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ツクバハコネサンショウウオ

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ツクバハコネサンショウウオ
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 両生りょうせいつな Amphibia
: 有尾ありお Caudata/Urodela
: サンショウウオ Hynobiidae
ぞく : ハコネサンショウウオぞく Onychodactylus
たね : ツクバハコネサンショウウオ O. tsukubaensis
学名がくめい
Onychodactylus tsukubaensis
Yoshikawa & Matsui, 2013[1]
和名わみょう
ツクバハコネサンショウウオ[1][2]
英名えいめい
Tsukuba clawed salamander[1]
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ツクバハコネサンショウウオ成体せいたい(オス)
京都大学きょうとだいがく大学院だいがくいん webない[3]
ツクバハコネサンショウウオ幼生ようせい
京都大学きょうとだいがく大学院だいがくいん webない[3]

ツクバハコネサンショウウオOnychodactylus tsukubaensis)は、有尾ありおサンショウウオハコネサンショウウオぞく分類ぶんるいされる有尾ありおるい

長年ながねん、ハコネサンショウウオとどう一種いっしゅとされていたが、2013ねん京都きょうと大学だいがく教授きょうじゅ松井まつい正文まさふみどう研究けんきゅうしゃ吉川よしかわ夏彦なつひこにより、新種しんしゅ記載きさいされた[3]特徴とくちょうは、ハコネサンショウウオぞくたねくらべてみじかく、幼生ようせいからだぎん白色はくしょく斑紋はんもんおおく、がわにはっきりしたじょうがあることなど[3]遺伝子いでんし解析かいせき結果けっかから、やく280まんねんまえにこの地域ちいきのサンショウウオが孤立こりつして、独自どくじ進化しんかげた可能かのうせいがある[4][よう検証けんしょう]

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

日本にっぽん筑波つくば山地さんち足尾山あしおざん加波山かばさんきのこざん筑波山つくばさんつばめさん石岡いしおか桜川さくらかわつくば>)[1]

タイプ産地さんち筑波つくばさん桜川さくらかわきゅう真壁まかべまち[1]たね小名しょうみょうtsukubaensis筑波つくばさん由来ゆらいする[1]茨城いばらき県内けんないでは筑波つくば山地さんちほんたね北西ほくせい八溝山やみぞさん周辺しゅうへんハコネサンショウウオ北東ほくとう阿武隈高地あぶくまこうちにバンダイハコネサンショウウオOnychodactylus intermediusことしょてき分布ぶんぷする[2]

形態けいたい[編集へんしゅう]

全長ぜんちょう12 - 16センチメートル[2]あたまどうちょうオス6.56 - 7.45センチメートル、メス6.19 - 6.63センチメートル[1]あたまどうちょうたいする比率ひりつちいさい(平均へいきんでオス102.3 %、メス90.4 %。たねでは平均へいきんでオス120.7 - 136.8 %、メス104 - 110.9 %)[1]脊椎せきついすうは18[1]体側たいそくめんはいしわあばらじょう)は左右さゆうに12ほん[1]からだしょくはい褐色かっしょくくら褐色かっしょくむらさき灰色はいいろと、個体こたい変異へんいおおきい[1]背面はいめん赤褐色せきかっしょく褐色かっしょく明瞭めいりょう縦縞たてじまはい個体こたいおおいが、一部いちぶからだしょくとの境目さかいめ不明瞭ふめいりょうになる個体こたいもいる[1]側面そくめんはらめん銀色ぎんいろ斑点はんてんはい[1]

頭部とうぶ幅広はばひろく、上顎じょうがく中央ちゅうおうなられつすきこつれつ)は大型おおがた[1]虹彩こうさいうえ半分はんぶん金色きんいろいちしょくか、くろ斑紋はんもんはい[1]

幼生ようせい全長ぜんちょう3.02 - 8.18センチメートル[1]あたまどうちょう1.85 - 4.56センチメートル[1]尾長おなが1.17 - 3.91センチメートル[1]幼生ようせい銀色ぎんいろ斑紋はんもん斑点はんてんはい個体こたいおお[1]じょうえんにやや幅広はばひろあかり黄色おうしょく縦縞たてじまはい[1][2]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

ハコネサンショウウオモドキO. fischeri(ロシア)

ハコネサンショウウオモドキO. fischeri大韓民国だいかんみんこく吉林きつりんしょう
Yoshikawa & Matsui(2013)ではO. koreanus

Clade I
Yoshikawa & Matsui(2013)では
キタオウシュウハコネサンショウウオO. nipponoborealis

Clade II

Subclade II-A(東北とうほく地方ちほう南部なんぶ

Subclade II-B
Yoshikawa & Matsui(2013)では
ツクバハコネサンショウウオ O. tsukubaensis

Clade III(A:関東かんとう地方ちほう、B:中部ちゅうぶ地方ちほうから近畿きんき地方ちほう紀伊きい半島はんとう>、C:中国ちゅうごく地方ちほう

Clade IV

Subclade IV-A(近畿きんき地方ちほう

Subclade IV-B(中国ちゅうごく四国しこく地方ちほう

Yoshikawa et al.,(2008)よりシトクロムbから推定すいていされた系統けいとうじゅ[1][5]

