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トウガラシ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
トウガラシ
分類ぶんるいAPG IV, Cantino et al. (2007)[1]
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiospermae
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい Eudicotyledoneae
階級かいきゅうなし : キクるい Asteridae
階級かいきゅうなし : シソるい Garryidae
: ナス Solanales
: ナス Solanaceae
ぞく : トウガラシぞく Capsicum
たね : トウガラシ C. annuum
学名がくめい
Capsicum annuum L. (1753)[2]
和名わみょう
トウガラシ、唐辛子とうがらし蕃椒とうがらし
英名えいめい
chile pepper
capsicum pepper
red pepper
sweet pepper

トウガラシ唐辛子とうがらし蕃椒とうがらし[3]学名がくめい: Capsicum annuum)は、ナストウガラシぞく多年草たねんそうまたは低木ていぼく日本にっぽんなど温帯おんたいではいちねんくさ)。また、その果実かじつのこと。メキシコ原産げんさん南米なんべいアンデス地方ちほうというせつもある)。果実かじつは、辛味からみのある香辛料こうしんりょう唐辛子とうがらし)または野菜やさいとして食用しょくようにされる。

広義こうぎにはトウガラシぞくをトウガラシと総称そうしょうすることがあるが、ここではおもC. annuum 1しゅについてべる。この C. annuumリンネの『植物しょくぶつたね』(1753ねん) で記載きさいされた植物しょくぶつひとつである[4]

名称めいしょう

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和名わみょうトウガラシとう中国ちゅうごく)からつたわった辛子からしつらいたね)の意味いみである[5]。ただし、「とう」は漠然ばくぜんと「外国がいこく」を言葉ことばで、中国ちゅうごく経由けいゆということではない。別名べつめいでは、ナンバン[6]、コウライコショウ[6]、ナンバンコショウ[7]ともよばれる。異名いみょうの「ナンバン」(南蛮なんばん)は、16世紀せいきごろに南蛮なんばんせんによりポルトガルじん日本にっぽんつたえたといわれるところから名付なづけられたものである[8]

植物しょくぶつしゅとしてのトウガラシ(学名がくめい: Capsicum annuum)にはからみのある辛味からみしゅからみがない甘味あまみしゅがあり、一般いっぱんに「トウガラシ」とよばれるものは辛味からみしゅのほうをしている[9]具体ぐたいてきには、果肉かにくうす甘味あまみがあるベルがたなかはてしゅを「ピーマン」、甘味あまみがある果肉かにくあつだいはてしゅを「パプリカ」とよび、辛味からみのないしょうはてしゅを「シシトウガラシ」(シシトウ)、辛味からみがあり香辛料こうしんりょうとして使つかわれるしょうはてしゅを「トウガラシ」とよんで区別くべつしている[10][11]

英名えいめいchili pepper(チリ・ペッパー)、ふつめいpiment commum(ピモン・コムム)、めいではpeperoncino(ペペロンチーノ)[10]中国ちゅうごくでは辣椒(らっしょう[6]、Làjiāo ラーチァオ)[2]う。

学名がくめいでは、ぞくめい Capsicum はギリシアで「はこ」や「ふくろ」を意味いみする caspa が語源ごげんで、ふくろじょう果実かじつ形状けいじょう由来ゆらいする。異説いせつには「む」を意味いみする kapto が語源ごげんとのせつもある。またたね小名しょうみょうannuum は、「いち年生ねんせいの」植物しょくぶつ意味いみである。

特徴とくちょう

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トウガラシの果実かじつ - 種子しゅし付着ふちゃくした中央ちゅうおうもっとつら胎座である

温帯おんたいではいちねんくさで、熱帯ねったいでは多年草たねんそうでやや低木ていぼく灌木じょうになる[5][7][12]世界せかい温帯おんたいから熱帯ねったいひろ地域ちいき栽培さいばいされている[6]植物しょくぶつがくじょうは、トウガラシはピーマンパプリカシシトウガラシ同種どうしゅ植物しょくぶつ分類ぶんるいされ、ピーマン・パプリカ・シシトウともトウガラシの栽培さいばい品種ひんしゅである[10][11]

草丈くさたけはふつう70 - 80センチメートル (cm) ほどの草本そうほんだが、基部きぶ木質もくしつする[13]くき多数たすう枝分えだわかれし、全体ぜんたいである[7]互生ごせいながたまごじょう披針形ひしんけいさきとがぜんえん[7]花期かきは7 - 11月ごろで、しろはなける[7]花弁はなびらには斑点はんてんられない。はなのち上向うわむきに緑色みどりいろ内部ないぶ空洞くうどうのある細長ほそながい5 cmほどのがなる。果実かじつじゅくすると、一般いっぱんあかくなる[13]品種ひんしゅによってはまるみをびたものやみじかいもの、いろづくと黄色おうしょく紫色むらさきいろになるものもある[7]種子しゅしいろは、あわ黄白こうはくしょくから黄色おうしょくになる。

