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ハナメイワシ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハナメイワシ
Searsia koefoedi
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
つな : しんひれつな Neopterygii
上目うわめ : はらとげひれ上目うわめ Protacanthopterygii
: ニギス Argentiniformes
: セキトリイワシ Alepocephaloidei
: ハナメイワシ Platytroctidae
英名えいめい
Tubeshoulders
下位かい分類ぶんるい
本文ほんぶん参照さんしょう

ハナメイワシ学名がくめいPlatytroctidae[注釈ちゅうしゃく 1])は、ニギス所属しょぞくする魚類ぎょるい分類ぶんるいぐんひとつ。中層ちゅうそう遊泳ゆうえいせい深海魚しんかいぎょのみで構成こうせいされるグループで、ハナメイワシなど13ぞく37しゅ記載きさいされる[2]

分布ぶんぷ生態せいたい

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ハナメイワシ魚類ぎょるいはすべて海水かいすいぎょで、地中海ちちゅうかいのぞぜん世界せかい深海しんかい幅広はばひろ分布ぶんぷする[2]海底かいていからはなれた中層ちゅうそうただよ遊泳ゆうえいせい深海魚しんかいぎょ一群いちぐんであり、水深すいしん300~1,000mの範囲はんい生息せいそくする種類しゅるいおお[2]

おおくのなか深層しんそう遊泳ゆうえいせい深海魚しんかいぎょ同様どうよう生物せいぶつ発光はっこうおこなうが、ハナメイワシるい発光はっこうえき体外たいがい分泌ぶんぴつすることが可能かのうとなっている[3]えらぶた(えらぶた)の直下ちょっかから分泌ぶんぴつされる発光はっこうえきあお緑色みどりいろかがやきながら周辺しゅうへんひろがり、外敵がいてきをくらませる防御ぼうぎょ効果こうか発揮はっきするとかんがえられている[4]深海しんかいせい甲殻こうかくるいカイアシるいエビなど)には発光はっこうえき放出ほうしゅつする種類しゅるいおおいが、魚類ぎょるいでのれいすくなく、本科ほんか魚類ぎょるい特徴とくちょうづける重要じゅうよう形質けいしつとらえられている[3][4]

おなじニギス所属しょぞくするデメニギス魚類ぎょるいは、発光はっこうバクテリア利用りようした共生きょうせい発光はっこうおこな[5]一方いっぽう、ハナメイワシるい場合ばあいみずか発光はっこう酵素こうそルシフェラーゼ)を生産せいさんする自力じりき発光はっこうであり、分泌ぶんぴつえき成分せいぶん自身じしん発光はっこう細胞さいぼうからなる[6]

形態けいたい

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ハナメイワシ魚類ぎょるいはやや細長ほそなが体型たいけいをもち、最大さいだい全長ぜんちょう30cm程度ていど成長せいちょうする[2]からだしょく一様いちよう黒色こくしょく[7]外見がいけんじょう特徴とくちょうきんえんセキトリイワシ類似るいじする。ぶくろをもたず、側線そくせんけい発達はったつしている[2]

かたたいした位置いちする黒色こくしょくふくろじょう構造こうぞう本科ほんか魚類ぎょるい最大さいだい特徴とくちょうである[2]。このふくろあお緑色みどりいろ発光はっこうえきたされており、側線そくせんのすぐまえから後方こうほうかってた、乳頭にゅうとうじょう放出ほうしゅつあなから分泌ぶんぴつされる[2][7]分泌ぶんぴつされるもの以外いがいにも、おおくの種類しゅるいからだひょう複雑ふくざつ発光はっこうをもち、稚魚ちぎょあるいはわかさかなでは水平すいへいに、成魚せいぎょでは腹部ふくぶかって配列はいれつする[2]

むねひれおよびはらひれはそれぞれ14-28ほん、6-10ほんの軟条で構成こうせいされる[2]。コノハイワシ Platytroctes apus のみはらひれ[2]えらじょうこつは4-8ほん椎骨ついこつは40-52[2]

分類ぶんるい

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ハナメイワシにはNelson(2006)の体系たいけいにおいて13ぞく37しゅみとめられている[2]本稿ほんこうでは、FishBaseに記載きさいされる13ぞく39しゅについてリストする[8]

  • カンタイハナメイワシぞく Holtbyrnia
    • カンタイハナメイワシ Holtbyrnia innesi
    • Holtbyrnia anomala
    • Holtbyrnia conocephala
    • Holtbyrnia cyanocephala[注釈ちゅうしゃく 2]
    • Holtbyrnia intermedia
    • Holtbyrnia laticauda
    • Holtbyrnia latifrons
    • Holtbyrnia macrops
    • Holtbyrnia ophiocephala
コノハイワシ Platytroctes apus (コノハイワシぞく)。体高たいこうたかのような体型たいけい特徴とくちょうで、ほんたねのみはらひれく。インド洋いんどよう大西洋たいせいよう分布ぶんぷする種類しゅるいであり、水深すいしん5,393mからの報告ほうこくがある[8]
ネッタイハナメイワシぞくの1しゅMentodus rostratus)。本属ほんぞく仲間なかま熱帯ねったい亜熱帯あねったい深海しんかい分布ぶんぷ中心ちゅうしんとなっている
  • コノハイワシぞく Platytroctes
    • コノハイワシ Platytroctes apus
    • Platytroctes mirus
  • ネッタイハナメイワシぞく MentodusTragularius[8]
    • ネッタイハナメイワシ Mentodus facilis
    • Mentodus bythios
    • Mentodus crassus
    • Mentodus eubranchus
    • Mentodus longirostris
    • Mentodus mesalirus
    • Mentodus perforatus
    • Mentodus rostratus
  • ハナメイワシぞく Sagamichthys
    • ハナメイワシ Sagamichthys abei
    • Sagamichthys gracilis
    • クロハナメイワシ Sagamichthys schnakenbecki
  • マウルイワシぞく Maulisia
  • Barbentus ぞく
    • Barbentus curvifrons
    • Barbentus elongatus
  • Matsuichthys ぞく
    • Matsuichthys aequipinnis
  • Mirorictus ぞく
    • Mirorictus taningi
  • Normichthys ぞく
    • Normichthys herringi
    • Normichthys operosus
    • Normichthys yahganorum
  • Pectinantus ぞく
    • Pectinantus parini
  • Persparsia ぞく
    • Persparsia kopua
  • Searsia ぞく
    • Searsia koefoedi
  • Searsioides ぞく
    • Searsioides calvala
    • Searsioides multispinus

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ かつては Searsiidae と表記ひょうきされた[1]
  2. ^ Paraholtbyrnia cyanocephalaほんしゅシノニムである(FishBase)。

出典しゅってん

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  1. ^ うみ動物どうぶつ百科ひゃっか2 魚類ぎょるいI』 pp.50-51
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 『Fishes of the World Fourth Edition』 p.193
  3. ^ a b 深海しんかい生物せいぶつがく』 pp.293-297
  4. ^ a b 深海しんかい生物せいぶつ図鑑ずかん』 pp.52-53
  5. ^ 『Fishes of the World Fourth Edition』 p.191
  6. ^ うみ動物どうぶつ百科ひゃっか2 魚類ぎょるいI』 pp.50-51
  7. ^ a b 『Deep-Sea Fishes』 pp.57-58
  8. ^ a b c Platytroctidae”. FishBase. 2010ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  9. ^ a b 日本にっぽんさん魚類ぎょるい追加ついかしゅリスト”. 日本にっぽん魚類ぎょるい学会がっかい. 2010ねん8がつ14にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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