フェルトペン

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マーキングペンから転送てんそう
油性ゆせいマーカーの先端せんたん
フェルトペンによるサイン。画像は音楽バンド「ピンク・フロイド」の『ザ・ウォール』時代のロゴタイプ。細字・ブラックのフェルトペンを使って勢いよく書いた感じの活字体。
フェルトペンによるサイン
画像がぞう音楽おんがくバンドピンク・フロイド (Pink Floyd)」の『ザ・ウォール時代じだいロゴタイプ細字さいじ・ブラックのフェルトペンを使つかっていきおいよくいたかんじの活字かつじたい

フェルトペンえいfelt pen, felt-tip pen)、マーキングペンえいmarking pen)、マーカーペンえいmarker pen)またはマーカーえいmarker)とは、ペンさきフェルトまたは合成ごうせい繊維せんいあるいは合成ごうせい樹脂じゅし使用しようし、毛細管もうさいかん現象げんしょうによってペンじくとなる容器ようきからインクをし、描画びょうがする筆記具ひっきぐ画材がざい用途ようとべつ様々さまざま名称めいしょうがあり、また、メーカーによって様々さまざま商品しょうひんめいがある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ペンさき成形せいけいした繊維せんいしつフェルト合成ごうせい繊維せんい)または複雑ふくざつ断面だんめん形状けいじょうのある合成ごうせい樹脂じゅししん使つかい、毛細管もうさいかん現象げんしょうによってペンじくとなる容器ようきからインクを描画びょうがする。ペンさき極太ごくぶとから極細ごくぼそかたち角張かくばったものからまるみのあるもの、インクに工夫くふうらしたものや多数たすういろ用意よういしたもの、使つかてからインクの補充ほじゅうやペンさき交換こうかんできるものなど、様々さまざまなタイプがある。重力じゅうりょく影響えいきょうけにくく、インクによっては表面ひょうめんのつるつるしたものにもえがけ、それまでの筆記具ひっきぐ(ペン、万年筆まんねんひつふでなど)とちがそく乾性かんせいがある、などの特徴とくちょうがある。

種類しゅるい[編集へんしゅう]