かわ種子しゅしからみがある[13]辛味からみ成分せいぶんカプサイシン種子しゅし胎座もっとおおふくまれており[14]、トウガラシは胎座でカプサイシンをつくしている[15]。トウガラシの種子しゅしにはカプサイシンがほとんどふくまれていないため、種子しゅしだけをべると辛味からみまったかんじない。カプサイシンは果皮かひにもふくまれるが、胎座ほどおおくない。

シシトウガラシなどのあま品種ひんしゅつら品種ひんしゅ交配こうはい可能かのうである。あま品種ひんしゅ雌蕊めしべつら品種ひんしゅ花粉かふん交配こうはいしてできたじつは(胎座はあま品種ひんしゅなので)あまいが、この種子しゅしからそだったの胎座はからくなることがある。したがって、つら品種ひんしゅあま品種ひんしゅえるときはなるべく距離きょりくように注意ちゅういすることが必要ひつようである。

歴史れきし

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中南米ちゅうなんべい熱帯ねったいアメリカ地域ちいき原産げんさんとされる[6][16]栽培さいばい起源きげんメキシコだとかんがえられていて、メキシコ中部ちゅうぶ紀元前きげんぜん6500 - 5000ねんごろ栽培さいばいがた出土しゅつどしている[10]アメリカ大陸あめりかたいりく各地かくちでは、やく2000ねん以上いじょうまえから栽培さいばいおこなわれていた[10]南米なんべいペルーでは、1世紀せいきごろ遺跡いせきからトウガラシ模様もようはいった織物おりもの発見はっけんされている[10]インカひとはトウガラシをアヤ・ウチュ(「辛辣しんらつもの」のかみ[17]として崇拝すうはいしていた[18]

ヨーロッパへは、アメリカ大陸あめりかたいりく到達とうたつしたクリストファー・コロンブスが1493ねんスペインかえったことにより、ヨーロッパ全域ぜんいきひろがった[10]以後いごシルクロードて、インド中国ちゅうごくつたわる[19]。トウガラシは15世紀せいき中南米ちゅうなんべいからヨーロッパに紹介しょうかいされてから、250ねんらずでほとんど世界中せかいじゅうひろまった[12]。トウガラシは19世紀せいきになるまでアルプスの北側きたがわではあまりべられてこなかった(この地域ちいきでは辛味からみくわえる食材しょくざいとしては、寒冷かんれい気候きこうでも栽培さいばいしやすいマスタードホースラディッシュのほうがいまでもこのまれている)[18]

日本にっぽんへの伝来でんらいは、安土あづち桃山ももやま時代じだい以降いこうの16世紀せいきから17世紀せいきごろ複数ふくすうのルートでどう時期じきつたわったとされ[16]、1592ねん豊臣とよとみ秀吉ひでよしによる朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいのときに種子しゅし導入どうにゅうされたというせつ[20]、1542ねんにポルトガルじんによってタバコとともにトウガラシが伝来でんらいしたというせつがある[10]江戸えど時代じだい中期ちゅうきからひろ栽培さいばいされるようになった[15]江戸えど時代じだいまでは辛味からみがある品種ひんしゅしかなく、明治めいじ時代じだいになって欧米おうべいから辛味からみのない品種ひんしゅ(シシトウガラシ)が導入どうにゅうされて、当初とうしょは「あまトウガラシ」とんでいた[10]


品種ひんしゅ

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チルテピン

世界中せかいじゅう様々さまざま品種ひんしゅがあるが、おおきくけて香辛料こうしんりょうとして使つか辛味からみしゅ(ホットペッパー、えい: Hot pepper)と、ピーマンやパプリカ、シシトウガラシなどの甘味あまみしゅ(スイートペッパー、えい: Sweet pepper)にけられる[21]あか唐辛子とうがらしなどの辛味からみ品種ひんしゅは、アメリカからヨーロッパにわたって香辛料こうしんりょうになり、さらにアジアへとひろまった[21][22]

形状けいじょうは、大小だいしょう長短ちょうたん品種ひんしゅがあり、たかつめ(たかのつめ)とばれる品種ひんしゅ相当そうとうからみがつよ[13]のほとんどがちいさくながほそいものだが、野生やせいしゅチルテピンじつちいさくまるい。

といったものもある。ピーマンもトウガラシのいち品種ひんしゅで、フランス語ふらんすごのトウガラシをしめすピマン(piment)からている[13]シシトウガラシなどのからくない品種ひんしゅつくられたが、栽培さいばいつづけているうちに、しばしば先祖返せんぞがえりしたつらいのがこんじることもある[13]

