ムシクイ

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ムシクイ
キタヤナギムシクイ
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: スズメ Passeriformes
: スズメ Passeri
小目こもく : スズメ小目こもく Passerida
うえ : ウグイスうえ Sylvioidea
: ムシクイ Phylloscopidae
学名がくめい
Phylloscopidae Alström et al.2006
タイプぞく
Phylloscopus Boie1826
和名わみょう
ムシクイ[1]
英名えいめい
Leaf Warblers
Leaf‐warblers
Old World Leaf Warblers

ムシクイ(ムシクイか、Phylloscopidae)は、スズメぞくするとりひとつである。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

ユーラシア大半たいはん生息せいそくし、きたアフリカメラネシアにも少数しょうすう生息せいそくする。

昆虫こんちゅうしょくちいさなとりである。

系統けいとう分類ぶんるい[編集へんしゅう]

系統けいとうじゅあいだAlström et al. (2006)[2]; Johansson et al. (2008)[3]より、ないおもJohansson et al. (2007)[4]補助ほじょてきOlsson et al. (2005)[5]; Olsson et al. (2005)[6]; Price (2010)[7]より。Clade IJohansson et al. (2008) による、clade 1–2, A–COlsson et al. による、数字すうじPrice によるかり系統けいとうめい一部いちぶPrice系統けいとう複数ふくすうをまとめている)である。ムシクイないではおよそ750まんねん以上いじょうふる[7]系統けいとう独立どくりつしてしるす(ただし確実かくじつ系統けいとうのみをしるすために一部いちぶはずらしている)。たね著名ちょめいなものか文中ぶんちゅうあらわれるもののみしるす。

Clade I

ウグイス Cettiidae

エナガ Aegithalidae

ムシクイ
Clade 1
1–3

狭義きょうぎのモリムシクイぞく Seicercus sensu stricto

ハヤシムシクイるい Woodland Warblers

C (4)

センダイムシクイイイジマムシクイ など

5

クリガシラモリムシクイチャガシラモリムシクイ (など?)

A (6–8)

Cryptigata ?
ニューギニアムシクイハイガシラモリムシクイ など

B (9–12)

Acanthopneuste ?
メボソムシクイエゾムシクイヤナギムシクイ など

Clade 2
13–18

キマユムシクイカラフトムシクイ など

19–21

 

22–24

キタヤナギムシクイチフチャフ など

25

 

26

モリムシクイ など

チメドリメジロダルマエナガ

ムシクイAlström et al. によりあらたに認識にんしきされ命名めいめいされたであり、ウグイスエナガきんえんである。

つよ支持しじされる2つのたん系統けいとうかれ、これらが分岐ぶんきしたのは1200まんねんまえである[7]

一方いっぽう分類ぶんるいじょうは、メボソムシクイぞく Phylloscopus とモリムシクイぞく Seicercus の2ぞく分類ぶんるいされている(ただしモリムシクイはモリムシクイぞくではなくメボソムシクイぞくである)。しかしこれらの2ぞくはいずれもたん系統けいとうではない。モリムシクイぞくClade 1 うち複数個ふくすうこしょ分散ぶんさんした系統けいとうで、がわ系統けいとうのメボソムシクイぞく内包ないほうされる。メボソムシクイぞく一部いちぶCryptigata ぞくしきしゅ ニューギニアムシクイ)や Acanthopneuste ぞくしきしゅ メボソムシクイ)とされたこともあったが、これらも系統けいとうである[5]

モリムシクイぞく系統けいとうだが、すうしゅのぞいただい多数たすうたねたん系統けいとうす(狭義きょうぎのモリムシクイぞく)。べつ系統けいとうたねのうちハイガシラモリムシクイはモリムシクイぞくから除外じょがいされ[5]、さらにクリガシラモリムシクイチャガシラモリムシクイ除外じょがいするせつもある[4]

メボソムシクイぞくがわ系統けいとうなので、内包ないほうするモリムシクイぞくふくめるか、複数ふくすうぞく分割ぶんかつする必要ひつようがある。分割ぶんかつする場合ばあいしきしゅキタヤナギムシクイ P. trochilusClade 2 にあるため、すくなくとも Clade 1 うちたねPhylloscopus から分離ぶんりされることになる。Clade ACryptigata ぞくClade BAcanthopneuste ぞく和名わみょう メボソムシクイぞく ?)となりうることがしめされている[5]。ただし Clade Bたん系統けいとうせい確実かくじつである。Clade AClade B分岐ぶんきしたのは750まんねんまえであり、かりにこの基準きじゅんでメボソムシクイぞく全体ぜんたい分割ぶんかつすると10ぞく前後ぜんこうとなる(かくえだにほぼ対応たいおうする)。

