ホウレンソウRubisCOの立体 りったい 構造 こうぞう (リボンモデル)
リブロース-1,5-ビスリン酸 さん カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ (ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase) はカルビン - ベンソン回路 かいろ において炭酸 たんさん 固定 こてい 反応 はんのう に関与 かんよ する唯一 ゆいいつ の酵素 こうそ である(EC番号 ばんごう は 4.1.1.39)。リブロース1,5-ビスリン酸 さん に二酸化炭素 にさんかたんそ を固定 こてい し2分子 ぶんし の3-ホスホグリセリン酸 さん を生成 せいせい する反応 はんのう を触媒 しょくばい する。植物 しょくぶつ に大量 たいりょう に含 ふく まれ、地球 ちきゅう 上 じょう で最 もっと も多 おお いタンパク質 たんぱくしつ ともいわれる。具体 ぐたい 的 てき にはホウレンソウ の葉 は の可溶性 かようせい タンパク質 たんぱくしつ の5-10%は本 ほん 酵素 こうそ に占 し められる。
リブロース-1,5-ビスリン酸 さん カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ本来 ほんらい の生理学 せいりがく 的 てき な役割 やくわり はリブロース 1,5-ビスリン酸 さん (RuBP) へのカルボキシル化 か (カルボキシラーゼ反応 はんのう )であるために、リブロース-1,5-ビスリン酸 さん カルボキシラーゼが正 ただ しい呼称 こしょう である。しかし本 ほん 酵素 こうそ は植物 しょくぶつ の炭素 たんそ 固定 こてい 反応 はんのう を律 りつ 速 はや している主 しゅ 原因 げんいん となるリブロース 1,5-ビスリン酸 さん へのオキシゲナーゼ作用 さよう (オキシゲナーゼ反応 はんのう )が特徴 とくちょう 的 てき であり、この両 りょう 反応 はんのう の競合 きょうごう 関係 かんけい にあるためリブロース-1,5-ビスリン酸 さん カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼと呼称 こしょう されることが多 おお い。
呼称 こしょう の長 なが さから R ibu lose 1,5-bis phosphate c arboxylase/o xygenase の各 かく 文字 もじ をとって RubisCO と表記 ひょうき されることが多 おお い。他 た の別名 べつめい として、リブロース1,5-ビスリン酸 さん カルボキシラーゼ、RuBPカルボキシラーゼ、Rubisco、RuBisCO、ルビスコなど。
RubisCOは生理学 せいりがく 的 てき に以下 いか の反応 はんのう を触媒 しょくばい する。括弧 かっこ 内 ない は炭素 たんそ 数 すう を意味 いみ する。
D -リブロース1,5-ビスリン酸 さん (C:5) + CO2 (C:1) + H2 O → 2 × ホスホグリセリン酸 さん (C:3 × 2)
この反応 はんのう の補 ほ 因子 いんし としてマグネシウム イオン (Mg2+ ) を要求 ようきゅう する。この反応 はんのう の平衡 へいこう は著 いちじる しく右 みぎ 方向 ほうこう に寄 よ っており、逆 ぎゃく 反応 はんのう はほとんど起 お きない。この反応 はんのう はカルビン - ベンソン回路 かいろ におけるカルボキシル化 か 過程 かてい であり、本 ほん 代謝 たいしゃ 系 けい に唯一 ゆいいつ 固有 こゆう な反応 はんのう である。カルビン-ベンソン回路 かいろ における他 た の反応 はんのう は、すべて解 かい 糖 とう 系 けい あるいはペントースリン酸 さん 経路 けいろ に見 み られる。したがってカルビン-ベンソン回路 かいろ はRubisCOのカルボキシラーゼ反応 はんのう によって調節 ちょうせつ される。RubisCOによるカルビン-ベンソン回路 かいろ の調節 ちょうせつ については後述 こうじゅつ する。
RubisCOカルボキシラーゼ反応 はんのう と反応 はんのう 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい
カルボキシラーゼ反応 はんのう は詳細 しょうさい に分類 ぶんるい すると以下 いか のステップを経 へ る。
D-リブロース1,5-ビスリン酸 さん がRubisCOの作用 さよう によりエンジオール型 がた 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい となる。
RubisCOにCO2 が結合 けつごう する(この二酸化炭素 にさんかたんそ は基質 きしつ ではない)。
RubisCO-CO2 複 ふく 合体 がったい にMg2+ が結合 けつごう し活性 かっせい 型 がた となる。