植物しょくぶつ和名わみょう学名がくめいインデックス YList による分類ぶんるい

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  • Capsicum annuum L. (1753) - トウガラシの標準ひょうじゅん学名がくめい中国ちゅうごくめい:辣椒
  • Capsicum annuum L. Acuminatum group (1832) - 和名わみょう:ソラミトウガラシ、別名べつめい:トウガラシ (s. str.)、Cayenne group: Erwin (1932)とするせつもある。[23]
  • Capsicum annuum L. Cerasiforme group (1898) - 和名わみょう:ホシトウガラシ、別名べつめい:チェリーペッパー、和名わみょう牧野まきの富太郎とみたろうによる命名めいめいで、学名がくめいはだかめい)を C. glossum var. cerasiforme (Mill.) Makino (1897) とした。[24]
  • Capsicum annuum L. Conoides group (1898) - 和名わみょう:ゴシキトウガラシ、別名べつめい:タバスコペッパー、中国ちゅうごくめいあさてんはじかみ[25]
  • Capsicum annuum L. Grossum group (1846) - 和名わみょう:ピーマン、別名べつめい:シシトウガラシ[26]
  • Capsicum annuum L. Longum group (1846) - 和名わみょう:ナガミトウガラシ、別名べつめい:ロングペッパー、中国ちゅうごくめいちょう辣椒[27]

おも品種ひんしゅ栽培さいばいしゅつぎとおりで、栽培さいばい品種ひんしゅは5 - 6ぐんにまとめられていている。

なお、植物しょくぶつしゅとしてのトウガラシのきんえんしゅに、多年草たねんそうくき木質もくしつするキダチトウガラシ木立きだち唐辛子とうがらしC. frutescens)があり、しま唐辛子とうがらしタバスコペッパープリッキーヌーはこの系統けいとう品種ひんしゅである[10]強烈きょうれつつらさでられるハバネロブートジョロキア別種べっしゅカプシクム・キネンセC. chinense)である。(#きんえんしゅ参照さんしょう

Cerasiforme group

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えのきみのるぐん、またはチェリーぐんとも。

ニューメックス・トワイライト(観賞かんしょうようトウガラシの1しゅ学名がくめい: Capsicum annuum L. var. acuminatum
五色ごしきトウガラシ
  • チェリー・ペッパー(ホシトウガラシC. a. Cerasiforme group)- 観賞かんしょうよう香辛料こうしんりょうのトウガラシで、じつ小型こがたでほぼ球形きゅうけい
  • ゴシキトウガラシ五色ごしき唐辛子とうがらしC. a. var. abbreviatum)- 観賞かんしょうようトウガラシのハナトウガラシのなかふるくから栽培さいばいされている品種ひんしゅCapsicum annuum 系統けいとう五色ごしきぐん (Celestial group) の品種ひんしゅ分類ぶんるいされている。

Conoides group

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Chili groupのなかの1ぐんで、たかつめぐん、またはコーンぐんとも。学名がくめいCapsicum annuum L. Conoides group。世界せかいてき利用りようされるトウガラシの栽培さいばいしゅ日本にっぽんの「たかつめ」「ほんたか」「ダルマ」や、メキシコのチリ(chilies)やアメリカのタバスコ(tabasco)など。

  • タカノツメたかつめC. a. var. conoides) - タキイ種苗たきいしゅびょう育成いくせいした日本にっぽん代表だいひょうする品種ひんしゅちいさな果実かじつぼうじょうにたくさんできる。乾燥かんそうさせて香辛料こうしんりょうにする[8]。スコヴィルは4まん - 5まんSHU。
  • チリペッパー - メキシコのチリ(chilies)やアメリカのタバスコ(tabasco)など。'Aci Sivri'、'Bolivian Rainbow'、'Goat Horn'、'Kung Pao'、'Pequin'、'Poblano' (aka Ancho)、'Thai Small' など。

Fasciculatum group

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Chili groupのなかの1ぐんで、はちぼうぐんともいう。

  • ヤツブサはちぼうC. a. ver. fasciculatum) - 早生わせ品種ひんしゅで、あか上向うわむきにたくさんあつまってつくのが特徴とくちょうで、名前なまえ由来ゆらいになっている。「愛知あいち三鷹みたか」「静岡しずおか三鷹みたか」「細八ほそはちぼう」「静岡しずおかたかつめ」「栃木とちぎ三鷹みたか」「はちぼう」「磐田いわたはちぼう」「仰天ぎょうてん」「だてはちぼう」「長八ちょうはちぼう」「ひめとうがらし」「光輝こうき(こうき)」などの品種ひんしゅがある。
  • 栃木とちぎ三鷹みたか(とちぎさんたか)

Longum group (Cayenne group)

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伏見ふしみぐん、またはパプリカぐん別名べつめいロングペッパー(Long pepper)。

