ハサミを持もって突つっ走ぱしる

『ハサミを持もって突つっ走ぱしる』（Running with Scissors）は、オーガステン・バロウズの自伝じでん的てき小説しょうせつ、及およびそれを原作げんさくとしたアメリカ映画えいが。

アメリカでは2002年ねんに発売はつばい。日本にっぽんでは2004年ねん12月にバジリコより発売はつばい。翻訳ほんやくは青野あおの聰さとし。

あらすじ

マサチューセッツ州しゅうノーサンプトン。オーガステン少年しょうねんは、両親りょうしんが別居べっきょし、母親ははおやの掛かかりつけ精神せいしん科か医いフィンチ博士はかせへ引ひき取とられる。 フィンチ家かは荒廃こうはいしたビクトリア朝あさの建物たてもので、博士はかせは妻つまと娘むすめ二に人にん、および養子ようしたち、そして一部いちぶの患者かんじゃと生活せいかつを共ともにしており、ルールは事実じじつ上じょう存在そんざいせず、あらゆる年齢ねんれいの子供こどもたちは、セックスをしたり、タバコや大麻たいまを吸すったり、権威けんい者しゃに反抗はんこうしたりするなど好すき勝手かって。フィンチの方針ほうしんは「13歳さいで子供こどもたちは自分じぶんの人生じんせいを自分じぶんで管理かんりすべきだ」との考かんがえである。

母親ははおやに振ふり回まわされるオーガステンだったが、やがてナタリーと生活せいかつするようになる。酷ひどい生活せいかつだったにもかかわらず、いまだにフィンチの家族かぞくと母親ははおやを自分じぶんの家族かぞくだと考かんがえており、「家族かぞくとは何なにか。フィンチ家かの一員いちいんだったか。母親ははおやの息子むすこだったのか。」との自問じもんに「結局けっきょく、私わたしはどちらでもないと決きめました。」との答こたえを見出みいだす。

登場とうじょう人物じんぶつ

バロウズ家か

オーガステン・バロウズ

主人公しゅじんこう、ディアドレとノーマンの息子むすこ。13歳さいの時ときに精神せいしん科か医いフィンチ一家いっかへ預あづけられる。

ディアドレ・バローズ

オーガステンの母はは。精神せいしん的てき不安定ふあんていな詩人しじんでバイセクシュアル。

ノーマン・バローズ

オーガステンの父ちち。アルコール依存いぞん症しょう。

フィンチ家か

フィンチ博士はかせ

ディアドレを診みる精神せいしん科か医い。彼女かのじょの息子むすこオーガステンを養子ようしにする。

アグネス・フィンチ

フィンチ博士はかせの妻つま。

ホープ・フィンチ

フィンチ家かの長女ちょうじょ。フィンチ博士はかせのオフィスの受付うけつけ係がかり。

ナタリー・フィンチ

フィンチ家かの末すえ娘むすめ。オーガステンの1歳さい年上としうえ。

ニール・ブックマン

フィンチ博士はかせの養子ようし。33歳さいのニールは、まだ13歳さいだったオーガステンと性的せいてき関係かんけいを持もつ。

その他た

フェーン・スチュワート

ディアドレ・バロウズの最初さいしょの女性じょせいの恋人こいびと。彼女かのじょは子供こどもを持もつ牧師ぼくしの妻つまであり、ディアドレとの関係かんけいを秘密ひみつにしている。

ドロシー

10代のアフリカ系けいアメリカ人じん女性じょせい。フィンチ博士はかせの元もと患者かんじゃで、ディアドレの2人ふたり目めの女性じょせい恋人こいびととなる。

マイケル・シェファード

スザンヌ

ジョアン

映画えいが

ハサミを持もって突つっ走ぱしる
Running with Scissors
監督かんとく	ライアン・マーフィー
脚本きゃくほん	ライアン・マーフィー
原作げんさく	オーガステン・バロウズ
製作せいさく	デデ・ガードナー ブラッド・グレイ ライアン・マーフィー ブラッド・ピット
製作せいさく総そう指揮しき	スティーヴン・サミュエルズ
出演しゅつえん者しゃ	アネット・ベニング ジョセフ・クロス
音楽おんがく	ジェームズ・S・レヴィン
撮影さつえい	クリストファー・バッファ
編集へんしゅう	バイロン・スミス
製作せいさく会社かいしゃ	プランBエンターテインメント
配給はいきゅう	トライスター ピクチャーズ
公開こうかい	2006年ねん10月がつ27日にち
上映じょうえい時間じかん	116分ふん
製作せいさく国こく	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$7,460,797

アメリカでは2006年ねん10月がつ27日にちに公開こうかい。日本にっぽんでは劇場げきじょう公開こうかいされず、2007年ねん11月にDVDの販売はんばい・レンタルが開始かいしした。

