモンズには、タシロマメに関かんするカテゴリがあります。
CIRAD Forestry Department — timber data

[:0-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g (大川おおかわ & 林はやし 2016, p. 104)

[:1-2] (中西なかにし 2020, p. 210)

[:2-3] (米倉よねくら & 梶田かじた 2003)

[:3-4] (沖縄おきなわ県けん 2018, p. 188)

[5] (天野あまの 1989, p. 111)

[6] (University of Guam 2017)

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]