ホイッスル

ホイッスル（英えい: Whistle）は、楽曲がっきょくの演奏えんそうや注意ちゅうい・警告けいこくなどを目的もくてきに気体きたいの流ながれを利用りようして音響おんきょうを発生はっせいさせる装置そうち^[1]で、いわゆる「笛ふえ」の一種いっしゅである。

振動しんどうが発生はっせいするメカニズムはリコーダーと同おなじであり、共鳴きょうめいが発生はっせいするメカニズムはオカリナと同おなじ（ヘルムホルツ共鳴きょうめい）である。楽器がっきとみなした場合ばあい、唇くちびるの振動しんどうを用もちいない吹奏楽すいそうがく器きなので、旧来きゅうらいの楽器がっき分類ぶんるい法ほうでは金属きんぞくやプラスチックで造つくられていても「木管もっかん楽器がっき」に分類ぶんるいされ、ザックス＝ホルンボステル分類ぶんるいでは「気き鳴な楽器がっき」に含ふくまれる。

これに類似るいじした音おとを電気でんき的てきに発生はっせいさせる器具きぐ（電子でんしホイッスル）もあり、こちらは「電でん鳴な楽器がっき」に含ふくまれる。

歴史れきし[編集へんしゅう]

スポーツ用ようのホイッスルは主おもにイギリスでコルク球だまを内蔵ないぞうさせたものを中心ちゅうしんに発展はってんした^[1]。1980年代ねんだい後半こうはんにカナダでコルク球だまを内蔵ないぞうしないホイッスルが発明はつめいされたことで音おとの立たち上あがりが遅おそいあるいは内部ないぶのコルク球だまが引ひっかかるといった問題もんだいが改善かいぜんされた^[1]。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

音色ねいろによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

ピーホイッスル: ピー（pea）と呼よばれる球体きゅうたいの回転かいてんによって強弱きょうじゃくのメリハリがついた音おとのするもの^[1]。
ビートホイッスル: 複数ふくすうの共鳴きょうめい管かんによってビート（うねり）を発生はっせいさせるもの^[1]。

用途ようとによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

スポーツ[編集へんしゅう]

主おもに審判しんぱん員いんが選手せんしゅに対たいして試合しあい開始かいし、試合しあい終了しゅうりょう、あるいは試合しあいを停止ていし、再開さいかいの合図あいずを送おくるために用もちいる。スポーツホイッスルには審判しんぱん用ようホイッスルとコーチング用ようホイッスルがある^[1]。

審判しんぱん用ようホイッスル: ゲーム上じょうでの合図あいずあるいは警告けいこくのために用もちいられる^[1]。音おとが大おおきくコルク球だまの引ひっかかるリスクの小ちいさいビートホイッスルが主おもに用もちいられる^[1]。
コーチング用ようホイッスル: トレーニングにおける合図あいずあるいは誘導ゆうどうのために用もちいられる^[1]。音おとの強弱きょうじゃくがつけやすいピーホイッスルが主おもに用もちいられる^[1]。

楽器がっき[編集へんしゅう]

サンバホイッスル: サンバの演奏えんそうに使つかわれたのが起源きげんとされる小ちいさな十字じゅうじ型がたの笛ふえ
ティンホイッスル: アイルランド発祥はっしょうとされ、ホイッスルと呼よばれてはいるが、リコーダーと同おなじ管状かんじょうの共振きょうしん系けいを持もっており、音階おんかいを奏かなでることができる縦たて笛ふえである。 → 「管楽器かんがっき」を参照さんしょう

警備けいび・交通こうつう整理せいり・交通こうつう取締とりしまり[編集へんしゅう]

警察官けいさつかんなどが、警告けいこく・指示しじのために使用しようする。

鉄道てつどう[編集へんしゅう]

車掌しゃしょう及および駅員えきいんが発車はっしゃの合図あいず、あるいは危険きけんな行為こういの制止せいしのために使用しようする。車両しゃりょうの走行そうこう音おんや駅えきの混雑こんざつ中ちゅうでも音おとが聞きこえやすいピーホイッスルが主おもに用もちいられる。

特とくにCOVID-19が流行りゅうこうして以降いこうは、車掌しゃしょうがホイッスルを吹ふくためにマスクを外はずさなければならないことや飛沫しぶきを防ふせぐため、ホイッスルの代かわりに電子でんしホイッスル（スイッチを入いれると甲高かんだかい「ビーーーー」という音おとが鳴なる）の導入どうにゅうがJR各社かくしゃを中心ちゅうしんに進すすんでおり、鉄道てつどう各社かくしゃではほぼ使用しようされなくなっている^[2]。ただ、阪急電鉄はんきゅうでんてつでは2000年代ねんだい前半ぜんはんには車掌しゃしょうのホイッスルを廃止はいししたほか、Osaka Metroでは発車はっしゃ時じにホームで発車はっしゃメロディを流ながすことでホイッスルの代かわりとしてホイッスルは廃止はいしするなど、鉄道てつどう会社かいしゃでもCOVID-19前まえから徐々じょじょにホイッスルを使用しようする頻度ひんどが減少げんしょうしていた。