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ミヘー

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オアハカしゅうとミヘーの人々ひとびと地域ちいき
ミヘーの人々ひとびと村落そんらく集落しゅうらく分布ぶんぷ高地こうち低地ていち位置いち関係かんけい

ミヘーMixe)は、ふるくはMijeとも表記ひょうきされ、ミヘー・ソケー言語げんごグループにぞくし、メキシコオアハカしゅう北部ほくぶにごつごつしてけわしく高低こうていはげしい山岳さんがく地帯ちたいに50ヵ所かしょくらいの中核ちゅうかくてき村落そんらく多数たすうちいさな集落しゅうらくいとなんでらしているインディヘナ少数しょうすう民族みんぞくのひとつである。人口じんこう総計そうけい7~8まんくらいである。

歴史れきし

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ミヘーやソケーの人々ひとびとのはるかな先祖せんぞオルメカ文明ぶんめいにまでさかのぼるとかんがえられている。ミヘーの人々ひとびとはオルメカとのつながりは意識いしきしないものの、はるか南方なんぽうのアンデス地方ちほうよりメキシコにボートによってやってきたという伝承でんしょうがある。この移住いじゅう伝説でんせつによるとミヘーは伝説でんせつおうコンドイ(Condoy)によってみちびかれてせいなるやまセンポアルテペトルにいて王国おうこくきずいて繁栄はんえいしたという。スペイン征服せいふく以前いぜんのミヘーについては、かれらの居住きょじゅうする地域ちいきから考古こうこ遺物いぶつ遺跡いせきがほとんど検出けんしゅつされないことからまったくわかっていない。サポテカぞく王国おうこくのひとつサアチラアステカ帝国ていこくがミヘーを完全かんぜん征服せいふくしたかどうかについてもわかっていない。スペインによるオアハカ河谷こうだに征服せいふく、デイエゴサンドバル司令しれいかんひきいるスペインぐんがミヘーの山岳さんがく北側きたがわからミヘーやチナンテクを征服せいふくするために派遣はけんされたが失敗しっぱいした。そのためコルテスもスペインおうにあてた手紙てがみでサポテカとミヘーの征服せいふく完全かんぜんになされないままであることを報告ほうこくしている。1555ねんドミニコかい伝道でんどうによってスペインじんとミヘーの人々ひとびと平和へいわてき接触せっしょくがはじまった。宣教せんきょう団体だんたいによってヒキラ(Juquila),トトナテペク( Totontepec)やケッアルテペク( Quetzaltepec)に教会堂きょうかいどうてられ、伝道でんどう推進すいしんされたが、ミヘーの人々ひとびとはいまだに征服せいふくされていないというプライドをたもっている。

言語げんご

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ミヘーは、ミヘー・ソケー語族ごぞくのひとつのおおきなぶんえだをなしている。ベラクルス地方ちほうポポロカぞく(Sayula Popoluca とOluta Popoluca)と非常ひじょうちか関係かんけいにある。ミヘー抱合ほうごうであり、のうかく-絶対ぜったいかく言語げんごといって自動詞じどうし主語しゅご他動詞たどうし目的もくてきかく変化へんかおながたになる言語げんごである。 ミヘーは、高地たかちミヘー内陸ないりくミヘー低地ていちミヘーみっつに区分くぶんすることができ、高地たかちミヘーは、北部ほくぶではトトナテペク(Totontepec)周辺しゅうへん南部なんぶではトラウィトルテペク,アユトラ(Tlahuitoltepec, Ayutla)とタマスラパン(Tamazulapan)周辺しゅうへんはなされ、内陸ないりくミヘーは、フキラとサカテペク(Juquila and Zacatepec)、低地ていちミヘーは、 ギチコビ(Guichicovi)の周辺しゅうへんはなされる。

生業せいぎょう

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ミヘーの人々ひとびと生業せいぎょうとしてげられるのはまずは農業のうぎょうであって、おもトウモロコシ豆類まめるいトウガラシカボチャなどを焼畑やきばた農耕のうこうつくり、バナナジャガイモ根菜こんさいるい多様たよう熱帯ねったいさん果物くだもの栽培さいばいする一方いっぽう多量たりょうコーヒー生産せいさんおこなって世界せかい経済けいざいにもかかわっている。また、家畜かちくとして通常つうじょうシチメンチョウニワトリっているが、ブタっているむらもある。土地とちは、おのおのの家族かぞく長期間ちょうきかん管理かんりしていて村落そんらく共同きょうどうたいによって法的ほうてき所有しょゆうされているので、用益ようえきけん農場のうじょう管理かんりする施設しせつ金銭きんせんによって他人たにん権利けんり移動いどうするしくみになっている。そのほか、商業しょうぎょう交易こうえき商人しょうにんであったり職人しょくにんてき仕事しごといとなんだりしている。

