ブレーメンのマルクト広場ひろばの市庁舎しちょうしゃとローラント像ぞう

ブレーメンのマルクト広場ひろばの市庁舎しちょうしゃとローラント像ぞう （ドイツ）
ブレーメン市庁舎しちょうしゃ
英名えいめい	Town Hall and Roland on the Marketplace of Bremen
仏ふつ名めい	Hôtel de ville et la statue de Roland sur la place du marché de Brême
面積めんせき	0.287 ha （緩衝かんしょう地域ちいき 36,295 ha）
登録とうろく区分くぶん	文化ぶんか遺産いさん
登録とうろく基準きじゅん	(3), (4), (6)
登録とうろく年ねん	2004年ねん
公式こうしきサイト	世界せかい遺産いさんセンター（英語えいご）
使用しよう方法ほうほう・表示ひょうじ

ブレーメンのマルクト広場ひろばの市庁舎しちょうしゃとローラント像ぞう（ブレーメンのマルクトひろばのしちょうしゃとローラントぞう）は、ドイツの世界せかい遺産いさんのひとつ。その名なが示しめすとおり、ブレーメンの中心ちゅうしん的てきな広場ひろばであるマルクト広場ひろばに面めんする市庁舎しちょうしゃと、広場ひろば中央ちゅうおうに立たつローラント像ぞうを主しゅたる登録とうろく対象たいしょうとしている。

ブレーメン市庁舎しちょうしゃ

ブレーメン市庁舎しちょうしゃには、自由じゆうハンザ都市としブレーメンの参事さんじ会かい議長ぎちょうおよび市長しちょうが居いる。この庁舎ちょうしゃはヨーロッパにおけるブリック・ゴシック建築けんちく（Brick Gothic）の最もっとも重要じゅうような例証れいしょうの一ひとつである。

位置いち

市庁舎しちょうしゃは、旧きゅう市街しがいのマルクト広場ひろばに立たっており、真正面ましょうめんにはローラント像ぞう（詳細しょうさいは後述こうじゅつ）が立たっている。広場ひろばの向むかいには商業しょうぎょう会議かいぎ所しょが建たち、右手みぎてにはブレーメン大だい聖堂せいどうと近代きんだい的てきな市議会しぎかい、左手ひだりてには聖母せいぼ教会きょうかいが建たっている。広場ひろばの西側にしがわには、ゲアハルト・マルクス（Gerhard Marcks）作さくの「ブレーメンの音楽おんがく隊たい」像ぞうが立たっている。

歴史れきし

旧きゅう市庁舎しちょうしゃが建たてられたのは、1405年ねんから1409年ねんのことだった。1595年ねんから1612年ねんに、建築けんちく家かリュダー・フォン・ベントハイム（Lüder von Bentheim）が手直てなおしをし、広場ひろばを見渡みわたす新あたらしいファサードを作つくり上あげた。ヴェーザー・ルネサンス様式ようしき（Weser Renaissance）で建たてられたファサードは、ハンス・フレーデマン・デ・フリース（Hans Vredeman de Vries）、ヘンドリク・ホルツィウス（Hendrik Goltzius）、ヤコブ・フロリス（Jacob Floris）といったオランダ・ルネサンスの巨匠きょしょうたちによって基礎きそ付つけられた建築けんちく的てき要素ようそに特徴付とくちょうづけられている。1909年ねんから1913年ねんの間あいだに、ミュンヘンの建築けんちく家かガブリエル・フォン・ザイドル（Gabriel von Seidl）によって、建物たてもの後部こうぶにネオルネサンス様式ようしきでの追加ついかが行おこなわれた。

バルコンの上うえに見みえる立像りつぞうは、カール大帝たいていと7人にんの選せん帝みかど侯こうたちをあわらしている。

ブレーメン市しの60%以上いじょうが灰燼かいじんと帰かえした第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかの爆ばく撃げきでは、市民しみんたちは市庁舎しちょうしゃの外壁がいへきを囲がこいによって覆おおい、戦火せんかから守まもり抜ぬいた。この市庁舎しちょうしゃは何なん度ども改修かいしゅうされているが、一番いちばん新あたらしい改修かいしゅうは2003年ねんのことである。

