フランツ・ヨーゼフ・ユング

フランツ・ヨーゼフ・ユング

フランツ・ヨーゼフ・ユング（Franz Josef Jung, 1949年ねん3月5日にち - ）は、ドイツの政治せいじ家か。所属しょぞくはドイツキリスト教きりすときょう民主みんしゅ同盟どうめい（CDU）。2005年ねんからアンゲラ・メルケル内閣ないかくで国防こくぼう相しょうを務つとめた。2009年ねんに労働ろうどう・社会しゃかい相しょうに転てんじたが、直後ちょくごに国防こくぼう相しょう時代じだいの不祥事ふしょうじの責任せきにんを取とり辞任じにんした。

経歴けいれき

ヘッセン州しゅうエルトヴィレ・アム・ライン出身しゅっしん。実家じっかはワイン醸造じょうぞう所しょ。醸造じょうぞう所しょは兄あにのルートヴィッヒが継ついだ。1968年ねんにアビトゥーア合格ごうかく。兵役へいえきののち1970年ねんにマインツ大学だいがくに入学にゅうがくし、法学ほうがくを学まなぶ。在学ざいがく中ちゅうにドイツキリスト教きりすときょう民主みんしゅ同盟どうめい（CDU）の下部かぶ組織そしき「ユンゲ・ウニオン」（JU）に加入かにゅう。1972年ねんに23歳さいでラインガウ・タウヌス郡ぐん（Kreis）の郡ぐん議会ぎかい議員ぎいんに初はつ当選とうせん。翌年よくねんから1983年ねんまで、JUの連邦れんぽう代表だいひょう委員いいん。1974年ねんに司法しほう修習しゅうしゅう生せい、1976年ねんに国家こっか司法しほう試験しけんに合格ごうかく。1978年ねん、「ライン・マイン・タウヌス郡ぐんを例れいとした、ヘッセンにおける地域ちいき開発かいはつ計画けいかく」と題だいした論文ろんぶんで法学ほうがく博士はかせ号ごう取得しゅとく。エルトヴィレで公証こうしょう人じんと弁護士べんごし業ごうを営いとなむ。1981年ねんから83年ねんまで、JU連邦れんぽう副ふく代表だいひょう。家族かぞくは夫人ふじんと三さん児じ。

1983年ねん、ヘッセン州しゅう州しゅう議会ぎかい議員ぎいんに初はつ当選とうせん。1987年ねんからCDUの州しゅう議会ぎかい議員ぎいん団だん事務じむ局長きょくちょう（1999年ねんまで）。同年どうねん、ヘッセン州しゅうのCDU事務じむ局長きょくちょう（1998年ねんまで）。1998年ねん、ヘッセン州しゅう党とう副ふく代表だいひょう。同年どうねんから党とう連邦れんぽう代表だいひょう委員いいん。1999年ねん4月がつにヘッセン州しゅう首相しゅしょうにローラント・コッホが就任しゅうにんすると、コッホは信頼しんらいするユングを州しゅうの連邦れんぽう・ヨーロッパ案件あんけん担当たんとう大臣だいじんに任命にんめい。しかし2000年ねんにCDUの不正ふせい献金けんきん疑惑ぎわくが浮上ふじょうすると、1980年代ねんだいにヘッセン州しゅうの事務じむ局長きょくちょうとして党とう財政ざいせいや選挙せんきょ戦せんを指導しどうし、不明朗ふめいろうな資金しきんで州しゅうの党とう本部ほんぶを新築しんちくしたユングの責任せきにんが問とわれ、コッホをかばう格好かっこうで9月がつ7日にちに辞任じにんに追おい込こまれる。2003年ねん、CDU州しゅう議会ぎかい院内いんない総務そうむ。

国防こくぼう相しょう

フランスのミシェル・アリヨ＝マリー国防こくぼう大臣だいじんと（2006年ねん2月がつ4日にち）

2005年ねんのドイツ連邦れんぽう議会ぎかい選挙せんきょに出馬しゅつばし当選とうせん。この選挙せんきょでアンゲラ・メルケルを首班しゅはんとするCDUとドイツ社会しゃかい民主党みんしゅとう（SPD）の大だい連立れんりつ政権せいけんが成立せいりつすると、国防こくぼう相しょうポストを得えたCDUは、党とうの実力じつりょく者しゃコッホの腹心ふくしんであるユングを指名しめいした。11月22日にち、ユングは国防こくぼう大臣だいじんに就任しゅうにん。国防こくぼう相しょうとしてのユングの事績じせきを以下いかに記しるす。

