下線かせん

下線かせん（かせん）またはアンダーライン（英えい: underline）は、横書よこがき文章ぶんしょうの一部いちぶを強調きょうちょうするなどの目的もくてきでその文字もじの直下ちょっかに引ひく線せんのこと（例れい: 下線かせん）。斜体しゃたい (Oblique) またはイタリック体たい (Italic) や太字ふとじ (Bold) などとともに、強調きょうちょうに用もちいられる代表だいひょう的てきな方法ほうほうである。一本いっぽん線せんのほか、必要ひつように応おうじて二に本線ほんせんや波線はせんも用もちいられる。同おなじ起源きげんをもつ約やく物ものとしてアンダースコア (_) があり、これもアンダーライン（JIS X 0201ではアンダライン）と呼よばれる。

用法ようほう

下線かせんは、古ふるくから手書てがき文章ぶんしょうの強調きょうちょうに用もちいられた。タイプライターが普及ふきゅうすると、手書てがき原稿げんこうをタイプアップ清書せいしょする際さいなどに特殊とくしゅな字体じたいを指定していする目的もくてきでも用もちいられ、Italic や Bold など、タイプ済ずみの文字もじを戻もどって再度さいど _ を重かさね打うちする方法ほうほうで実現じつげんされた。また、初期しょきのPCターミナルでは重かさね打うち表示ひょうじが不可能ふかのうなので、_Italic_, _Bold_, *Italic*, *Bold* などのように _ や * で挟はさむことにより強調きょうちょうを表あらわした。現代げんだいのワードプロセッサでも強調きょうちょうのために用もちいられる。LaTeXでは下線かせんによる強調きょうちょうは推奨すいしょうされておらず、強調きょうちょうには太字ふとじやゴシック体たいが使つかわれる。縦たて書がき文章ぶんしょうでは下線かせんに相当そうとうするものとして傍線ぼうせんがある。

HTMLでは、テキストにハイパーリンクを設定せっていすると、ウェブブラウザ上うえでそのテキストにマウスオーバーしたときに下線かせんが表示ひょうじされるようになっていることが一般いっぱん的てきである。この動作どうさによって、テキストがハイパーリンクであるかどうかを視覚しかく的てきに理解りかいしやすくなっている。

GUIアプリケーションで画面がめん描画びょうがに利用りようされるグラフィックスAPIでは、任意にんいの位置いちに直線ちょくせんを自由じゆうに描画びょうがすることができるが、フォントのベースラインに対たいして適切てきせつな位置いちに下線かせんを自動的じどうてきに引ひくことができる機能きのうがテキスト描画びょうがエンジンやレイアウトエンジンに組くみ込こまれていることが多おおい。例たとえばMicrosoft Windows用ようのWindows APIのうち、GDI/GDI+では、テキストに下線かせんを描画びょうがするかどうかの特性とくせい（スタイル）をフォントオブジェクトの作成さくせい時じに指定していする。DirectWriteでは、IDWriteTextLayout::SetUnderline()メソッドを使用しようして下線かせんを引ひく文字もじ列れつの範囲はんいを指定していすることができる。

一部いちぶの自然しぜん言語げんごでは、ダイアクリティカルマークとして、あるいは固有名詞こゆうめいしなど特定とくていの意味いみであることを表示ひょうじするために用もちいられる。

数学すうがくでは、階かい乗じょう冪べき（factorial power）のうち、xⁿの形かたちで下降かこう階かい乗じょう冪べきを表あらわす。これはx(x-1)(x-2)…(x-n+1)からなるn項こうの積せきとなる。

数字すうじの6と9は字形じけいがほぼ回転かいてん対称たいしょうであり、場合ばあいによっては上下じょうげの区別くべつがつかない、または紛まぎらわしい。そのため、6や9のように数字すうじの刻印こくいんに下線かせんを引ひいて天地てんちを示しめすことがある。例たとえばビリヤードボールやゴルフクラブが挙あげられる。ビリヤードボールでは、下線かせんのほかに円弧えんこが使つかわれることもある。ゴルフクラブでは9番ばんアイアンにのみ下線かせんを引ひいて、6番ばんアイアンには下線かせんを引ひかないことも多おおい。逆ぎゃくにUNOでは6のカードにのみ下線かせんが引ひかれ、9のカードには下線かせんが引ひかれていない製品せいひんもかつてあった。

関連かんれん項目こうもく

• オーバーライン
• 圏点けんてん
• 打うち消けし線せん
• 改訂かいてい、修正しゅうせい、訂正ていせい、削除さくじょ