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ルイス1世せい (スペイン王おう)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ルイス1世せい
Luis I
スペイン国王こくおう
アストゥリアス公こうルイス、J・ランク（英語えいご版ばん）画が、1723年ねん頃ごろ
在位ざいい 1724年ねん1月がつ15日にち - 8月がつ31日にち
別べつ号ごう アストゥリアス公こう
出生しゅっしょう (1707-08-25) 1707年ねん8月がつ25日にち
スペイン帝国ていこく、マドリード
死去しきょ (1724-08-31) 1724年ねん8月がつ31日にち（17歳さい没ぼつ）
スペイン帝国ていこく、マドリード
埋葬まいそう スペイン帝国ていこく、エル・エスコリアル修道院しゅうどういん
配偶はいぐう者しゃ ルイーズ・エリザベート・ドルレアン
家名かめい スペイン・ブルボン家か
王朝おうちょう スペイン・ブルボン朝あさ
父親ちちおや フェリペ5世せい
母親ははおや マリア・ルイーザ・ディ・サヴォイア
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ルイス1世せい（スペイン語ご：Luis I, 1707年ねん8月がつ25日にち - 1724年ねん8月がつ31日にち）は、ボルボン朝あさ第だい2代だいのスペイン国王こくおう（在位ざいい：1724年ねん）。在位ざいいわずか7か月げつで没ぼっし、在位ざいい期間きかんが極端きょくたんに短みじかい君主くんしゅ（英語えいご版ばん）の1人ひとりに数かぞえられる。

生涯しょうがい

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スペイン王おうフェリペ5世せいと最初さいしょの王妃おうひマリア・ルイサ・デ・サボヤの第だい1子し・長男ちょうなんとしてマドリードのブエン・レティーロ宮殿きゅうでん（英語えいご版ばん）で誕生たんじょう[1]。洗礼せんれい名めいはルイス・フェリペ・フェルナンド・ホセ（Luis Felipe Fernando José de Borbón y Saboya）で、先頭せんとうに来くる「ルイス」は父ちち王おうの父方ちちかた祖父そふであるフランス王おうルイ14世せいに因ちなんだものである[2]。誕生たんじょう時点じてんからスペイン王位おういの法定ほうてい推定すいてい相続そうぞく人じんであり、1709年ねん4月がつ正式せいしきに王位おうい継承けいしょう者しゃの帯おびるアストゥリアス公こうの称号しょうごうを得えた[3]。

父ちちフェリペ5世せいの開ひらいた新しん王朝おうちょうの安定あんていのため、ルイスには早はやく妻つまを得えて王朝おうちょうの新しん世代せだいを生うみ出だすことが求もとめられた。1722年ねん1月がつ20日はつか、14歳さいのルイスはフランス摂政せっしょうオルレアン公こうフィリップ2世せいと曾祖父そうそふルイ14世せいの妾腹しょうふく第だい二にブロワ姫ひめの間あいだの娘むすめで12歳さいのルイーズ・エリザベート（ルイサ・イサベル）と、レルマ（英語えいご版ばん）にて結婚けっこんした。幼おさない妻つまは400万まんリーヴルもの巨額きょがくの花嫁はなよめ持参じさん金きんをスペイン王室おうしつにもたらした[4]。

ルイスは1724年ねん1月がつ14日にちの父ちちの譲位じょういにより即位そくいしてから、7か月げつ後ごに天然痘てんねんとうに倒たおれ亡なくなるまでの短みじかい期間きかん、王おうとして君臨くんりんした[5]。しかしフェリペ5世せいは隠居いんきょ所しょのサン・イルデフォンソ宮殿きゅうでんからルイスの国政こくせい運営うんえいに介入かいにゅうし続つづけたため、ルイスは父ちち王おうの時代じだいに登用とうようされていなかった者ものを側近そっきんに取とり立たてて、父ちちに対抗たいこうした。ルイスは、スペイン継承けいしょう戦争せんそうで喪失そうしつしたイタリア領りょうの回復かいふくに傾注けいちゅうする父ちち王おうと継母けいぼエリザベッタ・ファルネーゼのそれまでの政策せいさく[6]に否定ひてい的てきで、むしろスペインの将来しょうらいはアメリカ植民しょくみん地ちにあると考かんがえていた。17歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえて間あいだもないルイスの突然とつぜんの死しにより、父ちち王おうが復位ふくいした。ルイスはエル・エスコリアル修道院しゅうどういん内うちの国王こくおう墓所はかしょに葬ほうむられたボルボン朝あさ最初さいしょの王おうとなった[7]。

人物じんぶつ

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ルイスは背せが高たかくほっそりした体型たいけいで、金髪きんぱつの持もち主ぬしだった。しかし顔立かおだちは母方ははかた祖父そふのサルデーニャ王おうヴィットーリオ・アメデーオ2世せいによく似にており、お世辞せじにも魅力みりょく的てきとは言いい難がたかった[8]。これとは別べつに両りょう腕うでにやや不自由ふじゆうがあり、ルイスは虚弱きょじゃくだと見みられていた[9]。