エンジオール型 がた 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい のリブロース1,5-ビスリン酸 さん にCO2 が付加 ふか し(この二酸化炭素 にさんかたんそ が基質 きしつ となる)、3-オキソ中間 なかま 体 たい となる。
3-オキソ中間 なかま 体 たい のリブロース1,5-ビスリン酸 さん が加水 かすい 分解 ぶんかい され2分子 ぶんし のホスホグリセリン酸 さん を生 しょう じる。
2分子 ぶんし のホスホグリセリン酸 さん のうち1分子 ぶんし のみがCO2 由来 ゆらい の炭素 たんそ 原子 げんし を有 ゆう する。
RubisCOはきわめて分子 ぶんし 活性 かっせい (k cat ) の低 ひく い酵素 こうそ であり、3 s−1 程度 ていど である(酵素 こうそ 1分子 ぶんし で1秒 びょう 当 あ たり3分子 ぶんし のCO2 を固定 こてい する)。
暗 くら 所 ところ に置 お いた植物 しょくぶつ 細胞 さいぼう に光 ひかり 照射 しょうしゃ すると炭酸 たんさん 固定 こてい 速度 そくど がしばらく低 ひく い状態 じょうたい が続 つづ くが、次第 しだい に定常 ていじょう 速度 そくど に到達 とうたつ する。これは、暗 くら 所 ところ でカルビン-ベンソン回路 かいろ に関与 かんよ する複数 ふくすう の酵素 こうそ の活性 かっせい が低下 ていか しているからである。RubisCOもそうした酵素 こうそ のひとつである。しかしRubisCOは光 ひかり そのものによって活性 かっせい 化 か されるわけではなく、以下 いか の要素 ようそ によって活性 かっせい 化 か される。
Mg2+ の存在 そんざい
pH 8.5程度 ていど の弱 じゃく アルカリ
重 じゅう 炭酸 たんさん イオン (HCO3 − ) の存在 そんざい (ホモトロフィック効果 こうか )
2-カルボキシアラビニトール一 いち リン酸 さん 量 りょう の低下 ていか
ATP要求 ようきゅう 性 せい RubisCO活性 かっせい 化 か 酵素 こうそ による活性 かっせい 化 か
光 ひかり によるRubisCO活性 かっせい 化 か と深 ふか く関 かか わっているのは弱 じゃく アルカリによる活性 かっせい 化 か である。光 ひかり 照射 しょうしゃ により葉 は 緑 みどり 体 たい において光化学 こうかがく 反応 はんのう が起 お き、チラコイド内 ない にプロトン (H+ ) が取 と り込 こ まれるが、このときストロマ内 ない のpH が上昇 じょうしょう する。RubisCOはストロマ内 ない に局在 きょくざい しており、活性 かっせい 化 か を受 う ける。また、チラコイドのプロトンの取 と り込 こ みと同時 どうじ に膜 まく 電位 でんい 上昇 じょうしょう に伴 ともな うMg2+ の輸送 ゆそう がチラコイドからストロマ側 がわ に行 おこな われ、ここでもRubisCOの活性 かっせい 化 か を促進 そくしん する。チラコイド、ストロマなどの構造 こうぞう は葉 は 緑 みどり 体 たい の項 こう を参照 さんしょう 。
RubisCOは基質 きしつ である重 じゅう 炭酸 たんさん イオンの濃度 のうど 上昇 じょうしょう によって最大 さいだい 速度 そくど が上昇 じょうしょう し、本 ほん 酵素 こうそ がアロステリック酵素 こうそ であることを示 しめ している。また、RubisCOのカルボキシラーゼ反応 はんのう の阻害 そがい 剤 ざい となりうる2-カルボキシアラビニトール一 いち リン酸 さん は夜間 やかん に存在 そんざい 量 りょう が多 おお く、昼間 ひるま には低下 ていか する。さらにATP要求 ようきゅう 性 せい RubisCO活性 かっせい 化 か 酵素 こうそ も、光化学 こうかがく 反応 はんのう によりストロマ側 がわ のATP 濃度 のうど が上昇 じょうしょう が活性 かっせい 化 か の鍵 かぎ となる。すなわち、暗 くら 所 ところ では全 すべ ての要素 ようそ が逆転 ぎゃくてん し、RubisCOのカルボキシラーゼ反応 はんのう を阻害 そがい する方向 ほうこう に働 はたら く。
