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『ブッデンブローク家 か の人々 ひとびと 』(ブッデンブロークけのひとびと、Buddenbrooks )は、1901年 ねん に発表 はっぴょう されたトーマス・マン の長編 ちょうへん 小説 しょうせつ 。マン自身 じしん の一族 いちぞく の物語 ものがたり で、北 きた ドイツ、リューベック の商家 しょうか の4代 だい にわたる歴史 れきし とその衰退 すいたい を描 えが いている。戦前 せんぜん のヨーロッパにおいてベストセラーとなり、1929年 ねん にマンがノーベル文学 ぶんがく 賞 しょう を受賞 じゅしょう した際 さい にはこの作品 さくひん が受賞 じゅしょう 理由 りゆう として挙 あ げられた。全体 ぜんたい は11の章 しょう からなり、副題 ふくだい として「ある一家 いっか の没落 ぼつらく 」(Verfall einer Familie )が付 ふ されている。
初代 しょだい 当主 とうしゅ である老 ろう ヨハン・ブッデンブロークは、現実 げんじつ 的 てき な性格 せいかく を持 も って商会 しょうかい を立 た ち上 あ げた人物 じんぶつ であり、作中 さくちゅう ではすでに引退 いんたい して次男 じなん に商会 しょうかい をゆだねている。2代目 だいめ ヨハンは商会 しょうかい を維持 いじ していき、オランダ領事 りょうじ の名誉 めいよ 職 しょく も得 え るが、1848年 ねん の革命 かくめい の影響 えいきょう で商会 しょうかい に多大 ただい な損害 そんがい を与 あた えてしまう。3代目 だいめ トーマスは一家 いっか を誇 ほこ りに思 おも い、家長 かちょう としての威厳 いげん を保 たも つように努 つと めるが、その反面 はんめん 自分 じぶん の精神 せいしん 的 てき な弱 よわ さと一族 いちぞく の没落 ぼつらく を察知 さっち しており、孤軍 こぐん 奮闘 ふんとう の末 すえ に心労 しんろう で倒 たお れる。残 のこ された4代目 だいめ ハノーはすでに現実 げんじつ 的 てき な望 のぞ みを失 うしな っており、音楽 おんがく のみに情熱 じょうねつ を傾 かたむ けている。
作品 さくひん は当初 とうしょ 、兄 あに ハインリヒ・マン との共 とも 作 さく となる予定 よてい であったが、兄 あに が不都合 ふつごう になり一人 ひとり で執筆 しっぴつ する形 かたち となった。執筆 しっぴつ には1897年 ねん から1900年 ねん まで3年 ねん がかけられている。ドイツでは1923年 ねん 、1959年 ねん 、2008年 ねん と3度 ど 映画 えいが 化 か されており、また1971年 ねん にイタリアで、1979年 ねん には独 どく 仏 ふつ 合作 がっさく でそれぞれテレビドラマ化 か されている。日本 にっぽん では、北 きた 杜夫 もりお の長編 ちょうへん 『楡 にれ 家 か の人 ひと びと 』に大 おお きな影響 えいきょう を与 あた えたことで知 し られている。