民間みんかん療法りょうほう

民間みんかん療法りょうほう（みんかんりょうほう）とは、広義こうぎには民間みんかんで伝つたわった療法りょうほうのこと、狭義きょうぎに科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづかない手法しゅほうである。特とくにガンなどに関かんして、科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづく医師いしの医療いりょうに含ふくまれない「療法りょうほう」で症状しょうじょう悪化あっかや患者かんじゃの詐欺さぎ被害ひがいが問題もんだいになっている。厚生こうせい労働省ろうどうしょうはエビデンス（根拠こんきょ）に基もとづいた注意ちゅうい喚起かんきサイトをつくっている。

民俗みんぞく学がく的てき分類ぶんるい

日本にっぽんの民間みんかん療法りょうほうを民俗みんぞく学がくの観点かんてんから見みた場合ばあい、古代こだいには巫みこ医い・僧そう医いなど医学いがく知識ちしきを有ゆうした宗教しゅうきょう者しゃが医療いりょう行為こういを行おこなっており（弓削道鏡ゆげのどうきょうが孝こう謙けん上皇じょうこうの治療ちりょうを行おこなってその寵愛ちょうあいを受うけた故事こじは彼かれが僧そう医いとしての性格せいかくを有ゆうしていたことを示しめす）、民俗みんぞく学がくの観点かんてんからは、次つぎの4種類しゅるいの要素ようそに分類ぶんるい可能かのうである（ただし、実際じっさいには複数ふくすうの要素ようそにまたがるものも多おおい）。また、中なかには梅干うめぼしを毎食まいしょく食たべると健康けんこうが増進ぞうしんするとか、臍ほぞに貼はると船酔ふなよい・車くるま酔よいに効きくといったように予防よぼう保健ほけん思想しそうを含ふくむものもある。

今日きょうでも「無病むびょう息災そくさい」を神社じんじゃ仏閣ぶっかくに祈いのるという形かたちで信仰しんこうと医療いりょうとの結むすびつきの残滓ざんしが残のこされている。

物理ぶつり的てき療法りょうほう

摩擦まさつ・圧迫あっぱく・刺激しげき・加熱かねつ・加湿かしつ・冷却れいきゃくなど、物理ぶつり的てきな力ちからや温熱おんねつ冷熱れいねつによるもので、薬物やくぶつ的てき療法りょうほう（風邪かぜや喉のどの痛いたみに生姜しょうがをおろしたものを服用ふくようしたり布ぬのに伸のばして当あてる）や信仰しんこう的てき療法りょうほう・呪術じゅじゅつ的てき療法りょうほう（神社じんじゃ・仏ふつ閣かくの湧水わきみずで目めなどの患部かんぶを洗あらったり、灸治きゅうじに適切てきせつな日ひが存在そんざいすること）など組くみ合あわせて行おこなわれる場合ばあいもある。

発熱はつねつを感かんじたら患部かんぶを冷ひやす、傷口きずぐちから血ちが出でているのに気きづいたら傷口きずぐちを押おさえたり舌したでなめる、体内たいないに違和感いわかんを持もったらその付近ふきんを擦こすったり揉もんだりするなどの行為こういも物理ぶつり的てき療法りょうほうの初期しょき的てきな段階だんかいと言いえる。また、鍼灸しんきゅうをはじめ、温泉おんせん・サウナを含ふくめた風呂ふろなどへの入浴にゅうよく行為こういやしゃっくりの時ときに息いきをせずに冷水れいすいを一気いっきに飲のむという慣習かんしゅうもその一種いっしゅであると言いえる。

• 瀉血しゃけつもこの範疇はんちゅうに入はいると思おもわれるも、実際じっさい、有効ゆうこうな場合ばあいも、根拠こんきょがない場合ばあいもある。
  →詳細しょうさいは「瀉血しゃけつ」を参照さんしょう

薬物やくぶつ的てき療法りょうほう

いわゆる草根木皮そうこんもくひの類るいを用もちいていわゆる「民間みんかん薬やく」を服用ふくようすることで、現代げんだいにおいて未いまだに科学かがく的てきな薬効やっこうの成分せいぶん・原理げんりが明あきらかにされていない場合ばあいでも、現実げんじつに効力こうりょくの存在そんざいを認みとめざるを得えない事例じれいもある。なお、古ふるい時代じだいの民間みんかん薬やくに下剤げざいが多おおいのは、刺絡しらくなどと同おなじように体内たいないの邪悪じゃあくなものを病気びょうきごと対外たいがいに排出はいしゅつしようとする古ふるい医学いがく観かんの表あらわれと考かんがえられている。