強 つよ 光 ひかり 下 か で光合成 こうごうせい を行 おこな っていた植物 しょくぶつ 細胞 さいぼう を21%O2 濃度 のうど 条件 じょうけん (通常 つうじょう の大気 たいき )における暗 くら 所 ところ に移動 いどう した場合 ばあい 、直後 ちょくご に大量 たいりょう のCO2 放出 ほうしゅつ が見 み られる。同様 どうよう の実験 じっけん を1.5%O2 濃度 のうど 条件 じょうけん の暗 くら 所 ところ に移動 いどう した場合 ばあい 、CO2 の放出 ほうしゅつ は観察 かんさつ されなくなる。明 あかり 条件 じょうけん におけるCO2 の放出 ほうしゅつ を光 ひかり 呼吸 こきゅう というが、この原因 げんいん になっている主 しゅ 反応 はんのう がRubisCOのオキシゲナーゼ反応 はんのう である。光 ひかり 呼吸 こきゅう は同化 どうか したCO2 を再 さい 放出 ほうしゅつ する過程 かてい であり(植物 しょくぶつ の生育 せいいく 速度 そくど の低下 ていか )、多 おお くの主要 しゅよう 作物 さくもつ (小麦 こむぎ 、米 べい 、豆類 まめるい など)でこの現象 げんしょう が見 み られることから収量 しゅうりょう 上昇 じょうしょう など経済 けいざい 的 てき にも注目 ちゅうもく されている。RubisCOのオキシゲナーゼ反応 はんのう は以下 いか のとおりである。
リブロース1,5-ビスリン酸 さん + O2 → 3-ホスホグリコール酸 さん + 3-ホスホグリセリン酸 さん
一見 いっけん 、CO2 は放出 ほうしゅつ されていないように見 み えるが、3-ホスホグリコール酸 さん がペルオキシソーム およびミトコンドリア を経 へ て代謝 たいしゃ されCO2 を放出 ほうしゅつ する。3-ホスホグリセリン酸 さん はそのままカルビン-ベンソン回路 かいろ にて還元 かんげん 過程 かてい に入 はい る。また、実際 じっさい にCO2 を放出 ほうしゅつ する反応 はんのう のみならず、オキシゲナーゼ反応 はんのう がカルボキシラーゼ反応 はんのう と競合 きょうごう し阻害 そがい することによって、見 み かけのCO2 放出 ほうしゅつ 量 りょう を増加 ぞうか させ、光合成 こうごうせい 能率 のうりつ の低下 ていか を招 まね く。
RubisCOオキシゲナーゼ反応 はんのう と反応 はんのう 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい
オキシゲナーゼ反応 はんのう は詳細 しょうさい に分類 ぶんるい すると以下 いか のステップを経 へ る。
D -リブロース1,5-ビスリン酸 さん がRubisCOの作用 さよう によりエンジオール型 がた 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい となる。
RubisCOにO2 が結合 けつごう する。
RubisCO-O2 複 ふく 合体 がったい にMg2+ が結合 けつごう し活性 かっせい 型 がた となる。
エンジオール型 がた 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい のリブロース1,5-ビスリン酸 さん にO2 が付加 ふか し、3-オキソ型 がた 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい となる。
3-オキソ型 がた 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい リブロース1,5-ビスリン酸 さん と水酸化物 すいさんかぶつ イオン (OH− ) が反応 はんのう し、3-ホスホグリコール酸 さん 、3-ホスホグリセリン酸 す および水酸化物 すいさんかぶつ イオンをそれぞれ1分子 ぶんし ずつ生 しょう じる。
リブロース1,5-ビスリン酸 さん に結合 けつごう した酸素 さんそ 原子 げんし は3-ホスホグリコール酸 さん の2位 い および放出 ほうしゅつ される水酸化 すいさんか イオンに結合 けつごう している。
上記 じょうき のカルボキシラーゼ反応 はんのう と比較 ひかく して、反応 はんのう ステップは極 きわ めて似通 にかよ っており両 りょう 反応 はんのう が競合 きょうごう するのも、こうした酵素 こうそ 的 てき な諸 しょ 反応 はんのう が類似 るいじ していることが原因 げんいん である。
RubisCOがオキシゲナーゼ活性 かっせい を有 ゆう する原因 げんいん として、活性 かっせい 中心 ちゅうしん へのO2 分子 ぶんし の取 と り込 こ まれやすさが考 かんが えられる。RubisCOを有 ゆう する光合成 こうごうせい 生物 せいぶつ が出現 しゅつげん した当初 とうしょ 、地球 ちきゅう 上 じょう の大気 たいき 組成 そせい は現在 げんざい よりも還元 かんげん 的 てき でCO2 濃度 のうど が高 たか かったと考 かんが えられており、こうした欠点 けってん は表 おもて 在 ざい 化 か しなかった。しかしながら、陸上 りくじょう 植物 しょくぶつ の台頭 たいとう により大気 たいき 中 ちゅう の酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ の上昇 じょうしょう そして二酸化炭素 にさんかたんそ 分 ぶん 圧 あつ の低下 ていか を招 まね き、RubisCOの欠点 けってん が光 ひかり 呼吸 こきゅう という形 かたち で現 あらわ れてきたと考 かんが えられている。
RubisCOのカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ活性 かっせい 比 ひ とCO2 /O2 比 ひ の関係 かんけい を表 あらわ す値 ね を「CO2 補償 ほしょう 濃度 のうど 」といい、自然 しぜん に起 お きている暗 くら 呼吸 こきゅう と光 ひかり 呼吸 こきゅう がつりあい、みかけのCO2 放出 ほうしゅつ 速度 そくど が0になる。一般 いっぱん 的 てき なC3 植物 しょくぶつ のCO2 補償 ほしょう 濃度 のうど は50–100 ppmである。また、CO2 補償 ほしょう 濃度 のうど 以外 いがい のRubisCOの能力 のうりょく を示 しめ す値 ね として、任意 にんい のCO2 /O2 濃度 のうど におけるカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ活性 かっせい 比 ひ である「τ たう 値 ね 」が挙 あ げられる。一般 いっぱん 的 てき に、陸上 りくじょう 植物 しょくぶつ 型 がた のRubisCO (Form I) は嫌気 いやけ 性 せい 光合成 こうごうせい 細菌 さいきん のRubisCO (Form II) に比 くら べて、高 こう 酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ 条件 じょうけん に適応 てきおう した痕跡 こんせき が見 み られ、CO2 補償 ほしょう 濃度 のうど およびτ たう 値 ち において優 すぐ れた値 ね を示 しめ す。Form I、IIについては後述 こうじゅつ する。
RubisCOの生物 せいぶつ 界 かい における分布 ぶんぷ [ 編集 へんしゅう ]
RubisCOを有 ゆう している生物 せいぶつ として陸上 りくじょう 高等 こうとう 植物 しょくぶつ 、藻類 そうるい 、渦 うず 鞭 むち 毛 げ 藻 も 類 るい など真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のほか、シアノバクテリア 、嫌気 いやけ 性 せい 光合成 こうごうせい 細菌 さいきん 、化学 かがく 合成 ごうせい 独立 どくりつ 栄養 えいよう 細菌 さいきん といった多 おお くの原核 げんかく 生物 せいぶつ (細菌 さいきん 、古 こ 細菌 さいきん )があげられる。RubisCOは一般 いっぱん 的 てき にForm IおよびForm IIに分類 ぶんるい されるが、古 こ 細菌 さいきん から見 み つかっているRubisCOはどちらのFormにも属 ぞく さない第 だい 3のRubisCOを有 ゆう する事 こと が分 わ かっている。また、最近 さいきん RubisCOに必要 ひつよう なアミノ残 ざん 基 もと を欠 か くRubisCO-like proteinが細菌 さいきん および古 こ 細菌 さいきん の両方 りょうほう から見 み つかっている。
ホウレンソウRubisCOの空間 くうかん 充填 じゅうてん モデル。Form I RubisCOは大 だい サブユニットと小 しょう サブユニットからなるヘテロダイマーの8量 りょう 体 たい で構成 こうせい される。
光合成 こうごうせい 細菌 さいきん Rhodospirillum rubrum RubisCOのリボンモデル。Form II RubisCOはForm I RubisCOの大 だい サブユニットに類似 るいじ したサブユニットのホモ二 に 量 りょう 体 たい から構成 こうせい される。
好 こう 熱性 ねっせい 古 こ 細菌 さいきん Thermococcus kodakaraensis RubisCOのリボンモデル。Form III RubisCOはホモ10量 りょう 体 たい から構成 こうせい される。
光合成 こうごうせい 細菌 さいきん Chlorobium tepidum RubisCO様 さま タンパク質 たんぱくしつ のリボンモデル。Form IVはRubisCOに必要 ひつよう ないくつかのアミノ酸 あみのさん を欠 か いている。
Form Iの特徴 とくちょう は以下 いか のとおりである。
大 だい サブユニット8個 こ および小 しょう サブユニット8個 こ からなるヘテロ16量 りょう 体 たい (全体 ぜんたい の分子 ぶんし 量 りょう は約 やく 550 kDa)。
大 だい サブユニットの分子 ぶんし 量 りょう は50–55 kDa、小 しょう サブユニットの分子 ぶんし 量 りょう は12–18 kDa。
陸上 りくじょう 高等 こうとう 植物 しょくぶつ 、藻類 そうるい 、シアノバクテリアといった酸素 さんそ 発生 はっせい 型 がた の生物 せいぶつ が主 おも に有 ゆう している(しかしながら、嫌気 いやけ 性 せい の化学 かがく 合成 ごうせい 独立 どくりつ 栄養 えいよう 細菌 さいきん からも多 おお く見 み つかっている)。