ハラペーニョ
  • フシミ(伏見ふしみC. a. var. longum) - 果実かじつ細長ほそながく、別名べつめいロングペッパー(long pepper)とも。じつながく、ながさ30 cmほどになるものもある。「あじめコショウ」「剣崎けんざきなんば」「三宝さんぼうあまちょうトウガラシ」「清水森しみずもりナンバ」「日光にっこう」「ひもとうがらし」「伏見ふしみからし」「伏見ふしみあま」「伏見ふしみあまちょう」「魔女まじょつえ」「水引みずひきとうがらし」など。
  • カイエンペッパー(Cayenne pepper、ソラミトウガラシ、C. a. L. Acuminatum group) - じつ下向したむきにがってつき、はてちょうは10 - 25 cm。からみがつよいのが特徴とくちょう。Cayenne groupをけることもある。'Carolina Cayenne Pepper'、'Cayenne'、'Cayenne Carolina'、'Cayenne Iberian'、'Cayenne Indonesian'、'Cayenne Large Red Thick'、'Cayenne Passion'など。
  • ハラペーニョ(Jalapeno Pepper) - メキシコの品種ひんしゅで「メキシコとうがらし」ともばれる[28]じつは7 - 9 cmの楕円だえんがたをしていてにくあつで、非常ひじょうからく(30,000 - 50,000スコヴィル単位たんい)、ピクルスなどにして使つかわれる [29]。       
  • ニューメキシコチリ(New Mexico chile) - 米国べいこくニューメキシコしゅう代表だいひょうするあお唐辛子とうがらし。チリペッパーの1しゅ
  • チリセラーノ(Chile serrano、C. a. 'Serrano Sinahusia' ) - メキシコさんあかトウガラシで、未熟みじゅくみどりはて利用りようされる。メキシコ料理りょうりによく使つかわれる。
  • トリニダード・モルガ・スコーピオン('Trinidad Scorpion Moruga') - ホットチリペッパーの1品種ひんしゅ。スコヴィルは139 - 80まんSHU。
  • チルテピン(チテピン、Chiltepin、C. a. var. glabrisuculum) - 野生やせいもある多年生たねんせい低木ていぼくで、たかさ1 - 3 m。メキシコのソノラしゅうやアリゾナしゅう南部なんぶ砂漠さばく山岳さんがく地帯ちたい分布ぶんぷし、9月から1がつまで栽培さいばい[18]。Capsicum annuumしゅもっとふる品種ひんしゅかんがえられている。野生やせいしゅハバネロよりもからみがつよく、スコヴィルは5まん - 10まんSHU。

Grossum group

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だいはてぐんまたは青果せいかぐん別名べつめい、ベルペッパー(bell pepper)、またはスイートペッパー(sweet peppers)とも。ピーマン(ベルがたなかだいはて)もこのグループにふくまれる。

あかピーマン(パプリカ)
ポブラノ
  • シシトウガラシ獅子しし唐辛子とうがらし) - 辛味からみすくなく、わずかな苦味にがみ特有とくゆうかおりがあるが、なかにはつらいものもある。さきかたち獅子ししはなていることから[30]
  • ベルペッパー(Bell pepper) - アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくさんピーマン、Bell peppercv. angulosum あるいは、c Cv. gulosum とするせつもある。
    • ピーマン - 果実かじつ緑色みどりいろ未熟みじゅくはて利用りようする。からみはまったくない。
    • パプリカ - だいはてにくあついろあざやかな赤色あかいろ黄色おうしょく、オレンジしょくなどがある。
  • ピメント(Pimento pepper、Sweet Salad group) - おおきくてあかいハートがたのトウガラシの種類しゅるい果肉かにくあまくて水気みずけおおく、のトウガラシよりもかおりがつよい。辛味からみしゅのスコヴィルは100 - 500SHU。「パーフェクション」「スイートミートグローリー」など。
  • キューバネル(Cubanelle Pepper, Frying Pepper) - 小型こがたのベルがた甘味あまみしゅ果実かじつうす緑黄色りょくおうしょく、しわのあるなが円錐えんすいがた。キューバ、プエルトリコ、ドミニカなどで利用りようおおい。
  • スカッシュ(Squash pepper) - 扁平へんぺい果実かじつで、アメリカにおお種類しゅるい。「サンニー」「ブラック」など。
  • ホットベル(Hot Bell Peppers) - マイルドなからみをつトウガラシの一種いっしゅ。'Mexibell' など。
  • ポブラノ(Poblano Pepper、C. a. var. annuum 'Poblano') - メキシコのプエブラしゅう原産げんさんのマイルドでスパイシーなトウガラシ。スコヴィルは1,000 - 1,500SHU。