胃痛いつうに熊くまの胆いやセンブリを煎せんじ汁じる（煎せんじたもの）を用もちいたり、下痢げりや消化しょうか不良ふりょうにゲンノショウコの煎せんじ汁じるを用もちいたり、漆うるしかぶれにサワガニを潰つぶした汁しるをつける、蜂はち刺さされに小便しょうべんや里芋さといもの葉はの汁しるを塗ぬる等ひとしというものである。また、夏なつバテに鰻うなぎを食たべたり、スッポンの血ちを飲のむという慣習かんしゅうもその一種いっしゅであると言いえる。

信仰しんこう的てき療法りょうほう

神社じんじゃ・仏ふつ閣かくに赴おもむいて祈願きがんしたり、加持かじ祈祷きとうや百度参ひゃくどまいりを行おこなうもので、特定とくていの病気びょうきなどに対たいする霊験れいけんが伝つたえられる神社じんじゃ・仏ふつ閣かくおよび関連かんれんする事物じぶつの存在そんざい（地蔵じぞう尊みこと）などが知しられ、巣鴨すがものとげぬき地蔵じぞうのように観光かんこう名所めいしょとなっている場所ばしょもある。また、古ふるくは銭湯せんとうや温泉おんせんに神仏しんぶつが祀まつられている例れいもあった。

呪術じゅじゅつ的てき療法りょうほう

接触せっしょくあるいは類似るいじ物ぶつを用もちいることで傷病しょうびょうを治癒ちゆさせようというものである。脳病のうびょうに猿さるの脳のうの黒焼くろやきを飲のむ、肺結核はいけっかくに石油せきゆを飲のむ、イボをとるのに石いしの穴あなに溜たまった水みずをつけると石いしのくぼみとイボが相殺そうさいされて治癒ちゆする、ものもらいに藁わらの芯しんを目めの前まえで結むすんで燃もやす、喉のどに刺さした魚さかなの骨ほねを除のぞくのに魚網ぎょもうを頭あたまから被こうむる、紙かみの人形にんぎょう（ひとがた）で身みをなでて穢けがれを移うつして川かわに流ながすと病やまいなどの災厄さいやくから避さけられるなどが知しられる。これらには科学かがく的てき根拠こんきょがないものが多おおいが、前述ぜんじゅつのようにシャーマンや祈祷きとう師しが巫みこ医いとしての活動かつどうは長ながい歴史れきしを有ゆうしている。また、律令制りつりょうせいの典薬てんやく寮りょうにおいても医学いがく的てきな治療ちりょうを行おこなう部門ぶもんと並ならんで道教どうきょう医療いりょうの一環いっかんである呪のろい禁きんを専せん門もんに扱あつかう部署ぶしょが存在そんざいしていた。なお、今日きょうにおいても風邪かぜを他人たにんにうつせば治癒ちゆするという慣習かんしゅうも風邪かぜという形かたちで露出ろしゅつした穢けがれを他者たしゃに移うつすという呪術じゅじゅつ的てきな意味いみを含ふくんでいると考かんがえられている。

具体ぐたい例れい

様々さまざまな物ものが存在そんざいするが、代表だいひょう的てきなものは高齢こうれい者しゃが上うえの世代せだいから聞きいた非ひ科学かがくなモノである。以下いかに具体ぐたい例れいを挙あげるが、エビデンスに基もとづく医療いりょうではなく、効果こうかの保証ほしょうや実践じっせんを推奨すいしょうしている訳わけではない。民間みんかん療法りょうほうによって、医師いしによる科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづく標準ひょうじゅん治療ちりょうの効果こうかが弱よわくなることや、予期よきせぬ副作用ふくさようが出でたり、健康けんこう食品しょくひんやサプリメントを摂とる食事しょくじ療法りょうほうによって、がんの治療ちりょうができなくなることがある。国立こくりつがん研究けんきゅうセンターもガンに効きくと主張しゅちょうされる民間みんかん療法りょうほうに「勧すすめられると判定はんていされているものは1つもない」と科学かがく的てきに指摘してきしているが、健康けんこうな時ときは「なんで、あんなものに頼たよるのか」と思おもう民間みんかん療法りょうほうは「騙だまされやすい一部いちぶの人ひとが手てを出だすもの」ではなく、がん患者かんじゃの約やく半数はんすうが手てを出だしてしまっている。金銭きんせんが要求ようきゅうされる民間みんかん療法りょうほうは命いのちの瀬戸際せとぎわにワラにもすがる思おもいでいる患者かんじゃや家族かぞくから高たかいお金かねをむしり取とろうとするモノである。