陸上 りくじょう 高等 こうとう 植物 しょくぶつ や緑藻 りょくそう 類 るい を含 ふく む緑色 みどりいろ 植物 しょくぶつ では、大 だい サブユニット遺伝子 いでんし (rbcL ) が葉 は 緑 みどり 体 たい に、小 しょう サブユニット (rbcS ) が核 かく にそれぞれコードされている。それ以外 いがい の真 ま 核 かく 藻類 そうるい 、紅 べに 藻 も や不等 ふとう 毛 げ 植物 しょくぶつ 、クリプト藻 も 、ハプト藻 も 等 ひとし では両 りょう サブユニットとも葉 は 緑 みどり 体 たい にコードされており、転写 てんしゃ 単位 たんい (オペロン )を形成 けいせい している。
CO2 補償 ほしょう 濃度 のうど 、τ たう 値 ち においてより高 こう 酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ 下 か での活性 かっせい に適応 てきおう している。
Form IIの特徴 とくちょう は以下 いか のとおりである。
Form Iの大 だい サブユニットに該当 がいとう するサブユニットのホモ2量 りょう 体 たい からなる(全体 ぜんたい の分子 ぶんし 量 りょう は約 やく 100 kDa)
渦 うず 鞭 むち 毛 げ 藻 も 類 るい や紅色 こうしょく 非 ひ 硫黄 いおう 細菌 さいきん 等 ひとし が主 しゅ として有 ゆう している。渦 うず 鞭 むち 毛 げ 藻 も では核 かく コードである。
CO2 補償 ほしょう 濃度 のうど 、τ たう 値 ち はForm Iに比 くら べて高 こう 酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ に適応 てきおう していない。
Form Iよりも古 ふる い系統 けいとう に属 ぞく すると考 かんが えられている。
古 こ 細菌 さいきん 型 がた RubisCO (Form III) の特徴 とくちょう は以下 いか のとおりである。
大 だい サブユニットに該当 がいとう すると考 かんが えられるサブユニットのホモ10量 りょう 体 たい である(ユーリ古 こ 細菌 さいきん 門 もん に属 ぞく する Thermococcus kodakaraensis のケース、分子 ぶんし 量 りょう は500 kDa程度 ていど )。
サブユニットのアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ 相 しょう 同性 どうせい が他 た のForm IおよびIIの大 だい サブユニットと比較 ひかく して著 いちじる しく低 ひく い(Form Iと41%、Form IIと34%;ユーリ古 こ 細菌 さいきん 門 もん に属 ぞく するMethanocaldococcus jannaschii のケース)。
Pyrococcus horikoshii 、Archaeoglobus fulgidus などユーリ古 こ 細菌 さいきん 門 もん から主 しゅ として見 み つかっている。
RubisCO-like protein (Form IV) の特徴 とくちょう は以下 いか の通 とお りである
Chrolobium limicola 、C. tepidum 、A. fulgidus そして Bacillus subtilis と古 こ 細菌 さいきん および細菌 さいきん の両方 りょうほう から見 み つかっている。
RubisCO触媒 しょくばい 部位 ぶい に必須 ひっす とされる幾 いく つかのアミノ酸 あみのさん を欠 か いている。
C. tepidum にてノックアウト実験 じっけん が行 おこ なわれたが硫黄 いおう 代謝 たいしゃ に欠陥 けっかん が現 あらわ れ、新規 しんき 代謝 たいしゃ 系 けい に関与 かんよ していることが示唆 しさ されている。
上述 じょうじゅつ したようにRubisCOは地球 ちきゅう 上 じょう で最 もっと も存在 そんざい 量 りょう の多 おお いタンパク質 たんぱくしつ である。そのため、歴史 れきし 的 てき にも構造 こうぞう 生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 研究 けんきゅう が進 すす んだ酵素 こうそ の一 ひと つであった。1971年 ねん に最初 さいしょ のRubisCO結晶 けっしょう が得 え られたものの、最初 さいしょ のX線 せん 結晶 けっしょう 構造 こうぞう が明 あき らかになったのは1990年 ねん のことであった。