キャスト

役名やくめい	俳優はいゆう	日本語にほんご吹替
オーガステン・バロウズ	ジョセフ・クロス	日野ひの聡さとし
ディアドラ・バロウズ	アネット・ベニング	小山こやま茉美まみ
ノーマン・バロウズ	アレック・ボールドウィン	佐々木ささき勝彦かつひこ
ドクター・フィンチ	ブライアン・コックス	小島こじま敏彦としひこ
ホープ・フィンチ	グウィネス・パルトロー	林はやし真里まり花はな
ニール・ブックマン	ジョセフ・ファインズ	桐本きりもと琢也たくや
ナタリー・フィンチ	エヴァン・レイチェル・ウッド	園えん崎さき未み恵めぐみ
アグネス・フィンチ	ジル・クレイバーグ	藤生とうにゅう聖子せいこ
ドロシー	ガブリエル・ユニオン
マイケル・シェファード	パトリック・ウィルソン
フェーン・スチュワート	クリスティン・チェノウェス
スザンヌ	ダグマーラ・ドミンスク
ジョアン	コリーン・キャンプ
その他た		引田ひきた有美ゆみ 西にし宏子ひろこ 根本ねもと圭子けいこ 風ふう村むら綾乃あやの 丸山まるやま壮たけし央ひさし 鈴木すずき貴たか征せい

スタッフ

• 監督かんとく：ライアン・マーフィー
• 製作せいさく：デデ・ガードナー、ブラッド・グレイ、ライアン・マーフィー、ブラッド・ピット
• 製作せいさく総そう指揮しき：スティーヴン・サミュエルズ
• 脚本きゃくほん：ライアン・マーフィー
• 撮影さつえい：クリストファー・バッファ
• 音楽おんがく：ジェームズ・S・レヴィン

訴訟そしょう

2005年ねん、マサチューセッツ州しゅうのロドルフ・H・ターコット博士はかせ(1919年ねん-2000年ねん)の家族かぞくは、バローズと彼かれの出版しゅっぱん社しゃに対たいして、人格じんかくの名誉めいよ毀損きそんとプライバシーの侵害しんがいを主張しゅちょうして訴訟そしょうを起おこした。彼かれらが本ほんの中なかで描えがかれているフィンチ家かの元もととなったが、バローズは彼かれらの活動かつどうに関かんする様々さまざまな記述きじゅつを捏造ねつぞうまたは誇張こちょうしたとし、又またそれは回顧かいこ録ろくとして販売はんばいされており事実じじつであるかのように宣伝せんでんされているが、そうでは無ないと述のべている。

バローズと彼かれの出版しゅっぱん社しゃであるセント・マーティンズ・プレスは2007年ねん8月がつにターコット家かと和解わかいした。ターコット夫妻ふさいは、プライバシーの侵害しんがい、名誉めいよ毀損きそん、精神せいしん的てき苦痛くつうに対たいして200万まんドルの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめていたと伝つたえられている。バローズは「完全かんぜんに正確せいかく」と自己じこ擁護ようごしたが、重版じゅうはんの著者ちょしゃ謝辞しゃじページを変更へんこうして、この作品さくひんを「回顧かいこ録ろく」ではなく「本ほん」と呼よび、ターコット家かについて記述きじゅつされ矛盾むじゅんした記憶きおくを認識にんしきし、ターコット家かへの「意図いとしない害がい」であったと遺憾いかんの意いを表明ひょうめいした。この本ほんに記しるされている出来事できごとについての彼かれらの記憶きおくは,わたし自身じしんの記憶きおくとは異ことなると認識にんしきしています。彼かれらはそれぞれ立派りっぱで、まともで、勤勉きんべんな人々ひとびとです。この本ほんは家族かぞくを傷きずつけることを意図いとしたものではありませんでした。出版しゅっぱん社しゃも私わたしも、『ランニング・ウィズ・シザーズ』の出版しゅっぱんとマーケティングによる意図いとしない損害そんがいを遺憾いかんに思おもっています。

しかし、彼かれ個人こじんの公式こうしきサイトでは、「本ほん」という言葉ことばが「回顧かいこ録ろく」という言葉ことばに取とって代かわったままで、表紙ひょうし・タイトルページ・その他たの場所ばしょに回顧かいこ録ろくとして記述きじゅつされていることに家族かぞくは怒おこっています。

ちなみに映画えいが化かに際さいしても、公開こうかい前まえの2006年ねん10月がつにソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントとターコット家かは和解わかいしている。

外部がいぶリンク

• 出版しゅっぱん社しゃバジリコによる紹介しょうかいページ （日本語にほんご）
• ソニー・ピクチャーズによる紹介しょうかいページ （日本語にほんご）
• 公式こうしきウェブサイト（英語えいご）
• ハサミを持もって突つっ走ぱしる - allcinema
• Running with Scissors - オールムービー（英語えいご）
• Running with Scissors - IMDb（英語えいご）