フェラーリ・400

フェラーリ・400
365GT4・2+2
400GT
概要がいよう
製造せいぞう国こく	イタリア
販売はんばい期間きかん	1972年ねん - 1989年ねん
デザイン	ピニンファリーナ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん	4名めい
ボディタイプ	2ドア クーペ
駆動くどう方式ほうしき	FR
パワートレイン
エンジン	V12 DOHC 4,390cc 340PS/6,800rpm 43.0kgm/4,600rpm（365GT4・2+2） V12 DOHC 4,823cc 340hp/6,500rpm（400） V12 DOHC 4,823cc 310PS/6,400rpm 40.0kgm/4,200rpm（400i） V12 DOHC 4,943cc 340PS/6,000rpm 46kgm/4,200rpm（412）
変速へんそく機き	5速そくMT（365GT4・2+2） 5速そくMTまたは3速そくAT（400、400i、412）
前まえ	前まえ・後こうとも 独立どくりつ ダブルウィッシュボーン コイル
後のち	前まえ・後こうとも 独立どくりつ ダブルウィッシュボーン コイル
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース	2,700mm
全長ぜんちょう	4,810mm
全幅ぜんぷく	1,800mm
全ぜん高こう	1,315mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう	1,700kg
その他た
ブレーキシステム	前まえ・後こう共とも ディスク式しき
最さい高速こうそく	250km/h（365GT4・2+2） 245km/h（400） 240km/h（400i） 255km/h（412）
系譜けいふ
先代せんだい	365GTC/4
後継こうけい	456

フェラーリ・365GT4・2+2、フェラーリ・400、フェラーリ・412はいずれも、イタリアのスポーツカーメーカー・フェラーリが生産せいさんした2+2座席ざせきグランツーリスモ。基本きほん的てきに同おなじボディ・シャシ設計せっけいで1972年ねんから1989年ねんまで生産せいさんされた。

365GT4・2+2

365GTB/4（デイトナ）のシャシを用もちいて作つくられた2+2バージョンは1971年ねんに登場とうじょうした365GTC/4になるはずであったが、そのスタイリングは不評ふひょうで、デイトナの影かげに隠かくれた存在そんざいになってしまい、わずか2年間ねんかんに500台だいが生産せいさんされたに過すぎなかった。そこで365GTC/4に代かわる2+2モデルとして開発かいはつされたのが365GT/4・2+2で、フェラーリの中なかでは実用じつよう性せいの高たかい豪華ごうかなGTカーとしての役割やくわりを担になう存在そんざいである。

デザインは365GTC/4と同おなじく、フェラーリの慣例かんれい通どおりピニンファリーナが担当たんとうした。ファストバックだった365GTC/4とは対照たいしょう的てきな、一見いっけん2ドアセダンのようなスタイルであったが、クリーンでエレガントなプロポーションを持もち、結果けっか的てきに非常ひじょうに長ながい商品しょうひん寿命じゅみょうを保たもつことになった。

エンジンはデイトナと同おなじフェラーリ伝統でんとうの60度どV型がた12気筒きとうで、デイトナが365BBにバトンタッチしてからはフェラーリ唯一ゆいいつのV12フロントエンジン搭載とうさい車しゃとなった。V型がた12気筒きとう・4カムシャフト・6基きのウェーバー製せいキャブレターによって、最高さいこう出力しゅつりょくは340PS（デイトナは352PS）であった。

400GT/400オートマチック

1976年ねんモデルより排気はいき量りょうが4,823ccに拡大かくだいされ、1気筒きとう当あたり排気はいき量りょうが400ccとなったので400に名称めいしょう変更へんこうされた。365GT4・2+2との外観がいかん上じょうの大おおきな違ちがいはテールランプが従来じゅうらいの6灯とうからやや大だい径みちで308と共通きょうつうのイメージがある4灯とうになった点てんである。また、フェラーリとしては初はじめて3速そくAT、ゼネラルモーターズ製せいターボ・ハイドラマティック400（TH400、THM400等とうと略りゃくされることが多おおい）が選択せんたく可能かのうとなり、販売はんばい台数だいすうの上じょうでもAT仕様しようが多数たすう派はとなった。このATはGMに限かぎらず同どう時期じきの大だい出力しゅつりょく車しゃでは多おおく採用さいようされたものである。日本にっぽんにはオートマチック仕様しようのみ輸入ゆにゅうされた。

400i

1979年ねん秋あきにボッシュKジェトロニック型がたインジェクションが装着そうちゃくされた400iに発展はってんした。オートマチックトランスミッションとの相性あいしょうが改善かいぜんされ、実用じつよう域いきでの扱あつかいやすさが改善かいぜんし、排気はいきガスもよりクリーンになったが、最高さいこう出力しゅつりょくが310PSに低下ていかした。日本にっぽんにはオートマチック仕様しようのみ輸入ゆにゅうされた。

412

1985年ねんモデルではエンジンが再度さいど、512BBと同おなじ　内径ないけいφふぁい82mm×行程こうてい78mmの4,943ccまで拡大かくだいされ、名称めいしょうは1気筒きとう当あたりの排気はいき量りょうの増大ぞうだいに合あわせて412に変更へんこうされた。この排気はいき量りょう拡大かくだいに伴ともない最高さいこう出力しゅつりょくは400GTと同おなじ340PSに回復かいふくした。またトランクスペースを嵩上かさあげするため若干じゃっかんながらボディ後ご端はしがハイデッキ化かされた。内装ないそうの意匠いしょうも400iから若干じゃっかん変更へんこうされており、より近代きんだい的てきな印象いんしょうを受うける。また、ボッシュ製せいのABSが、フェラーリで初はじめて装備そうびされた。日本にっぽんにはオートマチック仕様しようのみ輸入ゆにゅうされた。

1989年ねんに生産せいさんは終了しゅうりょうし1990年ねん以降いこうのカタログから消きえたが、1992年ねんに登場とうじょうした全まったく新あたらしい設計せっけいの456GTがその需要じゅよう層そうを継承けいしょうした。基本きほん的てきに同おなじ設計せっけいで18年間ねんかんも生いき永ながらえたのは、エレガントなスタイリング、全面ぜんめん上質じょうしつなレザー張ばりの豪華ごうかなインテリア、そしてデイトナの生産せいさん終了しゅうりょう後ごフェラーリ唯一ゆいいつとなったV型がた12気筒きとうエンジンの魅力みりょくによるものであった。

特注とくちゅう/ワンオフモデル

4ドアモデル

アメリカの複数ふくすうのコーチビルダーが4ドアモデルを製作せいさくした。

メーラS

サウジアラビアの王子おうじの注文ちゅうもんを受うけて、1982年ねんに400iを元もとにミケロッティで製作せいさくされた特注とくちゅうモデル。当時とうじ同社どうしゃに在籍ざいせきしていた日本人にっぽんじんチーフデザイナーの内田うちだ盾たて男おとこが内うち外装がいそうをデザインした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 名車めいしゃ館かん1972年ねんフェラーリ365GT/4・2+2
• 名車めいしゃ館かん1976年ねんフェラーリ400
• 名車めいしゃ館かん1985年ねんフェラーリ412
• 『外国がいこく車しゃガイドブック'76』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ
• 『外国がいこく車しゃガイドブック'77』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ
• 『外国がいこく車しゃガイドブック1978』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ
• 『外国がいこく車しゃガイドブック1981』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ
• 『外国がいこく車しゃガイドブック1982』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ
• 『外国がいこく車しゃガイドブック1986』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