まずはじめに得 え られた立体 りったい 構造 こうぞう は紅色 こうしょく 非 ひ 硫黄 いおう 細菌 さいきん Rhosdospirillum ruburm のForm II RubisCOである。解析 かいせき の結果 けっか 、Form IIは同一 どういつ のサブユニット2個 こ が対称 たいしょう 性 せい を持 も って結合 けつごう している、分子 ぶんし 量 りょう 100 kDa程度 ていど のホモ2量 りょう 体 たい であることがわかった。Form I RubisCOの立体 りったい 構造 こうぞう は同年 どうねん にタバコ葉 は のものが明 あき らかになった。Form Iは大 だい サブユニット2個 こ 、小 しょう サブユニット2個 こ のL2S2単位 たんい が計 けい 4個 こ 対称 たいしょう 性 せい を持 も って結合 けつごう している分子 ぶんし 量 りょう 550 kDa程度 ていど のL8S8型 がた であることが明 あき らかになった。結晶 けっしょう 化 か から立体 りったい 構造 こうぞう の把握 はあく まで非常 ひじょう に時間 じかん がかかったことに関 かん して、分子 ぶんし 量 りょう が極 きわ めて大 おお きく高 たか い解像度 かいぞうど を得 え られなかったことが原因 げんいん と考 かんが えられている。
その後 ご 、多 おお くの生物 せいぶつ からForm I、II RubisCOの立体 りったい 構造 こうぞう が明 あき らかになった。また、基質 きしつ や生産 せいさん 物 ぶつ を加 くわ えながら結晶 けっしょう 化 か を行 おこ なうことにより、多 おお くの反応 はんのう 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい と思 おも われる構造 こうぞう が得 え られた。具体 ぐたい 的 てき にはリブロース1,5-ビスリン酸 さん と構造 こうぞう の良 よ く似 に たカルボキシアラビニトールビスリン酸 さん (CABP) やマグネシウム-二酸化炭素 にさんかたんそ 複 ふく 合体 がったい 、カルシウム -二酸化炭素 にさんかたんそ 複 ふく 合体 がったい 、キシルロースビスリン酸 さん (XuBP)、そして生成 せいせい 産物 さんぶつ である3-ホスホグリセリン酸 さん (PGA) などである。
また、2001年 ねん に古 こ 細菌 さいきん 型 がた である Thermococcus kodakaraensis のForm III RubisCOの立体 りったい 構造 こうぞう が明 あき らかになった。遺伝子 いでんし 配列 はいれつ など、既知 きち のRubisCOと相 あい 同性 どうせい の低 ひく かったForm IIIは立体 りったい 構造 こうぞう も他 た のFormと大 おお きく異 こと なっており、同一 どういつ のサブユニット2個 こ が対称 たいしょう 性 せい を持 も って結合 けつごう しているL2単位 たんい が計 けい 5個 こ 対称 たいしょう 性 せい を持 も って結合 けつごう している分子 ぶんし 量 りょう 497 kDa程度 ていど のL10型 がた であることが明 あき らかになった。
構造 こうぞう 生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な触媒 しょくばい 過程 かてい [ 編集 へんしゅう ]
2-カルボキシアラビニトール1,5-ビスリン酸 さん (CABP, 黄色 おうしょく )とマグネシウムイオン(灰色 はいいろ )を配 はい 位 い したホウレンソウRubisCOの活性 かっせい 中心 ちゅうしん 近傍 きんぼう 。
RubisCOの活性 かっせい 中心 ちゅうしん におけるリブロース1,5-ビスリン酸 さん (赤色 あかいろ )とマグネシウムイオン(緑色 みどりいろ )の2次元 じげん 的 てき な配 はい 位 い マグネシウムイオンを中心 ちゅうしん に多数 たすう の水素 すいそ 結合 けつごう が存在 そんざい している。また、リブロース1,5-ビスリン酸 さん の2位 い および201番目 ばんめ のリシン残 ざん 基 もと にカルボキシル基 もと (青色 あおいろ )が結合 けつごう していることに注目 ちゅうもく 。また、リブロース1,5-ビスリン酸 さん の加水 かすい 分解 ぶんかい を受 う ける部位 ぶい の近傍 きんぼう に379番目 ばんめ のセリン残 ざん 基 もと が存在 そんざい し、加水 かすい 分解 ぶんかい 活性 かっせい に関 かか わっているのではないかと考 かんが えられている。
立体 りったい 構造 こうぞう が明 あき らかになると同時 どうじ に、サブユニットの機能 きのう についても明 あき らかになった。Form Iにおける大 だい サブユニットはカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ活性 かっせい を有 ゆう する触媒 しょくばい 部位 ぶい を有 ゆう し、小 しょう サブユニットは機能 きのう 未知 みち な部分 ぶぶん が多 おお いが反応 はんのう の調節 ちょうせつ を行 おこ なっているのではないかと考 かんが えられている。小 しょう サブユニットの無 な いForm I RubisCOでは活性 かっせい が1%程度 ていど に落 お ち込 こ むことが大腸菌 だいちょうきん 発現 はつげん 系 けい を用 もち いた研究 けんきゅう でわかっており、何 なん らかの形 かたち でカルボキシラーゼ活性 かっせい に関 かか わっていることも示唆 しさ された。