フェルトペン
表記ひょうきフエルトペン。こちらを使つか業者ぎょうしゃ一部いちぶにはある。
ペンさきにフェルトをもちいているペンの総称そうしょう合成ごうせい繊維せんい利用りようしている場合ばあいにも、フェルトペンと場合ばあいがある。
マーキングペン
日本にっぽん独自どくじ分類ぶんるいによるフェルトペンの一種いっしゅJIS規格きかく (S 6037) に規定きていされている名称めいしょうであり、繊維せんい(フェルト、合成ごうせい繊維せんい)や合成ごうせい樹脂じゅしのペンさき使用しようした筆記用具ひっきようぐ総称そうしょう。ただし、水性すいせいマーカーのふでペンはのぞく。
マジックペン
マジックインキ
正確せいかく商品しょうひんめいマジックインキ日本語にほんごでの略称りゃくしょうは「マジック」。
耐久たいきゅうせいすぐれた油性ゆせいインク(マジックインキ)を使用しよう日本にっぽん最初さいしょ登場とうじょうしたマーキングペン(またはマーカー)。ペンさきにはフェルトを使用しようしている。寺西てらにし化学かがく工業こうぎょうから1953ねん昭和しょうわ28ねん)に発売はつばいされた。ガラス・プラスチック・ぬのかわ木材もくざい金属きんぞく陶器とうきなどあらゆるものにえがくことができる。現在げんざいでは、この特長とくちょう油性ゆせいマーカー全般ぜんぱんのことを「マジック(またはマジックペン)」とぶことがある。
なお、商品しょうひんめい「マジックインキ」の登録とうろく商標しょうひょうは、発案はつあんした株式会社かぶしきがいしゃ内田洋行うちだようこう保有ほゆうしている[1][2]。また本家ほんけのマジックインキは、インクを補充ほじゅうしたり、ペンさき交換こうかんすることができる。
サインペン
ぺんてるサインペン
かみへの筆記ひっきとくし、ペンさき合成ごうせい繊維せんいまたは合成ごうせい樹脂じゅし使つかったペンの総称そうしょう。もともとはぺんてる株式会社かぶしきがいしゃ登録とうろく商標しょうひょう[3]商品しょうひんめい)であったが、普及ふきゅうするにれて一般いっぱん名詞めいしした。
従来じゅうらいのペンさき素材そざいであるフェルトでは、ふとしかけなかったが、これをアクリル繊維せんいのペンさきもちいることにより細字さいじけるようにした。当初とうしょ油性ゆせいインクを使つかった「ぺんてるペン」が1960ねん昭和しょうわ35ねん)に発売はつばいされたが、油性ゆせいではかみうらうつりしてしまうため、これらの欠点けってん改良かいりょう水性すいせいインクをもちいたものが「ぺんてるサインペン」として1963ねん昭和しょうわ38ねん)に発売はつばいされた。現在げんざい本家ほんけのぺんてるサインペンは筆記ひっきせんはば0.8mmであるが、サクラクレパス極細ごくぼそサインペンは筆記ひっきせんはばやく0.3mmと様々さまざまなタイプが発売はつばいされている。
蛍光けいこうペン
別名べつめいラインマーカー蛍光けいこうマーカー
参考さんこうしょ書類しょるいなど重要じゅうよう部分ぶぶんしるしをつけておく目的もくてき水性すいせいインクのマーカー。印字いんじつぶさないようにインクには透明とうめい蛍光けいこうせいのあるものが使つかわれている。おも学生がくせい勉強べんきょうやオフィスでの仕事しごとさいなどに使つかわれる。使つかてのちょくえきしきや、インクのえができるカートリッジしきがある。
暗記あんきペン
おも暗記あんき目的もくてきで、ペンと透明とうめいシートを併用へいようする。青色あおいろ緑色みどりいろ)でった箇所かしょ赤色あかいろ透明とうめいシートで、赤色あかいろった箇所かしょ緑色みどりいろ透明とうめいシートでかくすと、った部分ぶぶんえなくなること利用りようしている。暗記あんきにマーク箇所かしょこと出来できしペンもある。また赤色あかいろ(これにちか橙色だいだいいろ桃色ももいろ)でいた文字もじ赤色あかいろ透明とうめいシートでかくすと文字もじえてえる。コクヨの「チェックルシリーズ」、ゼブラの「チェックペンシリーズ」、パイロットの「メモリーライン」とうがある。
ホワイトボードマーカー
ホワイトボードようのマーカー。ホワイトボード以外いがいにもくことができ、表面ひょうめんがツルツルに加工かこうされていれば、ホワイトボード同様どうようにインクをぬのなどでる(す)ことができる。インクには定着ていちゃくざいふくまれていない油性ゆせいのアルコールけい顔料がんりょうインキが使つかわれている。
ドローイングペン
日本語にほんご独自どくじ別名べつめいミリペン
かみへの描画びょうがとくし、たい水性すいせい均一きんいつ極細ごくぼそせんえがけるようペンさき合成ごうせい樹脂じゅし使つかったペンの総称そうしょう広義こうぎには金属きんぞくせいのペンさき使つか製図せいずペンふくむ。ミリペンの名称めいしょうもちいた製品せいひん日本にっぽんには存在そんざいしないが、代表だいひょうかくとされるサクラクレパスのピグマでは3mmから0.05mmのペンさき用意よういされている。他社たしゃのミリペンとばれる製品せいひんはおおむね1mm以下いかのペンさき使つかっている。
ペイントマーカー
油性ゆせい顔料がんりょうインクを使つかったマーカー。インクの特長とくちょうからしろきむぎんいろがある。
名前なまえきペン
ペンさきをプラスチックせいにしてほそくしたもので、小物こもの名前なまえなどをむことにとくしたペン(またはマーカー)。インクはおも油性ゆせいにじみにくくするために工夫くふうされている。
ぬのようペン
ぬのむことにとくしたペン(またはマーカー)。みずけにくいインクを使用しようし、洗濯せんたくをしてもちにくいように工夫くふうされている。
ふでペン
毛筆もうひつふう文字もじくためのペン。ペンさきほそ合成ごうせい繊維せんいたばねたものから合成ごうせい樹脂じゅしふで穂先ほさきせたフェルトペン・サインペンタイプのものもある。