• 海外かいがい派遣はけん任務にんむで死亡しぼうしたドイツ連邦れんぽう軍ぐん兵士へいしや文民ぶんみんの顕彰けんしょう碑ひ建設けんせつを提案ていあん。2007年ねん6月がつ13日にちに発表はっぴょうされた計画けいかくでは、顕彰けんしょう碑ひはベルリンの国防こくぼう省内しょうないに建設けんせつされ、8ｘ40メートルのホールになる予定よてい。
• 2006年ねんの2006 FIFAワールドカップ・ドイツ大会たいかいの際さい、フーリガンやテロ対策たいさくのため競技きょうぎ場じょうに私服しふくを着きた兵士へいしの配置はいちを提案ていあん。しかし連邦れんぽう軍ぐん兵士へいしは勤務きんむ中ちゅうは制服せいふくを着きることが法的ほうてきに定さだめられており、この計画けいかくは見送みおくられた。
• 2006年ねん7月がつ、ハイジャックされた旅客機りょかくきの空軍くうぐんによる撃墜げきついを連邦れんぽう憲法けんぽう裁判所さいばんしょが禁止きんしする判決はんけつを出だしたにもかかわらず、「非常ひじょう事態じたいの際さいには超ちょう法規ほうき的てき措置そちを取とることもある」と発言はつげんし、連立れんりつ与党よとうSPDからも批判ひはんを浴あびた。連邦れんぽう軍ぐんパイロット組合くみあいはユングの姿勢しせいを批判ひはんし、兵士へいしにはそのような命令めいれいが出でても遂行すいこうしないことを勧すすめている。
• 連邦れんぽう軍ぐん兵士へいしに同性愛どうせいあい者しゃが集あつまる店みせに近ちかづかないよう内規ないきを発令はつれい。彼かれは国防こくぼう相しょう就任しゅうにん以前いぜんにも、ドイツ国籍こくせきを持もつ同性愛どうせいあい者しゃの外国がいこく人じんパートナーに対たいしその関係かんけいを理由りゆうとした滞在たいざい許可きょかを与あたえることに反対はんたいする演説えんぜつをしている。
• 犠牲ぎせい者しゃが続出ぞくしゅつするNATOの要請ようせいに応おうじ、国際こくさい治安ちあん支援しえん部隊ぶたいに参加さんかするドイツ軍ぐんの活動かつどうを、偵察ていさつ機きに限かぎってアフガニスタン北部ほくぶ限定げんていから全域ぜんいきに拡大かくだいした。
• 2007年ねん、15年ねんぶりに国防こくぼう相しょうとして600人にんの兵士へいしたちと共ともにルルドに巡礼じゅんれいした。
• 2007年ねん6月がつのハイリゲンダム・サミットの際さい、警備けいびのため空軍くうぐんのトーネード戦闘せんとう機きを会場かいじょう周辺しゅうへんで警戒けいかい飛行ひこうさせた。この命令めいれいは、事故じこ災害さいがい時じにしか連邦れんぽう軍ぐんを国内こくないに出動しゅつどうさせてはならないとする連邦れんぽう基本きほん法ほう第だい35条じょうに抵触ていしょくするとして批判ひはんされた。この批判ひはんに対たいしユングは「官庁かんちょう間あいだの技術ぎじゅつ的てき支援しえんである」と説明せつめい。連立れんりつ与党よとうSPDもこれを批判ひはんして連立れんりつ解消かいしょうをちらつかせた。また戦闘せんとう機きは実際じっさいは騒音そうおん防止ぼうしの法令ほうれいで定さだめられた500フィートよりも低空ていくうを飛行ひこうしていたが、国防省こくぼうしょうが虚偽きょぎの答弁とうべんを行おこなったことも問題もんだいとなった。このサミットで連邦れんぽう軍ぐんはそのほかヘリコプター、装甲そうこう偵察ていさつ車しゃ、掃海そうかい艇てい、フリゲふりげート艦とかん、兵員へいいん1100名めい、6500人にん分ぶんの宿泊しゅくはく装備そうびを動員どういんし、警察けいさつを支援しえんしている。

労働ろうどう相しょう

2009年ねんドイツ連邦れんぽう議会ぎかい選挙せんきょ後のちに成立せいりつした第だい二に次じメルケル内ない閣かくでは、労働ろうどう・社会しゃかい相しょうに転てんじた。しかし就任しゅうにんからわずか一いちヶ月かげつ後ご、国防こくぼう相しょう当時とうじの2009年ねん9月がつにドイツ連邦れんぽう軍ぐんがアフガニスタンで引ひき起おこした誤爆ごばく事件じけんで連邦れんぽう議会ぎかいに虚偽きょぎの報告ほうこくをしていたことが明あかるみとなり、引責いんせき辞任じにんした。

2017年ねんドイツ連邦れんぽう議会ぎかい選挙せんきょには出馬しゅつばせず、政界せいかいを引退いんたいした。

外部がいぶリンク

• ホームページ

先代せんだい ペーター・シュトルック

ドイツ連邦れんぽう共和きょうわ国こく国防こくぼう大臣だいじん 2005年ねん‐2009年ねん

次代じだい カール＝テオドール・ツー・グッテンベルク

先代せんだい オラフ・ショルツ

ドイツ連邦れんぽう共和きょうわ国こく労働ろうどう・社会しゃかい大臣だいじん 2009年ねん

次代じだい ウルズラ・フォン・デア・ライエン