村落そんらくごとにもうけられる市場いちば(バザール)は、村落そんらくあいだ相互そうごむすびつける市場いちばとなって平日へいじつことなったもうけられる。1970年代ねんだい後半こうはんからあたらしい道路どうろ建設けんせつされ、メキシコ国内こくない経済けいざいとミヘー地方ちほうをつなぐようになった。そのため、おおきな企業きぎょういとなんだりトラックをもつ会社かいしゃ経営けいえいする人々ひとびとあらわれてかせぐようになった。

家族かぞく親族しんぞく社会しゃかい構造こうぞう

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ミヘーの社会しゃかい基本きほんてき単位たんいかく家族かぞく一部いちぶ一夫多妻いっぷたさいせい存在そんざいする。家族かぞく構成こうせい父方ちちかた居住きょじゅう、つまりおっと両親りょうしんいえ居住きょじゅうする拡大かくだい家族かぞくであって個人こじん中心ちゅうしんとした双方そうほうてき親戚しんせき関係かんけい存在そんざいする。年齢ねんれい世代せだいせいもとづいた血族けつぞくシステムはハワイにられるようにうつろいやすいものである。結婚けっこん両親りょうしんふたつの親戚しんせき関係かんけいむすびついたものとかんがえられ、おくもの交換こうかんすることによって正式せいしきなものとする。婚姻こんいん解消かいしょうした場合ばあいは、おっと子供こどもをひきとり、夫婦ふうふ双方そうほう家族かぞくから財産ざいさんをわけてはなばなれにくらすことになる。相続そうぞく財産ざいさんはすべての子供こどもせい年齢ねんれい関係かんけいなく平等びょうどうけられる。

複数ふくすう家族かぞくだいちちはは実父じっぷはは関係かんけい(compadrazgo)によって儀礼ぎれいてき血族けつぞく関係かんけいである。これがあみのように拡大かくだいされむすびついている。ミヘーの政治せいじてき宗教しゅうきょうてき組織そしき複雑ふくざつ年齢ねんれい階梯かいてい集団しゅうだん構成こうせいされている。つまり、ミヘーの年齢ねんれい集団しゅうだん政治せいじてき宗教しゅうきょうてき組織そしき関係かんけいふかく、村落そんらくないで、年齢ねんれいおなじか、わかいか、年長ねんちょうかという地位ちい明確めいかくする役割やくわりたすめんがある。 むら通常つうじょうふたつの土地とち所有しょゆう区分くぶんけられる。血族けつぞく集団しゅうだんはそのどちらかのぞくする傾向けいこうがある。政治せいじてき指導しどうしゃ宗教しゅうきょうてき指導しどうしゃはそのふたつのからとしごとにかわるがわるえらばれる。

おおきなまちは、それぞれのまち自身じしん関係かんけいする仕事しごとのほか地域ちいきてき統括とうかつしているちいさな集落しゅうらく農場のうじょう関係かんけいする仕事しごとおこなう。

宗教しゅうきょう

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ミヘーの宗教しゅうきょうは、現在げんざいではカトリックメソアメリカ土着どちゃく由来ゆらい宗教しゅうきょうこん合体がったいである。そのため、カトリックの信仰しんこうかれ自身じしんかみ々の信仰しんこうがたくみにまれて信仰しんこうされている。たとえば、「かみなりふう」を意味いみするポフ・エニー(Poj 'Enee)は、豊穣ほうじょうあめかみであるとともにミヘーのまち々をまも存在そんざいとされる。「表面ひょうめん」を意味いみするナアシュウィナ(Naaxwiiñ)は、大地だいち豊穣ほうじょう女神めがみである。「動物どうぶつ主人しゅじん」であるユルクは、野生やせい動物どうぶつ狩猟しゅりょうをつかさどるかみである。イギーニャ(Hɨgɨñ)は、かわいずみをつかさどる女神めがみであり、猟師りょうしによって崇拝すうはいされている。ミーヒク(Mɨjku)は、とみうんハリケーンそして地底ちていかいをつかさどるかみであり、しばしばカトリックにおける悪魔あくまおなじにあつかわれる。

一方いっぽうで、プロテスタント団体だんたい村民そんみん改宗かいしゅうさせることに成功せいこうしているむらもある。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Carrasco,David ed. 
    2001 - The Oxford Encyclopedia of Mesoamerican Cultures: The Civilizations of Mexico and Central America 2(HAAB-PIED),Oxford Univ. Pr. ISBN 0-19-514256-X
  • Frank J Lipp
    1991 - The Mixe of Oaxaca: Religion, ritual and healing, University of Texas Press.
  • Wichmann,Søren
    1995 - The Relationship Among the Mixe-Zoquean Languages of Mexico. University of Utah Press. Salt Lake City. ISBN 0-87480-487-6