Form II、IIIのサブユニットはForm I 大 だい サブユニットと同様 どうよう 、触媒 しょくばい 部位 ぶい を有 ゆう しており、基本 きほん 的 てき には以下 いか に述 の べる基質 きしつ の結合 けつごう 過程 かてい に従 したが うと考 かんが えられる。触媒 しょくばい 過程 かてい における最 もっと も多 おお くの反応 はんのう 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい が得 え られているのはホウレンソウ のForm I RubisCOである。
RubisCOへの基質 きしつ 結合 けつごう に際 さい して、まずK201(大 だい サブユニットアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ 201番目 ばんめ のリシン )が二酸化炭素 にさんかたんそ によってカルバミル化 か される。
カルバミル化 か されたK201、D203(アスパラギン酸 さん )、E204(グルタミン酸 ぐるたみんさん )によってマグネシウムイオンが水素 すいそ 結合 けつごう により配 はい 位 い されRubisCOの活性 かっせい 型 がた をとる。
2-カルボキシアラビニトール1,5-ビスリン酸 さん (RuBPと構造 こうぞう の良 よ く似 に た糖 とう ;CABP)は以下 いか の水素 すいそ 結合 けつごう によりRubisCOと結合 けつごう する。
1位 い 炭素 たんそ に配 はい 位 い した酸素 さんそ とK175およびマグネシウムイオン
3位 い 炭素 たんそ に配 はい 位 い した酸素 さんそ とカルバミル化 か したK201、H327(ヒスチジン )およびマグネシウムイオン
5位 い 炭素 たんそ に配 はい 位 い した酸素 さんそ とH327
1位 い リン酸 さん に配 はい 位 い した酸素 さんそ とK334
リブロース1,5-ビスリン酸 さん の3-オキソ中間 なかま 体 たい の2位 い 炭素 たんそ のカルボキシル基 もと (すなわち取 と り込 こ まれた二酸化炭素 にさんかたんそ )に該当 がいとう するCABPの2位 い カルボキシル基 もと はマグネシウムイオンと水素 すいそ 結合 けつごう する。
リシンへの二酸化炭素 にさんかたんそ の配 はい 位 い 、マグネシウムイオン、CABPが結合 けつごう するとloop6と呼 よ ばれる通常 つうじょう 活性 かっせい 中心 ちゅうしん にかぶさるように存在 そんざい している部位 ぶい がコンフォメーション 変化 へんか し、生成 せいせい 物 ぶつ を開放 かいほう できるようにopenな構造 こうぞう になる。
2分子 ぶんし の3-ホスホグリセリン酸 さん が配 はい 位 い しているケースでもloop6はopenな構造 こうぞう を取 と っている。
これらの反応 はんのう 素 もと 過程 かてい において注意 ちゅうい すべきなのは、K201にカルバミル化 か される二酸化炭素 にさんかたんそ は基質 きしつ として取 と り込 こ まれるわけではない、という点 てん である。基質 きしつ として取 と り込 こ まれるべき二酸化炭素 にさんかたんそ は、Mg2 + -CO2 複 ふく 合体 がったい および糖 とう が配 はい 位 い したときに、3-オキソ中間 なかま 体 たい となるようリブロース1,5-ビスリン酸 さん の2位 い にカルボキシル化 か される。
遺伝子 いでんし 改変 かいへん 系 けい による機能 きのう 改良 かいりょう [ 編集 へんしゅう ]
RuBisCOは上述 じょうじゅつ したように、リブロース1,5-ビスリン酸 さん へのカルボキシラーゼ反応 はんのう という特有 とくゆう の反応 はんのう を触媒 しょくばい するが、同時 どうじ にオキシゲナーゼ反応 はんのう も担 にな うという酵素 こうそ 的 てき な欠点 けってん も抱 かか えている。また、比 ひ 活性 かっせい も低 ひく くカルビン-ベンソン回路 かいろ の律 りつ 速 そく 段階 だんかい となっている。RubisCOのこうした欠点 けってん を克服 こくふく することは主要 しゅよう 作物 さくもつ の増産 ぞうさん や地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か 防止 ぼうし の点 てん においても極 きわ めて大 おお きな影響 えいきょう を与 あた えると考 かんが えられ、大腸菌 だいちょうきん を用 もち いた遺伝子 いでんし の突然変異 とつぜんへんい 法 ほう などによりその機能 きのう の改良 かいりょう が試 こころ みられてきた。
