エリザベッタ・ファルネーゼ

イサベル・デ・ファルネシオ Isabel de Farnesio
スペイン王妃おうひ
在位ざいい	1714年ねん12月24日にち - 1724年ねん1月がつ15日にち 1724年ねん9月6日にち - 1746年ねん7月がつ9日にち
出生しゅっしょう	1692年ねん10月22日にち パルマ公国こうこく、ピロッタ宮殿きゅうでん
死去しきょ	(1766-07-11) 1766年ねん7月がつ11日にち（73歳さい没ぼつ） スペイン帝国ていこく、アランフエス王宮おうきゅう
埋葬まいそう	1766年ねん7月がつ17日にち スペイン帝国ていこく、ラ・グランハ
結婚けっこん	1714年ねん12月24日にち パルマ
配偶はいぐう者しゃ	スペイン王おうフェリペ5世せい
子女しじょ	一覧いちらん参照さんしょう
家名かめい	ファルネーゼ家か
父親ちちおや	パルマ公子こうしオドアルド2世せい
母親ははおや	ドロテア・ゾフィア・フォン・プファルツ＝ノイブルク
宗教しゅうきょう	ローマ・カトリック

エリザベッタ・ファルネーゼ （Elisabetta Farnese, 1692年ねん10月22日にち - 1766年ねん7月がつ11日にち）は、スペイン王おうフェリペ5世せいの2度目どめの王妃おうひ。パルマ公おおやけラヌッチョ2世せいの長男ちょうなんオドアルド2世せいと、プファルツ選せん帝みかど侯こうフィリップ・ヴィルヘルムの娘むすめドロテア・ソフィアの長女ちょうじょ。スペイン王おうカルロス2世せいの2度目どめの王妃おうひマリア・アンナ（マリアナ）の姪めいにあたる。スペイン名めいイサベル・デ・ファルネシオ（Isabel de Farnesio）。イサベラ・ファルネーゼとも呼よばれる。

生涯しょうがい

1714年ねんに21歳さいでフェリペ5世せいと結婚けっこんした。彼女かのじょをフェリペ5世せいの後のち添そえに推薦すいせんしたのは、王宮おうきゅうを取とり仕切しきる老嬢ろうじょうウルシノス夫人ふじん、そして政治せいじ面めんでの王おうのアドバイザー、ジュリオ・アルベローニ枢機卿すうききょうだった。

パルマでの代理だいり結婚けっこんののち、スペインに到着とうちゃくすると、王おうの意志いし決定けっていを左右さゆうするウルシノス夫人ふじんを追放ついほうし、エリザベッタは瞬またたく間まに意志いしの弱よわい王おうを完全かんぜんに影響えいきょう下かに置おいた。政治せいじではアルベローニと理念りねんを同おなじくした。すなわち、古来こらいからのイタリア領りょう、サルデーニャとナポリ・シチリアをスペインの支配しはいに置おくことである。

王おうには既すでに先妻せんさいマリア・ルイーザ・ディ・サヴォイアとの間あいだの王子おうじたち、ルイスとフェルナンドがいたため、自分じぶんがこれから生うむ子供こどもたちにスペイン王位おういと同等どうとうのイタリア君主くんしゅの称号しょうごうと領地りょうちを与あたえるのがエリザベッタの目標もくひょうとなった。彼女かのじょは精力せいりょく旺盛おうせいに政治せいじに介入かいにゅう、フランス軍ぐんがピレネー山脈さんみゃくを越こえてきた際さい、彼女かのじょは自身じしんでスペイン陸軍りくぐんの一いち師団しだんを指揮しきした（四国しこく同盟どうめい戦争せんそう）。

この戦争せんそうはスペインを列強れっきょうに包囲ほういされ敗北はいぼく、1720年ねんにアルベローニ枢機卿すうききょうの追放ついほうを余儀よぎなくされ、シチリアから撤退てったいしなければならなくなった。そして、彼女かのじょが思おもいとどまるよう説得せっとくをしてきたにもかかわらず、1724年ねんにフェリペが突然とつぜん長男ちょうなんルイスに譲位じょういして、自みずからはラ・グランハ宮殿きゅうでんに引ひきこもってしまった。

ルイス1世せいは在位ざいい7ヶ月かげつで天然痘てんねんとうで死去しきょしたが、弟おとうとのフェルナンド王子おうじがまだ幼少ようしょうのため、フェリペが復位ふくいした。この時とき、既すでにフェリペは廃人はいじん同様どうようで、エリザベッタがスペインの政治せいじの主導しゅどうを握にぎった。叔父おじのパルマ公こうアントーニオが死しぬと、嫡男ちゃくなんがなかったため、彼女かのじょの長男ちょうなんカルロスがパルマ公こうとなった。ポーランド継承けいしょう戦争せんそうの結果けっか、1736年ねんにパルマ公おおやけ位いは手放てばなすことになったが、引ひき替かえにナポリとシチリアの王位おういがカルロスのものとなった。

フェリペが死しに、フェルナンド6世せいが王位おういにつくと、王おうは義母ぎぼをいたわる名目めいもくでラ・グランハへ押おし込こめた。しかし、エリザベッタは虎視眈々こしたんたんと、カルロスのスペイン王おう即位そくいを狙ねらった。即位そくいした時ときには王妃おうひバルバラは既すでに30代だいを超こえており、子供こどもが生うまれる見込みこみは薄うすかった。このままフェルナンド夫婦ふうふに子供こどもが生うまれなければ、王位おういはカルロスのものだった。

エリザベッタの願望がんぼうどおり、フェルナンドは子供こどものないまま病没びょうぼつし、愛子あいこカルロスがカルロス3世せいとして即位そくいした。この頃ころ、彼女かのじょは夫おっとと同おなじ病気びょうきを患わずらい、昼夜ちゅうやが逆転ぎゃくてんした生活せいかつを送おくっていた。そのため、王おうは母ははエリザベッタと暮くらすことができなかった。エリザベッタは、夫おっとより20年ねんも長生ながいきしたが、同おなじような状態じょうたいでラ・グランハにて亡なくなった。

子女しじょ

フェリペ5世せいとその家族かぞく。ルイ＝ミシェル・ヴァン・ロー画が

7人にんが生うまれ、成人せいじんしたのは6人にんである。

• カルロス3世せい（1716年ねん - 1788年ねん）
• マリアナ・ビクトリア（1718年ねん - 1781年ねん） - ポルトガル王おうジョゼ1世せい妃ひ
• フィリッポ（1720年ねん - 1765年ねん） - パルマ公こう。ブルボン＝パルマ家かの祖そ。
• マリア・テレサ（1726年ねん - 1746年ねん） - ルイ15世せいの長男ちょうなんルイ王おう太子たいしの最初さいしょの妻つま。
• アントニオ（1727年ねん - 1785年ねん） - 枢機卿すうききょう。チンチョン伯はくの称号しょうごうももつ。
• マリア・アントニエタ（1729年ねん - 1785年ねん） - サルデーニャ王おうヴィットーリオ・アメデーオ3世せい妃ひ。