肩 こり
概念
[また頸肩
原因
[この
症状
[僧 帽 筋 エリア(特 に肩 上部 )の局部 の圧 痛 から始 まる。僧 帽 筋 は肩 上部 では厚 みがあり、それも肩 こりの大 きな一因 となっている。進行 すると圧 痛点 やこりを感 じる部位 が拡大 する。筋肉 の持続 的 緊張 により圧 痛 部位 が拡大 し、深層 筋 (肩 甲 挙 筋 ・棘 上 筋 ・菱形 筋 ・脊柱 起立 筋 群 ・上後 鋸 筋 )にまで凝 りが拡大 すると「芯 が凝 ったような凝 り」として感 じられ、筋肉 がこわばり、重苦 しさを感 じるようになる。重苦 しさを放置 すると痛 みを感 じるようになり(「首筋 まで痛 い」「凝 りすぎて背中 が痛 くて眠 れない」)、進行 すると緊張 性 頭痛 や顔面 ・上肢 の関連 痛 が生 じるようになる。
診断
[治療
[薬物 療法 消炎 鎮痛 剤 (内服 または外用 )・筋 弛緩 剤 ・抗 不安 剤 などが用 いられる。この医薬品 として代表 的 なものは湿布 (サロンパス、トクホン)、エチゾラム(デパス®)などがある。症状 の強 いときは圧 痛点 (トリガー・ポイント)注射 や神経 ブロックも行 われる。理学 療法 鍼灸 ・各種 手技 療法 ・運動 療法 ・吸玉 、カッピング療法 ・瀉血 療法 ・マッサージ・ストレッチ・温熱 療法 ・水 治療 法 ・電気 療法 などが行 われる。- たすき
掛 けが肩 こりの症状 を緩和 する可能 性 が示唆 されている[2]。
言語 文化 と「肩 こり」
[- 「
肩 が凝 る」という言葉 は、夏目 漱石 による造語 との説 [注 1]があり[注 2]、さらに、それ以前 はいわゆる肩 こりの症状 を特 に指 す用語 は日本語 になく、漱石 が「肩 こり」という言葉 を造 って、その症状 を自覚 するようになったとの言説 がある[3]。- しかしながら、『
門 』の発表 とほぼ同 時期 には、「肩 が凝 る」を現代 語 と同 じ用法 で使用 している例 [注 3]は見 られるし、それ以前 より、「痃癖 の凝 り」といった表現 が見 られるため、この表現 の源流 を漱石 のみに帰 するのは疑問 がある。 - また、『それ
以前 はいわゆる肩 こりの症状 を特 に指 す用語 は日本語 にない』なる言説 は、『門 』以前 にも樋口 一葉 が「肩 が張 る」と言 う表現 を用 いており、また、そもそも、1686年 には、当時 の医学 書 『病名 彙解』において「痃癖 」として紹介 されており、その俗語 が「うちかた」であるとの記述 があって、妥当 とはいえない。従 って、「肩 こり」と言 う言葉 が生 まれたゆえ、その症状 を自覚 するようになったと言説 は、正確 性 を欠 く。
- しかしながら、『
日本語 においては、疲労 などを原因 とする頚部 周辺 の不快 感 や痛 みを、単純 に「肩 こり」とい表 せるために、社会 的 に認知 ・対処 法 への関心 が共有 されているとも考 えられており、逆 に、そのような言葉 がない言語 文化 圏 には「肩 こり」はないとも言 われる[4]。このような言語 文化 に特有 の症状 の例 としてフランス以外 ではまれにしか報告 されない重 い足 (jambes lourdes)が世界 的 には有名 である。フランスでは日本 での肩 こりと同 じように重 い足 を治 すための民間 療法 なども多 く存在 している。英語 では肩 こりを「stiff neck」「tight shoulders」「shoulder discomfort」「shoulder stiffness」などと表現 する。以前 はこのような種々 の表記 が見 られたが、コンピューターやスマートフォンの普及 で欧米 でも肩 こりが増 えると、論文 も増 え最近 は「neck pain」と表記 されることが多 い。
脚注
[注釈
[- ^ 『
門 』(1910年 新聞 掲載 )の以下 の箇所 が初出 とされる。「もう少 し後 の方 」と御 米 が訴 えるように云 った。宗 助 の手 が御 米 の思 う所 へ落 ちつくまでには、二 度 も三 度 もそこここと位置 を易 えなければならなかった。指 で圧 してみると、頸と肩 の継目 の少 し背中 へ寄 った局部 が、石 のように凝 っていた。御 米 は男 の力 いっぱいにそれを抑 えてくれと頼 んだ。 —夏目 漱石 、門 - ^ “
肩 こりのクスリ”. メディカルα . BS-TBS. 2022年 3月 29日 閲覧 。,
“遂 に発見 !肩 こりの謎 ”.必見 !目 がテン!?ライブラリー.日本 テレビ (1997年 6月 1日 ). 2022年 3月 29日 閲覧 。,週刊 現代 編集 部 (2019年 3月 9日 ). “「肩 こり」という言葉 を広 めたのは誰 か、ご存 じですか?”.現代 ビジネス.講談社 . 2022年 3月 29日 閲覧 。など。 - ^
出典
[- ^ a b c
公益社 団 法人 日本整形外科学会 「肩 こり」 - ^ Furukawa, Yuki. “Tasuki for neck pain: An individually-randomized, open-label, waiting-list-controlled trial” (
英語 ). Journal of Occupational Health n/a (n/a). doi:10.1002/1348-9585.12097. ISSN 1348-9585 . - ^ “
肩 こりの歴史 ”. ロイヒシリーズ. ニチバン株式会社 . 2023年 9月 14日 閲覧 。 - ^
矢野 忠 「「肩 こり」とその背景 」『全日本 鍼灸 学会 雑誌 』第 46巻 第 2号 、全日本 鍼灸 学会 、1996年 、91-95頁 、CRID 1390282679520824960、doi:10.3777/jjsam.46.91、ISSN 0285-9955。