ハイナー・ミュラー

ハイナー・ミュラー Heiner Müller
ハイナー・ミュラー（1989年ねん、ベルリンにて）
誕生たんじょう	1929年ねん1月がつ9日にち ドイツ国こく、エッペンドルフ
死没しぼつ	(1995-12-30) 1995年ねん12月30日にち（66歳さい没ぼつ） ドイツ、ベルリン
職業しょくぎょう	劇げき作家さっか、演出えんしゅつ家か
国籍こくせき	ドイツ（ 東ひがしドイツ）
代表だいひょう作さく	『ハムレットマシーン』（1977年ねん）
主おもな受賞じゅしょう歴れき	ゲオルク・ビューヒナー賞しょう (1985年ねん) クライスト賞しょう (1990年ねん)
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ハイナー・ミュラー（Heiner Müller、1929年ねん1月がつ9日にち - 1995年ねん12月30日にち）は、ドイツの劇げき作家さっか、演出えんしゅつ家か。

生産せいさん現場げんばを舞台ぶたいに社会しゃかい主義しゅぎの現実げんじつを描えがいた「生産せいさん劇げき」や古典こてん作品さくひんの現代げんだい的てきな翻案ほんあんで知しられる。『ハムレット』を下敷したじきにした数すうページのテクスト『ハムレットマシーン』が特とくに名高なだかい。ブレヒト以後いごドイツの最もっとも重要じゅうような劇げき作家さっかとされている。

生涯しょうがい

ザクセン自由じゆう州しゅうエッペンドルフに生うまれる。社会しゃかい主義しゅぎ者しゃであった父親ちちおやがナチス政権せいけんに逮捕たいほされたため、少年しょうねん期きに様々さまざまな苦労くろうを負おった。戦後せんごは東ひがしドイツ領りょうに残のこり、高校こうこうを卒業そつぎょう後ごジャーナリストとして活動かつどう、東ひがしドイツ作家さっか同盟どうめいに研究けんきゅう員いんとして従事じゅうじする傍かたわら作品さくひんの発表はっぴょうを始はじめた。1957年ねんにジョン・リード作さく『世界せかいを揺ゆるがせた十じゅう日間にちかん』を演劇えんげき用ように翻案ほんあんした作品さくひんが実質じっしつ上じょうのデビュー作さくである。1958年ねんに妻つまインゲ・ミュラー（1966年ねんに自殺じさつ）との共とも作さく『賃金ちんぎんを抑おさえる者もの』がハインリヒ・マン賞しょうを受賞じゅしょう。しかししだいに政府せいふとの軋轢あつれきが起おこるようになり、1961年ねんの『移住いじゅう者しゃ、あるいは田舎いなかの生活せいかつ』は政府せいふの干渉かんしょうにより上演じょうえん中止ちゅうし、ミュラーは作家さっか同盟どうめいから除名じょめい処分しょぶんを受うけることになった。その後ごも1964年ねん発表はっぴょうの『建設けんせつ』が政府せいふ中央ちゅうおう委員いいん会かいでヴォルフ・ビーアマンとともに名指なざしで批判ひはんされるなどして作品さくひんの上演じょうえん、刊行かんこうがままならなくなり、次第しだいにギリシア悲劇ひげきやシェイクスピアの翻案ほんあんを発表はっぴょうするようになった。東ひがしドイツでは1980年代ねんだい初頭しょとうまで彼かれの劇げき作品さくひんが上演じょうえんされることはなかった。

1970年代ねんだいから西にしドイツにも演出えんしゅつ家かとして招まねかれ、1980年代ねんだいには西にしドイツにおいてハイナー・ミュラーブームが起おこった。1977年ねんに『ハムレットマシーン』が発表はっぴょうされたのも西側にしがわの演劇えんげき雑誌ざっし『テアター・ホイテ』である。この作品さくひんは数すうページのごく短みじかい作品さくひんながら当時とうじの社会しゃかい状況じょうきょうを色濃いろこく反映はんえいしており、その破壊はかい的てきで謎なぞめいた表現ひょうげんは多おおくの演劇えんげき人じんを刺激しげきした。西にしドイツでの評価ひょうかによって東ひがしドイツでの活動かつどうが認みとめられ、劇げき作家さっかと同時どうじに演出えんしゅつ家かとしても活動かつどうを展開てんかいした。1990年ねんには上演じょうえん時間じかんが7時じ間あいだを超こす「ハムレット/マシーン」を上演じょうえんした。東西とうざいドイツ統一とういつ後ごの1992年ねん、ベルリナー・アンサンブルの劇場げきじょう監督かんとくに就任しゅうにんし、1995年ねんの死去しきょまで主おもに演出えんしゅつ家かとして活躍かつやく、また晩年ばんねんは詩作しさくも行おこなっていた。