ルイスの性格せいかくについてはあまり証言しょうげんがない。外交がいこう官かんで文筆ぶんぴつ家かのサン・フェリペ侯爵こうしゃく（英語えいご版ばん）によれば、ルイス王おうは「非常ひじょうに開明かいめい的てきかつ寛大かんだいな方ほうで、誰だれにでも気持きもちよく接せっすることができる」。しかし彼かれの中なかでは開明かいめい性せいよりも宗教しゅうきょう上じょうの信心しんじんの深ふかさの方ほうがはるかに勝かっており、宗教しゅうきょう的てき寛容かんようの問題もんだいを為政者いせいしゃとして国政こくせいに持もち込こむことは決けっしてなかった[10]。他たの同どう時代じだい人じんは、ルイスの中なかには父親ちちおやから受うけ継ついだ知性ちせいと愛嬌あいきょう、母親ははおやから受うけ継ついだ道徳心どうとくしんと宗教しゅうきょう的てき畏怖いふ心しんが混在こんざいしている、と評ひょうした[9]。

少すくなからぬ数かずの歴史れきし家かが、ルイスが父ちちフェリペ5世せいのように性せい生活せいかつに積極せっきょく的てきだったかどうか議論ぎろんしている。ルイスは両りょう性愛せいあい者しゃだともっぱらの評判ひょうばんで、ヴェルサイユ宮殿きゅうでんから送おくり込こまれた召使めしつかいの中なかに同性愛どうせいあいの手てほどきをする者ものがいて、王子おうじのそうした性的せいてき指向しこうを刺激しげきしたと言いわれている。小児しょうに性愛せいあい者しゃだと言いわれていたラコット（Lacotte）という人物じんぶつが、勃起ぼっき不全ふぜんだと噂うわさされていたルイス王子おうじを誘惑ゆうわくするためヴェルサイユからスペイン宮廷きゅうていに送おくり込こまれ、ルイスの召使めしつかいとなって王子おうじに（同性愛どうせいあい的てきな）性せいの手てほどきをした、と歴史れきし家かたちは信しんじている[11]。W・クラーク（W. Clarke）は次つぎのように記述きじゅつする、「スペイン王おう太子たいしは自分じぶんの開ひらいた宴会えんかいでいつも大勢おおぜいの少年しょうねん少女しょうじょを侍はべらせており、少年しょうねん少女しょうじょどちらをも相手あいてにするエロティックなゲームに興きょうじていた」。そしてルイスの性せい生活せいかつを風刺ふうしする次つぎのようなバラッドがマドリードの街角まちかどで謡うたわれていた：「母親ははおやのように激げきしやすく、父親ちちおやのように好色こうしょくで、継母けいぼのように野心やしん的てき、そしてオナン主義しゅぎ者しゃ［性せい倒錯とうさく者しゃ］のように少年しょうねんを好このむ[12]」。

ギャラリー

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脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ González Cremona 1998, p. 35
  2. ^ Aquino de Belén, Gaspar (1709). Leales demostraciones, amantes finezas, y festivas aclamaciones de la... Ciudad de Manila... en accion de gracias por el dichoso, y feliz Nacimiento de Nuestro Principe... D. Luis Phelipe Fernando Ioseph. Manila: Imprenta de la Compañia de Jesús. p. 7 
  3. ^ Pérez de Guzmán y Gallo, Juan (1880). El Principado de Asturias: bosquejo histórico-documental. Madri: Imprenta de Manuel G. Hernández. p. 271 
  4. ^ Réimpression de l'ancien Moniteur, seule histoire authentique et inaltérée
  5. ^ Ulloa Cisneros, Luis; Camps Llopis, Federico (1983). Historia de España volumen V: La casa de Borbon. p. 45. ISBN 9788475057255 
  6. ^ 前田まえだ展てん人じん、2011、「18世紀せいき前半ぜんはんブルボン朝ちょうスペインにおける政治せいじ的てき・外交がいこう的てき動揺どうようの実相じっそう」、『慶応義塾大学けいおうぎじゅくだいがく日吉ひよし紀要きよう：人文じんぶん科学かがく』（No.26）、慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく日吉ひよし紀要きよう刊行かんこう会かい pp. 73-94
  7. ^ Quevedo, José Quevedo (1849). Historia del Real Monasterio de El Escorial. p. 364 
  8. ^ Martín & Cuervo 1998, p. 1678
  9. ^ a b González Cremona 1998, p. 36
  10. ^ González Cremona 1998, p. 41
  11. ^ Vidal Sales 1994, p. 61
  12. ^ Vidal Sales 1994, p. 62

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Danvila, Alfonso. El reinado relámpago, Luis I y Luisa Isabel de Orleáns, 1707–1724. Madrid: Espasa-Calpe, 1952. Reprinted as Luis I y Luisa Isabel de Orleans: el reinado relámpago. Madrid: Alderabán, 1997.
  • Martín, Ricardo Martín Tobías; Cuervo, Ignacio (1998) (スペイン語ご). Historia de España. Barcelona: Salvat. ISBN 84-345-9913-9. OCLC 432782119 
  • González Cremona, Juan Manuel (1998) (スペイン語ご). Anecdotario real : de Felipe V a Alfonso XIII. Barcelona: Plaza & Janés Editores. ISBN 84-01-55014-9. OCLC 44057661 
  • Vidal Sales, José Antonio (1994) (スペイン語ご). Crónica íntima de los reyes de España. Barcelona, España: Planeta. ISBN 84-08-01139-1. OCLC 31314142 

外部がいぶリンク

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