出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファイナライズ (Finalize) とは、あるフォーマット内 ない での情報 じょうほう を完成 かんせい させる(読 よ み取 と り可能 かのう なフォーマットとしての未完成 みかんせい な部分 ぶぶん を完結 かんけつ させる)処置 しょち である。
CD やDVD など、追記 ついき 型 がた メディア(Write Once Read Many 、WORM)のことを考慮 こうりょ せずに当初 とうしょ のROM方式 ほうしき のメディアの規格 きかく を標準 ひょうじゅん 化 か してしまったため、後発 こうはつ の追記 ついき 型 がた メディアの記録 きろく フォーマットにおいて、「追記 ついき 中 ちゅう はROM方式 ほうしき のメディアのフォーマットと互換 ごかん 性 せい が無 な い」「互換 ごかん をとるには一旦 いったん 追記 ついき を止 と め、完成 かんせい させる(ファイナライズする)作業 さぎょう が必要 ひつよう である」という方式 ほうしき になってしまったものがあり、そういった方式 ほうしき において「読 よ み込 こ みできるディスクとして完成 かんせい させる」作業 さぎょう を指 さ す。
以下 いか はその背景 はいけい などの解説 かいせつ である。
CDやDVDは、元来 がんらい 読 よ み取 と り専用 せんよう メディア(最初 さいしょ から情報 じょうほう が記録 きろく されていて変更 へんこう ができない音楽 おんがく CD や映画 えいが の入 はい ったDVD がその例 れい )として開発 かいはつ されたものであり、CD-RやDVD-Rなどの記録 きろく 型 がた メディアは後 ご から追加 ついか で設定 せってい されたもので、厳密 げんみつ に言 い えば読 よ み取 と り専用 せんよう メディアと記録 きろく 型 がた メディアは全 まった く異 こと なる規格 きかく である。
CD/DVDレコーダーに使用 しよう されるCD/DVDドライブ は記録 きろく 機能 きのう を有 ゆう しており、追記 ついき ・書 か き換 か え型 がた ディスク上 じょう の未 み 記録 きろく 領域 りょういき を含 ふく む任意 にんい の箇所 かしょ にアクセス可能 かのう である。これに対 たい してCD/DVDプレーヤー(再生 さいせい 専用 せんよう 機 き )に使用 しよう されるCD/DVDドライブは再生 さいせい 専 せん 用品 ようひん であり、追記 ついき ・書 か き換 か え型 がた ディスク上 じょう の未 み 記録 きろく 領域 りょういき にはアクセス出来 でき ない。記録 きろく 途中 とちゅう のこれらのディスクには、データの範囲 はんい や配置 はいち 状態 じょうたい に関 かん する情報 じょうほう が未完成 みかんせい であるばかりでなく、未 み 記録 きろく の領域 りょういき が残存 ざんそん している。
CD/DVDプレーヤー用 よう のドライブは、ディスクの全面 ぜんめん にわたって何 なん らかのデータが物理 ぶつり 的 てき に連続 れんぞく して記録 きろく されていると共 とも に、ディスク上 じょう のデータの範囲 はんい や配置 はいち 状態 じょうたい に関 かん する論理 ろんり 的 てき な情報 じょうほう が完結 かんけつ している、読 よ み取 と り専用 せんよう メディア(いわゆるROMタイプのディスク)を前提 ぜんてい に設計 せっけい されている。このため記録 きろく 途中 とちゅう の追記 ついき ・書 か き換 か え型 がた ディスクをCD/DVDプレーヤーで再生 さいせい することはできない。
この問題 もんだい を解決 かいけつ する為 ため の処理 しょり がファイナライズ であり、ファイナライズを実施 じっし することで、例 たと えば、CD-RはCD-ROM、DVD-RはDVD-ROMのようにそれぞれのメディアにおいて記録 きろく 用 よう メディアと読 よ み取 と り専用 せんよう メディアの内部 ないぶ 構造 こうぞう が物理 ぶつり 的 てき ・論理 ろんり 的 てき に近 ちか いものとなるので、記録 きろく した機器 きき だけではなく他 ほか の再生 さいせい 用 よう 機器 きき (DVDプレーヤー など)でも再生 さいせい が可能 かのう になる(再生 さいせい 互換 ごかん が高 たか まる)。
