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ネバドデルルイス火山かざん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ネバド・デル・ルイス
ネバド・デル・ルイス
標高ひょうこう 5,321[1] m
所在地しょざいち  コロンビア カルダスけん
位置いち 北緯ほくい453ふん43びょう 西経せいけい7519ふん21びょう / 北緯ほくい4.89528 西経せいけい75.32250 / 4.89528; -75.32250座標ざひょう: 北緯ほくい453ふん43びょう 西経せいけい7519ふん21びょう / 北緯ほくい4.89528 西経せいけい75.32250 / 4.89528; -75.32250[1]
山系さんけい アンデス山脈あんですさんみゃく
種類しゅるい 成層せいそう火山かざん
最新さいしん噴火ふんか 2015ねん1がつ継続けいぞくちゅう
はつ登頂とうちょう 1936ねん M.Rappら
ネバド・デル・ルイスの位置(コロンビア内)
ネバド・デル・ルイス
ネバド・デル・ルイス
ネバド・デル・ルイスの位置(南アメリカ内)
ネバド・デル・ルイス
ネバド・デル・ルイス
プロジェクト やま
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ネバドデルルイスさんのハザードマップと実際じっさい被害ひがい地域ちいきあかせん)。ラハールによる被害ひがい予想よそう地域ちいき灰色はいいろせん)と完全かんぜん符合ふごうしているのがわかる
ラハールにくされたアルメロの市街地しがいち1985ねん12月18にち撮影さつえい

ネバド・デル・ルイス火山かざん(ネバドデルルイスかざん、スペイン: Nevado del Ruiz)は、コロンビアカルダスけんアンデス山脈あんですさんみゃくなかにある活火山かっかざん別名べつめいラ・メサ・デ・エルベオ(La Mesa de Herveo)、地元じもとインディヘナ言葉ことばクマンダイ(Kumanday)ともばれる。 同国どうこく火山かざんなかもっときた位置いちし、赤道あかみち直下ちょっかながら山頂さんちょう付近ふきんゆきおおわれており、噴火ふんかのたびにけたゆき火山かざん噴出ふんしゅつぶつによるどろりゅうラハール)が発生はっせいする。

1985ねん噴火ふんかによる災害さいがいアルメロの悲劇ひげきスペインばん以降いこう近隣きんりん住民じゅうみんから火山かざんは「ねむれる獅子しし」とばれるようになった。

1985ねん噴火ふんか

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過去かこ1595ねん1845ねんだい噴火ふんかし、ラハールによりそれぞれ636にんやく1000にん死者ししゃしていたが、1985ねん当時とうじトリマけんアルメロまちは、1845ねんのラハールによる堆積たいせきぶつうえにあった。

1984ねん11月、ネバドデルルイスはやく140ねんぶりに噴火ふんか活動かつどう開始かいしよく1985ねん9月11にち水蒸気すいじょうき爆発ばくはつによりラハールが発生はっせいして西側にしがわ斜面しゃめんを27km流下りゅうかした。西側にしがわにはマニサレスという人口じんこうやく35まんにん都市としがあったが、水系すいけいことなることもあり被害ひがいけなかった。10月7にち、コロンビア国立こくりつ地質ちしつ鉱山こうざん研究所けんきゅうじょがアメリカの火山かざん学者がくしゃ指導しどうしたハザードマップ作成さくせい公表こうひょうし、地方自治体ちほうじちたい関係かんけいしょ機関きかん配布はいふしたが、噴火ふんか一時いちじ沈静ちんせいしていたことなどからほとんど評価ひょうかされなかった。アメリカ地質調査所ちしつちょうさしょ(USGS)はあらたに火山かざんせい地震じしん専門せんもん現地げんち派遣はけんしようとしていたが、コロンビア最高裁さいこうさい占拠せんきょ事件じけん影響えいきょう中止ちゅうしされた。

そして11月13にち15ぎ、本格ほんかくてき噴火ふんかき、21ごろ最高潮さいこうちょうたっした。噴火ふんか自体じたいは「ややだい規模きぼ火山かざん爆発ばくはつ指数しすう3)」という程度ていどのものだったが、このさい発生はっせいした火砕流かさいりゅうによりゆきこおりけ、東側ひがしがわ斜面しゃめん大量たいりょうのラハールが発生はっせいした。流下りゅうかするラハールは最大さいだいはば50mにおよび、発生はっせいから2あいだはんで100km以上いじょう距離きょり流下りゅうかしてふもとのアルメロを直撃ちょくげきした。その被害ひがい甚大じんだいで、人口じんこう28,700にんやく4ぶんの3にあたる21,000にん死亡しぼうした。これをふく噴火ふんかによる被害ひがい死者ししゃ23,000にん負傷ふしょうしゃ5,000にん家屋かおく損壊そんかい5,000むねとなり、20世紀せいきにおける火山かざん噴火ふんかで2番目ばんめ被害ひがいしゃした(だい1プレーさん噴火ふんか1902ねんやく30000にん))。

