デンマーク語ごの文法ぶんぽう

デンマーク語ごの文法ぶんぽう（デンマークごのぶんぽう）では、現代げんだい標準ひょうじゅんデンマーク語ごの文法ぶんぽうを示しめす。デンマーク語ごは、スウェーデン語ごと同おなじく北きたゲルマン語ご群ぐんの東ひがしスカンディナビア語ご群ぐんの１ひとつであり、文法ぶんぽうはスウェーデン語ごのそれとかなり似通にかよっている^[1]。デンマーク語ごは、スウェーデン語ごと同おなじV2語順ごじゅんのSVO型がたの言語げんごである^[2]。

文法ぶんぽう範疇はんちゅう[編集へんしゅう]

現代げんだい標準ひょうじゅんデンマーク語ごにおいては、名詞めいしの性せいは共とも性せい名詞めいしと中性ちゅうせい名詞めいしの2つ^[3]、数かずも単数たんすうと複数ふくすうの2つである^[4]。数かずが複数ふくすうの時ときはその名詞めいしの性せいに関係かんけいなく複数ふくすう形がたをとる。しかし、デンマーク語ごの名詞めいしの性せいは、名詞めいしの語尾ごびなどから性せいが判別はんべつできない（子供こども：barn（中性ちゅうせい）、息子むすこ：søn（共とも性せい））^[5]。人間にんげんと非ひ人間にんげんは、疑問ぎもん詞しや代名詞だいめいし単数たんすうでは区別くべつされる^[6]ものの、代名詞だいめいし複数ふくすうでは区別くべつされない^[7]。また、名詞めいしには可算かさん名詞めいしと不ふ可算かさん名詞めいしがある^[8]。

名詞めいし[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「デンマーク語ごの名詞めいし」を参照さんしょう

デンマーク語ごの名詞めいしは、限定げんてい・非ひ限定げんてい（既知きち・未知みち)^[9]、格かく（共とも格かく・所有しょゆう格かく）^[10]、数かず（単数たんすう・複数ふくすう）^[11]に関かんして変化へんかする。既知きちか未知みちかによって名詞めいしを変化へんかさせる^[9]点てんが特徴とくちょう的てきである。

代名詞だいめいし[編集へんしゅう]

デンマーク語ごの代名詞だいめいしは、主語しゅごが三人称さんにんしょう単数たんすうの時とき、主語しゅごが人じんか物ぶつかと主語しゅごの性せいによって計けい4種しゅの代名詞だいめいしがある点てんが特徴とくちょう的てきである^[6]。

	格かく	1人ひとり称しょう	2人ふたり称しょう	3人称にんしょう
	格かく	1人ひとり称しょう	2人ふたり称しょう	男性だんせい	女性じょせい	共とも性せいの物もの	中性ちゅうせいの物もの
単数たんすう	主格しゅかく	jeg	du	han	hun	den	det
	目的もくてき格かく	mig	dig	ham	hende	den	det
	所有しょゆう格かく	-	-	hans	hendes	dens	dets
複数ふくすう
	主格しゅかく	vi	i	de	de	de	de
	目的もくてき格かく	os	jer	dem	dem	dem	dem
	所有しょゆう格かく	vores	jeres	deres	deres	deres	deres

動詞どうし[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「デンマーク語ごの動詞どうし」を参照さんしょう

動詞どうしは、様々さまざまな用法ようほうが存在そんざいする。英語えいごと異ことなっている点てんも多おおくある。

まずはじめに、デンマーク語ごの動詞どうしには、「肯定こうてい文ぶんでは、動詞どうしは文頭ぶんとうから二に番目ばんめの要素ようそに必かならずくる。」という文法ぶんぽう上じょうのルールがある^[12]^[2]。

デンマーク語ごの動詞どうしには、人称にんしょう変化へんかが一切いっさいないが、時制じせいによる変化へんかは存在そんざいする。動詞どうしの用法ようほうとしては、

1.現在げんざい形がたで未来みらいも表あらわす^[13]。

2.現在げんざい完了かんりょう形がた「have + 過去かこ分詞ぶんし」は、時期じき・時間じかんが未み特定とくていの過去かこも表現ひょうげんする^[14]

などがある。

形容詞けいようし[編集へんしゅう]

デンマーク語ごの形容詞けいようしは、修飾しゅうしょくする名詞めいしが既知きちか未知みちかによって変化へんかする^[15]。これを、形容詞けいようしの呼応こおう変化へんかという^[15]。

未知みちの場合ばあい[編集へんしゅう]

例れい：høj（(背せの)高たかい）^[16]

共とも性せい名詞めいし単数たんすう未知みち：ゼロ形がた（変化へんか無なし）
- en mand（1人ひとりの男おとこ） - en høj mand（1人ひとりの背せの高たかい男おとこ）
中性ちゅうせい名詞めいし単数たんすう未知みち：元もとの形かたちに-tをつける
- et hus（一いち軒けんの家いえ） - et højt hus（一いち軒けんの高たかい家いえ）
複数ふくすう名詞めいし未知みち：元もとの形かたちに-eをつける
- mænd（複数ふくすうの男おとこ） - høje mænd（複数ふくすうの背せの高たかい男おとこ）
- huse（複数ふくすうの家いえ） - høje huse（複数ふくすうの高たかい家いえ）