日本にっぽん特産とくさんしゅ

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辛味からみつよ品種ひんしゅに『たかつめ』、からみのうす品種ひんしゅに『はちぼうトウガラシ[31]』や『伏見ふしみとうがらし[32]』などがある。辛味からみがほとんどないたね代表だいひょうがシシトウと通称つうしょうされるシシトウガラシで、京野きょうのさい伏見ふしみとうがらし、万願寺まんがんじとうがらしなどが有名ゆうめいである[10]

  • 万願寺まんがんじとうがらし
    京都きょうと舞鶴まいづる特産とくさんしゅで、京野きょうのさいひとつ。果実かじつ全長ぜんちょう10 cm以上いじょうになる大型おおがたで、果肉かにくあつみがあり、甘味あまみがある[30]伏見ふしみあまちょうとうがらしとカリフォルニアワンダー[注釈ちゅうしゃく 1]との交配こうはいしゅ[22]
  • 伏見ふしみとうがらし伏見ふしみあまちょうとうがらし)
    京都きょうと伏見ふしみ地区ちく特産とくさんで、京野きょうのさいひとつ。果実かじつほそくて全長ぜんちょう15 cmと細長ほそながく、やわらかくて辛味からみがない[30][22]唐辛子とうがらしとして佃煮つくだになどにしてべられる[33]
  • あまとう美人びじん - 果実かじつながさ15 cmで、やさしい辛味からみやわらかい品種ひんしゅ[22]くさぜいがありぶんえだ発生はっせいおおく、収穫しゅうかくできるF1品種ひんしゅで、辛味からみはて発生はっせい比較的ひかくてきすくない[34]
  • 田中たなかとうがらし(田中たなかししとう) - 甘味あまみしゅ緑色みどりいろ特徴とくちょう明治めいじ初期しょきから京都きょうと愛宕あたごぐん田中たなかむらげん京都きょうと左京さきょう田中たなか)でつくられていたというシシトウガラシの一種いっしゅ[22]
  • かぐらなんばん - 辛味からみしゅで、新潟にいがたけん長岡ながおか伝統でんとう野菜やさい。15世紀せいきはいってきた南蛮なんばん原種げんしゅちかいといわれ、かたちがピーマンにている[29]はたしんとわたがからく、外皮がいひあま[10]
  • 大和やまととうがらし - 甘味あまみしゅで、奈良ならけんきゅう大和やまとこく南部なんぶ伝統でんとう野菜やさい。「むらさきとうがらし」ともいわれ、加熱かねつすると紫色むらさきいろあわ緑色みどりいろ変化へんかする[29]収穫しゅうかくできる固定こてい品種ひんしゅで、ながさは5 cmでにくあつ[34]
  • しのししとうがらし - シシトウの一種いっしゅで、じつながさ14 cmほどで、くろちか緑色みどりいろで、にくあつでしっかりしている[10]
  • ひもとうがらし - 鉛筆えんぴつほどのほそさとながさを甘味あまみしゅじつ濃緑こみどりしょくで、かわやわらかく、甘味あまみつよ[34]
  • 土佐とさししとう - 高知こうちけんきゅう土佐とさこく南部なんぶ海岸かいがん地域ちいき農家のうか栽培さいばいされきたシシトウガラシの伝統でんとう品種ひんしゅじつ全体ぜんたい細長ほそながく、はていただき獅子頭ししがしらじょうではなくスマートなかたちをしている[34]
  • あじめコショウ - 岐阜ぎふけん中津川なかつがわ福岡ふくおか地区ちく伝統でんとう野菜やさい細長ほそながかけが、地元じもとかわ生息せいそくする魚類ぎょるいアジメドジョウていることから、こうばれる。辛味からみつよく、味噌みそ砂糖さとうみりんあおじそとともにいためて辛味噌からみそをつくる[35]
  • うしかく大王だいおう - トキタ種苗しゅびょう品種ひんしゅ。ピーマンのようなしょくかんで、綿めん部分ぶぶんからみがあり、スパイシーなあじわいがある[8]

栽培さいばい

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露地ろじ栽培さいばいでは、ふつうはるたねをまき、なつからあきにかけて果実かじつ収穫しゅうかくする[8]高温こうおんせいがあり、栽培さいばい適温てきおんは25 - 30夜間やかんは15以上いじょう地温ちおんは25前後ぜんこうとされる[8]生育せいいく後期こうき低温ていおんたいしてつよさがあり、晩秋ばんしゅうごろまで生育せいいくする[8]湿しめにはよわく、はピーマンよりも繊細せんさいであることから、排水はいすいせいがよい土壌どじょうでの栽培さいばいてきしている[8]一般いっぱんには、完熟かんじゅくした果実かじつ収穫しゅうかくして、あめたらない風通かぜとおしのよいところにつるして乾燥かんそうさせてから利用りようする[8]未熟みじゅくはてあおトウガラシとしてさわやかなからみをたのしむことができる[8]