観光かんこうの見所みどころ

• ブレーマー・ラーツケラー（Bremer Ratskeller）- 市庁舎しちょうしゃ地下ちかにある酒場さかばで、1653年ねんに作つくり上あげられたドイツ最古さいこのワイン樽だる蔵ぞう。400種類しゅるいを超こえるワインが用意よういされている。
• 上院じょういん会議かいぎ場じょう
• 金かねの小しょう部屋へや（Güldenkammer）- 1595年ねんに上院じょういん会議かいぎ場じょうに付つけ加くわえられ、1905年ねんに画家がかハインリヒ・フォゲラーによって改装かいそうされたアール・ヌーヴォー様式ようしきの小ちいさな会議かいぎ室しつである。ドアの取とっ手て、暖炉だんろ囲かこい、シャンデリア、壁紙かべがみなどの調度ちょうど品ひんや建具たてぐはすべてその様式ようしきのものが選えらばれている。
• 大だい宴会えんかい場じょう
• 下院かいん会議かいぎ場じょう - この部屋へやは建造けんぞう当時とうじの姿すがたをとどめているが、上院じょういん会議かいぎ場じょうと対照たいしょう的てきに素朴そぼくな様相ようそうを呈ていしている。床ゆかは石いし敷じきだし、天井てんじょうも木製もくせいの梁はりがそのまま見みえ、壁かべも石灰せっかい塗ぬりである。この部屋へやは、かつては香辛料こうしんりょうや衣料いりょうといった高級こうきゅう品ひんを扱あつかう取引とりひき場じょうの機能きのうも持もっていた。

重要じゅうようなイベント

• ブレーマー・シャッファーマール（Bremer Schaffermahl）- 毎年まいとし行おこなわれる伝統でんとう的てきな宴会えんかい。

ローラント像ぞう

ローラント像ぞう

1404年ねんに立たてられたこの像ぞうは、ブレーメンの自治じち都市としとしての尊厳そんげんを象徴しょうちょうするものである。マルクト広場ひろばに立たつローラント像ぞう（Bremen Roland）は、中世ちゅうせい文学ぶんがく『ローランの歌うた』に登場とうじょうする英雄えいゆうローラントを象かたどった巨大きょだいな立像りつぞうである。ブレーメン市内しないには4体たいのローラント像ぞうがあるが、ブレーメン大だい聖堂せいどうに面めんしてマルクト広場ひろば中央ちゅうおうに立たっている像ぞうが最もっともよく知しられている。像ぞうそのものは60cmの演壇えんだんの上うえに立たっている高たかさ5.47mの立像りつぞうだが、支柱しちゅうに支ささえられた天蓋てんがいの高たかさは10.21mである。

歴史れきし

最もっとも古ふるいものは1340-50年代ねんだいに建立こんりゅうされた木像もくぞうだが、当時とうじのブレーメン大司教だいしきょうの手てによって1366年ねんに放火ほうかされ消失しょうしつした後のち、1404年ねんに石造せきぞうで再建さいけんされた。

ブレーメンの象徴しょうちょうとされたこの像ぞうは度々どど倒壊とうかいの危機ききに見舞みまわれたが、その度たびに市民しみんの手てによって守まもられ続つづけた。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん時じには、市民しみんの手てによって築きずかれた煉瓦れんが製せいのシェルターによって保護ほごされていたほどである。

い伝いつたえでは、この像ぞうがブレーメンを見守みまもり続つづける限かぎり、その自由じゆうと独立どくりつは守まもられるとされてきた。このため、市庁舎しちょうしゃの地下ちかには、オリジナルが倒壊とうかいしたときのために第だい二にのローラント像ぞうが秘匿ひとくされているなどと、まことしやかに語かたられることがある。

登録とうろく基準きじゅん

この世界せかい遺産いさんは世界せかい遺産いさん登録とうろく基準きじゅんのうち、以下いかの条件じょうけんを満みたし、登録とうろくされた（以下いかの基準きじゅんは世界せかい遺産いさんセンター公表こうひょうの登録とうろく基準きじゅんからの翻訳ほんやく、引用いんようである）。

• (3) 現存げんそんするまたは消滅しょうめつした文化ぶんか的てき伝統でんとうまたは文明ぶんめいの、唯一ゆいいつのまたは少すくなくとも稀まれな証拠しょうこ。
• (4) 人類じんるいの歴史れきし上じょう重要じゅうような時代じだいを例証れいしょうする建築けんちく様式ようしき、建築けんちく物ぶつ群ぐん、技術ぎじゅつの集積しゅうせきまたは景観けいかんの優すぐれた例れい。
• (6) 顕著けんちょで普遍ふへん的てきな意義いぎを有ゆうする出来事できごと、現存げんそんする伝統でんとう、思想しそう、信仰しんこうまたは芸術げいじゅつ的てき、文学ぶんがく的てき作品さくひんと直接ちょくせつにまたは明白めいはくに関連かんれんするもの（この基準きじゅんは他たの基準きじゅんと組くみ合あわせて用もちいるのが望のぞましいと世界せかい遺産いさん委員いいん会かいは考かんがえている）。

外部がいぶリンク

• ブレーメン市庁舎しちょうしゃ公式こうしきサイト（ドイツ語ご・英語えいご）