既知きちの場合ばあい[編集へんしゅう]

共とも性せい名詞めいし単数たんすう既知きち：前まえにdenを置おき、元もとの形かたちに-eをつける
- manden（その男おとこ）- den høje mand（背せの高たかいその男おとこ）

中性ちゅうせい名詞めいし単数たんすう既知きち：前まえにdetを置おき、元もとの形かたちに-eをつける
- huset（その家いえ）- det høje hus（その高たかい家いえ）

複数ふくすう名詞めいし既知きち：前まえにdeを置おき、元もとの形かたちに-eをつける
- mændene (その男おとこたち) - de høje mænd（背せの高たかいその男おとこたち）
- husene (それらの家いえ) - de høje huse（それらの高たかい家いえ）

倒置とうち[編集へんしゅう]

デンマーク語ごでは、文中ぶんちゅうの主語しゅご以外いがいの語かたりを文頭ぶんとうに置おくことによって、その語かたりを強調きょうちょうすることができる^[17]。しかし、その際さいには、先さきに述のべたように動詞どうしを文頭ぶんとうから二に番目ばんめの要素ようそにしなくてはならないので、主語しゅごと定形ていけい動詞どうしが倒置とうちする^[17]。

Jeg ser sommetider fjernsyn. (私わたしは時々ときどきテレビを見みる。)

Sommetider ser jeg fjernsyn. (時々ときどき、私わたしはテレビを見みる。)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

^ 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり「はじめに」 i.の頁ぺーじ
^ ^a ^b 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 58頁ぺーじ「5.2 主語しゅごと定型ていけい動詞どうしの倒置とうち」
^ 新谷しんたに,Pedersen,大だい辺あたり 36頁ぺーじ「3.1 名詞めいしの性せい」
^ 鈴木すずき 48頁ぺーじ
^ 鈴木すずき 55頁ぺーじ
^ ^a ^b 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 30頁ぺーじ「2.3人称にんしょう名詞めいしの変化へんか表ひょう」
^ 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 19頁ぺーじ「1.5 疑問ぎもん詞しに始はじまる疑問ぎもん文ぶん」
^ 鈴木すずき 63頁ぺーじ
^ ^a ^b 鈴木すずき 64頁ぺーじ
^ 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 36頁ぺーじ「3.4固有名詞こゆうめいしの所有しょゆう格かく」
^ 鈴木すずき 60頁ぺーじ
^ 鈴木すずき 82頁ぺーじ
^ 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 100,101頁ぺーじ「8.1.3 現在げんざい形がたの用法ようほう」
^ 鈴木すずき 90、91頁ぺーじ
^ ^a ^b 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 67頁ぺーじ「6.1形容詞けいようしの呼応こおう変化へんか」
^ 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 67,68,69,70頁ぺーじ
^ ^a ^b 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 19頁ぺーじ「1.3」58頁ぺーじ「5.2」

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

鈴木すずき雅子まさこ『デンマーク語ごのしくみ』白水しろみず社しゃ、2009年ねん。ISBN 978-4-5600-8511-0。
“デンマーク語ごはどうですか？”. eigo21.com. 2016-12-09 17:30 (UTC)閲覧えつらん。
“デンマーク語ご独習どくしゅうコンテンツ”. 大阪大学おおさかだいがく. 2016- 12-09 17:00 (UTC)閲覧えつらん。
『世界せかいの言語げんごシリーズ10 デンマーク語ご』大阪大学おおさかだいがく出版しゅっぱん会かい、2014年ねん。ISBN 978-4-87259-334-1。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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[1] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり「はじめに」 i.の頁ぺーじ

[:4-2] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 58頁ぺーじ「5.2 主語しゅごと定型ていけい動詞どうしの倒置とうち」

[3] 新谷しんたに,Pedersen,大だい辺あたり 36頁ぺーじ「3.1 名詞めいしの性せい」

[4] 鈴木すずき 48頁ぺーじ

[5] 鈴木すずき 55頁ぺーじ

[:2-6] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 30頁ぺーじ「2.3人称にんしょう名詞めいしの変化へんか表ひょう」

[7] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 19頁ぺーじ「1.5 疑問ぎもん詞しに始はじまる疑問ぎもん文ぶん」

[8] 鈴木すずき 63頁ぺーじ

[:3-9] 鈴木すずき 64頁ぺーじ

[10] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 36頁ぺーじ「3.4固有名詞こゆうめいしの所有しょゆう格かく」

[11] 鈴木すずき 60頁ぺーじ

[12] 鈴木すずき 82頁ぺーじ

[13] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 100,101頁ぺーじ「8.1.3 現在げんざい形がたの用法ようほう」

[14] 鈴木すずき 90、91頁ぺーじ

[:0-15] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 67頁ぺーじ「6.1形容詞けいようしの呼応こおう変化へんか」

[16] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 67,68,69,70頁ぺーじ

[:1-17] 新谷しんたに、Pedersen、大だい辺あたり 19頁ぺーじ「1.3」58頁ぺーじ「5.2」

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