なえづくりは育苗いくびょうばこに1 cm間隔かんかくたねをまき、にちちゅう20 - 30夜間やかんは15以上いじょう保温ほおん養生ようじょうして発芽はつがさせ、ほんが1まいたころに育苗いくびょうポットに移植いしょくして、ほん8 - 9まいぐらいになるまで育苗いくびょうする[36]はたけ元肥もとごえ堆肥たいひなどを十分じゅうぶんにすきんでうねをつくり、地温ちおんげるために黒色こくしょくポリフィルムなどでマルチングをして、初期しょき育成いくせい促進そくしん役立やくだてる[36]なえけは、うねのマルチにあなけて45 cm前後ぜんこう間隔かんかくおこない、はやめに支柱しちゅうてて倒伏とうふく防止ぼうしをはかる[36]定植ていしょく半月はんつき最初さいしょ追肥ついひおこない、以後いごは15 - 20日はつかごとにうね周囲しゅうい肥料ひりょうんで土寄つちよおこな[36]けから45にちくらいに収穫しゅうかくはじまり、トウガラシにするときは果実かじつが4 - 5&nbso;cmくらいになったころにかぶごといて、もむしりって利用りようする[36]成熟せいじゅくはては、開花かいか50 - 60にちがたつとあかじゅくする。かぶごといて収穫しゅうかくし、軒下のきしたなどにつるしていぬいはてにしたら随時ずいじ利用りようできる[36]

用途ようと

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食用しょくよう

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食用しょくようにするのはおも果実かじつで、世界中せかいじゅう香辛料こうしんりょうとして使つかわれていて[34]日本人にっぽんじんにもふかくなじみがある[15]辛味からみがあり香辛料こうしんりょうとして使用しようされる辛味からみしゅと、辛味からみがないかほとんどないわりに糖度とうどたかく、おも野菜やさいとしてしょくされるあま唐辛子とうがらし甘味あまみしゅ)がある。じゅくしてあか辛味からみ唐辛子とうがらしのことあか唐辛子とうがらしといって、別名べつめいたかつめ」とばれる、乾燥かんそうされたものを使つかうのが一般いっぱんてきである[21]。また、未熟みじゅくはて緑色みどりいろをしている辛味からみ唐辛子とうがらしあお唐辛子とうがらしといって、タイなどのアジア諸国しょこくでよく使つかわれる[21]甘味あまみしゅは、品種ひんしゅ栽培さいばい環境かんきょうによって果実かじつ辛味からみ場合ばあいがある[10]辛味からみしゅは、あか唐辛子とうがらし刺激しげきてき辛味からみち、とく種子しゅしつよ辛味からみがあり、あお唐辛子とうがらしのなかにはシシトウガラシのようなあじわいをつものもある[10]伏見ふしみからしのように、部分ぶぶん食用しょくようにできる品種ひんしゅもあり、特有とくゆう芳香ほうこう苦味にがみ、ピリッとしたつらさがこのまれ、佃煮つくだにやしそきになどに使つかわれる[28]

食材しょくざいとしてのしゅんなつ(7 - 9がつ)で、あか唐辛子とうがらしあざやかな赤色あかいろで、かわにつやとりがあるもの[21]あお唐辛子とうがらしは、かたちそろって緑色みどりいろいものが良品りょうひんとされる[21]

辛味からみしゅは、あか唐辛子とうがらしでもあお唐辛子とうがらしでも様々さまざま調味ちょうみりょうつくられていて[37]料理りょうり刺激しげきてきなメリハリをつける香辛料こうしんりょうとして、いたぶつ、パスタ料理りょうりづけぶつなど、幅広はばひろ使用しようされる[21]。また甘味あまみしゅは、煮物にものものなどにして、そのもののあじたのしむ料理りょうり使つかわれる[21]唐辛子とうがらしもの使つかうときは、なか空気くうき膨張ぼうちょうして破裂はれつしてしまうので、じつって使つかうか、あらかじめあなをあけておく[10]使つかうときは灰汁あく(アク)がすくないため、したでする必要ひつようはない[10]

日本にっぽんではあまり栽培さいばいされないが、パプリカには多少たしょうつら品種ひんしゅもある。乾燥かんそうさせて粉末ふんまつとし香辛料こうしんりょうまたは天然てんねん着色ちゃくしょくりょうとしても使つかわれる。