また、ファイナライズではデータの範囲 はんい や記録 きろく 状態 じょうたい に関 かん する情報 じょうほう を完成 かんせい させるだけではなく、何 なん らかの情報 じょうほう (ダミーデータであっても良 よ い)を記録 きろく することで未 み 記録 きろく 領域 りょういき をなくす処理 しょり も行 おこな われる。
家電 かでん 製品 せいひん でのファイナライズ[ 編集 へんしゅう ]
例 たと えば、そのメディアを録画 ろくが ・録音 ろくおん した機器 きき では再生 さいせい が可能 かのう であるが、同 どう メディアの再生 さいせい をほかの機器 きき で試 こころ みる際 さい に、ディスクエラーなどが出 で る場合 ばあい がある。これは該当 がいとう メディアの録画 ろくが ・録音 ろくおん に利用 りよう した機器 きき では録画 ろくが ・録音 ろくおん した場所 ばしょ が認識 にんしき できるが、そのメディアに録画 ろくが ・録音 ろくおん していない機器 きき では「データがどこにあるか分 わ からない(検出 けんしゅつ できない)」ために起 お こる現象 げんしょう であり、ファイナライズを行 おこな って解決 かいけつ する必要 ひつよう がある。すなわち、DVDレコーダー などで録画 ろくが したDVD-RやCD-Rなどの記録 きろく メディア を、ほかのDVDプレーヤー などでも再生 さいせい 可能 かのう にするためには、ファイナライズを行 おこな わなければならない。
DVDレコーダー では録画 ろくが 終了 しゅうりょう 時 じ に、「ファイナライズしますか?」などの確認 かくにん メッセージ表示 ひょうじ がないため、気付 きづ かずに録画 ろくが 工程 こうてい を終 お えてしまう人 ひと も存在 そんざい する。結果 けっか 、利用 りよう 者 しゃ が録画 ろくが したメディアが他 た の機器 きき では再生 さいせい ・読 よ み込 こ みが出来 でき ない原因 げんいん となっている。
DVD-Rのような追記 ついき 型 がた ディスクでは、一度 いちど ファイナライズしたディスクはファイナライズ前 まえ の状態 じょうたい には戻 もど せないが、DVD-RWのような書 か き換 か え型 がた ディスクではファイナライズ解除 かいじょ と呼 よ ばれる処理 しょり によりファイナライズ前 まえ の状態 じょうたい に戻 もど すことが出来 でき る。最近 さいきん はパソコンでのCD作成 さくせい もあるがこの場合 ばあい ファイナライズは書 か き込 こ み後 ご 自動的 じどうてき にされるため追記 ついき は不可能 ふかのう
メディア・フォーマットによる差異 さい [ 編集 へんしゅう ]
音楽 おんがく CD形式 けいしき (CD-R/RW) - パソコン用 よう のライティングソフト や、音響 おんきょう 機器 きき のCDレコーダーでは未 み ファイナライズの音楽 おんがく CDが作成 さくせい できる場合 ばあい があるが、他 た の機器 きき で再生 さいせい するにはファイナライズが必要 ひつよう である。
DVD-RAM - ファイナライズの概念 がいねん がない。誤 あやま 削除 さくじょ 防止 ぼうし のためカートリッジ入 い りメディアの場合 ばあい はカートリッジに書 か き込 こ み禁止 きんし 状態 じょうたい にするスイッチが付 つ いている。現在 げんざい 主流 しゅりゅう のカートリッジなしメディアでも、DVDレコーダーによっては消去 しょうきょ 防止 ぼうし のプロテクトを設定 せってい することができる。
Blu-ray Disc (BD-R/RE) - DVD-RAM同様 どうよう ファイナライズの概念 がいねん がない。プレイステーション3 など再生 さいせい 専用 せんよう 機器 きき でも未 み 使用 しよう 領域 りょういき があるメディアを再生 さいせい 可能 かのう である。BDレコーダー によっては消去 しょうきょ 防止 ぼうし のためのプロテクト処理 しょり (解除 かいじょ 可能 かのう )やクローズ処理 しょり (BD-Rのみ)を施 ほどこ すことができる。ただしBD-Rをクローズ処理 しょり をした場合 ばあい ムーブバック(BD-RからBDレコーダーへ書 か き戻 もど し)はできない。(コピーフリー番組 ばんぐみ はダビング可能 かのう )
HD DVD-R - 東芝 とうしば RD-A301 の取扱 とりあつかい 説明 せつめい 書 しょ によれば、他 た 機器 きき で再生 さいせい するためにはファイナライズが必要 ひつよう 。