インク[編集へんしゅう]

インク染料せんりょう顔料がんりょうくわしい特徴とくちょうかく項目こうもく参照さんしょうのこと。またインクの改良かいりょうにより下記かき特徴とくちょうてはまらない場合ばあいがある。

油性ゆせい染料せんりょうインク
はや乾性かんせいがあり、かみ、プラスチック、金属きんぞく木材もくざい、ガラス、ぬのかわ陶器とうきなどおおくの素材そざいくことができる。欠点けってんとしてはかみなど染料せんりょう浸透しんとうする素材そざい場合ばあいうらうつりしてしまう。
油性ゆせい顔料がんりょうインク
染料せんりょうわり顔料がんりょう使つかったもの。染料せんりょうくらそく乾性かんせいおとるが、たいこうせいすぐれており、屋外おくがいでの標識ひょうしき園芸えんげいようプレートにてきしている。染料せんりょうではつくれないしろきむぎんのようないろつくれる。またかみなどうらうつりしない特長とくちょうがある。

上記じょうき油性ゆせいインクは、使用しようされている有機ゆうき溶剤ようざいによってはつよ揮発きはつせいがあるため、ぶたはずしたままにしておくとすぐにかわいてしまう。また揮発きはつせい有害ゆうがいせいなどからった部屋へや大量たいりょう使つかことすすめられない。換気かんき十分じゅうぶん場所ばしょ使用しようすることがもとめられる。

油性ゆせいアルコールけい顔料がんりょうインク
ホワイトボードマーカーなどに使つかわれるインク。近年きんねんでは、従来じゅうらい油性ゆせいマーカーの用途ようとにも使つかわれる。
水性すいせい染料せんりょうインク
有機ゆうき溶剤ようざいわりすい湿潤しつじゅんざいなどをくわえた水溶液すいようえき染料せんりょうかしたもの。油性ゆせいくらあざやかで、かみいてもにじみやうらうつりがすくない特長とくちょうがあるが、たい水性すいせいおとる。(たい水性すいせいのある特殊とくしゅ水性すいせい染料せんりょうインキもある)。用途ようととしてはおもにサインペンやふでペンなどかみへの筆記ひっきとくしたものに使つかわれる。
水性すいせい顔料がんりょうインク
染料せんりょうわり顔料がんりょう使つかったもの。かみいてもにじみやうらうつりがない。たい水性すいせいたいこうせいすぐれ、プラスチック、ガラス、金属きんぞくなどの素材そざいくことができる。そく乾性かんせい油性ゆせいおとる。

なお、どのインクにもえることだが、長期間ちょうきかん太陽光たいようあきらさらされる環境かんきょう放置ほうちすると、太陽光たいようこうふくまれる紫外線しがいせんにより色素しきそ破壊はかいされ、いろあせたりえてしまうことがある。

マーカーの用途ようと普及ふきゅう[編集へんしゅう]

素材そざいえらばず、どこにでもえがける実用じつようてき油性ゆせいマーカー(マジックインキ)が登場とうじょう普及ふきゅうするまで、日本にっぽんでは素材そざいなにかを描画びょうがするのには、ふでえがきが主流しゅりゅうであった。ふでえがきではインクとしておも墨汁ぼくじゅうなどが使つかわれるが、墨汁ぼくじゅう用意よういする手間てまや、かわくまでの時間じかん墨汁ぼくじゅうしだれたり、素材そざいによっては定着ていちゃくしないなど不便ふべんてんがあった。そのてんにおいて、油性ゆせいマーカーははや乾性かんせい携帯けいたいせいすぐれて連続れんぞくしてえがくことができた。とく速報そくほうせいもとめられ、おおきな必要ひつようがある様々さまざま場面ばめん街頭がいとうでの選挙せんきょ速報そくほうやテレビでのニュース解説かいせつなど)で利用りようされ普及ふきゅうしていくようになる。