近年 きんねん のRubisCOの改良 かいりょう に関 かん する総説 そうせつ によると[ 1] 、求 もと められるべきPerfect RubisCOとは以下 いか の条件 じょうけん を満 み たすものである。
CO2 への高 たか い比 ひ 活性 かっせい および低 ひく いミカエリス・メンテン定数 ていすう を有 ゆう すること(具体 ぐたい 的 てき な数字 すうじ として k cat /K m = 108 M−1 s−1 )
ただし、CO2 のミカエリス-メンテン定数 ていすう は葉 は 緑 みどり 体 たい ストロマにおけるCO2 よりも高 たか い値 ね (>8 μ みゅー M) を示 しめ すこと(ストロマ中 ちゅう におけるCO2 濃度 のうど が一定 いってい に保 たも たれ常 つね に最大 さいだい 速度 そくど を示 しめ すため)
O2 に対 たい するCO2 の特異 とくい 性 せい が無限 むげん 大 だい に大 おお きいこと(オキシゲナーゼ活性 かっせい が発生 はっせい しないように、S c/o = ∞)
現実 げんじつ のRubisCOは紅色 こうしょく 非 ひ 硫黄 いおう 細菌 さいきん Rhodospirillum rubrum の場合 ばあい 、比 ひ 活性 かっせい が高 たか いもののミカエリス-メンテン定数 ていすう が高 たか く、高 こう CO2 濃度 のうど に適応 てきおう している。一方 いっぽう 、タバコのRubisCOは比 ひ 活性 かっせい は低 ひく いが、ミカエリス-メンテン定数 ていすう が低 ひく いため、低 てい CO2 濃度 のうど に適応 てきおう している。この結果 けっか 、現状 げんじょう で最 もっと も1.の条件 じょうけん を満 み たしているRubisCOはタバコとなりその値 ね は k cat /K m = 3.2 × 105 である。タバコRubisCOのミカエリス-メンテン定数 ていすう (K m = 10.7 μ みゅー M) を参考 さんこう にした場合 ばあい 、逆算 ぎゃくさん されうるPerfect RubisCOの比 ひ 活性 かっせい は1070 s−1 となり、既存 きそん のRubisCOの100倍 ばい 以上 いじょう である。
2006年 ねん にシアノバクテリア Synechococcus PCC7492のRubisCO遺伝子 いでんし の大量 たいりょう のランダム変異 へんい 体 たい を獲得 かくとく し、大腸菌 だいちょうきん 内 ない でRubisCOが機能 きのう する場合 ばあい にのみペントースリン酸 さん 経路 けいろ の一部 いちぶ を用 もち いたカルビン-ベンソン回路 かいろ によって発現 はつげん 宿主 しゅくしゅ が生育 せいいく 可能 かのう になる系 けい にて優 すぐ れたRubisCOの選抜 せんばつ を行 おこ なった報告 ほうこく がある[ 2] 。本 ほん 系 けい では、RubisCO遺伝子 いでんし の変異 へんい のみで発現 はつげん 量 りょう が野生 やせい 型 がた の約 やく 15倍 ばい あるいは比 ひ 活性 かっせい が5倍 ばい になるRubisCO変異 へんい 体 たい が得 え られている。このような、発現 はつげん 量 りょう の増大 ぞうだい や比 ひ 活性 かっせい の向上 こうじょう が見 み られる理由 りゆう は構造 こうぞう 生物 せいぶつ 学 がく 的 てき に明 あき らかになっていないが、RubisCO自身 じしん の安定 あんてい 性 せい に寄与 きよ している変異 へんい が導入 どうにゅう されている事 こと が一因 いちいん と考 かんが えられている。本 ほん 系 けい を上手 うま く応用 おうよう することにより、今後 こんご さらに優 すぐ れたRubisCO変異 へんい 体 たい が得 え られるのではないかと期待 きたい されている。
^ Andrews, T. J.; Whitney, S. M. (2003). "Manipulating ribulose bisphosphate carboxylase/oxygenase in the chloroplasts of higher plants." Arch. Biochem. Biophys. 414 : 159–169. PMID 12781767 .
^ Parikh, M. R.; Greene, D. N.; Woods, K. K.; Matsumura, I. (2006). "Directed evolution of RuBisCO hypermorphs through genetic selection in engineered E.coli ." Protein Eng. Des. Sel. 19 : 113-119. PMID 16423843 .