口内こうない炎えん

→詳細しょうさいは「口内こうない炎えん」を参照さんしょう

口内こうない炎えんには梅干うめぼしの果肉かにくを貼はり付つける。

水虫みずむし

→詳細しょうさいは「水虫みずむし」を参照さんしょう

足あしに湯ゆを掛かけてよく洗あらい、その後ご日光にっこうに当あてて良よく乾かわかす。患部かんぶを清潔せいけつにして直射ちょくしゃ日光にっこうに晒さらしながら乾燥かんそうさせることは、皮膚ひふ表面ひょうめんの軽度けいどな水虫みずむし治療ちりょうには効果こうかがあるとされる。ただし、ひび割われたり血ちが滲にじむような程ほどに悪化あっかしている場合ばあいの水虫みずむしはこの方法ほうほうでの治療ちりょうはまず不可能ふかのうである。白癬はくせん菌きんの感染かんせんは皮膚ひふの新陳代謝しんちんたいしゃよりも早はやいため、感染かんせん後ごによく洗あらって清潔せいけつに保たもっても治癒ちゆすることはなく、専用せんようの抗こう真ま菌きん薬やくでなければ治なおらない。

爪つま水虫みずむしでは患部かんぶへ薬液やくえきが浸透しんとうしにくいため、通常つうじょう医療いりょうの専門医せんもんいを受診じゅしんした場合ばあいは一般いっぱん的てきには経口けいこう抗こう真ま菌きん剤ざいを中心ちゅうしんとした治療ちりょうが行おこなわれる。

足あしごと食酢しょくずにつけるという民間みんかん療法りょうほうが主張しゅちょうされているが、逆ぎゃくに酢酸さくさんによって足あしの皮膚ひふがただれることがあるため勧すすめられない。

口角こうかく炎えん

→詳細しょうさいは「口角こうかく炎えん」を参照さんしょう

口角こうかく炎えんは、カンジタ菌きんの日和見ひよりみ感染かんせんでおこるが、主張しゅちょうされている民間みんかん療法りょうほうも多おおい。例たとえば殺菌さっきん作用さようが期待きたいされティーツリーから精製せいせいされる油あぶら、保湿ほしつ効果こうかからアロエベラ、あるいは単純たんじゅんに皮膚ひふの保湿ほしつ効果こうかを求もとめてワセリンやオリーブオイルや無む塩しおバターを唇くちびるに塗布とふ。一般いっぱんにはメンソレータムをはじめとするリップスティック型がたの軟膏なんこうも広ひろく流通りゅうつうしているため、これらも利用りようされる。

なお、口内こうない炎えんはビタミンB群ぐんの不足ふそくで起おこることも良よく知しられているため、これらを効果こうか的てきに摂取せっしゅできる食品しょくひんを食たべることも行おこなわれる。軽度けいどであればこれら民間みんかん療法りょうほうや民間みんかん薬やくないし一般いっぱん用よう医薬品いやくひんでも症状しょうじょうの軽減けいげんや治癒ちゆが期待きたいできるものの、そうでない場合ばあいでは病院びょういんで処方しょほうされる内服薬ないふくやく（処方箋しょほうせん医薬品いやくひん）のほうが効果こうか的てきである。

痛風つうふう

→詳細しょうさいは「痛風つうふう」を参照さんしょう

痛風つうふうは関節かんせつに尿にょう酸さん結晶けっしょうが蓄積ちくせきする事ことで発生はっせいし得えるが、水分すいぶんを多おおく取とる事ことで、症状しょうじょうの軽減けいげんが図はかれることが知しられている。また治療ちりょう効果こうかを期待きたいして、民間みんかん療法りょうほうでは利尿りにょう効果こうかのある喫茶きっさが盛さかんに奨励しょうれいされた。なお喫茶きっさも度どが過よぎれば症状しょうじょうの悪化あっかを招まねいたり、別べつの意味いみで健康けんこうを害がいする可能かのう性せいがあるので、科学かがく的てきには注意ちゅういが必要ひつようとされている。

