ロコト

ロコト
分類ぶんるい（APG III）
学名がくめい
	Capsicum pubescens; Ruiz et Pav. 1799
英名えいめい
	Rocoto, Locoto

ロコト（rocotoまたはlocoto、学名がくめいCapsicum pubescens）は、ナス科かトウガラシ属ぞくに属ぞくする植物しょくぶつ。主おもに南米なんべいのアンデス地方ちほうで作つくられている唐辛子とうがらしの一種いっしゅである。

花はなは紫色むらさきいろ。果実かじつは丸まるい形状けいじょうをしており、見みた目めは小型こがたのピーマンのようである。熟じゅくすと赤あかや黄色おうしょくになる。果肉かにくは極きわめて辛つらい。種たねはさらに辛からく、種たねまで食たべるのはよほど辛つらいものが好すきな人ひとだけである（50,000–250,000スコヴィルほど）。他たのトウガラシ属ぞくの植物しょくぶつとは異ことなり、種子しゅしが黒くろいのが特徴とくちょう。種たね小名しょうみょうは「毛けが生はえた」という意味いみで、茎くきや葉はが柔やわらかい毛けで覆おおわれているため。

アンデスの山間さんかん部ぶが主おもな産地さんちである。気温きおんが18 - 20度ど程度ていどで比較的ひかくてき乾燥かんそうしている場所ばしょが生育せいいくに適てきしている。インカ帝国ていこくよりも昔むかしの時代じだい（プレ・インカ）から栽培さいばいされていたとされる。日本にっぽんでは、長野ながの県けんで栽培さいばいが試こころみられている^[4]。

ペルーやボリビアを中心ちゅうしんに、中南米ちゅうなんべいで様々さまざまな料理りょうりに用もちいられている。果肉かにくを刻きざんで（時ときには種しゅも）スープに入いれたり、ヤホァ（サルサ）の材料ざいりょうにしたりする。ファルスを詰つめて「ロコト・レジェノ」(rocoto relleno) という肉にく詰づめピーマンに似にた料理りょうりにすることもある。アンデスの料理りょうりを代表だいひょうする味あじであるといえよう。生せいのまま用もちいると、独特どくとくの青臭あおくさい風味ふうみがある。風味ふうみに関かんしてだけ言いうと、生せいのピーマンに近ちかい（そもそもピーマンは唐辛子とうがらしを辛からくないように品種ひんしゅ改良かいりょうしたものである）。

ペルーやボリビアでは市場いちばで生なまのまま豊富ほうふに売うられているほか、粉こなにしたものなども売うられている。生せいのロコトは細こまかく切きり刻きざんだり、バタンと呼よばれる石臼いしうすですり潰つぶしたりして使つかわれる。

ロコトの綴つづり方かたであるが、一般いっぱんには"rocoto"である。ボリビアとペルーの一部いちぶでは"locoto"と書かくことが多おおい。マンサノ (manzano)、カナリオ（canario、黄色きいろく熟じゅくすタイプ）、カバジョ (caballo)、ペロン (peron) と呼よぶ地域ちいきもある。