ハヤシムシクイるいJohansson et al.; Price ではあつかっていないが(そのため番号ばんごうがない)、Olsson et al. では狭義きょうぎのモリムシクイぞく姉妹しまいぐんとするよわ結果けっかている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

伝統でんとうてきムシクイるいふくめられ、のムシクイるいともヒタキウグイス、ウグイス、ウグイスヨシキリなどに分類ぶんるいされてきた。

Dickinson (2003)Phylloscopinaeき、現在げんざいのムシクイくわえ、ズアカムシクイ Tickelliaマミジロムシクイぞく Abroscopus現在げんざいともにウグイス)・チビオムシクイぞく Sylvietta現在げんざいハシナガムシクイ)などをふくめた[2]

ぞくたね[編集へんしゅう]

国際こくさい鳥類ちょうるいがく会議かいぎ (IOC)[8]より。和名わみょう厚生こうせい労働省ろうどうしょう[9]などより。

リニアシーケンスは部分ぶぶんてきにIOCによっているが、おおきな区分くぶんPrice (2010)[7]1–24じゅんはいした(ぞく無視むしした)。サンプリングされていないたねn.d.付記ふきした)はIOCのリニアシーケンスなどを参考さんこうきんえんたねちかくにはいした。

2ぞく75しゅ

Clade 1[編集へんしゅう]

Clade 2[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 山崎やまざき剛史たけし, 亀谷かめたにたつろう鳥類ちょうるいもくあたらしい和名わみょう(2) 鳴禽めいきんるい」『山階やましな鳥類ちょうるいがく雑誌ざっしだい52かんだい2ごう山階やましな鳥類ちょうるい研究所けんきゅうじょ、2020ねん12月、138-143ぺーじCRID 1391131406290404352doi:10.3312/jyio.52.138ISSN 13485032 
  2. ^ a b Alström, P.; Ericson, P.G.P.; Olsson, U.; Sundberg, P. (2006), “Phylogeny and classifcation of the avian superfamily Sylvioidea”, Mol. Phylogenet. Evol. 38: 381–397, http://www.nrm.se/download/18.4e1d3ca810c24ddc70380001143/Alstr%C3%B6m+et+al+Sylvioidea+MPEV+2006.pdf 
  3. ^ Johansson, U.S.; Fjeldså, J.; Bowie, Rauri C.K. (2008), “Phylogenetic relationships within Passerida (Aves: Passeriformes): A review and a new molecular phylogeny based on three nuclear intron markers”, Mol. Phylogenet. Evol. 48: 858–876, http://www.nrm.se/download/18.7d9d550411abf68c801800015111/Johansson+et+al+Passerida+2008.pdf 
  4. ^ a b Johansson; Alström, P.; Olsson, U.; Ericson, P.; Lundberg, P.; Price, T.D. (2007), “Build-up of the Himalayan avifauna through immigration: a biogeographical analysis of the Phylloscopus and Seicercus warblers”, Evolution 61: 324–333, https://doi.org/10.1111/j.1558-5646.2007.00024.x 
  5. ^ a b c d Olsson, U.; Alström, P.; Ericson, P.G.P.; Sundberg, P. (2005), “Non-monophyletic taxa and cryptic species — evidence from a molecular phylogeny of leaf-warblers (Phylloscopus, Aves)”, Mol. Phylogenet. Evol. 36: 261–276 
  6. ^ Martens, J.; Sun, Y.-H.; Päckert, M. (2008), “Intraspecific differentiation of Sino-Himalayan bush-dwelling Phylloscopus leaf warblers, with description of two new taxa (P. fuscatus, P. fuligiventer, P. affinis, P. armandii, P. subaffinis)” (PDF), Vertebrate Zool. 58: 233–265, https://vertebrate-zoology.arphahub.com/article/30935/download/pdf/ 
  7. ^ a b c d Price, T.D. (2010), “The roles of time and ecology in the continental radiation of the Old World leaf warblers (Phylloscopus and Seicercus)”, Phil. Trans. R. Soc. B 365: 1749–1762, doi:10.1098/rstb.2009.0269, http://rstb.royalsocietypublishing.org/content/365/1547/1749.full.pdf 
  8. ^ Gill, F.; Donsker, D., eds. (2010), “Old World Warblers & babblers”, IOC World Bird Names, version 2.6, http://www.worldbirdnames.org/n-warblers.html 
  9. ^ 厚生こうせい労働省ろうどうしょう 動物どうぶつ輸入ゆにゅう届出とどけで制度せいど 届出とどけで対象たいしょう動物どうぶつ種類しゅるいめいリスト 鳥類ちょうるい一覧いちらん