日本にっぽん学校がっこうでは、生徒せいとおな種類しゅるい衣服いふく道具どうぐ学校がっこうない使つかっている場合ばあいがあり、客観きゃっかんてきだれのものであるか、はっきりさせるため名前なまえくことが慣習かんしゅうになっている。そのため、素材そざいえらばない油性ゆせいマーカーが重宝ちょうほうされることになる(たとえば、運動うんどうくつ運動うんどう紅白こうはく帽子ぼうしなどのぬの製品せいひんランドセルなど皮革ひかくまたは人工じんこう皮革ひかく製品せいひん楽器がっきなどのプラスチック製品せいひん)。そのほかにも、自転車じてんしゃなどの金属きんぞく製品せいひんや、かさなどに所有しょゆうしゃめいなどをくためにも利用りようされる。

また、太字ふとじのマーカーはなんらかの情報じょうほう告知こくちするさいに、大判おおばんかみやホワイトボードなどにむために使つかわれる(たとえば、えきでの運行うんこう情報じょうほうなど)。

歴史れきし[編集へんしゅう]

フェルトペンは1791ねんイギリス貴族きぞくによって考案こうあんされたのが最初さいしょとされる。室内しつない装飾そうしょくもちいられていたフェルトをり、さきほそくなった金属きんぞくつつへはめみ、インクをませながらもちいた。このアイデアがいつしか民衆みんしゅうつたわり、19世紀せいき後半こうはんには工業こうぎょうてき生産せいさんされるようになった。[よう出典しゅってん](なお、このせつ出所しゅっしょ不確ふたしかで、wikipediaのこのページが初出しょしゅつ可能かのうせいもある)

現在げんざいのフェルトペンにつながる初期しょき発明はつめいとしては、1910ねんにはアメリカのLee Newmanがフェルトをペンさきとするマーキングペンの特許とっきょ取得しゅとくしている[4]。また、1926ねんにはBenjamin Paskachがペンさきにスポンジをもちいた「fountain paintbrush」という発明はつめい特許とっきょ取得しゅとくしている[5]。ただしこれらの発明はつめい商品しょうひんとして発売はつばいされなかったので、普及ふきゅうはしていない。

1953ねんアメリカのシドニー・ローゼンタール(en:Sidney Rosenthal)が、「インクをれたガラスかん」と「フェルトのペンさき」で構成こうせいされたペンを発明はつめいし、かれ会社かいしゃであるスピードライしゃ(Speedry Chemical Products of Richmond Hill)から「マジックマーカー(Magic Marker)」として発売はつばいしたことにより、フェルトペンの普及ふきゅうはじまる。当初とうしょ芸術げいじゅつ用品ようひん市場いちば想定そうていしていたためか、商品しょうひんめいも「SPEEDRY BRUSHPEN」であった[6]。その、1957ねんにスピードライしゃは「マジックマーカー」の商標しょうひょう取得しゅとく[7] し、社名しゃめいも1966ねんに「スピードライしゃ」から「Magic Marker(マジックマーカーしゃ)」に変更へんこうされた。「マジックマーカー」はラベリングや芸術げいじゅつ分野ぶんや中心ちゅうしんとしてひろ普及ふきゅうし、マーカーペンの代名詞だいめいしとなるが、ライバルしゃとの競争きょうそうによりマジックマーカーしゃは1980ねん破産はさんしている。

1963ねんだい日本にっぽん文具ぶんぐぺんてる)が、世界せかいはつ水性すいせいマーカーとなる「ぺんてる サインペン」を発売はつばい従来じゅうらいのマーカーペンが使つかっていた油性ゆせいインクはかみ浸透しんとうしやいため、にじんだりうらうつりしたりすることがおおかったが、インクを水性すいせいえることで、かみきやすくなった。また、従来じゅうらいのマーカーペンはペンさきにフェルトを使つかっているため先端せんたんふとかったが、ぺんてるの「サインペン」はペンさきにアクリル繊維せんい使つかうことで、ほそいペンさきにすることが可能かのうとなった。当初とうしょはさっぱりれなかったが、シカゴの文具ぶんぐ国際こくさい見本市みほんいち出展しゅってんしたところ、きやすいとアメリカのリンドン・ジョンソン大統領だいとうりょうってだいヒット商品しょうひんとなり、その人気にんきぎゃく輸入ゆにゅうされるかたち日本にっぽんでも普及ふきゅうする。

