(Translated by https://www.hiragana.jp/)
テングリ - Wikipedia コンテンツにスキップ

テングリ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
モンゴルの宇宙うちゅう三界さんがいせつ

テングリ天神てんじん匈奴きょうど: 撐犁とうり:𐱅𐰭𐰼𐰃、かい: Täŋri現代げんだいモンゴル: Тэнгэр(『元朝がんちょう秘史ひし』のこうむ古語こご: あがかくさと拼音: Ténggélǐ)、: Tanrıチャガタイ: تنكريTangrī)は、アジア北方ほっぽう遊牧ゆうぼく民族みんぞく共通きょうつうな、「天上てんじょう世界せかい」もしくは「天上てんじょうしん」「運命うんめいしん」「創造そうぞうしん」を意味いみする概念がいねん中国ちゅうごく史料しりょうじょうはしばしば「てん」とやくされている。

定義ていぎ特徴とくちょう

[編集へんしゅう]

「テングリ」は中国ちゅうごくにおける「てん概念がいねん非常ひじょう類似るいじしており、天上てんじょう世界せかいすとともに運命うんめいしんであることも共通きょうつうしている。ただし中国ちゅうごくにおいててん人格じんかくしんである天帝てんてい北極星ほっきょくせい同一どういつされているのにたいし、テングリはみきった青空あおぞらのことであるとかんがえられており、そのてん相違そういする。「テングリ」崇拝すうはい匈奴きょうど時代じだいから確認かくにんされている。

また、人格じんかくしんとしての「テングリ」はモンゴルの宇宙うちゅう創造そうぞう神話しんわにおいて「テングリ・ハイラハン」という地上ちじょうつくった創造そうぞうしんとしてあらわれ、これも中国ちゅうごくにはられない。ブリヤートぞく神話しんわでは「西にしきテングリ」「ひがししきテングリ」という表現ひょうげんられ、この二元にげんせい祆教影響えいきょうによるものともかんがえられている。また、このことからテングリはかならずしも唯一ゆいいつてき存在そんざいではないことも看取かんしゅされ、これもてんとは相違そういする。テングリは男性だんせいしんであり、女性じょせいしんである大地だいち対応たいおうする。

今日きょうにおいては、カムチャツカ半島はんとうからマルマラうみいたるまで遊牧民ゆうぼくみんあいだで、シャーマニズムもとづいてテングリへの祭祀さいし(テングリズム、テングリ信仰しんこう、テングリ崇拝すうはい)がおこなわれている。

そとのアジア諸国しょこくでの影響えいきょう

[編集へんしゅう]
  • テングリ崇拝すうはい中国ちゅうごく天命てんめい思想しそう影響えいきょうのもとに成立せいりつしたという見方みかたる。また、反対はんたい中国ちゅうごくかみじゅうはじむ(diung li)」をテングリのおとうつしであるとし、中国ちゅうごくの「てん」はテングリから派生はせいしたものだとする見方みかたもある。「てん」と「テングリ」のどちらかがふるく、起源きげんとしてさかのぼれるかは、いまのところあきらかではない。[よう出典しゅってん]
  • 日本にっぽんの「高天原たかまがはら」とテングリを語彙ごいじょうむすびつきがあるという見方みかたがある。また、「ちぎる(ちぎる)」という単語たんごがテングリとどうみなもとであるとされる。[よう出典しゅってん]
  • ポリネシアのタナガロアもテングリに由来ゆらいするとかんがえる見方みかたる。[よう出典しゅってん]

ただし、以上いじょうろん十分じゅうぶん検証けんしょうされておらず、テングリ崇拝すうはい自体じたい多様たよう神話しんわとなって複雑ふくざつなものであるため、関連かんれんせいろんじるにはいまだテングリ概念がいねん自体じたい解明かいめい不足ふそくしている。[よう出典しゅってん]

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]