カーソル

カーソル（英えい: cursor）はコンピュータのユーザインタフェースを構成こうせいする要素ようそのひとつで、文字もじの入力にゅうりょく位置いちを示しめす。この語かたりの語源ごげんはラテン語らてんごで「走者そうしゃ」もしくは「競争きょうそう者しゃ」を意味いみする「cursor」である。

一般いっぱん的てきなカーソルの姿すがた

文字もじ入力にゅうりょくインタフェース

四角形しかっけいのカーソル

下線かせんのカーソル

コンソールやテキストエディタといった文字もじ入力にゅうりょくインタフェースにおけるカーソルは、次つぎに入力にゅうりょくされる文字もじがテキスト中ちゅうのどこに追加ついかされるかを示しめす。古ふるくから見みられる形式けいしきでは、塗ぬりつぶされた四角形しかっけいまたは下線かせんとして表示ひょうじされる。目立めだたせるために点滅てんめつさせる場合ばあいも多おおい。点滅てんめつするカーソルは1968年ねんにチャールズ・A・キーズリングによって発明はつめいされた。また、挿入そうにゅうモードでは下線かせんで上書うわがきモードでは四角形しかっけいなど、カーソルの形状けいじょうを使つかってモード切替きりかえを利用りよう者しゃに伝つたえるシステムもある。

近年きんねんのビットマップによる画面がめん表示ひょうじでは、文字もじの間あいだに表示ひょうじされる縦たて線せんあるいはキャレット等とうでカーソルを表示ひょうじする場合ばあいも多おおい。こうすることで文字もじ間あいだへの「挿入そうにゅう」をより直接的ちょくせつてきに表現ひょうげんできるようになり、またプロポーショナルフォントでもカーソル形状けいじょうの変化へんかを抑おさえることができる。反面はんめん、四角形しかっけいのカーソルに比くらべて画面がめん上じょうで目立めだちにくくなるという欠点けってんもある。

旧式きゅうしきのワードプロセッサ（ワープロ）のカーソル

ワードプロセッサも参照さんしょう。

メニュー選択せんたくインタフェース

あらかじめ与あたえられた選択肢せんたくしの中なかから操作そうさを選択せんたくして指示しじする、メニュー選択せんたく型がたのインタフェースでは、どの選択肢せんたくしを選えらぼうとしているのか示しめす必要ひつようがある。具体ぐたい的てきな形状けいじょうとしては、選択肢せんたくしの前まえに矢印やじるしを表示ひょうじしたり、あるいは選択肢せんたくし自身じしんを反転はんてん表示ひょうじしたりといった方法ほうほうがとられる。

GUI

マウスポインタ

GUI環境かんきょうにおいて、操作そうさ対象たいしょうを示しめすために表示ひょうじされる矢印やじるしなどの小ちいさな図形ずけいもカーソルと呼よばれていたが、「カーソルの操作そうさ」の節ふしで後述こうじゅつするとおり、マウスで操作そうさされることが多おおいので、現在げんざいはマウスポインタ（mouse pointer）と呼よばれる。多おおくのGUIでは状況じょうきょうに応おうじてマウスポインタの形かたちが変化へんかする。

マウスポインタの形状けいじょう

• グラフィックソフトウェアではユーザが選択せんたくした機能きのうに応おうじて、ブラシ・鉛筆えんぴつ・ペンキバケツなど様々さまざまな形かたちをとる。
• ウィンドウの端はしや角かくにきたときは両りょう矢印やじるしの形かたちになり、ウィンドウのサイズを変更へんこうできることを示しめす。
• プロセスが処理しょりを行おこなっていてユーザの入力にゅうりょくを受うけ付つけないときは、待まち状態じょうたいのマウスポインタが表示ひょうじされる。Windowsではリングの形かたちをしており、macOSでは虹色にじいろをしている。
• ハイパーリンクに重かさなったときは人差ひとさし指ゆびを突つき出だした手ての形かたちになる。このとき、ふきだしの形かたちでツールチップが表示ひょうじされることが多おおい。
• ハイパーリンクに似にているが、マウスポインタが指さす対象たいしょうにヘルプが存在そんざいするときは疑問符ぎもんふの形かたちになる。

特殊とくしゅなカーソル

プログラミング言語げんごLOGO

プログラミング言語げんごLOGOでは、画面がめん上じょうの亀かめ（タートル）に対たいして「旋回せんかい」「前進ぜんしん」などのコマンドを与あたえることで図形ずけいを描えがくことができる。タートルは現在げんざい位置いちと進行しんこう方向ほうこうを保持ほじする。

カーソルの操作そうさ

コンピュータシステムのキーボードの多おおくは、上下じょうげ左右さゆうの4方向ほうこうへのカーソル移動いどうキー（方向ほうこうキー、矢印やじるしキー）を持もつ。また、コントロールキーと他たのキーの組くみ合あわせでカーソルの移動いどうを指示しじするインターフェイスもある。ダイヤモンドカーソルは、その一いち例れいである。

UNIXで人気にんきの高たかいテキストエディタのviとEmacsは、それぞれ独特どくとくのカーソル移動いどう操作そうさを採用さいようしている。他たのアプリケーションでも、これらのカーソル移動いどうを再現さいげんするためのカスタマイズ方法ほうほうを提供ていきょうしているものが散見さんけんされる。

ゲーム機きでは、メニュー型がたインタフェースを採用さいようして十字じゅうじキーで操作そうささせるものが多おおい。

GUIでは主おもにマウスなどのポインティングデバイスを使つかって操作そうさすることができるのは、マウスポインタである。カーソルの操作そうさは前述ぜんじゅつの方向ほうこうキーまたはマウスポインタで指さした位置いちでマウスをクリックすることにより移動いどうすることができる。

マウスオーバー

マウスオーバー（英えい: mouseover）とは、カーソルを何なんらかの要素ようその上うえに重かさね合あわせている状態じょうたいのことである。マウスホバー、オンマウス、ポイントとも言いう。「マウスオーバーする」と表現ひょうげんすると、マウスポインタを何なんらかの要素ようその上うえに重かさね合あわせる操作そうさのことになる。

ロールオーバー

ロールオーバー（英えい: rollover）とは、マウスオーバーによって期待きたいされる現象げんしょうのことである。

代表だいひょう的てきな現象げんしょう

ツールチップ

詳細しょうさいは「ツールチップ」を参照さんしょう

プレビュー

Microsoft Windows 7、Windows 8およびWindows 10におけるAero Peekが一いち例れいである。

この他ほかにも、Wikipediaの記事きじへのリンクにマウスオーバーした際さいのページのプレビュー（英えい: page preview）機能きのうもロールオーバーに含ふくまれる。