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ヴィクラモールヴァシーヤ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウルヴァシーとプルーラヴァスおう

ヴィクラモールヴァシーヤVikramorvasīyam)は、インド詩人しじんげき作家さっかであるカーリダーサ戯曲ぎきょくぜん5まく。『勇気ゆうきたけいさむ(ヴィクラマ)によってられたウルヴァシー』のアプサラスウルヴァシープルーラヴァスおうとのこい物語ものがたり改作かいさくし、戯曲ぎきょくしたもの。

物語ものがたり[編集へんしゅう]

恋人こいびとたちのこいと、別離べつり、そして再会さいかいという大筋おおすじ変化へんかはないが、しかしおおくの部分ぶぶん改作かいさくられる。

  • だい1まく:プルーラヴァスは悪魔あくまられたウルヴァシーをすくし、そのうつくしさに魅了みりょうされる。しかしウルヴァシーはインドラかみ召還しょうかんされ、2人ふたりはなされる。
  • だい2まく2人ふたりはつかの逢瀬おうせたのしむが、ウルヴァシーがいた手紙てがみ王妃おうひ発見はっけんされ、プルーラヴァスはあやまるがききいれてもらえない。
  • だい3まく:ウルヴァシーはのろいにかかり、プルーラヴァスに自分じぶんたちのられると、2人ふたりわかれなければならない運命うんめいとなる。
  • だい4まく:ウルヴァシーとプルーラヴァスがカイラスやま付近ふきん彷徨ほうこうっているとき、ウルヴァシーは女人にょにん禁制きんせいクマーラかみもりはいんでしまい、かみいかりによってつるくさ姿すがたえられてしまう。プルーラヴァスはもり木々きぎ動物どうぶつたちにウルヴァシーがどこにいるかきながらさがす。するとてんからこえこえてきて、かれみちびく。かれがつるくさ発見はっけんしていだくとウルヴァシーはもと姿すがたもどる。
  • だい5まくすうねん、プルーラヴァスはウルヴァシーがひそかにんでかくしていたアーユスに偶然ぐうぜん出会であう。のろいによってウルヴァシーは天界てんかいもどるが、インドラは悪魔あくま討伐とうばつのためにプルーラヴァスの協力きょうりょく必要ひつようであるとかんがえ、ウルヴァシーをおっともともどることをゆるす。

おも登場とうじょう人物じんぶつ[編集へんしゅう]

  • プルーラヴァスおう
  • マーナヴァカ:おう側近そっきんであるバラモンそう
  • ウルヴァシー:アプサラス。
  • ラムバー有名ゆうめいなアプサラス。
  • メーナカー有名ゆうめいなアプサラス。
  • チトラレーカー:アプサラス。ウルヴァシーとともにさらわれる。
  • サハジャニャー:アプサラス。
  • 奥方おくがた:プルーラヴァスの正妃せいひ。カーシーこく王女おうじょ
  • ニプニカー:奥方おくがた腹心ふくしん侍女じじょ
  • ラータヴィヤ:後宮こうきゅう執事しつじ
  • キラータやまみん)のおんなおう払子ほっすかかり
  • ヤヴァナギリシアじん)のおんなおう武具ぶぐがかり
  • ナーラダせん有名ゆうめいひじりせん
  • アーユス:プルーラヴァスとウルヴァシーの
  • サティヤヴァティー:苦行くぎょうおんな。ウルヴァシーのい。
  • ガーラヴァ、パッラヴァ:ともにバラタせん弟子でし
  • チトララタガンダルヴァぞくおう
  • その座頭ざがしら小頭こがしら御者ぎょしゃ詩人しじんかみ々の使者ししゃ

評価ひょうか[編集へんしゅう]

改作かいさく脚色きゃくしょく手際てぎわさがたか評価ひょうかされるカーリダーサにあっては、平凡へいぼんというのが『ヴィクラモールヴァシーヤ』にたいする共通きょうつう評価ひょうかであるが、だい4まくのプルーラヴァスがウルヴァシーを見失みうしなって狂気きょうきおちいり、大半たいはん部分ぶぶん一人ひとり演技えんぎする場面ばめんはきわめて独特どくとくである。もっともこの場面ばめんはインドの詩論しろん学者がくしゃ非難ひなんけている。カーリダーサはおおくの模倣もほうさくんだが、この4まく同様どうよう演出えんしゅつはそのほとんどられなかった。

日本語にほんごやく[編集へんしゅう]

  • 武勲ぶくんおう)にちぎられし天女てんにょウルヴァシー」-『おおやけおんなマーラヴィカーとアグニミトラおう いちへん』に収録しゅうろく大地だいちはらゆたかやく岩波いわなみ文庫ぶんこ、1989ねん3がつ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]