薬用やくよう

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果実かじつ香辛料こうしんりょうとして有名ゆうめいだが、食欲しょくよく増進ぞうしん消化しょうか促進そくしんけん唾液だえき分泌ぶんぴつ促進そくしん作用さよう皮膚ひふ刺激しげき作用さようがあり、薬用やくようとして使つかわれることがある[7][15]あき果実かじつあかじゅくしたものを採集さいしゅうして、陰干かげぼししたものを蕃椒とうがらし(ばんしょう)か辣椒(らっしょう)、または唐辛子とうがらししょうしている[38]一般いっぱんよう漢方かんぽう製剤せいざいには配合はいごうされていないが、おも辛味からみせいけん胃薬いぐすり筋肉きんにくつう、しもやけなどの局所きょくしょ刺激しげきやくとしてもちいられている[15][38]日本にっぽん薬局方やっきょくほうでは、アルコールなどをくわえてチンキにした、トウガラシチンキの製薬せいやく原料げんりょうとしている[20][38]腰痛ようつう筋肉きんにくつうかたこりリュウマチ関節かんせつつう神経痛しんけいつうにトウガラシチンキを[7]エキスにしてあつし湿布しっぷざい配合はいごうしたり、筋肉きんにくつう凍傷とうしょうやしなえ使つかわれたりする。

民間みんかん療法りょうほうでは、食欲しょくよくがないときや消化しょうかがよくないとき、胃腸いちょうえているときの腹痛はらいた下痢げりなどに、こまかくきざんだ唐辛子とうがらし薬味やくみ香辛料こうしんりょう)としてもちいる[38]あししもやけ予防よぼうに、くつなかのつまさき部分ぶぶんに、ガーゼなどに唐辛子とうがらし1 - 2つつんでれておく[38]神経痛しんけいつう、しもやけの外用がいようやくでトウガラシチンキをつくるときは、唐辛子とうがらしきざみ、やく3倍量ばいりょうの35ホワイトリカーやく1かげつけて、患部かんぶ[6]。ただし、トウガラシチンキはあたためる効果こうかつよいため、患部かんぶえていることを確認かくにんしてからるなど用法ようほうには注意ちゅういようする[6]

防虫ぼうちゅう抗菌こうきん効果こうか

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トウガラシには防虫ぼうちゅう効果こうかがあることふるくからられており、書物しょもつ保存ほぞんひな人形にんぎょう五月ごがつ人形にんぎょうなどの物品ぶっぴん保存ほぞんなどにも使用しようされてきた。箪笥たんすなどの衣装いしょうばこれておけば、防虫ぼうちゅうざいになる[38]。またべい保存ほぞんなど食品しょくひん保存ほぞんもちいられていたこともある。かつては、倉庫そうこなどで唐辛子とうがらしこなにくべて、ネズミ駆除くじょにももちいられていた[38]。トウガラシを焼酎しょうちゅうんで害虫がいちゅう忌避きひ効果こうかがある自然しぜん農薬のうやくつく菜園さいえんもいる[39]。トウガラシをアブラナネギキク野菜やさいはたけのあちこちにえておいて、がいむしよけにする利用りようほうもある[39]

アルコール抽出ちゅうしゅつした成分せいぶんにはたね細菌さいきん増殖ぞうしょく抑制よくせいする抗菌こうきん効果こうかるとする報告ほうこくがある[40]が、乾燥かんそう加工かこうした物品ぶっぴんでは保存ほぞんちゅう流通りゅうつう加工かこう工程こうていちゅう増殖ぞうしょくするカビ[41]によって、カビどく汚染おせんされる可能かのうせい指摘してきされている[42][43]

ぶつ野菜やさい

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はなをつけたころから未熟みじゅくころにかけてくきごと収穫しゅうかくし、ぶつ野菜やさい唐辛子とうがらしとして利用りようされる。

栄養素えいようそ辛味からみ成分せいぶん

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トウガラシ(hot chile, sun-dried)
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 324 kcal (1,360 kJ)
69.86 g
糖類とうるい 41.06 g
食物しょくもつ繊維せんい 28.7 g
5.81 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.813 g
一価いっか飽和ほうわ 0.468 g
あたい飽和ほうわ 3.079 g
10.58 g
ビタミン
チアミン (B1)
(7%)
0.081 mg
リボフラビン (B2)
(100%)
1.205 mg
ナイアシン (B3)
(58%)
8.669 mg
ビタミンB6
(62%)
0.81 mg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
ビタミンC
(38%)
31.4 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(21%)
3.14 mg
ビタミンK
(103%)
108.2 µg
ミネラル
ナトリウム
(6%)
91 mg
カリウム
(40%)
1870 mg
カルシウム
(5%)
45 mg
マグネシウム
(25%)
88 mg
リン
(23%)
159 mg
鉄分てつぶん
(46%)
6.04 mg
亜鉛あえん
(11%)
1.02 mg
成分せいぶん
水分すいぶん 7.15 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