1950年代ねんだい後半こうはん、アメリカのMartin Heitが発明はつめいし、アメリカのDri-Markしゃから発売はつばいされたものが世界せかいはつのホワイトボードである。1968ねんには日本にっぽん統計とうけい日本にっぽんはつのホワイトボードを発売はつばいし、同年どうねんには文具ぶんぐ大手おおてパイロット萬年筆まんねんひつもホワイトボードを発売はつばい(パイロットは1968ねん日本にっぽんはつのホワイトボードを発売はつばいしたと主張しゅちょうしているが、日本にっぽん統計とうけいではこれを「真似まね」だとしている[8])。当時とうじのホワイトボードは、マーカーペンでいたすのにれたぬのかティッシュが必要ひつようだったため、不便ふべんだったので普及ふきゅうしなかったが、1975ねんにJerry Woolfがボードの表面ひょうめん付着ふちゃくするはや乾性かんせいのインクでかわいたぬのでもせるペンを発明はつめい。その特許とっきょけんをパイロットが取得しゅとくし、世界せかいはつの「ホワイトボードマーカー」として発売はつばいしたことでホワイトボードとホワイトボードマーカーの普及ふきゅうはじまる。

1971ねん、ドイツの文具ぶんぐメーカースタビロ世界せかいはつ蛍光けいこうペン「STABILO BOSS」を発売はつばいする。

1973ねん呉竹くれたけふでペン「くれたけひつぺん」を発売はつばいする。ふでペンは「ペンさき繊維せんい使つかったペン」というてんでフェルトペンの仲間なかまである。

1982ねんサクラクレパス世界せかいはつ水性すいせい顔料がんりょうサインペン「ピグマ」を発売はつばい。それまでの水性すいせいマーカーペンは染料せんりょう使用しようしていたためたい水性すいせいたいこうせいがなく、うえからいろったりすることができなかったが、顔料がんりょうインクを使つかうことで、カラーのイラスト製作せいさくなどにもえるようになった。このたねのペンは、ふとさがミリ単位たんいせんはばでラインナップをそろえることで「ミリペン」とばれるようになり、プロの漫画まんがなどにも愛用あいようされることになった。

1990ねんごろまで油性ゆせいマーカーの溶剤ようざいとしてトルエンキシレン使つかわれており、とてもくさうえ人体じんたい有害ゆうがいだった。そのため、1980年代ねんだい後半こうはんよりアルコールけい溶剤ようざい使つかった製品せいひん発売はつばいされた。その代表だいひょうれい1987ねんにいづみや(Too)が発売はつばいしたコピックである。コピーのトナーをかさないので「コピック」と名付なづけられた。とくに1993ねん発売はつばいされた「コピックスケッチ」シリーズは、プロのイラスト製作せいさくにもえる「アルコールマーカー」の代表だいひょうとして普及ふきゅうした。

日本にっぽんでの歴史れきし[編集へんしゅう]

1953ねん昭和しょうわ28ねん)に寺西てらにし化学かがく工業こうぎょうが、国産こくさんでの油性ゆせいマーキングペン「マジックインキ」を発売はつばいした。寺西てらにし化学かがく工業こうぎょうのマジックインキは当初とうしょくろあかあおの3しょくだったが、1955ねんに8しょくセットを発売はつばい、1966ねんたいきの「マジックインキ ワイド」を発売はつばいするなど、いろふとさのバリエーションをやすことによって人気にんき不動ふどうのものとしたため、日本にっぽんではフェルトペンのことを「マジック」とぶことがある。

その、1959ねんにパイロットが油性ゆせいマーキングペン「スーパーカラーインキ」を発売はつばい、1963ねん呉竹くれたけ水性すいせいインキで細字さいじの「クレタケドリームペン」を発売はつばいするなど、その筆記具ひっきぐメーカーも追従ついしょうするようにマーキングペンの販売はんばいはじめたため、輸入ゆにゅうひん徐々じょじょ姿すがたしていくことになった。

日本にっぽん国外こくがいでは[編集へんしゅう]

日本にっぽん国外こくがいでも日本にっぽん同様どうよう用途ようと商品しょうひんにより様々さまざま名称めいしょうがある。下記かき英語えいごばんウィキペディアを参考さんこうにしたものを記述きじゅつするが、現地げんちにおいてかならずしもてはまらない場合ばあいがある。