水分すいぶんを多おおく取とるとよいというのは、尿にょう酸さんが尿にょうからしか排泄はいせつされないためである。ただし、痛風つうふう患者かんじゃには、体内たいないで尿にょう酸さんが過剰かじょうに生成せいせいされるタイプと、排泄はいせつがままならないタイプとに分わかれる。病院びょういんで最初さいしょに血液けつえき検査けんさと尿にょう検査けんさをするのは、そのタイプを見極みきわめるためである。したがって、無闇むやみに飲のめばいいというものでもない。なお、水分すいぶんはアルカリ性あるかりせいのものだと尿にょう酸さんが溶とけやすくなり、排出はいしゅつしやすくなるといわれる。アルカリ性あるかりせいの温泉おんせん水みずが痛風つうふう患者かんじゃに人気にんきなのはそのためである。民間みんかん療法りょうほうでは「飲いん泉いずみは万病まんびょうに効きく」と主張しゅちょうされてきた。

尿にょう酸さんに含ふくまれるN基もとはタンパク質たんぱくしつアミノ酸あみのさんのみによって体内たいないに摂取せっしゅされることから過剰かじょう生成せいせいされる場合ばあいはタンパク質たんぱくしつの摂取せっしゅを控ひかえたり、運動うんどうによって筋肉きんにくなどの合成ごうせいとして消費しょうひさせることで尿にょう酸さんの過剰かじょう生成せいせいを防ふせぐことができる。 排泄はいせつがままならないタイプに関かんしては腎じん機能きのうに問題もんだいがあるため、軽かるい運動うんどうなども含ふくめ、血行けっこう改善かいぜんから腎じん機能きのうの回復かいふくをすることで改善かいぜんが期待きたいできる。

虫むし刺さされ・毒蛇どくへびの対処たいしょ

→詳細しょうさいは「虫むし刺さされ」を参照さんしょう

→詳細しょうさいは「ヘビ毒どく」を参照さんしょう

虫むし（蜂はちなど）に刺さされた場合ばあいに、毒どくの中和ちゅうわのためアンモニアが含ふくまれている尿にょうを掛かけると治なおると主張しゅちょうされる民間みんかん療法りょうほうがあるが、これは科学かがく的てきに誤あやまった迷信めいしんである。排泄はいせつ直後ちょくごの尿にょうにはほんの微量びりょうのアンモニアしか含ふくまれておらず、アンモニアにも中和ちゅうわ作用さようはない。虫むし刺さされの場合ばあいは、刺ささった針はりなどを取とり除のぞいて流水りゅうすいで洗あらうなどして患部かんぶを清潔せいけつに保たもつべきだとされているが、山登やまのぼりの最中さいちゅうでは水みずが手てに入はいりにくい事ことから、応急おうきゅう的てきに健康けんこうであれば無菌むきん（もしくは、アンモニアが含ふくまれている）である筈はずの尿にょうで患部かんぶを洗あらった（中和ちゅうわした）という逸話いつわがあるものの、尿にょうそのものには全まったく治療ちりょう効果こうかはない。そもそも患部かんぶを汚けがすだけなので避さけるべきだとすら言いわれている。虫むしに刺さされた時ときは針はりを取とり除のぞいて水みずで患部かんぶを洗あらい清潔せいけつに保たもち、軟膏なんこうを塗布とふすればよい、とされる。

なお毒虫どくむしや毒どく蛇へびに刺さされたり噛かまれた際さいに、古ふるくから言いわれている口くちを使つかって毒どくを吸すい出だすという民間みんかん療法りょうほうもあるが、口内こうない菌きんで傷口きずぐちが汚染おせんされるだけではなく、誤あやまって毒どくを飲のんでしまったり、口くち粘膜ねんまくから速すみやかに毒どくが吸収きゅうしゅうされる可能かのう性せいもあるため、この方法ほうほうは危険きけんで科学かがく的てきに誤あやまったモノである。

クラゲの毒どく

→詳細しょうさいは「クラゲ」を参照さんしょう

クラゲの場合ばあいは、危険きけんな毒どくをもつ物ものは、皮膚ひふ表面ひょうめんに刺とげ胞と呼よばれる毒どくの詰つまった組織そしき片へんが残のこっている場合ばあいがある。古ふるくは民間みんかん療法りょうほうで酢すやアンモニアで毒どくを中和ちゅうわできるとか、水道すいどうの水みずでよく洗あらうべきだと言いわれていた。科学かがく的てきには、これらは清潔せいけつな海水かいすいでよく洗あらい流ながして、患部かんぶを冷ひやしながら病院びょういんに行いく事ことが勧すすめられている。民間みんかん療法りょうほうで主張しゅちょうされている酢すやアンモニアは、刺さしたクラゲの種類しゅるいによっては効果こうかが無なかったり、逆ぎゃくに刺とげ胞を刺激しげきして、余計よけいに毒液どくえき注入ちゅうにゅうを促うながす危険きけん性せいがある。