生還せいかんたしたひとたちによると、再度さいど噴火ふんか可能かのうせいとう警告けいこくおこなわれたが、以前いぜんからにせ情報じょうほうおおながれていたため、あまりききいれられなかった。さらに、市民しみんのパニックをおそれた市長しちょう被災ひさいにより死亡しぼう)がラジオで「噴火ふんかはない」と終始しゅうし放送ほうそうつづけ、そのまつりのために近隣きんりん住民じゅうみんけつけたことも被害ひがいおおきくした。このことから、2008ねん2がつ12にちUNESCO国際こくさい惑星わくせい地球ちきゅうねん一環いっかんとして、「正確せいかく知識ちしき不足ふそく情報じょうほう伝達でんたつ不備ふびによる世界せかい最悪さいあく人災じんさいによる悲劇ひげき」のワースト5のひとつとしてこの噴火ふんか災害さいがい認定にんていしている。

被災ひさいした市街しがいは、1990年代ねんだい中頃なかごろになっても6m以上いじょう火山灰かざんばい瓦礫がれきうずもれたままで、簡素かんそ野生やせい動物どうぶつけのフェンスにかこまれちいさなそだはじめていた。地元じもと住民じゅうみん建築けんちく資材しざいとして付近ふきん石材せきざい採取さいしゅするたびに犠牲ぎせいしゃ遺骨いこつつかり、この点在てんざいする霊廟れいびょうへとおさめられた。

現在げんざい、アルメロのまち被災ひさいきたやく8kmに移転いてんしており、きゅう市街地しがいち再建さいけんされることなく墓地ぼちとして保全ほぜんされ、いまでもおおくの遺体いたいねむっている。

この災害さいがい復旧ふっきゅうには、そのとしのコロンビアのGNPやく20%にあたる77おくドルついやされた。

救援きゅうえん活動かつどう

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この災害さいがいアメリカは100まんドル以上いじょう援助えんじょ現在げんざい価値かちで240まんドル相当そうとう)をついやし、コロンビア駐在ちゅうざい米国べいこく大使たいしCharles S. Gillespie、Jrは25,000ドル(60,000ドル)をコロンビアの災害さいがい援助えんじょ機関きかん寄付きふした。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国際こくさい開発かいはつちょう(AID)はUSGSの職員しょくいん1人ひとりとAID災害さいがい救援きゅうえん専門せんもんおよびパナマからの支援しえん医療いりょう関係かんけいしゃ、12ヘリコプター派遣はけんした。

その米国べいこくテント500、毛布もうふ2250まい、テント修理しゅうりキットと追加ついか航空機こうくうきおよび支援しえん物資ぶっしをコロンビアにおくった。

エクアドル移動いどう病院びょういん派遣はけんし、アイスランド赤十字せきじゅうじは4650ドル(11,200ドル)の義援金ぎえんきん送金そうきんした。

フランスは1300のテントと医薬品いやくひんおくった。

日本にっぽんは125まんドル(現在げんざい価値かちで301まんドル)と8めい医師いし看護かんご技術ぎじゅつしゃ、さらに50,000ドル(123,000ドル)を国連こくれんつうじてコロンビアにおくった。

ライオンズクラブは50,000ドル(123,000ドル)を寄付きふした。

ベルギーフィリップ皇太子こうたいし被災ひさい慰問いもんした。

24のくに災害さいがい生存せいぞんしゃ救助きゅうじょ支援しえん貢献こうけんした。

犠牲ぎせいしゃ

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1985ねん噴火ふんかでは、アルメロの人々ひとびと火山灰かざんばい泥濘でいねいうずもれ身動みうごきがれなくなり、救助きゅうじょおこなえないままおおくが死亡しぼうした。なかでも、13さい少女しょうじょオマイラ・サンチェス下半身かはんしん水中すいちゅうはさまり、くびだけがみずうえ状態じょうたい救助きゅうじょつづけたがじゅつがなく、3にち11月16にち衰弱すいじゃくした。救助きゅうじょつサンチェスの写真しゃしんいきったのちみずなかしずんでゆく映像えいぞう世界中せかいじゅう報道ほうどうされ、災害さいがい衝撃しょうげき悲劇ひげきつたえた。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b "ネバド・デル・ルイス". Global Volcanism Program. Smithsonian Institution. 2012ねん10がつ31にち閲覧えつらん

参考さんこう書籍しょせき

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