主要しゅよう作品さくひん

• 賃金ちんぎんを抑おさえるもの（Der Lohndrücker、1958年ねん）
• 訂正ていせい（Die Korrektur、1958年ねん)
• 移住いじゅう者しゃ、あるいは田舎いなかの生活せいかつ（Die Umsiedlerin oder Das Leben auf dem Lande、1961年ねん）
• ピロクテーテス（Philoktet、1964年ねん）
• 建築けんちく（Der Bau、1965年ねん）
• ソフォクレスのオイディプス（Sophokles/Ödipus, Tyrann、1966年ねん）
• ホラティ人じん（Der Horatier、1968年ねん）
• マウザー（Mauser、1970年ねん）
• マクベス（Macbeth、1971年ねん）
• ゲルマーニア ベルリンの死し（Germania Tod in Berlin、1971年ねん）
• セメント（Zement、1972年ねん）
• 戦たたかい（Die Schlacht、1974年ねん）
• トラクター（Traktor、1974年ねん）
• グントリングの生涯しょうがい プロイセンのフリードリヒ レッシングの眠ねむり夢ゆめ叫さけび（Leben Gundlings Friedrich von Preußen Lessings Schlaf Traum Schrei. Ein Greuelmärchen、1976年ねん）
• ハムレットマシーン（Die Hamletmaschine、1977年ねん）
• 指令しれい（Der Auftrag、1979年ねん）
• カルテット（Quartett、1981年ねん）
• 落魄らくはくの岸辺きしべ メディアマテリアル アルゴー船員せんいんたちのいる風景ふうけい（Verkommenes Ufer Medeamaterial Landschaft mit Argonauten、1982年ねん）
• ヴォロコラムスク幹線かんせん路ろ5部ぶ作さく（Wolokolamsker Chaussee、1984年ねん-）
• 解剖かいぼうタイタス ローマの没落ぼつらく シェイクスピア・コメンタール（Anatomie Titus Fall of Rome Ein Shakespearekommentar、1985年ねん）

著書ちょしょ（日本語にほんご訳やく）

• ゲルマーニア ベルリンの死し―ハイナ・ミュラーの歴史れきしを待まつ戯曲ぎきょく集しゅう（早稲田大学わせだだいがく出版しゅっぱん部ぶ、1991年ねん）
• 人類じんるいの孤独こどく―ドイツについて （窓まど社しゃ、1992年ねん）対談たいだん集しゅう
• ハムレットマシーン（未來社みらいしゃ、1992年ねん）
• メディアマテリアル（未來社みらいしゃ、1993年ねん）
• 闘たたかいなき戦たたかい―ドイツにおける二ふたつの独裁どくさい下かでの早はやすぎる自伝じでん（未來社みらいしゃ、1993年ねん）自伝じでん
• カルテット―ミュラー・コンテンポラリー （未來社みらいしゃ、1994年ねん）
• 悪あくこそは未来みらい（こうち社しゃ、1994年ねん）評論ひょうろん集しゅう
• 指令しれい（ドイツ現代げんだい戯曲ぎきょく選せん30）（論ろん創そう社しゃ、2006年ねん）
• モムゼンのブロック(『シアターアーツ』1995年ねん2号ごう、晩成ばんせい書房しょぼう)

日本にっぽんでの上演じょうえん

• 2005年ねん6月がつ22日にち〜30日にちにかけて新しん国立こくりつ劇場げきじょうでミュラー演出えんしゅつ、ブレヒト原作げんさく、マルティン・ブトケを主演しゅえんとしたベルリナー・アンサンブルの「アルトゥロ・ウィの興隆こうりゅう」が上演じょうえんされた。

関連かんれん項目こうもく

• ハイナー・ゲッベルス：1952年ねん生うまれの作曲さっきょく家か、演出えんしゅつ家か。ミュラーの演劇えんげき作品さくひんで音楽おんがくを担当たんとうしてきた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『ユリイカ』1996年ねん5月がつ号ごう 特集とくしゅうハイナー・ミュラー（青土おうづち社しゃ）
• ハイナー・ミュラーと世界せかい演劇えんげき（西堂せいどう行人こうじん著しる、論ろん創そう社しゃ、1999年ねん）
• ハイナー・ミュラー・マシーン（谷川たにがわ道子みちこ著しる、未來社みらいしゃ、2000年ねん）
• 錬ね肉にく工房こうぼうハムレットマシーン全ぜん記録きろく（岡本おかもと章あきら著しる、論ろん創そう社しゃ、2003年ねん）

外部がいぶリンク

• The International Heiner Müller Society (in German)
• Conversations between Heiner Müller and Alexander Kluge (in German with English subtitles)
• The Henschel Schauspiel site for Heiner Müller's work
• A site with some decent translations of Müller's works