英語えいごけんでの種類しゅるいとしては「Permanent marker(永久えいきゅうマーカー)」と「Non-permanent marker(永久えいきゅうマーカー)」がある。永久えいきゅうマーカーは日本にっぽん油性ゆせいマーカーをし、永久えいきゅうマーカーはホワイトボードマーカーのようにすことを目的もくてきとした水性すいせいマーカーをす。またインクに特徴とくちょうのある「Highlighters(ハイライター)」は蛍光けいこうペンをし「Security marker(セキュリティマーカー)」は不可視ふかしインク(紫外線しがいせんてると蛍光けいこうするインクなど)を使用しようしたマーカーペンをす。
「Election marker(選挙せんきょマーカー)」は、一定いってい期間きかんすことの出来できないインクで皮膚ひふゆびなど)にしるしえがくためのマーカー。おも選挙せんきょさいじゅう投票とうひょう防止ぼうしなどに使つかわれ有権者ゆうけんしゃ投票とうひょうしたむねしるしえがくためのマーカーである。

英語えいごけんでの名称めいしょうかんしては「マーカー(marker)」「マジックマーカー(magic marker)」「felts(フェルト)」「felt-pens(フェルトペン)」「felt tips(フェルトチップ)」など。商品しょうひんめいとしては、1964ねんにアメリカ・サンフォードしゃから登場とうじょうした永久えいきゅうマーカーペン「Sharpie(シャーピー)」が有名ゆうめいおも欧米おうべいおよび中南米ちゅうなんべい、オーストラリア、ニュージーランドなど)。またオーストラリアの「Texta」やニュージーランドでの「Vivid 」、みなみアフリカでの「Koki」など現地げんち製造せいぞう販売はんばいされている商品しょうひんめいが、当地とうち一般いっぱん名詞めいししている。

スペインけんでは「rotulador」「marcador」(ともに目印めじるし、マーカーという意味いみ永久えいきゅうマーカーは「Rotulador permanente」。永久えいきゅうマーカーは「Rotulador no permanente」)または「plumon」とばれる。蛍光けいこうペンは「resaltador」、「rotulador fluorescente」または「fosforito」とばれる。ロシアおよびその影響えいきょうけんにあるリトアニア、クロアチア、スロベニアでは「фломастер(Flo-Master)」ともばれている。Flo-Masterはもともとは、アメリカのマーカーの商品しょうひんめいである。

インドでは、スケッチに使つかわれるフェルトペンを「sketch pens(スケッチペン)」、通常つうじょうのマーカーは「markers(マーカー)」とばれる。マレーシアでは、たんに「pen(ペン)」、フィリピンでは「Pentel Pen(ペンテルペン)」、インドネシアではマーカーペンを「Spidol」、韓国かんこくではマーキングペンを「Sign pen(サインペン)」「Name pen(ネームペン)」とばれる。

主要しゅよう商品しょうひん[編集へんしゅう]

日本にっぽん国内こくない
日本にっぽん国外こくがい

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 世界せかいレベルの大阪おおさかええもん』 2007 [ようページ番号ばんごう]
  2. ^ 商標しょうひょう登録とうろく 日本にっぽんだい505150ごうほか。商標しょうひょうめいは「マジックインキ」
  3. ^ 商標しょうひょう登録とうろく 日本にっぽんだい761981ごう商標しょうひょうめいは「PENTEL Sign PEN(ペンテルサインペン)」
  4. ^ Lee W. Newman, Marking Pen, U.S. Patent 946,149 Jan 11, 1910.
  5. ^ Fountain paintbrush”. Freepatentsonline.com. 2014ねん4がつ30にち閲覧えつらん
  6. ^ http://thefountainpencommunity.activeboard.com/forum.spark?aBID=111780&p=3&topicID=22669300&page=1&sort= - 海外かいがいのペンにかんするコミュニティサイトで「Speedry Brush Pen」の写真しゃしんがある。
  7. ^ 米国べいこく商標しょうひょう72009601ほか
  8. ^ ホワイトボードの歴史れきし

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 世界せかいレベルの大阪おおさかええもん』エイ出版しゅっぱんしゃ〈エイムック 1387〉、2007ねん7がつOCLC 675707893 ISBN 4-7779-0797-XISBN 978-4-7779-0797-7

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]