トウガラシの果実かじつ全体ぜんたいやく75%が水分すいぶん構成こうせいされており、栄養素えいようそ比率ひりつおおじゅんしょく100グラム (g) あたり炭水化物たんすいかぶつ16.3 gがもっとおおく、たんぱくしつ3.9 g、脂質ししつ3.4 g、灰分かいぶん1.4 gとつづ[28]果皮かひには辛味からみ成分せいぶんカプサイシンデヒドロカプサイシンあか色素しきそカプサンチン黄色おうしょくもとβべーた-カロテンのほか、ルチンビタミンB1B2Cなどをふくんでいる[5]。そのほかには、アデニンベタインコリンジヒドロカプサイシンホモカプサイシンクリプトキサンチンルテインクリプトカプシンなどがふくまれる[44]

カプサイシンは揮発きはつせいで、皮膚ひふ粘膜ねんまくにつくと炎症えんしょうなどをこす、作用さようはげしい成分せいぶんである[38]。ただし、注目ちゅうもくあたいする様々さまざま機能きのうせいをもっていることがわかっており、血管けっかんひろげて血行けっこうをよくして身体しんたいあたためる作用さようや、唾液だえき分泌ぶんぴつりょうやして食欲しょくよく増進ぞうしんさせて消化しょうか吸収きゅうしゅうたすける作用さようがあり、さらに中枢ちゅうすう神経しんけい刺激しげきして副腎ふくじんホルモンのひとつアドレナリン分泌ぶんぴつりょうやして代謝たいしゃ活発かっぱつにするはたらきもあるとされる[21][28]調理ちょうりにトウガラシを使つかうと、ヒトがあじ塩気しおけ物足ものたりなさをかんじにくくなり、食塩しょくえん使用しようりょうらせる効果こうかられることについては、カプサイシンそのものが食塩しょくえん要求ようきゅうりょうらすという研究けんきゅう報告ほうこくもある[28]。このカプサイシンの割合わりあいしめスコヴィルばれ、カプサイシンの含有がんゆうりょう割合わりあい高低こうてい測定そくていするじょうでその単位たんいくてはならないものとなっている。

トウガラシにはβべーた-カロテン豊富ほうふで、なまにはビタミンCも豊富ほうふふくまれている[21]野菜やさいくらべてビタミン・ミネラルるいふく割合わりあい圧倒的あっとうてきおおいが、使つかわれかたから実際じっさいくちふくりょうはごく少量しょうりょうであるから、栄養えいようげんとしては期待きたいできない[28]

トウガラシの一種いっしゅ、シシトウガラシの栄養えいよう成分せいぶんはピーマンとほぼおなじで、カロテンやビタミンCが豊富ほうふふくまれる[22]。トウガラシの葉柄ようへい部分ぶぶん食用しょくようする唐辛子とうがらしは、緑黄色りょくおうしょく野菜やさいであり、カロテンやビタミンCを多量たりょうふく[28]

生産せいさん消費しょうひ

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国連こくれん食糧しょくりょう農業のうぎょう機関きかん(FAO)の2018ねん時点じてんデータによると、くにべつ生産せいさんりょうインド(180まんトン)が世界せかいシェア40%で首位しゅいめる。中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく(32まんトン)は2だが、経済けいざい発展はってんえる需要じゅよう国産こくさんだけではまかなれず、インドから輸入ゆにゅうしている。一方いっぽうで、日本にっぽん自給じきゅうりつも10%未満みまんで、年間ねんかん輸入ゆにゅうりょう(1まん2000トン~1まん5000トン程度ていど)のやく9わり中国ちゅうごくさんである。なべ流入りゅうにゅうなどで、日本にっぽん消費しょうひりょう拡大かくだい傾向けいこうにある[45]

日本にっぽんしゅ産地さんちは、栃木とちぎけん徳島とくしまけん千葉ちばけん岐阜ぎふけんなどで、シシトウガラシの場合ばあいでは、高知こうちけん千葉ちばけん和歌山わかやまけん岐阜ぎふけんなどがある[10]海外かいがいから日本にっぽんへは、おも中国ちゅうごくタイなどの産地さんちから輸入ゆにゅうされている[10]

きんえんしゅ

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トウガラシがぞくするトウガラシぞく温帯おんたいから亜熱帯あねったいにかけて分布ぶんぷしている。これらのうち、標準ひょうじゅん和名わみょうでは C. annuum 1しゅをトウガラシとぶ。

日本にっぽん栽培さいばいされているのはおもにトウガラシだが、沖縄おきなわではキダチトウガラシの品種ひんしゅしま唐辛子とうがらし栽培さいばいされている。

トウガラシ、キダチトウガラシ、カプシクム・キネンセの3しゅはな形態けいたいなどが酷似こくじしており、交配こうはいすると雑種ざっしゅができるが、雑種ざっしゅ形成けいせいする花粉かふんすうわり生殖せいしょく能力のうりょくたないため、この3しゅあいだには不完全ふかんぜん生殖せいしょくてき隔離かくりられる[46]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ピーマンの栽培さいばい品種ひんしゅひとつで、にくあつみじか円筒えんとうがた特徴とくちょう[33]

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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