凍傷とうしょう

→詳細しょうさいは「凍傷とうしょう」を参照さんしょう

軽度けいどの凍傷とうしょうや凍瘡とうそうであれば、氷こおりや雪ゆきで患部かんぶをマッサージすることで改善かいぜんが促進そくしんされるという民間みんかん療法りょうほうがあり、大陸たいりく中央ちゅうおう部ぶで古ふるくから使つかわれている。理論りろん的てきには血管けっかん交感神経こうかんしんけい麻痺まひによる局所きょくしょ充血じゅうけつでの循環じゅんかん障害しょうがいを軽減けいげんさせるものと考かんがえられる。方法ほうほうとしては、氷塊ひょうかいの場合ばあい、滑なめらかな面めんで優やさしく患部かんぶをマッサージする。強つよく擦こすると皮膚ひふを損傷そんしょうする恐おそれがある。雪ゆきは水分すいぶんの少すくない軟やわらかなパウダースノーで行おこなう。可能かのうならば速すみやかに医師いしの受診じゅしんを受うける。中ちゅう重度じゅうどの凍傷とうしょうは、治療ちりょうが遅おくれると部分ぶぶん壊死えしなど人体じんたいに対たいする致命ちめい的てきな損傷そんしょうを与あたえる場合ばあいがある。

突つき指ゆび

→詳細しょうさいは「突つき指ゆび」を参照さんしょう

突つき指ゆびをしたとき、その指ゆびを強つよく引ひっ張ぱれば即座そくざに完治かんじする、との民間みんかん療法りょうほうは全まったくの迷信めいしんである。逆ぎゃくに、指ゆびを引ひっ張ぱることによって脱臼だっきゅうや神経しんけい破断はだんの危険きけんがある。

また田舎いなかの民間みんかん療法りょうほうではマムシの焼酎しょうちゅう漬づけが効きくとされていて、傷きずをつけずに捕獲ほかくしたマムシの毒どくを抜ぬいて焼酎しょうちゅうに漬つけたものが常備じょうびされている家いえもある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 米国べいこく医師いし会かい編へん 『アメリカ医師いし会かいがガイドする代替だいたい療法りょうほうの医学いがく的てき証拠しょうこ―民間みんかん療法りょうほうを正ただしく判断はんだんする手引てびき』泉いずみ書房しょぼう、2000.02、ISBN 4900138282
• 小内こうち亨とおる 『危あぶない健康けんこう食品しょくひん＆民間みんかん療法りょうほうの見分みわけ方かた』フットワーク出版しゅっぱん、2000.07、ISBN 4876893594
• 山崎やまざき光夫みつお 『「赤本あかほん」の世界せかい―民間みんかん療法りょうほうのバイブル』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、2001.10、ISBN 4166602063
• 蛸島たこしま直ただし「民間みんかん医療いりょう」（『日本にっぽん民俗みんぞく宗教しゅうきょう辞典じてん』（東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、1998年ねん） ISBN 978-4-490-10481-3）
• 細川ほそかわいづみ「民間みんかん療法りょうほう」（『国史こくし大だい辞典じてん 13』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1992年ねん） ISBN 978-4-642-00513-5）
• 新村しんむら拓たく「民間みんかん療法りょうほう」/吉岡よしおか信しん「民間みんかん薬やく」（『日本にっぽん民俗みんぞく大だい辞典じてん 下か』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2000年ねん） ISBN 978-4-642-01333-8）
• 千葉ちば徳いさお爾なんじ「民間みんかん療法りょうほう」（『日本にっぽん史し大だい事典じてん 6』（平凡社へいぼんしゃ、1994年ねん） ISBN 978-4-582-13106-2）

関連かんれん項目こうもく

• 代替だいたい医療いりょう - ハーブ/アロマ
• フェイクロア
• 伝統でんとう医学いがく
• シャーマニズム/生気せいき論ろん/邪気じゃき/呪術じゅじゅつ
• 偽にせ医療いりょう - ニセ医学いがく
• 漢方かんぽう医学いがく
• 民間みんかん薬やく - 薬事やくじ法ほう
• 薬草やくそう - 薬くすり膳ぜん

外部がいぶリンク

• 『民間みんかん療法りょうほう四よん百ひゃく種しゅ』 - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション
• 『民間みんかん療法りょうほう』 - コトバンク