O. sp. S-Tohoku group(新潟にいがた宮城みやぎ

O. sp. N-Tohoku group(青森あおもり宮城みやぎ山形やまがた
Yoshikawa & Matsui(2013)では
キタオウシュウハコネサンショウウオO. nipponoborealis

O. sp. Tsukuba group
Yoshikawa & Matsui(2013)では
ツクバハコネサンショウウオ O. tsukubaensis

O. sp. SW-Honshu group
福島ふくしま群馬ぐんま静岡しずおか岐阜ぎふ岡山おかやま広島ひろしま

O. sp. Kinki group(京都きょうと

O. sp. Shikoku group(広島ひろしま徳島とくしま愛媛えひめ

Yoshikawa et al.,(2010)よりアロザイムから推定すいていされた系統けいとうじゅ[1][6]

2000 - 2010年代ねんだい前半ぜんはんにかけて発表はっぴょうされたハコネサンショウウオの系統けいとう解析かいせきでは、筑波つくば山地さんち個体こたいぐんはClade II-BやTsukuba groupとされことなる系統けいとうとされていた[1]。2008ねん発表はっぴょうされたミトコンドリアDNAシトクロムbの分子ぶんし系統けいとう解析かいせきでは、やく2,800,000ねんまえにハコネサンショウウオるい東北とうほく地方ちほう南部なんぶ個体こたいぐん南下なんか分岐ぶんきした系統けいとう推定すいていされている[5]

生態せいたい[編集へんしゅう]

5がつ下旬げじゅんから6がつ中旬ちゅうじゅんみなもと流域りゅういき伏流ふくりゅうすいないにて産卵さんらんすると推定すいていされているが、4がつ下旬げじゅんから5がつ中旬ちゅうじゅん源流げんりゅう周辺しゅうへん成体せいたい発見はっけんされたという報告ほうこくれいもある[1]

人間にんげんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

分布ぶんぷ限定げんていてきで、砂防さぼう堤防ていぼう林道りんどう建設けんせつによる生息せいそく分断ぶんだん砂防さぼう堤防ていぼう建設けんせつによる幼生ようせい生息せいそく破壊はかい地下水ちかすいげ、ペットよう採集さいしゅうによる影響えいきょう懸念けねんされている[2]。ツクバハコネサンショウウオは2015ねん国内こくない希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつしゅ指定していされ[2]たまごふく捕獲ほかく譲渡じょうとなどが原則げんそく禁止きんしされている[7]。2016ねん現在げんざい茨城いばらきけんレッドリストでは絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい判定はんていされている[2]

絶滅ぜつめつ危惧きぐIAるい (CR)環境省かんきょうしょうレッドリスト[8]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x Natsuhiko Yoshikawa , Masafumi Matsui, "A New Salamander of the Genus Onychodactylus from Tsukuba Mountains, Eastern Honshu, Japan (Amphibia, Caudata, Hynobiidae)," Current Herpetology, Volume 32, Number 1, Herpetological Society of Japan, 2013, Pages 9-25.
  2. ^ a b c d e f g 吉川よしかわ夏彦なつひこ 「ツクバハコネサンショウウオ」「ハコネサンショウウオ」「バンダイハコネサンショウウオ」『茨城いばらきにおける絶滅ぜつめつのおそれのある野生やせい生物せいぶつ 動物どうぶつへん 2016ねん改訂かいていばん茨城いばらきけんばんレッドデータブック)』 、2016ねん 91-92ぺーじ
  3. ^ a b c d 吉川よしかわ夏彦なつひこ 教務きょうむ補佐ほさいん ハコネサンショウウオの系統けいとう分類ぶんるいがく京都大学きょうとだいがく大学院だいがくいん 人間にんげん環境かんきょうがく研究けんきゅう 相関そうかん環境かんきょうがく専攻せんこう 自然しぜん環境かんきょう動態どうたいろん講座こうざ 松井まつい研究けんきゅうしつ 吉川よしかわ夏彦なつひこ
  4. ^ サンショウウオ 新種しんしゅ発見はっけん : ニュース : しんおとな総研そうけん 2013ねん4がつ20にち YOMIURI ONLINE(読売新聞よみうりしんぶん[リンク]
  5. ^ a b Natsuhiko Yoshikawa, Masafumi Matsui, Kanto Nishikawa, Jong-Bum Kim, Alexei Kryukov, "Phylogenetic relationships and biogeography of the Japanese clawed salamander, Onychodactylus japonicus (Amphibia: Caudata: Hynobiidae), and its congener inferred from the mitochondrial cytochrome b gene," Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 49, Issue 1, 2008, Pages 249-259.
  6. ^ Natsuhiko Yoshikawa, Masafumi Matsui, Kanto Nishikawa, Misawa Yasuchika, Tanabe, Shingo, "Allozymic Variation in the Japanese Clawed Salamander, Onychodactylus japonicus (Amphibia: Caudata: Hynobiidae), with Special Reference to the Presence of Two Sympatric Genetic Types," Zoological Science , Volume 311, No. 5757, Zoological Society of Japan, 2010, Pages 33-40.
  7. ^ 絶滅ぜつめつのおそれのある野生やせい動植物どうしょくぶつたね保存ほぞんかんする法律ほうりつ施行しこうれい一部いちぶ改正かいせいする政令せいれい平成へいせい27ねん11月11にち発表はっぴょう国内こくない希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつしゅ一覧いちらん環境省かんきょうしょう・2017ねん9がつ15にち利用りよう
  8. ^ 環境省かんきょうしょうレッドリスト2017の公表こうひょうについて 環境省かんきょうしょうレッドリスト2017環境省かんきょうしょう・2017ねん9がつ15にち利用りよう

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]